ヤマユリ

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ヤマユリ(山ユリ、学名:Lilium auratum)とはユリ科ユリ属の球根植物

日本特産のユリ北海道関東地方北陸地方を除く近畿地方以北の山地の林縁や草地に分布する。和名は、山中に生えることからつけられた。

特徴

草丈は1-1.5m[1]。花期は7-8月頃[1]。花は、花弁が外に弧を描きながら広がって、1-10個程度を咲かせる。その大きさは直径20cm以上でユリ科の中でも最大級であり、その重みで全体が傾くほどである。花の色は白色で花弁の内側中心には黄色の筋、紅色の斑点がある。ヤマユリの変わりものには様々な呼び名がつけられていて、花被片の中央に太い赤色があるものを「紅筋」、斑点が少ない純白の花を「白黄」、花被片の斑点が黄色のものを「白星」という。花の香りは日本自生の花の中では例外的ともいえるほど、甘く濃厚でとても強い。発芽から開花までには少なくとも5年以上かかり、また株が古いほど多くの花をつける。風貌が豪華で華麗であることから、『ユリの王様』と呼ばれる。

食用

鱗茎扁球形で10cm程の大きさである。多糖類の一種であるグルコマンナン(コンニャクにも多く含まれる)を多量に含み、縄文時代には既に食用にされていた。

その他

1873年ウィーン万博で日本の他のユリと共に紹介され、ヨーロッパで注目を浴びる。それ以来、ユリの球根は大正時代まで主要な輸出品のひとつであった。西洋では栽培品種の母株として重用された。

ヤマユリは神奈川県県の花に指定されている。

関連項目

参考文献

  1. 1.0 1.1 テンプレート:Cite book p.431
 

外部リンク

ファイル:Lilium auratum - pollen.jpg
ヤマユリの花粉 電子顕微鏡画像。寸法は80μm×60μm

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