ルフトハンザドイツ航空

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ファイル:LH-HQ, Köln-Deutz, Front 3.jpg
ルフトハンザドイツ航空の本社
ファイル:Lufthansa A380-800 D-AIMD RJAA.JPG
A380-800型機(D-AIMD)この機体には東京の名前が付けられ、最前部ドア後方に記載されている
ファイル:LH Cargo MD-11F D-ALCL.jpg
ルフトハンザ・カーゴのMD-11F型機
ファイル:Junkers JU-52 - ILA2002.jpg
ユンカースJu-52型機

ルフトハンザドイツ航空(ルフトハンザドイツこうくう、テンプレート:Lang-de, テンプレート:Lang-en)はケルンに本拠を置くドイツ最大の国際航空会社。ドイツのいわゆる「フラッグ・キャリア」とされているが、現在はドイツ国外の航空会社も多数傘下に置いている。

概要

2004年8月時点で世界89カ国327都市に就航、旅客数はエールフランス‐KLMに次ぐ欧州第2位、世界でも十指に数えられる[注 1]大規模航空会社(メガ・キャリア)であり、スターアライアンスの創立メンバーでもある。日本への乗り入れ開始は1961年で、就航地は東京国際空港成田国際空港関西国際空港中部国際空港である。

社名「Lufthansa」は「空のハンザ同盟」の意。ドイツ・エアロ・ロイド(旧ドイツ・ルフト・レーデライ)とユンカース空輸の合併で誕生した会社として、中世ドイツの「商人組合」にかけて「旅商人組合(同盟)」の意味を込め「ドイツ・ルフト・ハンザ株式会社」 (Deutsche Luft Hansa Aktiengesellschaft) とされた。

シンボル(ロゴ)のモチーフとなっている鳥はツルで、その理由は、(1) 鳥の中で最大級の大きさであること、(2) お伽話や童話で「天国の使い」、「幸運を呼ぶ鳥」、「長命のシンボル」等として取り上げられていることから。野生のツルを保護する活動も行っている。

カラーリングとして使用される色にはそれぞれ以下の意味が込められている。

  • 黄:「差別化」「発見」
  • 銀:「高い技術水準」
  • 白:「信頼」
  • 灰:「品質」

綿密な機体整備は高く評価されている。ニューズウィーク誌の「最も安全な航空会社ランキング」の第1位に選出されている。同社中古機の人気は高く、1980年代のピープルエキスプレスなど、ルフトハンザの中古機材を用いて就航している格安航空会社も多い。

機内インターネットサービスのFly Net(Connexion by Boeing)を提供していたが2006年12月31日をもってサービスを終了した。2009年10月、機内すべての場所で無線ネット接続を行うことができるFly Netサービス再開を発表[1]2010年下半期以降、長距離路線に順次導入される予定で、ドイツ主要都市とアメリカ主要都市を結ぶ路線が発表されている。

歴史

1926年1月、ドイツ政府26%、地方都市19%の出資によってJunkers LuftverkehrとDeutscher Aeroが合併し誕生した。これによって、DELAGを源流とするエアロユニオン系、海運会社ロイド(現・ハパックロイド)を中心とするロイド系、エンジンメーカのユンカース系と、それまでドイツにあった航空会社が1社に統合された[2]。合併後ヨーロッパ域内に路線網を拡大するほか、同盟国の日本満州国への路線も計画するものの、1945年5月の第二次世界大戦の敗戦以降は営業を停止された。

その後営業を再開したものの、1949年の東西ドイツ分断時には西ドイツ側の航空会社となった(但し当初は東側にも別の「ルフトハンザドイツ航空」が設立された)。その後はヨーロッパ域内のみならず、アジア、南北アメリカ中東アフリカなど世界各国に路線網を広げる。1990年の東西ドイツ再統一時に、東ドイツ側の国営航空部門であるインターフルークの事業を引き継いだ。

1997年に、エア・カナダスカンジナビア航空タイ国際航空ユナイテッド航空とともに、世界最大の航空連合であるスターアライアンスを結成した。2005年スイスインターナショナルエアラインズの買収を表明し、2006年に完全子会社化する。2009年9月、オーストリア航空を買収したことを公表した[3][4]

ルフトハンザグループ

ルフトハンザは多くの子会社を所有している。主なものを以下に挙げる。

 注)コンドル航空は、2009年よりトーマス・クック・グループへ移った模様。

現在、欧州内のドイツ語圏4か国(ドイツ、オーストリア、スイスの一部、ベルギーの一部)のフラッグ・キャリアが全てルフトハンザの傘下となっている。

就航都市

機材

ファイル:Airbus A340 - Lufthansa - 001.jpg
スターアライアンス塗装のA340-300型機
ファイル:Lufthansa-1.jpg
ボーイング 737-300型機
ファイル:Lufthansa Boeing747-430.JPG
ボーイング 747-400型機

運航機材

機材 保有数 発注数 座席数 備考
F C Y
エアバスA319-100 32 1 138 138
エアバスA320-200 60 41 168 168
エアバスA320neo 0 60 No Data 順次導入予定
エアバスA321-100 20 - 200 200
エアバスA321-200 42 2
エアバスA321neo 0 40 No Data 順次導入予定
エアバスA330-300 18 1 8 48 161</br>165 217</br>221
エアバスA340-300 22 - 8</br>8</br>テンプレート:0 48</br>36</br>44 165</br>197</br>222 221</br>241</br>266
エアバスA340-600 24 - 8 60 238 306
エアバスA350-900 0 25 No Data 2016年以降順次導入予定
エアバスA380-800 10 4 8 98 420 526
ボーイング737-300 13 - 140 140 2015年までに順次退役予定
ボーイング737-500 13 - 120 120 2015年までに順次退役予定
ボーイング747-400 20 - 8 80</br>66 242</br>278 330</br>352
ボーイング747-8I 9 10 8 92</br>80 262</br>298 362</br>386 ローンチカスタマー</br>2015年までに順次導入予定
ボーイング777-9X 0 34 No Data 2020年以降導入予定
283 218
  • 2014年5月現在。2014年11月より、B747-8Iを皮切りに新しく「プレミアムエコノミークラス(PY)」が有償提供される予定。

備考

  • エアバスボーイングのどちらかに偏らず、複数の機種を数多く保有している。
  • ルフトハンザが発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は30で、航空機の形式名は747-230, 747-430, 747-430M などとなる。
  • エアバスA380-800では、機体それぞれに都市の名前が付けられている[注 2]

就航地(過去の就航地も含む)[注 3]:東京(D-AIMD)・北京(D-AIMC)・ヨハネスブルク(D-AIME)・ニューヨーク(D-AIMH)・サンフランシスコ

子会社運航機材

※ルフトハンザ・カーゴによる運用。 *ルフトハンザ・シティラインによる運用。

過去に運航していた機材

特別塗装機

ボーイング747-400(D-ABVK[注 6]),(*)
ボーイング747-400 (D-ABTH),(*) エアバスA340-300 (D-AIGC(**)、D-AIGN), エアバスA319 (D-AILF), エアバスA320 (D-AIPD), エアバスA321 (D-AIRW), ボンバルディアCRJ700(D-ACPQ、D-ACPS、D-ACPT)
  • 50 YEARS Innovation Partnership Boeing and Lufthansa」
ボーイング747-400 (D-ABVH)
ボーイング747-400 (D-ABVK[注 9],D-ABVS), ボーイング747-8 (D-ABYI[注 10],D-ABYO), エアバスA320 (D-AIDG), エアバスA340 (D-AIHQ)
  • 「Congraturations! BOEING 747 1500th[注 11]
ボーイング747-8 (D-ABYP)

(*)現在は、通常塗装による運航である。

ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス

ファイル:403-LH.jpg
ルフトハンザ・エアポートエクスプレスの403形電車

ルフトハンザはかつて、「エアポート・エクスプレス」という列車の運行に携わっていたこともある。これは都市から空港への連絡列車ではなく、航空便の代替を列車が行うという異例のものであった。

1982年から1993年にかけて、フランクフルト - デュッセルドルフ間のような短距離で採算性の低い国内線の代わりに当時のドイツ連邦鉄道(DB, 西ドイツの国鉄。現在は民営化されドイツ鉄道)に、チャーター列車「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」を運行したのである。

エアポート・エクスプレスは、列車の運転はDBの職員が行うものの、運賃は航空運賃が適用され、客席の乗務員や車内の軽食サービスなどはルフトハンザが行うという形態を取っていた。運行当初DB内での扱いは営業用の「LH」と共に全車一等車ということから「TEE」の列車番号が当てられていた。また、DBの時刻表には掲載されていない。

当初はDBの定期運用から外れて保留となっていたインターシティ向け電車403形を使用し、その後2セクタ目となったシュトゥットガルト線は客車列車となった。

現在これを継承するものとして、DBの定期列車であるICEの一部区画を間借りしてルフトハンザ旅客専用とする「AIRail」サービスを、フランクフルト(FRA) - ケルン(QKL)・シュトゥットガルト(ZWS)間で行なっている。

脚注

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注釈

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出典

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関連項目

外部リンク

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  1. ルフトハンザ航空、2010年から機内無線ネット接続サービス「FlyNet」再開
  2. 「航空情報 2010/12」酣燈社 p86-p90
  3. ルフトハンザ、オーストリア航空を月内グループ傘下に - 日本経済新聞
  4. ルフトハンザが欧州最大に オーストリア航空を買収 - 共同通信
  5. Lufthansa and IAG reach agreement in principle on the sale of British Midland Ltd. - ルフトハンザドイツ航空 (2011年11月4日)
  6. Die „Brandenburg“ grüßt Washington: Super-Jumbo B747-8 trägt Namen des Bundeslandes(ルフトハンザ公式サイト[ドイツ語版] 2012年6月1日)