レミー・キルミスター

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テンプレート:Infobox Musician レミーLemmy)、あるいはレミー・キルミスターLemmy Kilmister)の芸名で知られるイアン・フレイザー・キルミスターIan Fraser Kilmister 1945年12月24日 - )はイングランドスタッフォードシャー出身のロックミュージシャンイギリスロックバンドモーターヘッドの創設者にしてリーダーであり、グループではベース、激しいダミ声を使ったボーカルおよび大多数のレパートリーの作曲を担当する。

来歴

ストーク・オン・トレントで生まれ、ウェールズアングルシー島で育った。

少年時代からライブに通い、駆け出し時代のビートルズも見ている(そればかりか、ジョン・レノンが客と殴り合いをするところまで目撃したと語っている)。

1960年代にはジミ・ヘンドリックスのローディをしていたという。タブラを使用した異色ロックバンド、サム・ゴパル(SAM GOPAL)でボーカル、ギターを担当した後、1974年サイケデリック・バンド、ホークウインドにベーシストとして加入、同バンドの全盛期を支えたがドラッグの問題などでバンドを解雇される。その後、大音量で演奏するフリークアウト・ミュージックをコンセプトに自らが率いるモーターヘッドを結成した。

以来30年以上に渡り、モーターヘッドの不動のフロントマンとして活動中。この間、パンクロックの興隆とハードロックの衰退、NWOBHMの勃興と世界的なヘヴィメタルブーム、オルタナティブ・ミュージックの台頭など音楽シーンは激動するも、彼の創り出す独特の爆走型ロックン・ロールは不変であり、どの世代からもどの時代のミュージシャンからも支持され続けている。それぞれの時代で若手のバンドをツアーに帯同させてチャンスを与えるなど、常にシーンの兄貴分として敬愛され続ける存在でもある(ガールスクールタンクを発掘したのも彼である)。

ホークウィンド、モーターヘッド以外の活動では、ラモーンズのライブにゲスト参加したり、アイアン・メイデンのトリビュートアルバムで「The Trooper」をカバーしている他、フー・ファイターズのフロントマンのデイヴ・グロールのプロジェクトである「プロボット」に参加している。

器材・演奏スタイル

ベースは一貫してリッケンバッカーを使用。4001、4003を使用し、最近はシグネイチャー・モデルの4004を使用している。この大きなベースをフロントピックアップ付近(かなりネック寄りの位置)でピック弾きするのが彼のスタイル。高音弦を多用し、複弦を用いての5度コードを基本とする。マーシャル・アンプとの組み合わせでベースとは思えない、ギターのような歪んだ音で演奏する、非常に個性的なスタイルを貫き通している。またマイクを顔より高い位置にセットし、やや上を向いて歌うのも特徴である。(理由は、"下を向くと吐いてしまうから”らしい)

人物

  • ひげ面、長髪、頬の大きなイボがトレードマーク。本国イギリスでは良くも悪くもロック・ミュージシャンの象徴的存在として老若男女に知れ渡っており、テレビで彼の生き様を取り上げた特番やツアーの特集が組まれたり、ポテトチップス(現地ではクリスプスと呼ぶ)のテレビCMに出演するなど、意外にもお茶の間の人気者でもある。
  • 定住する家を持たず、ホテルとツアーバスを渡り歩く1960〜70年代ミュージシャンのスタイルをかたくなに守り続けている。
  • コーラジャックダニエル割り(「ジャックダニエルのコーラ割り」ではない)を常に愛飲し、1975年のバンド結成以来シラフでいたことは一度もないという。2005年頃から体調を崩すことがあったが、インタビューで2000年頃に糖尿病と診断されていることを公表。それに対して彼がしていることは、ジャックダニエルとコーラの比率を変えることだけだとか。
  • ライブ終了後は睡眠時間を削ってでも本を手にする(ツアーのドキュメントによれば、4時間しか眠らないらしい)という非常な読書家でもあり、戦記物などを特に愛読している。
  • ナチス関係のコレクターであり、世界一を自称する。このことでドイツ人やユダヤ系の団体から糾弾されることもある。但し本人曰く、これはあくまで単なるコレクションであり、ナチスネオナチの思想に賛同することはなく、コレクションの理由は純粋にデザインが美しいからであったり、何故あのような悲劇が起こったかへの関心であると述べている[1]
  • 結婚などについては公表していないが、息子が少なくとも一人おり、ミュージシャンである(あった?)ことは確実。但しこれについても、「自分のイメージが彼にとってマイナスとなる可能性もある」ために公にはしていないが、実は陰で物心両面ともサポートしているらしい。彼の思慮深さを語るエピソードである。2010年に公開されたレミーのドキュメンタリー映画『極悪レミー』に息子が出演している。
  • 若き時代からJ・R・R・トールキン指輪物語』のファンであり、トールキン・ファンが多数登場するドキュメンタリー映画『リンガーズ ~ロード・オブ・ザ・ファンズ~』にも主要なコメント担当者として出演している。

脚注

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外部リンク

  • アルバム『ボマー』のライナーノーツより