ポップコーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:出典の明記 テンプレート:Otheruseslist

ファイル:Popcorn02.jpg
ポップコーン

ポップコーン (popcorn) とは、トウモロコシを炒った食品である。主にスナック菓子として食されている。

製法

トウモロコシの品種である小粒で種皮が固いポップ種(爆裂種)を乾燥させた粒を、油やバターをひいたフライパンなどで数分間炒り続け、粒の中の水蒸気が沸騰し膨張する圧力に耐えられなくなった固い種皮が弾けてスポンジ状に膨張したものに食塩粉チーズ醤油、またはシロップキャラメルなどの甘い味の調味料や香料をかけて、そのまま食べるのが一般的である。なお、一般的に食べられている同じトウモロコシのスイート種(甘味種)では種皮が柔らかいためポップコーンには向かず、仮に乾燥させた物を炒っても全く弾けず黒焦げになるだけである。

爆裂種とは別の品種であるジャイアントコーンを圧力窯や穀類膨張機に入れて加熱し、減圧を利用して急激に膨張させて出来あがったものの表面に砂糖をかけ、乾燥させてそのまま食べるものは、「ジャンボコーン」や「ポリコーン」などと称されている。

調理後に弾け残った種子は再度炒ることで弾けることが有る。

歴史

ポップコーンはネイティブアメリカンがトウモロコシを利用し始めた頃から存在したらしい。ニューメキシコ州で紀元前3600年頃の遺跡からポップコーンの痕跡が見つかっている。どうやら、焚き火の中に乾燥させたポップ種の種子を投げ込んで、焚き火から飛び出した物を食べていたようである。16世紀から17世紀にかけてアメリカ大陸にやってきたヨーロッパ人は彼らからポップコーンのことを知ったが、ヨーロッパではトウモロコシは専ら家畜の餌として利用され始めたため、ヨーロッパ大陸ではポップコーンはあまり広がらなかった。

ポップコーンが現在の人気を得たのは世界恐慌時代のアメリカ合衆国である。他のあらゆる物価がインフレーションで上がっていく中、ポップコーンは比較的値段が上がらなかったため、5~10セントという安値で買える塩味のポップコーンは映画を見ながら食べる映画館の定番となった。このことは恐慌中のアメリカの農家をいくばくか救ったとされる。

販売形態

  • ポップコーンとして出来上がったものを袋詰めにして販売する。
  • 映画館縁日などで、ポップコーン製造機で作成したものを販売する。特に映画館などでは、ポテトチップ煎餅とは異なり観客が食べても音が出にくい事から、興行側も好んで販売する。
  • カップに入ったトウモロコシを電子レンジで加熱してポップコーンにする自動ポップコーン製造機で無人販売する。おもちゃ売り場、ゲームコーナーなどにあることが多い。
  • アルミ箔製の、簡易なフライパンの中にトウモロコシを入れ、ガスレンジやガスコンロ、電気コンロで温めることで出来立てのポップコーンが出来るようにしているものを販売する。
  • ポップコーン用の粒をそのまま販売する。
  • 電子レンジで加熱することでポップコーンができる商品として販売する。

食品以外の用法

ポップコーンは軽く、人や物に当たっても傷つけない特性から、パーティー会場で用いられることもしばしばである。

梱包用の緩衝材として、味付けをしていないポップコーンが用いられることがある。使用後には飼料肥料として再利用できる。反面、発泡樹脂製の緩衝剤に比べて緩衝性能が劣り、カビ発生や虫害のリスクがある。

タンカーの座礁などにより漏れた重油を処理する訓練において、重油の代用として味付けをしていない大量のポップコーンで行うことがある。ポップコーンはの餌となるため、万が一回収し損ねても自然に悪影響を与えないテンプレート:要出典

関連項目

テンプレート:Sister