レタス

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テンプレート:Otheruseslist テンプレート:生物分類表 テンプレート:栄養価 レタス(学名:Lactuca sativa)は、地中海沿岸、西アジア原産のキク科アキノノゲシ属一年草または二年草野菜として利用される。和名は、チシャ(萵苣・苣、チサとも)。

利用

欧米では葉部分を主にサラダハンバーガータコスなどに利用し生食するが、フランスではソテーにすることもある。紀元前6世紀よりアケメネス朝ペルシアで栽培が始められ、古代ギリシャでは媚薬・催淫薬として広く食された[1]

日本の多くの地域では古くから掻き萵苣(カキヂシャ)が食用利用され、1697年に出版の『農業全書』にも栽培や品種、調理法などが記されている。現代の市場には玉レタス、リーフレタス、サラダ菜など様々あるが、日本においてはクリスプヘッド型の玉レタスが主に流通し、サラダにして生食することが多い。その他、みそ汁やスープの具、おでんの添え物やおひたし、蒸し煮や炒め物、チャーハンの具など、諸々に調理され各家庭から料理店と広く用いられている食材である。

中国などでは中華炒め、鍋料理、クリーム煮など加熱調理することが多く、葉だけでなく茎も重要な食材となる。また、加熱する事によって独特の苦味が弱まると共に旨味が増す。

レタスだけを使ったサラダを英語で「ハネムーンサラダ」と言う。Lettuce only、もしくはLettuce alone(レタスだけ)の発音をLet us onlyやLet us alone(私たちだけにして)に引っ掛けたものである。

ジョン・スタインベックの小説『エデンの東』には、主人公の父・アダムがレタスを氷で冷却保存して輸送する「コールドチェーン」事業に挑戦する場面が描かれている。

形態

レタスは生育初期のが非常に短く、ロゼットを形成する。他の野菜と異なり、高温条件が続くと開花のために茎を伸張・分枝させる。この現象を抽苔と言う。レタスでは一般に日平均温度の積算が1700~2500℃で芯が伸張し始める。開花時には、茎を伸張・分枝させ、直径1cm程度の黄色いタンポポを小さくしたような花をその先に付ける。なお、開花時間は非常に短く、朝の1~2時間程度しか咲かない。葉を食用にする際は、抽苔が起こる前に収穫しなければならない。

新鮮なレタスを切ると白い乳状の苦い液体が滲出するが、これはラクチュコピクリンと呼ばれるポリフェノールの一種である。レタスの語源はラテン語で「牛乳」という意の語Lacであり、また、和名のチシャ(チサ)も「乳草(ちちくさ)」の略で、共にレタスの切り口から出る液体の見た目に基づき付けられた呼び名である。ラクチュコピクリンには「軽い鎮静作用、催眠促進」の効果があり、茎に多く含まれる。19世紀頃までは乾燥粉末にしたレタスを鎮静剤として利用していた。

俗説で「玉レタスを4分の1程度食べると眠くなる」と言われ、韓国では仕事前の職業ドライバーが食べてはいけない食べ物として知られている。ビアトリクス・ポター絵本フロプシーのこどもたち」の記述をアイデアに、関西テレビにより、『発掘!あるある大事典』内で、実験結果が捏造された。捏造の理由は、試験では元々水分の多い生のレタス葉をすりつぶしたジュースを与えたために、ラクチュコピクリン含量が少なく、番組制作者の意図通りの結果が得られなかったためである(ラクッコピコリンの項を参照)。

分類

レタスは、その特徴により次の種類に分けられる。 テンプレート:Anchor

ヘッドレタス (L. s. var. capitata) - タマチシャ
クリスプヘッド型とバターヘッド型に細分することが出来る。クリスプヘッド型は一般的な結球性のレタスとして普及しているものであり、レタスといえば日本では通常これを想像する人が多いと思われる。クリスプ (crisp) とは、「ぱりぱりした」という意味であり、その名の通り歯触りがよい。バターヘッド型は、日本では一般的にサラダナ(サラダ菜)の名称で通っている。キャベツのような形のクリスプヘッド型とは違い、結球が緩い。

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リーフレタス (L. s. var. crispa) - 葉チシャ、チリメンヂシャ
非結球レタス。緑色の物もあるが、サニーレタスのようにアントシアニンが発現し、赤色を帯びる品種もある。

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立ちレタス (L. s. var. longifolia) - 立ちヂシャ
結球性レタス。ロメインレタス、コスレタスとも呼ばれる。ヘッドレタスのようにややつぶれた球ではなく、白菜のように丈の高い球状になる。シーザーサラダでは本来この種類を用い、アメリカでは、レタスの約3割がこの種類。日本での栽培・流通は外食産業、中食産業向けが中心で、まだ少ない。

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カッティングレタス (L. s. var. crispa) - カキヂシャ
分類上はリーフレタスの中に含まれるが、中国に7世紀頃に導入され、日本にも同じ頃から奈良時代にかけて導入された。日本では導入がもっとも古いレタス(チシャ)である。生長するに従い、下葉をかき(収穫)ながら食用とし、このためにカキヂシャ(掻き萵苣)と呼ばれる。日本でも食用としてきたが多くの場合は生食せず、茹でておひたし味噌和えなどにして消費してきた。山口県西部(旧長州藩)では、カキヂシャとほぐした焼き魚または煮干しなどを味噌で和えた郷土料理「ちしゃなます」(「ちしゃもみ」とも)が有名である。戦後は消費量が大幅に減ったが、近年テンプレート:いつ、日本でも韓国のように焼肉をサンチュ(カキヂシャの一種、チマ・サンチェとも)に包んで食べる方法が普及したために、再び流通が増えてきている。

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ステムレタス (L. s. var. angustana) - 茎チシャ
ステム (stem) とは「」を意味し、その名の通り茎を食用とするレタス。一般的にレタスの茎はロゼット状であるのに対し、ステムレタスの茎は30cm程にまで生長する。アスパラガスレタスともいう。日本では乾燥したものを水で戻して漬け物に加工した「山クラゲ」の名前の方が有名である。中国では、生の茎を炒め物に使う。

レタスに似ているものの生物学上において関係のない植物

ギャラリー

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脚注

  1. 宮崎正勝『知っておきたい「食」の日本史』角川ソフィア文庫・P223

関連項目

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外部リンク