ワールドミュージック

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ワールドミュージック (World music) とは、音楽のカテゴリー(ジャンル)のひとつで、世界各地の様々な様式の音楽を包括する概念であり、また(あるいは)2つ以上の文化的伝統が混交している音楽である。

概要

この用語は民族音楽学者のテンプレート:仮リンクが1960年代前半に造語したものである。当時彼はウェズリアン大学におり、学部生の教育・訓練を行っており、効果的に学習させるために、アフリカやアジアの演奏家たちを10以上招いて一連のワールドミュージックコンサートを開催したのである。[1][2]

「world music」は最初、学術の世界で非・西洋の音楽を指すために用いられたわけであり、またグローバル化が進む世界の音楽を聴き手にとどけるためのジャンル名、マーケティング用語としても用いられるようになった。

一連のコンサートで世界の様々な地域の音楽が演奏されたり、ひとつの曲が世界の様々な楽器を混成した楽団で演奏される。 

ワールドミュージックというジャンルが発展するにつれ、現在では様々なハイブリッド的なサブジャンルを含むようになっている。たとえばワールドフュージョン、グローバルフュージョン、エスニックフュージョンといったサブカテゴリもあるのである。


フランスでは毎年、夏至の6月21日、フランスの様々な地域で「Fête de la Musique フェット・ドゥ・ミュジーク」(音楽祭)が開かれており、ここでは特定の地域の音楽に限定することなく、世界中の音楽の演奏家たちが参加しフランス全土で演奏する音楽祭である。また、このFête de la Musiqueの日以外でも、世界各地の演奏家を招いて、フランスの音楽家と楽曲を共作し演奏したり、相互の伝統を融合させた演奏がさかんに行われている。

地域が異なると音階のシステムや調律 等が異なっていることは多いので、そこをどう調整して融合させてゆくかという難しさはあるが、それぞれの良いところをうまく組み合わせると、従来のジャンルのレベルを超えるほどに聴衆の心を強く打つ音楽が生まれる。

ヨーロッパでは、夏場のバカンスシーズンに、各地(多くの場合、リゾート地)で、ワールドミュージックのフェスティバルが開催されている。ヨーロッパ各国で「World Music Day」という名のワールドミュージックの祭りが開かれている。

1982年にピーター・ガブリエル がイギリスでウォーマッド (WOMAD, World of Music, Arts and Dance) という音楽祭を主宰し、やがてこの音楽祭はヨーロッパ各地、アジア、アフリカのカナリア諸島などに広がった。


日本とワールドミュージック

日本では、マドレデウスブルガリアン・ボイスレディスミス・ブラック・マンバーゾ、などが話題となった。

ウォーマッドも日本でも1991年から5年間開催された。 また日本の音楽グループで、ワールドミュージック風の楽曲を演奏するグループも登場した。

日本の三味線の演奏家やの演奏家や和太鼓の演奏家 等々が海外から招かれて飛び、現地の音楽家と一緒に、現地の音楽と日本の音楽が融合した音楽を作る活動はしばしば行われている。

たとえばフランスの演奏家から招かれて、フランスのピアニストや弦楽器演奏家などとともに演奏するということも行われている。日本の楽器と西洋の楽器の混成の楽団(バンド)をつくり、ひとつのコンサートの中で、共に日本の曲を演奏したりフランスの曲を演奏したり、新しいオリジナル曲を演奏するという方法がひとつである。様式が異なるので、一般的にいきなり即興で融合させるというのは困難であり、事前に双方の音楽を録音で聴いたり楽譜を確認するなどして互いにじっくり研究して、またリハーサルも行って問題点を洗い出して調整して、それから本番の演奏を行うということになる。


「ワールド・ミュージック」が含みうる要素

アフリカ

アジア

東南アジア

南アジア

西アジア

東アジア

ラテンアメリカ

カリブ海

*英語圏によるもの

オセアニア

ヨーロッパ

アメリカ

脚注

  1. テンプレート:Cite web
  2. テンプレート:Cite web

関連項目

テンプレート:世界の音楽