ポケモンカードゲーム

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ポケモンカードゲーム (Pokémon Card Game) は、コンピュータゲームシリーズ『ポケットモンスター』を題材としたトレーディングカードゲーム(TCG)。通称および略称はポケカPCGまたはPTCG(Pokémon TCG の略)。製造元は任天堂、発売元は株式会社ポケモン[注 1]である。

概要

『ポケットモンスター』シリーズ(以下、ゲーム版という)内でのポケモンバトルを再現したカードゲーム(以下、TCG版という)[1]。ただし、ゲーム版を原作としているわけではなく、ゲームボーイソフト『ポケットモンスター 赤・緑』と同時開発されていた。それゆえ、設定の相違が度々発生している。「任天堂ブランド(当時)のゲームを題材として任天堂が製造しているのに、発売元が任天堂でない」という矛盾点もあるが、これはゲーム版発売前の段階で打診されたときに、まだポケットモンスターの評価があまり高くない時期であったゆえに「製造は請け負うが、発売元としてのリスクは負わない」という見解が任天堂から出たためである。なお、製造元として、任天堂のウェブサイトにポケモンカード製造風景が掲載されたこともある[2]

基本コンセプト部分はゲーム版と同一であり、「ポケモントレーナー(TCG版で言うところの「プレイヤー」)に直接攻撃できない」などのルールは共通である。しかし同時開発であったために、当初はゲーム版との整合は細部までは取られておらず、順次取られていくこととなった。

1996年10月20日に最初の商品が発売され、2011年には発売15周年を迎えた[3][4]。日本「国産」では初の本格的なTCGであり、低年齢層を中心に普及し、のちのTCGブームの火付け役になったといえる。また日本国外でも展開されており、2013年3月現在、世界約73ヶ国で販売され、全世界で累計200億枚以上が出荷されている[5]。また、日本マクドナルドとしばしば提携を行っており、期間限定でプロモーションカードの配布や限定パックの販売が行われている(詳しくは、「ハッピーセット」を参照)。世界大会「ポケモンワールドチャンピオンシップスWCS)」をはじめ、国内大会も多数行われている。

ポケモンカードゲームの流通的な経緯については、早稲田大学IT戦略研究所の事例研究に概略がレポートされている[6]

発売タイトル

2013年12月までに以下の12シリーズが登場している[7]。本項目では、シリーズ名として以下の略称を用いる(カッコ内は略称、登場順)。

各シリーズの具体的な商品に関しては、ポケモンカードゲームの発売タイトル一覧を参照のこと。

  1. ポケットモンスターカードゲーム(初期シリーズ) - 発売開始:1996年10月20日[7]
    ただし、単に「初期」と記述されている箇所は、必ずしも初期シリーズを意味しないので注意されたい。
  2. ポケモンカード★neo(neoシリーズ) - 発売開始:2000年2月4日[7]
  3. ポケモンカード★VS(VSシリーズ) - 発売開始:2001年7月19日[7]
  4. ポケモンカード★web(webシリーズ) - 発売開始:2001年10月20日[7]
  5. ポケモンカードe(eシリーズ) - 発売開始:2001年12月1日[7]
  6. ポケモンカードゲームADV(ADVシリーズ) - 発売開始:2003年1月31日[7]
  7. ポケモンカードゲーム(PCGシリーズ) - 発売開始:2004年3月19日[7]
    シリーズ名が「ポケモンカードゲーム」であり、略称が「PCG」である。
  8. ポケモンカードゲームDP(DPシリーズ) - 発売開始:2006年10月27日[7]
    当シリーズ以降のカードは、「殿堂レギュレーション」において使用できる。
  9. ポケモンカードゲームDPt(DPtシリーズ) - 発売開始:2008年10月10日[7]
  10. ポケモンカードゲームLEGEND(LEGENDシリーズ) - 発売開始:2009年10月9日[7]
  11. ポケモンカードゲームBW(BWシリーズ) - 発売開始:2010年9月18日[7]
    当シリーズ以降が、現在の公式ルールの対象となっている。
  12. ポケモンカードゲームXY(XYシリーズ) - 発売開始:2013年11月8日[7]
    構築済みデッキ「はじめてセット/はじめてセット forガール」の発売によりスタートした現行シリーズである[8]

用語

ポケモンカードゲームは比較的歴史の長いTCGであり、途中で用語やルール改定が幾度となく行われている。ここでは基本的に最新ルールで用いられる用語を中心に記し、廃止された用語やルールなどは補足にとどめることにする。

プレイグラウンドなど

プレイヤー同士が対戦するスペースを対戦卓(無論、必ずしもテーブルの上で行う必要はない)などといい、その上のプレイヤーが使用するカードを置く場所をプレイグラウンドという。プレイグラウンドは5つの部分に分かれており、それぞれの位置と役割は決まっている。ロストゾーンと手札はプレイグラウンドに含まない。

バトル場とベンチを合わせて、という。説明文に書いてある「自分/相手のポケモン」とは、自分/相手の場のポケモンを意味する。また、「このポケモンがいる限り」とは、当該ポケモンのカードが場にある状態を示す。

なお、サポーター置き場は、BWシリーズから廃止された。

山札
自分側のプレイグラウンドの右側前列に位置する。用意したデッキをよく切って(シャッフル)、裏面(以下、ウラという。また、表面のことをオモテという)を上にして積んだカードの山を置く場所。そのカードの山のことも山札という。基本的に山札の上から1枚ずつカードを取り、手札に加えたり(山札を引くという。山札の下からカードを引く場合もある)サイドにおいたりする。山札のカードについて、指示もなくオモテを見たり順番を並び替えることはできない。カードの効果で、山札の指定されたカードを手札に加える場合は、そのカードの内容を相手プレイヤーに見せなければならない(好きなカードを加えるときは、相手プレイヤーに見せずに加えることができる)。山札のカードのオモテを見たり、手札やトラッシュなどのカードを山札にもどしたときは、通常はそのたびにシャッフルする。
XYシリーズから、カードの効果により山札のカードを選ぶ場合、指定された枚数以下のカードを選べるようになった(0枚選ぶということもできる)。ただし、山札以外のカードを選ぶ場合は、これまでと同じように処理する。[9]
シャッフル
対戦の前、または対戦中にカードの効果などで「山札を切る」と指示された時にシャッフルを行う。シャッフルの主な方法は、「まず山札のカードをウラのまま10枚並べ、その上に1枚ずつカードを重ねていき、出来たカードの束をランダムに重ねて再び1つの束にする」という方法が推奨されているが、時間がかかるため簡略化されることが多い。不正を防ぐため、自分がシャッフルした山札を相手プレイヤーに渡し、再び軽くシャッフルさせることが行われる[注 2][10]
バトル場
プレイグラウンドの中央前列に位置する。場のポケモンの内、1匹を必ずバトル場に置かなければならない。ワザの使用を行えるのは、バトル場にいるポケモン(バトルポケモンという)のみである。
バトル場の横には、手札から「スタジアム」を置いて使う。すでに置いてあるスタジアムと同名のカードを使うことはできない。別名のカードを出すとき、元からあったカードは持ち主のトラッシュに置く。
ベンチ
プレイグラウンドの中央後列に位置する。バトルポケモン以外の場のポケモンを置く場所であり、最大5枚まで同時に置くことができる。ゲーム版でいうところの「控え」であり、バトルポケモンが「きぜつ」や交代などをした際に、代わりにベンチにいるポケモン(ベンチポケモンという)をバトル場に出す。ベンチポケモンはワザを使うことはできないが、ワザのダメージや効果を受けないわけではない。
サイド
プレイグラウンドの左側に位置する。相手のポケモンを何匹気絶させたかを示すために、カードをウラにして置いておく場所。ゲーム版における、ポケモントレーナー戦に勝利した際の「賞金」を基にしたものともされる。ゲーム開始時に、スタンダードデッキでは6枚、ハーフデッキでは3枚を山札から引き、サイドに置く。相手のポケモンが気絶した時、自分はサイドからカードを1枚取り、手札に加える(専らサイドをとるという。後述のように、とる枚数は1枚とは限らない)。指示もなくウラになっているサイドのオモテを見てはならない。また、サイドはどの順番でとっても良いが、この場合もオモテを見て選んではならない。先にサイドのカードをすべてとり終えたプレイヤーの勝利となる。カードの効果により、山札のカードをサイドに置く(サイドが増加する)場合もある。
トラッシュ
プレイグラウンドの右側後列に位置する。気絶したポケモンやそのポケモンについていたカード、使用済みのトレーナーズのカードなどを置く場所。トラッシュにカードを置くことをトラッシュするまたは単にトラッシュという。トラッシュに置くカードはすべてオモテにし、お互いのプレイヤーは、自分や相手のトラッシュのカードを自由に見ることができる。ワザなどの効果で、トラッシュのカードを山札や手札にもどすことがあるが、その場合は相手プレイヤーに見せなければならない。
ロストゾーン
一部のカードの「ロストゾーンにおく」という効果によりカードが送られる場所。場所はサイドのさらに左側であり、プレイグラウンドの外である。DPシリーズ拡張パック第6弾「破空の激闘」から追加された[11]。ロストゾーンに置かれたカードはお互い自由に見ることができる。ワザなどの効果でカードの効果を参照する(枚数を数えてダメージを計算する、ポケモンのカードに書かれたワザを使うなど)ことはできるが、トラッシュと異なり、ロストゾーンに送られたカード自体は、その対戦中は再び使用することができない[12][13]
手札
山札やサイドから引いたカード。相手プレイヤーにオモテを見られないように手に持っておく(ただし、手札自体を隠してはならない)。手札のエネルギーカードを自分のポケモンにつけたり、トレーナーズのカードを使ったり、進化ポケモンを自分の場のポケモンに重ねて進化させたり、たねポケモンをベンチに出したりできる。お互いのプレイヤーは、いつでも相手の手札の枚数を確認することができるが、指示もなくそのオモテを見ることはできない。手札に枚数制限はなく、何枚でも持つことができる。プレイヤーが指示もなく手札をトラッシュすることはできない。

対戦用具

対戦をする時にプレイヤーが使用する用具を説明する。

デッキも対戦用具の一つである。ぴったり60枚のカードで構成されるスタンダードデッキと、30枚のハーフデッキとの2種類存在する。「たねポケモン」のカードが最低でも1枚入っていて、カードの種類ごとに定められた枚数制限(後述)をクリアしたデッキのみ、対戦に使用できる。

以下に掲げる用具は必ずしも公式のもの(主に単体で、またはセット類の付属として市販されている)を用いる必要はなく、対戦する両者が同意すれば、私製のものを用いてもよい。必ずしも使用しなくてもよいものもある。

プレイマット
カードを置く場所を明確にするため、またカードが対戦卓に直接触れることによる傷や汚れを防ぐため、その上にプレイマットを敷いて、その上で対戦することが多い。公式のものには、前述したプレイグラウンドの位置が描かれており、プレイヤーは決められた位置にカードを置く。2人分のプレイグラウンドが描かれたものの他、1人分のハーフプレイマットもある[14]。また、引っ張りや摩耗に強いことをうたった丈夫なプレイマットも市販されている[15]
デッキシールド
カードに傷や汚れが付かないようにカードに被せる、いわゆる「カードスリーブ」。公式のものが、32枚または62枚くらいのセットで市販されている[16]。スリーブ自体を守るために、内側や外側に別のスリーブを重ねてもよいが(多重スリーブ)、公式大会では2重までが推奨されている[17]。デッキごとに、用いるスリーブを何重かを含めて統一しなければならない。もちろん、オフィシャルでないスリーブを用いて、またスリーブを用いずに大会に出場することも可能であるが、カードやスリーブに傷や汚れがあってオモテを見ずにカードの判別ができる状態とみなされるもの(いわゆるマークド)は対戦で使用できない[10]
ダメカン
ポケモンの受けたダメージ量を表すためにポケモンのカードにのせるもの。公式の厚紙製のものがほぼすべてのスターターセットなどに同梱されている他、アクリル製のものが市販されている。従来から1つで10ダメージぶんを表すものがあったが、DPシリーズからは1つで50ダメージぶんを表すものが、BWシリーズからは1つで100ダメージぶんを表すものが、それぞれ登場した[18]。「ダメカンを○個のせる/とる」などと表記されている場合は、10ダメージぶんのものを指す。ポケモンに与えられたダメージは、自然に回復することはなく蓄積される。
DPtシリーズまでは「ダメージカウンター」と呼ばれたものが、LEGENDシリーズの開始に合わせて現在の名称に変更となった。以前のシリーズのカードに書かれている「ダメージカウンター」は、「ダメカン」と読み替える。
マーカー
ポケモンの受けている状態を表すチップであり、ポケモンのカードにのせて用いる。主に、毒状態を表す「どくマーカー」や火傷状態を表す「やけどマーカー」があり、公式のものがほぼすべてのスターターパックなどに同梱されている。他にも今までにかなりの種類のものが登場しているが、DPシリーズ以降では上記の2種類のみである。
コイン
ワザのダメージやトレーナーズの効果の成否などを決定するために、コインを用いる。公式の物はポケモンコインと呼ばれ、多くのスターターセットに付属している他、イベントなどの景品としてオリジナルデザインのものが配布されることもある。ホログラム(キラ)加工がなされ光っている面がオモテモンスターボールが描かれた黒一色の面がウラである。かつての公式ルールなどには「ポケモンの絵が描かれている面がオモテ」と記載されているものもあったが、現在ではポケモンの絵がないコインも存在するので注意されたい。
コインの代わりとして用いる公式のコインサイコロが存在し[19]、容易にコイントスできる透明の「二重サイコロ」がスターターセットに同梱されたこともある。それらのサイコロには、3面に「オモテ」、残り3面に「ウラ」と記載されている。コイントストラブルが起こりにくいことから、大会においても使用されることがある。
コイントス
コイントスとは、コインを指で弾いて(またはサイコロを振って)、縦に3回転以上させておたがいによく見える場所に落とし(両者とも見える場所以外に落ちてしまった場合はやり直し)、オモテ/ウラを判定すること。公式的にはコインを投げるといい、「コインを○回投げ」などと指示されたときに行う。オモテが出れば、コインを投げた人にとって有利な結果をもたらすようになっている(効果を使用したプレイヤーにとってではない)。そのため、トスのしかたを調節してオモテを出し続けようとする者がいるが、それは俗にパストスと呼ばれる重大なマナー違反である。

対戦中の現象

自分の番/相手の番とは、自分/相手プレイヤーのいわゆる「1ターン」のことである。公式的には「ターン」という呼称を用いず、「自分の番3回ぶん(=3ターン)」、「3回目の自分の番(=3ターン目)」などと呼ぶ[20]

進化など

ここでは、進化・退化について述べる。レベルアップ・レベルダウンについては、後述の「ポケモンLV.X」を参照。

進化・退化することで、受けていた特殊状態はすべて回復し、ポケモンにかかっていた持続する効果もすべてなくなる。ただし、ついていたカードやダメカンなどはそのままにしておく。

進化
ゲーム版における進化を再現したもの。TCG版における進化は、進化ポケモンのカード(進化カードという)を、それに書かれた説明文に従って、進化前のポケモンに重ねることをいう。進化カードは、進化前のカードがお互いに見えるように少しずらしておく。原則として、「たねポケモン・復元ポケモン→1進化ポケモン」「1進化ポケモン→2進化ポケモン」と段階的に行う。進化するとHPが増加し、より強力なワザを使えるようになる。ただし、進化前のポケモンのワザやポケパワーは使えなくなり(進化前のカードに書いてあるワザが使えるようになる効果を持つ特性などが存在する)、ポケボディーなどの効果もはたらかなくなる。持っていた特性もなくなる。
1回の番に何匹でも進化させられるが、ある番に場に出たばかりのポケモンや進化したばかりのポケモンを、同じ番に(再び)進化させることはできない。また、お互いのプレイヤーの最初の番には進化させることはできないが、これも同じ理屈であると解釈されている(反対に「場に出したばかりのポケモンも進化させられる」という効果においても同様である)。
M進化
ゲーム版におけるメガシンカを再現したもの。詳細は後述する。
退化
カードの効果によって、「退化させる」と指示された場合のみ起こる現象である。対象から進化カードをはがし、1進化前のポケモンへと退化させる(はがした進化カードは、指示に従い手札または山札にもどす。山札にもどした場合はシャッフルする)。このとき、グッズ「ふしぎなアメ」などの効果により飛び級の進化をしているなら、飛び級の退化をさせることになる。自分のポケモンであっても、指示もなくポケモンを退化させることはできない。退化した場合も、やはり同じ番に再び進化させることはできない。退化することでポケモンのHPが小さくなり、受けているダメージの方が大きくなった場合、そのポケモンは気絶する。

ポケモンチェックなど

ポケモンチェック
お互いのプレイヤーの番が終わるたび、お互いのポケモンの状態を確認すること。ポケモンチェックはどちらのプレイヤーの番にも含まれない。ポケモンチェックで効果の処理を行うことをチェックという。ポケモンチェックの時に効果がはたらく特殊状態・特性などのチェックを行う。
「自分/相手の番の終わりに~」という記述は、ポケモンチェックとは異なり、自分/相手の番の範疇である。例えば、ポケモンのどうぐ「たべのこし」の効果は「自分の番の終わり」にはたらくので、ポケモンチェックのいかなる処理よりも先に処理しなければならない。
特殊状態
主にワザの効果によってもたらされる状態で、以下の5種類存在する。ゲーム版における「状態異常」を基にしたものであるが、ゲーム版と異なる挙動をするものもある(カード版における挙動は後述)。カードの説明文においては、専ら太字・平仮名/片仮名で表記される。「どく」と「やけど」など、ゲーム版と異なり複数の状態が重なることがある。ただし、「ねむり」「マヒ」「こんらん」および同種の特殊状態同士は互いに重ならず、後に受けたものに上書きされる(例えば、ねむり状態のポケモンが新たにこんらんを受けると、後者になる。また、ダメカンを2個のせるどく状態のポケモンが、新たにダメカンを1個のせる通常のどくを受けた場合も、後者になる)。バトル場を離れる、気絶する[注 3]、進化・退化を行う、特定のトレーナーズの効果を受けるなどにより回復する。
どく(毒)
ポケモンに「どくマーカー」をのせることで表される。ワザを使うことも逃げることもできる。バトル場にいる限り、自然に回復することはない。
やけど(火傷)
ポケモンに「やけどマーカー」をのせることで表される。毒と同様、ワザも逃げるも使え、自然に回復しない。
ねむり(眠り)
ポケモンのカードを横向きにすることで表される(左右どちら向きでもよい)。眠り状態のポケモンは、特別な場合を除いてワザを使えず、逃げられない。
マヒ(麻痺)
眠りと同様、ポケモンのカードを横にすることで表される(左右どちら向きでもよく、眠りと表示上の区別をしなくてもよい)。麻痺状態のポケモンは、ワザを使えず逃げられない。
こんらん(混乱)
ポケモンのカードを前後逆向きにすることで表される。混乱はポケモンチェックとは無関係である。混乱状態のポケモンは、ワザの使用を宣言する時にコインを投げ、オモテならワザを使える。ウラならワザが失敗し、そのポケモンにダメカンを3個のせる(それ以上のせる場合もある)。自由に逃げられるが、自然には回復しない。
初期は、「ワザが失敗した場合、成功ならば与えるはずだったダメージを受ける(お互いの弱点・抵抗力・すべての効果の計算をしない)」「逃げる時もコイントスを行い、オモテなら成功。ウラなら失敗しエネルギーのみを失い、その番は再び逃げられなくなる」という効果であった。

その他の現象

きぜつ(気絶)
ゲーム版における「ひんし」、アニメ版における「戦闘不能」。ポケモンの受けているダメージが最大HP以上になったとき、また「ポケモンを気絶させる」という効果を受けたとき、ポケモンは気絶する。カードの説明文では専ら太字で「きぜつ」と表記される。自分のポケモンが気絶した場合、次の手順で処理を行う。
  1. 自分は、そのポケモンのカードと、その進化前のポケモンのカードや、その他ついているすべてのカードをトラッシュする。なお、カードの効果により、トラッシュの代わりにロストゾーンにおく場合もある。
  2. 相手は、(とれるなら)サイドをとる。
  3. 気絶したポケモンがバトルポケモンである場合、自分のベンチポケモンをバトル場に出して新たなバトルポケモンとする。
カードの効果により、サイドをとる枚数が1枚増える/減る場合や、気絶させてもサイドをとらない場合もある。気絶すると相手にサイドを2枚とられるポケモンも存在する。同時に複数のポケモンを気絶させた場合は、全員分のサイドをとる。
お互いのバトルポケモンが同じタイミングで気絶した場合は、先にベンチポケモンをバトル場に出すプレイヤーは次の通り。
  • 番の途中なら、その時のターンプレイヤーでない側が先に出す。
  • ポケモンチェック中なら、次のターンプレイヤー側が先に出す。
カードの効果により、場からポケモンのカードを直接トラッシュする場合があるが、「この効果は気絶ではない」と記述されている場合は、トラッシュしてもサイドをとることはできない。直接ロストゾーンにおく場合も同様である。
にげる(逃げる)
バトルポケモンをベンチに戻すこと。ゲーム版における「交代」である。カードの説明文では、DPtシリーズまでは専ら太字で「にげる」と名詞的に表記されていたが、LEGENDシリーズからは太字でなくなり、かつ動詞的に表記されるものもある。ルール上は「にげる」を使うともいう。ベンチポケモンがいるなら、自分の番に1回、ポケモンについているエネルギーカード(種類は不問)を、設定された個数分トラッシュして行う(0個と設定されているポケモンは、トラッシュせずに逃げられる。トラッシュするエネルギーが足りない場合や、ベンチポケモンがいない場合は逃げられない)。その後、ベンチポケモンをバトル場に出し、新たなバトルポケモンとする。特性やスタジアムなどの効果により、必要なエネルギーの数が増減またはなくなる場合がある。
必要なエネルギーの個数は、一概には言えないが、ポケモンごとのイメージによって一定の傾向がある。ただ、ゲーム版で「すばやさ」が高いポケモンなら必要なエネルギーが少ないとは限らない。例えば、ゲーム版ではほとんどのポケモンは進化するとすばやさが上がるが、カードゲームでは進化すると必要なエネルギーが減るポケモンはほとんどいない。
初期は自分の番に何回でも逃げられた。また、逃げるために必要なエネルギーのことを、LEGENDシリーズまではにげるエネルギーと呼んでいたが、BWシリーズからは公式的な用語としては廃止された。ただし、俗称としては残っている。
ポケモンの入れ替え
カードの効果で、バトルポケモンとベンチポケモンを入れ替えることがある。「逃げる」とは異なる行動であり、エネルギーをトラッシュしない。逃げられない状態のバトルポケモンも入れ替えられ、回数に制限はない。バトルポケモンを指定してベンチポケモンと入れ替える場合と、ベンチポケモンを指定してバトルポケモンと入れ替える場合の2パターンがあるが、どちらの場合も、効果を発生させた側が入れ替える元のポケモンを選び、受けた側が入れ替える先のポケモンを選ぶこととなっている[注 4]
同じ番にバトルポケモンを2回入れ替えたり、「逃げる」と入れ替えを1回ずつ行うことにより、バトルポケモンの受けている不利な状態を解消したままバトル場に居座ることができる。このテクニックをベンチキャンセルという[21]

タイプ

すべてのポケモンおよびエネルギーに設定されている属性。あるタイプのポケモンおよびエネルギーのことを、○ポケモンおよび○エネルギー(○にはそれぞれのタイプが入る)という。説明文では、タイプの名前は専ら以下に示すマーク(タイプアイコン)で表される。

ゲーム版ではタイプは17種類であるが、TCG版ではある程度簡略化され、現在11種類存在する。ゲーム版の「わざタイプ」に相当するものはない。ゲーム版のタイプも参照。

ゲーム版において複数のタイプを持つポケモンは、TCG版ではタイプの異なる複数の種類のカードとして登場することがある。また、以下の傾向とは異なるタイプでカード化されるポケモンも存在する。例えば、ゲーム版におけるルギアはエスパー・ひこうタイプのポケモンであるが、LEGENDシリーズの伝説ポケモン「ルギアLEGEND」は水タイプである。

草タイプ(くさ-)
ゲーム版におけるくさタイプ・むしタイプに相当する傾向にある。PCGシリーズまでは、どくタイプもここに属していた。葉っぱのマークで表される。
炎タイプ(ほのお-)
ほのおタイプに相当する。のマークで表される。ゲーム版におけるほのおポケモンの種類が少ないため、カードゲームにおいても他タイプに比べ数が少ない傾向にある。
水タイプ(みず-)
みずタイプ・こおりタイプに相当する。水滴のマークで表される。ゲーム版におけるみずポケモンの種類が多いため、数が多い傾向にある。
雷タイプ(かみなり-)
でんきタイプに相当する。黄色稲妻のマークで表される。炎タイプと同様の理由により数が少ない。
超タイプ(ちょう-)
エスパータイプ・ゴーストタイプに相当し、DPシリーズからはどくタイプが加わった。のマークで表される。超タイプを持つポケモンは非常に多い。
闘タイプ(とう-)
じめんタイプ・かくとうタイプ・いわタイプに相当する。茶色のマークで表される。
無色タイプ(むしょく-)
ノーマルタイプ・ひこうタイプに相当する。BWシリーズ途中までのドラゴンタイプのポケモンも属している。六芒星のようなマークで表される。ワザを使うのに特定のタイプのエネルギーを必要としないポケモンがほとんどであるが、eシリーズ以降では、ゲーム版でドラゴンタイプであるポケモンの中には、エネルギーのタイプを複数必要とするワザを持っているものも存在する。このタイプを持つポケモンも多い。
悪タイプ(あく-)
あくタイプに相当する。、弧を下にした三日月のマークで表される。ゲーム版「金・銀」であくタイプが追加されたことに伴い、neoシリーズから追加された。当シリーズでは、新しいタイプであることを示すマークが付けられた。
鋼タイプ(はがね-)
はがねタイプに相当する。銀色、逆三角形の周囲を三本の曲線で囲んだようなマークで表される。悪タイプと同様、ゲーム版「金・銀」ではがねタイプが追加されたことに伴いneoシリーズから追加され、新しいタイプであることを示すマークが付けられた。
ドラゴンタイプ
ドラゴンタイプに相当する。金色(に近い色)、のようなマークで表される。BWシリーズ「ドラゴンセレクション」から追加された(新タイプであることを示すものは特に付されなかった)[22]。当タイプのエネルギーは存在せず、後述の「レインボーエネルギー」なども当タイプを持たない。BWシリーズに登場した当タイプのポケモンはすべて、2つのタイプのエネルギーを必要とするワザを持っている。
フェアリータイプ
フェアリータイプに相当する。マゼンタ、四芒星の両側を流線型の図形で包み込んだようなマークで表される。ゲーム版「X・Y」でフェアリータイプが追加されたことに伴い、XYシリーズから追加された[23]。同時に、「基本フェアリーエネルギー」も追加された。

ポケモンのカードの内容

主にポケモンのカードに書かれている情報である。

対戦に関係する情報

以下に、対戦に密接に関係する情報を挙げる。

カード名
ポケモンのカードの名前。ポケモン以外のカードの名前も同じ箇所に書かれる。同名/別名のカードの識別は、これにより行われる。具体的な識別方法は後述する。
HP
ポケモンごとに設定されたヒットポイント(体力)。受けているダメージの合計がHP以上になったポケモンは気絶する。必ず10の倍数である。強力なポケモンほどHPが大きい傾向にある。
タイプ
ポケモンに設定されたタイプ。1つまたは2つのタイプアイコンが付されている。詳しくは#タイプを参照。
分類
ポケモンのカードを手札から場に出す方法による区分。公式的には進化マークと呼ぶが、誤解が生じるため、本項目においては「分類」という呼称で統一する。「たね」「1進化」「2進化」などと記されている。ポケモン名の下あたりには、例えば「ハリマロンから進化」などと具体的な方法が明記されている。分類が同じならば、場に出す方法も同様である。詳しくは#ポケモンのカードを参照。
ワザ
ポケモンの持つ「」。ルール上およびカードの説明文においては、専ら片仮名で「ワザ」と表記される。TCG版におけるワザの挙動は、ゲーム版における同名の「わざ」と概ね似ている。ただし、ゲーム版ではダメージを与えられない「へんかわざ」とされているワザにダメージが設定されていたり、その逆の場合もある。ゲーム版の技(あ-こ)(さ-の)(は-わ)も参照。
ポケモンは、1~3個程度のワザを持っている(LEGENDシリーズ以降では高々2個)。ワザにはダメージや効果が設定されている(一方のみの場合もある)。ワザごとに、必要なエネルギーの種類と数が設定されており、必要な条件を満たせないワザは使えない。DPシリーズからLEGENDシリーズまでは、エネルギーを必要としないワザも一部存在する。そのようなワザには、必要なエネルギーの箇所にのようなマークが付されている。ワザを使っても、指示されない限りエネルギーはトラッシュしない。原則として、ワザを使用するとそのプレーヤーの番は終了し、ポケモンチェックに移行する。ワザは失敗することもあるが、失敗した場合もワザは使用したことになる。カードの効果により、特定の条件でワザのダメージを増減させたり、ダメージや効果を受けなくなる場合がある。
かつてはワザの説明文に、太字で「自分/相手」という表記(それぞれ、ワザを使うポケモン自身/ワザを受ける相手のバトルポケモンを意味する)が用いられたが、LEGENDシリーズから公式用語としては廃止された。
ワザのエネルギー
ワザ名の左にあるアイコンは、ワザに必要なエネルギーのタイプと数を示す。そのタイプは、草・炎・水・雷・超・闘・悪・鋼の8種類である。無色タイプのアイコンが付されているワザも存在するが、このアイコンは必要とするエネルギーの種類を問わないという意味であり、無色エネルギーを要求するものではない。なお、必要なエネルギーのタイプは、必ずしもポケモンのタイプと一致しない。例えば、「なみのりピカチュウ」は雷タイプのポケモンであるが、ワザ「なみのり」を使うにはエネルギーが必要である。
かつてはワザに必要なエネルギーのことをワザエネルギーと呼んでいたが、LEGENDシリーズから公式用語としては廃止された。
ワザのダメージ
ワザ名の右にある数字はワザのダメージを表し、HPと同様に必ず10の倍数である。ワザ名の下にある文章はワザの説明文であり、その説明に従ってダメージを与える対象・量が決定される場合がある。ダメージの右に「+/-/×」が付されている場合は、条件によってダメージが変動することを示す。強力なポケモンほど、ワザのダメージが大きい傾向にある。
ワザの効果
ワザの説明文のうち、ダメージ計算に関係しないものは、すべて効果である。ポケモンに与えるもの(バトルポケモンを特殊状態にする、ついているエネルギーをトラッシュするなど)、プレイヤーに与えるもの(グッズを使えなくする、山札からカードを引くなど)に分かれる。「相手のポケモンにダメカンをのせる」「相手のポケモンを気絶させる」などは、ダメージでなく効果であるので注意が必要である。なお、効果を持つワザを持っていないポケモンも存在し、俗にバニラと呼ばれている。HPやワザのダメージが小さくても、ワザの効果が優秀であるために強力なポケモンとみなされるものもある。
持続する効果
次の相手の番の終わりまで、ポケモンの弱点がなくなる」などといった、一定の期間続く効果のことを持続する効果という。ポケモンが受けている持続する効果は、バトル場を離れたり、進化・退化・レベルアップ・レベルダウンをすることでなくなる。プレイヤーが受けている持続する効果は、その効果が続く間はなくなることがない。なお、ワザ以外によっても一定の期間続く効果が発生する場合があるが、それらは持続する効果ではない。
特性(とくせい)
BWシリーズから登場。「宣言して使う」ものと、「自動的にはたらく」ものの2種類存在する。HPやワザが貧弱でも、特性が優秀であるために強力なポケモンとみなされるものもある。
前者は、ワザとは異なりエネルギーなしで使え、原則として使っても自分の番は終わらない。多くは「自分の番に1回使え……特殊状態なら使えない」能力であるが、相手の番に使えるもの、何回でも使えるもの、特殊状態でも使えるものなども存在する。一部に、手札やトラッシュで使うものも存在する。
後者は、その特性を持つポケモンが場に出ているだけで自動的に効果がはたらいている。ただし、はたらく条件の設けられているものが多い。
弱点・抵抗力
ほとんどのポケモンが弱点を持ち、多くのポケモンが抵抗力を持っている。複数の弱点や抵抗力を持つポケモンも一部存在する。弱点・抵抗力は、ゲーム版のタイプの相性を再現したものである。ただしゲーム版と異なり、ワザを与える側のタイプとは、そのポケモン自身のタイプである。ポケモンについているエネルギーのタイプでもない。それぞれのダメージの変化量は、PCGシリーズまではカードに記載されず、DPシリーズから記載されるようになった(具体的数値は後述)。ポケモンに設定される弱点・抵抗力は、概ねゲーム版のそれと一致しているが、本来は「効果はいまひとつ」であるはずのタイプが弱点として設定されていたり、「効果はない」はずのタイプが抵抗力として設定されず、場合によっては弱点として設定されることもある。ゲーム版のタイプ相性も参照。
弱点・抵抗力の影響を受けるのは、ワザのダメージだけである(例えば、ダメカンをのせるという効果において、のせるダメカンが増減することはない)。ワザを使うポケモン自身へのダメージも、弱点・抵抗力の計算をするが、ベンチポケモンへのダメージは、特別な場合を除いてそれらの計算をしない。弱点・抵抗力に両方当てはまる場合は、弱点の計算を先に行う。ダメージを与える時、弱点・抵抗力の計算をしないワザも存在する。
弱点
ポケモンが苦手とするタイプ。ワザを使うポケモンのタイプと同じタイプの弱点を持つポケモンにダメージを与える(弱点を突くという)場合、ダメージが増加する。増加量は、PCGシリーズまでは一律に「×2」とされていたが、DPシリーズからは増加量が個別に設定(+10~40、および×2)されている。LEGENDシリーズからは再び一律に「×2」となった。ポケモンが持っている2つの弱点(×2)の両方を突く場合、与えるダメージは4倍(=2×2)となる。弱点におけるダメージの変化量を変更する効果を持つ特性などや、弱点をなくす効果を持つスタジアムなどが存在する。
抵抗力
ポケモンが抵抗を持つタイプ。ワザを使うポケモンのタイプと同じタイプの抵抗力を持つポケモンにダメージを与える場合、ダメージが減少する。減少量は、初期は一律に半分(端数は切り上げ)、PCGシリーズまでは一律に「-30」とされていたが、DPシリーズからは減少量が個別に設定(-20~30)され、LEGENDシリーズからは一律に「-20」となった。
にげる
ポケモンが逃げる際にトラッシュしなければならないエネルギーの個数が無色タイプのアイコンの数で示されている。詳しくは前述した。
特別ルール
一部のポケモンに適用される特別なルール。BWシリーズからの「ポケモンEXのルール」や、XYシリーズの「M進化のルール」などがある。カードに明記されていないものと共に#特殊なポケモンおよび#過去のシリーズに登場したの節に詳述されている。
プラズマ団マーク
BWシリーズから登場している「プラズマ団」のカードであることを示す。詳しくは後述する。

その他の情報

  • ポケモンのカードには、以下のような対戦では用いない情報も記載されている。
ポケモンのデータ・説明文
「ポケモン学」による分類および高さ/重さ、ポケモン図鑑に書かれている説明文が記載されている。詳しくは、ポケモン一覧から各ポケモンの項目を参照されたい。
エキスパンションマーク
どの商品に入っているカードかを示す。スターターパックなどのカードがバラバラになっても、これを頼りに元に戻すことができる[24]。同名のカードを区別するのにも使える。
コレクションナンバー
各商品に封入されるカードの種類の総数と、その何番目のカードであるかを示す(例えば、20/50とあれば、50種類中の20番目のカードであることを意味する)。分子が分母より大きいようなカードも存在し、それらは公式的には「隠しカード」扱いである(例えば、51/50)。エキスパンションマークとともに、カードの区別にも用いる。
レアリティマーク
拡張パックにおける、収録カードの出やすさを示す。BWシリーズにおいては、出やすい方からC(コモン、とてもよく出るカード)・U(アンコモン、よく出るカード)・R(レア、珍しいカード)の3種類の他、隠しレアリティとしてSR(スーパーレア、とても珍しいカード)が存在する[注 5]。LEGENDシリーズ以前は、●(Cに相当)・◆(Uに相当)・★(Rに相当)などであった。
イラストレーター名
カードのイラストを描いた人物の名前が、「Illus. ○○」と記されている。
ファーストエディションマーク(1ST EDITION-)
各商品の初回生産分であることを示す。このマークが表記されていないカードは再版生産分である。(後述のカードを除く)BWシリーズ以降の構築済みデッキのカードはこのマークは取り除かれた為初回生産分か再版生産分かは一般では判断出来なくなった。なお、プロモーションカードにはこのマークは表記されていない。
  • 以下の情報は、現在の公式ルールに含まれるポケモンのカードには記載されていない。
レベル(LV.)
DPtシリーズまでのポケモンのカードには、カード名の右にレベルが示されていた(正確には、シリーズによって表示/非表示が繰り返されてきた)。単なるレベル違いのカードは、同名のカードとして扱われる。レベルはカードの区別には用いられるが、基本的には対戦に直接影響しない。レベルが「X」である「ポケモンLV.X」(後述)も存在する。
特殊能力
neoシリーズまで存在した、ワザ以外の能力。特性のように、使うタイプとはたらくタイプの2種類存在した。使い方やはたらき方は特性と同様であるが、それぞれ別物として扱う。初期シリーズでは単に「特殊能力」と呼ばれ、neoシリーズでは「特殊能力(ポケパワー/ポケボディー)」のように併記された。
ポケパワー・ポケボディー
特殊能力に代わって登場し、LEGENDシリーズまで存在した、ワザ以外の能力。ポケパワーは使うタイプに対応し、名称は赤字で表記される。ポケボディーははたらくタイプに対応し、名称は緑字で書かれる。
δマーク(デルタ-)
PCGシリーズに登場した「δ-デルタ種」のポケモン[25](後述)であることを示す。
きのみ(木の実)・どうぐ(道具)
DPシリーズに登場した「きのみつきポケモン」「どうぐつきポケモン」が持つ、ワザ以外の能力。当時存在したポケボディーのように自動で何度でもはたらくが、ポケボディーとは別物である。「ポケモンのどうぐ」にも含まない。
SPマーク(スペシャル-)
DPtシリーズに登場した「SPポケモン」(後述)であることを示す。

ルール

本節では、XYシリーズの登場に合わせて発表された基本的なルールを説明する。このルールをプレイルールと呼ぶ[26]。公式サイトには、カードのテキストなどの細かなニュアンスを理解するための、発展的な内容が記されているルールガイドもある[27]

公式大会などでは、運営・進行の円滑化を図るため、プレイルールに調整を加えたレギュレーションと呼ばれる特別ルールを使用することが多い[28]。イベント全体について定めたフロアルールもある[10]

なお、公式大会など以外では、お互いが納得できるなら必ずしもこれらのルールに従う必要はなく、オリジナルのルールを用いてもよいということになっている。なお、公式サイトには「かんたんルール」と称して、一部のルールを変更・省略したものがいくつか紹介されている[29]

基本ルール

  • 対戦は基本的に2名のプレーヤーにより、1対1で行われる。
  • スタンダードデッキでは、「基本エネルギー」および特別なカードを除く(以下同じ。特別なカードについては後述する)同名のカードを4枚まで入れられ、サイドを6枚おいて対戦を始める。ハーフデッキでは、同名のカードを2枚まで入れられ、サイドを3枚おく。
  • プレイルールとカードの効果が矛盾する場合は、カードの説明文を優先する[注 6]。1ターンに複数のエネルギーをポケモンにつけたり、飛び級の進化もできるのはこのためである。
  • 「○○する」という効果と「○○できない」という効果が重なった場合は後者を優先する。「ワザのダメージを受けない」という効果と「かかっている効果の計算をしない」という効果が重なった場合も後者を優先する。

プレイの流れ

対戦卓にデッキおよびその他の対戦用具を置き、対戦の準備をする。

  1. 「よろしくおねがいします」とあいさつをして、握手をする。
  2. デッキを前述の方法でシャッフルして、山札に置く。
  3. 山札から7枚のカードを引いて手札とする。
  4. 手札の中から、たねポケモン(ベイビィポケモンや「化石のルール」を持つグッズを含む。以下同じ)をウラにしてバトル場に出す。その上でさらに手札にたねポケモンがあるなら、追加で好きなだけウラにしてベンチに出してよい(出さなくてもよい)。
    この「追加でたねポケモンをベンチに出す」行為は、ここから7に進む前までならいつでも行える。ただし、5以後に出すポケモンを4で置いたバトルポケモンと入れ替えることはできない。
    最初に引いた7枚にたねポケモンが含まれない場合、相手に確認させた後、手札をデッキに戻し、再びシャッフルして手札を7枚引き直す(6.を参照)。
  5. 山札の上から決められた枚数のカードをとり、サイドに置く。
  6. 4.で相手が手札を引き直していたなら、このタイミングで、自分は山札からカードをもう1枚引いてよい(引かなくてもよい)。何度も引き直していたなら、その回数分まで山札のカードを引いてよい。ただし、お互いのプレイヤーが引き直していたなら、どちらのプレイヤーも追加で手札を引くことはできない
  7. じゃんけんをして、先攻・後攻を決める。勝ったプレイヤーが先攻となる。なお、カードの効果で先攻・後攻が決定されることもあり、その場合はじゃんけんの結果を無効にする[30]
  8. 場のポケモンをオモテにして、対戦を開始する。
  9. 先攻プレイヤーの番。初めに山札からカードを1枚引く。引く枚数を2枚にする効果を持つポケモンのどうぐが存在する。
  10. 1回の番の間には、以下の6つの動作を、任意の順序・タイミングで、回数に制限のない限り何度でも行える。
    • ベンチにたねポケモンを出す
    • ポケモンを進化させる
    • ポケモンに手札のエネルギーカードをつける
    • トレーナーズのカードを使用する
    • ポケパワー・特性を使う
    • 「逃げる」を使う
  11. ポケモンのワザを1つ使用する、またはワザを使用しないことを宣言することで番が終了する。詳しくは次節で述べる。
    XYシリーズの開始に伴い、先攻プレーヤーの最初の番にはワザが使えなくなった[31]
  12. ポケモンチェックを行う。詳しくは次節で述べる。
  13. 後攻プレイヤーの番。9.から11.を行う。
  14. ポケモンチェックを行う。

以下、決着がつくまで9.から14.までを繰り返す。対戦終了後にも、「ありがとうございました」とあいさつし、握手もする。

ワザの使用~ポケモンチェック

上記の11.および12.、すなわちワザの使用宣言からポケモンチェックまでの手順を説明する。なお、バトルポケモンがワザを使用しない場合は、すぐにポケモンチェックへ移行する。

ワザのダメージ・効果の順番
  1. バトルポケモンが使うワザを1つ決めて、相手プレイヤーに伝える。
  2. ワザを使うポケモンに「ワザの成否を判定させるカードの効果」がかかっているなら、その処理を行う。例えば、「ワザを使うとき……コインを1回投げる。ウラならそのワザは失敗」など。
  3. ポケモンが混乱状態なら、その処理を行う。
  4. 使うワザ自体に「失敗の条件」が設定されているなら、その処理を行う。「コインを1回投げ、ウラならこのワザは失敗」など。
  5. 「ダメージを与える前に……」と書かれた処理を行う。
  6. そのワザにダメージがある場合は、ダメージ計算をして、最終的なダメージをポケモンに与える[注 7]。計算方法はすぐ後で述べる。
  7. ワザにダメージ以外の効果がある場合は、その処理を行う。
  8. ワザを受けた後にはたらく効果の処理を行う。「ワザを使ったポケモンを毒にする」など。
  9. ダメージや効果を受けて、残りHPがなくなったポケモンは、ここで「気絶」判定となる。
    ただしポケモンに、残りHPがなくなって気絶する前にはたらく効果がかかっているなら、その指示に従う。「残りHPがなくなっても気絶せず、残りHPが『10』の状態で場に残る」など。
  10. ポケモンが気絶した時にはたらく効果の処理を行う。「自分の山札から好きなカードを1枚選び、手札に加える」など。
  11. 気絶したポケモンを、ついているすべてのカードとともにトラッシュする。気絶したポケモンに応じて、その相手はサイドをとる。
  12. 「自分の番の終わりに……」と書かれた処理を行う。
  13. 自分の番が終わり、ポケモンチェックへ移行する。
ダメージの計算方法
  1. ワザ名の右にある数字と、ワザの説明文に基づいて、ダメージ量を計算する。
    ここまでの計算でダメージが「0」以下となった場合は、ここでダメージの計算を終了する(ダメージは与えられない。以下同じ)。
  2. ダメージを与えるポケモンに、ダメージを変更する効果がかかっているなら、その処理を行う。例えば、グッズ「プラスパワー」の効果で、ワザのダメージを「+10」するなど。
    ここまでの計算でダメージが「0」以下となった場合は、ここで計算を終える。
  3. 弱点のタイプのポケモンから受けるダメージを増加させる(×2など)。
  4. 抵抗力のタイプのポケモンから受けるダメージを減少させる(-20など)。
  5. ダメージを受けるポケモンに、ダメージを変更する効果がかかっているなら、その処理を行う。例えば、ポケモンのどうぐ「しんかのきせき」の効果で、受けるダメージを「-20」するなど。
  6. 最終的なダメージをポケモンに与える。ここまでの計算でダメージが「0」以下となった場合は、ダメージを与えられない。
ポケモンチェックの順序
  1. 毒状態のポケモンに、ダメカンを1個(10ダメージぶん)のせる。のせるダメカンの数が2個以上である毒も存在し、俗に毒々(2個の場合)や○倍毒(3個以上の場合)などと呼ばれる。また、毒でのせるダメカンの数を増加させる効果を持つスタジアムなどが存在する[注 8]
  2. 火傷状態のポケモンに対してコインを1回投げ、ウラならダメカンを2個のせる。のせるダメカンの数を増加させる効果を持つ特性なども存在する。
  3. 眠り状態のポケモンに対してコインを1回投げる。オモテなら眠りから回復し、ウラなら眠りが続く。ポケモンチェックのたびにコインを2回投げ、2回ともオモテでなければ回復しない眠りも存在する。
  4. 麻痺状態で自分の番を1回過ごしたポケモンは、麻痺から回復する。
    • お互いのバトルポケモンが同種の特殊状態である場合、そのチェックは2人同時に行う。
    • ポケモンチェックの時にはたらく、カードの効果のチェックは、特殊状態のチェックの前に行うか後に行うか、任意に決められる。そのような効果が複数ある場合は、その各々について決められる。ただし、特殊状態のチェックの途中に割り込ませることはできない。
    • お互いのポケモン/プレイヤーにはたらく効果の場合、そのチェックの順序を決定するプレイヤーは効果を受ける側となっており、両者が受ける側になっている場合は、それぞれが順序を決定できる。そのため、客観的には「ある効果の処理の途中に別の効果の処理が割り込む」ということが起こりうる。
  5. すべてのチェックが終わった後、受けているダメージが最大HP以上になったポケモンや、気絶することになっているポケモンは、すべて同時に気絶する。ポケモンチェックが終わるまでは気絶しない

勝敗の判定

どちらかのプレイヤーが以下の条件を満たした場合、以下の説明に従って勝敗が決定する。

  1. サイドをとり終える
    相手のポケモンが何らかの原因で気絶するたびに、サイドをとっていく。サイドをすべてとり終えた時点で、そのプレイヤーの勝利となる。
  2. 場にポケモンがいなくなる
    自分の場にいるポケモンが、気絶などにより全員いなくなると、そのプレイヤーはサイドに関係なく敗北となる。ゲーム版で言うところの「全滅」と同じである。
  3. 番の初めに山札を引けない
    番の初めには、必ず山札からカードを引く。その時山札にカードがない場合、そのプレイヤーはサイドに関係なく敗北となる。ただし、番の途中に山札のカードがなくなっても(番の初めに山札の最後の1枚を引いた場合を含む)、その時点では敗北とならない。
  4. カードの効果での勝利
    このゲームはルールで勝利する他、カードの効果で勝利することもできる。現在そのような効果を持つカードは、LEGENDシリーズバトル強化パック「ロストリンク」[13]に収録されているスタジアム「ロストワールド」1枚のみ。「ロストワールド」が場に存在するとき、自分の番に、相手側のロストゾーンに6枚以上ポケモンのカードがある場合、このカードの効果を使用して自分の勝利とすることができる。
  • 大会によって定められた制限時間がなくなって対戦終了となった場合は、残ったサイドの枚数が少ないプレイヤーの勝利となる。サイドが同数の場合は、延長戦として、終了時点から対戦を再開し、先にサイドをとったプレイヤーの勝利となる(ゴールデンゴールのようなもの)。
  • 両者が勝利条件(1.2.)を満たした場合、勝利条件の多いプレイヤーの勝利となる。同数の場合、サドン・デスを行う場合がある[32]。サドン・デスでは、サイドを1枚のみセットし、最初から対戦をやり直して決着をつける。サドン・デスは、決着するまで何度でも繰り返す。サドン・デスを行わず、引き分けまたは両者敗北とする場合もある。

特殊ルール

殿堂レギュレーション
BWシリーズになった後の2011年に登場したレギュレーションの一つ[注 9][33]。強力なカードに対して、その強さに応じて殿堂ポイントが付けられる。殿堂ポイントは星(★)の数で表され、★(1ポイント)・★★(2ポイント)・★★★(3ポイント)のカードが存在する(これまでに★★★★(4ポイント)に指定されたカードは存在しない)[33]。このルールを用いたデッキには、殿堂ポイントの付けられたカード(殿堂カードという)を、その星の数が合計で4ポイント以下となるまでしか入れることができない。一部、対戦で使うことのできない禁止カードも存在する。
殿堂レギュレーションにより、公式ルールから本来除外されたDP - BWシリーズのカードを使用できる公式大会などが開催されている[34]。最新の殿堂レギュレーションは、2014年4月1日に改定された「殿堂レギュレーション ver.3.0」である。[35]
40枚デッキルール
初期シリーズのイントロパックのルール。基本的な進行はスタンダードデッキと変わらない。
ガルーラルール
2人一組で行う。ただし、実際に卓についてプレイするのは1人ずつ。デッキは前の裏面のカード29枚+「タッチ世代交代!」と今の裏面のカード29枚+「タッチ世代交代!」の30枚デッキを2つ使う。どちらかのチームのポケモンが気絶した時、もしくは「タッチ世代交代!」が使用された時、プレイヤーおよび使用するデッキを交代してゲームを続ける。
初期で「タッチ交代!」のカードを4枚入れた計64枚のデッキを2つ使うルールもある。
ミニマムルール
デッキは6枚。サイド・山札はなく、手札はデッキのカードすべて。逃げる時、トラッシュするエネルギーはすべて手札に戻る。相手のポケモンを1匹倒せば勝利。
クウォータールール
デッキは15枚。サイドは1枚。基本エネルギーを除く同名のカードは1デッキにつき1枚のみ。
プラスルマイナンルール
2人一組で行う。デッキは56~58枚のデッキに「タッチ交換!」のカードを2~4枚入れた60枚デッキ。手札は1人のプレイヤーにつき、最初に5枚引く。パートナーと相談してもよい。「タッチ交換!」が使用された際、パートナーと手札を交換する。1ターンごとにパートナーとプレイヤーを交代する。
ダブルバトル
ゲーム版におけるダブルバトルを再現したもの。使用できるカードは「今のウラ面」のカードに限る[注 10]。バトル場に出すポケモンの数は2匹となり、自分の場にポケモンが複数いる場合は、バトルポケモンを1匹だけにしておくことはできない。ベンチに出せるポケモンは4匹まで、自分の番ごとに使えるワザは片方のポケモンの1つだけで、どちらの相手のバトルポケモンに攻撃してもよい(ゲーム版とは異なり、自分のポケモンを攻撃することはできない)。ポケモンチェックの時、自分の両方のバトルポケモンが特殊状態なら、どちらから順番にチェックしてもよい。LEGENDシリーズの開始に伴い廃止された。

カードの種類

対戦に使用されるカードはポケモンのカード、エネルギーのカード、トレーナーズのカードの3種類に大別される。

BWシリーズ・第7弾「プラズマゲイル」からは、プラズマ団のカードという種類のものが登場している[36]。ポケモン・エネルギー・トレーナーズのそれぞれに、プラズマ団のカードは存在する。ただし、これは第4のカード種ではなく、他のカードとルール上の違いはない。

ポケモンのカード

ワザを使って戦う、ポケモンのカード。バトルは専ら、これらのカードによって行われる。

同じポケモンであっても、カード名が違うなら別名のカードである。例えば、「キュレム」「ブラックキュレム」「ホワイトキュレム」「キュレムEX」「ブラックキュレムEX」「ホワイトキュレムEX」はすべて別名のカードであり、スタンダードデッキにはそれぞれ4枚ずつ入れられる。

BWシリーズの開始に伴ってルールが変更され、場にいるポケモンの分類は、説明文によらずあくまで「当該ポケモンのカードに書かれた分類」として扱うようになった。例えば、「テッカニン」(DP5)のポケパワー「からぬけ」の効果で場に出た「ヌケニン」は、かつてはたねポケモンとして扱ったが、現在は進化していない1進化ポケモンとして扱う。

通常のポケモン

現行の公式ルールにおいては、いわゆる通常のポケモンとしてたねポケモンおよび進化ポケモンが存在する。

たねポケモン
手札から場に直接出すことのできるカードで、分類はたね。デッキには、この「たねポケモン」を最低でも1枚以上入れなければならない。
進化ポケモン(しんか-)
手札から場に出ているポケモンに重ね、進化させるカード。たねポケモンや復元ポケモンに重ねる1進化ポケモンのカード(分類は1進化)、1進化ポケモンに重ねる2進化ポケモンのカード(分類は2進化)が存在し、2つを合わせて進化カードという。カードの効果で、単に「進化ポケモン」と示された場合は、1進化ポケモンと2進化ポケモンの両方を指す。原則として、進化カードを直接場に出すことはできない。
基本的にゲーム版と同じ進化の段階を踏むが、かつて一度でもたねポケモンであったポケモンは、ゲーム版で進化前が追加されてもTCG版では進化ポケモンになったりせず、進化前のポケモンがたねポケモンとして追加されるのみである。このことは、後述の「ベイビィポケモン」を参照。

特殊なポケモン

復元ポケモン(ふくげん-)
BWシリーズ拡張パック第2弾「レッドコレクション」から登場[37]。「プロトーガ」「アーケン」など、ゲーム版における「化石ポケモン」がカード化されたものである。すべて分類は復元であり、たねポケモンでも進化ポケモンでもない。復元ポケモンを手札から直接ベンチに出すことはできず、山札にある場合のみ、対応するグッズの効果によってベンチに出すことができるという特別ルールを持っている(復元ポケモンのルールという。対応するグッズについては後述する)。手札の任意の復元ポケモンを直接ベンチに出す効果を持つスタジアムも存在する。
同・第9弾「メガロキャノン」[38]に登場した復元ポケモンは、すべて特性「たいこのよびごえ」の効果により、トラッシュから山札の一番下に移動させることができる。
ポケモンEX(-イーエックス)
BWシリーズ拡張パック第3弾「サイコドライブ・ヘイルブリザード」から登場[39]。後述の「ポケモンex」の後継的存在である。ポケモンEXには、カード名に「○○EX」とついている。HPが高かったりとても強力なワザや特性を持つものが多いが、気絶した場合、相手にサイドを2枚とられる(ポケモンEXのルール)。
かつてはポケモンEXは伝説のポケモンに限られていたが、同シリーズ「EXバトルブースト」で、進化形のポケモン(=非伝説)がポケモンEXのカードとして初登場した[40]。なお、「ドリュウズ」は1進化ポケモンであるが、「ドリュウズEX」はたねポケモンである。よって、「モグリュー」から進化させることはできない。
M進化のポケモン(メガシンカ-)
XYシリーズ第1弾「コレクションX・コレクションY」から登場[23]。特定のポケモンEXから進化させるカードである。M進化のポケモンには、カード名に「M○○EX」(メガ-)とついている(例えば「MフシギバナEX」など)。分類はM進化であり、進化ポケモンとして扱う。進化方法に一般の進化ポケモンとの違いはないが、M進化すると自分の番が終わる(M進化のルール)。なお、カード名のとおりポケモンEXでもあるため、気絶すると相手にサイドを2枚とられる。
プラズマ団のポケモン
プラズマ団のカードに属するポケモン。カードに「プラズマ団マーク」がついているが通常のポケモンと同名であり、例えば「ギギギアル[プラズマ団]」(公式的呼称)などと呼んで区別する[36]。「プラズマ団のポケモンEX」も存在する。また、ついているポケモンをプラズマ団のポケモンとして扱う効果を持つポケモンのどうぐも存在する。

過去のシリーズに登場した特殊なポケモン

以下は現在の公式ルールから除外されたポケモンのカード群である。基本的な公式大会では使用できないが、殿堂レギュレーションを用いた大会では使えるものもある。

特に記述がないものは、「たね」「1進化」「2進化」の各分類で登場している。

わるいポケモン
初期シリーズ拡張パック第4弾「ロケット団」からPCGシリーズにかけて登場[41][42]。分類はすべて「1進化」「2進化」である。わるいポケモンには、カード名に「わるい○○」とついている。HPが低めに設定されている反面、強力なワザを持つものが多い。わるい2進化ポケモンはわるい1進化ポケモンからしか進化できない。
PCGシリーズの「わるいポケモン」はすべて悪タイプを持っている(悪タイプともう1つ、合わせて2つのタイプを持つものも存在する)。
~のポケモン
初期シリーズジム拡張第1弾「リーダーズスタジアム」から登場[43]。「~のポケモン」には、カード名に「~の○○」と、トレーナーの名前・地名・所属などを表す名称がついている(例えば、「エリカプリン」「R団ミュウツー」など)。
DPシリーズ以降にも登場しているが、当シリーズ以降は「~のポケモン」に利益または不利益を与える効果を持つカードが存在していないため、事実上PCGシリーズをもって廃止されたカテゴリである。
ホロンのポケモン
PCGシリーズ拡張パック第6弾「ホロンの研究塔」から登場した「~のポケモン」の一種(当シリーズのみ)。手札にあるとき、特殊エネルギーカードとしてポケモンにつけることができる(ホロンのポケモンのルール、つけ方が特殊であるものも存在する)。
ベイビィポケモン
neoシリーズ拡張パック第1弾「金、銀、新世界へ...」から登場[44]。分類はベイビィである。ルール上「たねポケモン」と同じ方法で直接場に出すことができ(対戦開始の時に場に出しておくこともできる)、特定のたねポケモンのカードを重ねて進化させることができる。ベイビィポケモンがバトル場にいる場合、相手はワザを使用する際にコイントスを行い、ウラならワザは失敗する(ベイビィポケモンのルール)。ピチューなど、彼らより先に登場したポケモンの進化前がこれに分類される。
ADVシリーズ以降は、分類としての「ベイビィ」は廃止され、「たね」に統合された。これらのポケモンは、ポケパワー「ベイビィしんか」の効果で特定のたねポケモンへと進化できる(この時、受けているダメージをすべて回復する)。この進化はポケパワーの効果による特別なものであるため、他の方法では進化できない。
LEGENDシリーズでは、ポケパワー「ベイビィしんか」はなくなり進化しないたねポケモンとなったが、代わりに眠りならワザのダメージを受けないという効果のポケボディー「てんしのねがお」と、効果の過程で必ず自分自身を眠りにするワザを持つ。また、すべて弱点・抵抗力がなく、ワザや逃げるために必要なエネルギーもない。
XYシリーズの開始した2013年11月現在、かつて「ベイビィ」に分類されていたピチューやププリンなどのポケモンがまったく登場していない状態が続いている[45]。ただし、ゲーム版においてそれらの進化形であるピカチュウやプリンなどは、同シリーズですでに登場している。
やさしいポケモン
neoシリーズ拡張パック第4弾「闇、そして光へ...」から登場(当シリーズのみ)[46]。分類はすべて「1進化」「2進化」である。やさしいポケモンには、カード名に「やさしい○○」とついている。自分のみならず、相手にも利益をもたらす効果を持つものが多い。わるいポケモンとは逆に、HPが通常より高めに設定されている。
ひかるポケモン
同じくneoシリーズ拡張パック第4弾から登場(当シリーズのみ)[46]。ゲーム版における「色違いのポケモン」がカード化されたものである。本来進化形のポケモンであっても、分類はすべて「たね」である。ひかるポケモンには、カード名に「ひかる○○」とついており、1種類につき1枚しかデッキに入れることができない(ひかるポケモンのルール)。多くのものは自分と異なるタイプのエネルギーを必要とするワザを持つ。
アンノーン
neoシリーズに登場した各種のアンノーンには、例えば「アンノーン[A]」「アンノーン[B]」など、カード名に26種類のアルファベットおよび「」「」の記号がついている。当シリーズのアンノーンは、すべて別名ながら、デッキに合計で4枚しか入れられない(アンノーンのルール)。また、カードの説明文に「アンノーン」とあれば、文字どおりの「アンノーン」の他、上記のすべてのアンノーンも含むことになっている。
DPシリーズに登場したアンノーンにもアルファベットや記号がついているが、こちらはneoシリーズのような特別な枚数制限はない。カードの説明文の「アンノーン」がすべてのアンノーンを含むというルールは同様である。
ポケモンex(-エクストラ)
ADVシリーズ拡張パック第1弾から登場(当シリーズのみ)。ポケモンexには、カード名に「○○ex」とついているが、前述のポケモンEXとは全く異なる種類であることに注意されたい。しかしながら、ポケモンEXとほぼ同じ特徴を持っている。高いHPや強力なワザ・効果を持ち、気絶した場合はサイドを2枚とられる(ポケモンexのルール)。一方、ポケモンEXと異なり、進化ポケモンのポケモンexも存在する。なお、例えば「ストライク(ex)」とあれば、「ストライク」と「ストライクex」のどちらでもよいことを示す。
2つのタイプを持つポケモン
ADVシリーズ強化拡張パックex1「マグマVSアクア ふたつの野望」から登場。説明文で、2つのタイプを持つ特別ルールが明記されている。タイプのアイコンとして、その複合タイプ専用のものが付されている。弱点・抵抗力を計算する際は、両方のタイプで行う。
タイプを2つ持つポケモン自体は、PCGシリーズの「わるいポケモン」、「δ-デルタ種」のポケモンおよびLEGENDシリーズの「伝説ポケモン」の一部にもそれぞれ存在するが、それらには上記のような説明文はなく、アイコンも通常のものが2つ並んでいるだけである。
ポケモン☆(-スター)
PCGシリーズ拡張パック第2弾「蒼空の激突」から登場(当シリーズのみ)。ポケモン☆には、カード名に「☆」がついている(例えば「ラティアス☆」など)。ひかるポケモンと同じく、ゲーム版でいうところの色違いのポケモンである。また、本来進化形のポケモンであっても、分類はすべて「たね」である。ただしひかるポケモンとは異なり、ポケモン☆全体で1枚しかデッキに入れられない(ポケモン☆のルール)。
δ-デルタ種(全体で「デルタしゅ」と読む)
PCGシリーズ拡張パック第6弾「ホロンの研究塔」から登場(当シリーズのみ)[25]。カードに「δマーク」がついており、カード名の右に「δ-デルタ種」と書かれているが、通常のポケモンと同名のカードである。通常とは異なるタイプを持ち、一部には2つのタイプを持つポケモンも存在する。また、「δ-デルタ種のポケモンex」や「δ-デルタ種のポケモン☆」も存在する。
ポケモンLV.X(-レベルエックス)
DPシリーズ拡張パック第1弾「時空の創造(ダイヤモンドコレクション・パールコレクション)」からDPtシリーズにかけて登場。分類はレベルアップであり、通常のポケモンと同名のカードとして扱われる。そのため、例えばハーフデッキで「ドダイトスLV.X」を使いたい場合、「ドダイトス」と「ドダイトスLV.X」をそれぞれ1枚ずつしか入れられない。ポケモンLV.Xが場にいるときはレベルアップ前と同じ分類のポケモンとして扱われるが、プラズマ団のポケモンがレベルアップするとプラズマ団のポケモンではなくなる(プラズマ団のポケモンLV.Xが存在しないためである)。ポケモンLV.Xは、レベルアップ前のワザ・ポケパワーを使うことができ、ポケボディーもはたらく。ただし、特性はなくなるので注意。
レベルアップ・レベルダウン
ポケモンLV.Xの登場に伴い追加されたルール。レベルアップ/レベルダウンしたときの特殊状態・持続する効果・ついているカードおよびダメカンなどの挙動は、進化・退化の場合と同じである。
レベルアップとは、手札のポケモンLV.Xのカード(レベルアップカードという)を、バトル場の決められたポケモン(レベルのないポケモンでもよい)に重ねること。バトル場のポケモンであれば、自分の番に何匹でもレベルアップさせられる。ベンチポケモンをレベルアップさせることや、この番に場に出したばかり/進化したばかりのポケモンをレベルアップさせることはできないが、それらをすべて実現させる効果を持つグッズが存在する。また、ポケモンLV.Xを再びレベルアップさせることはできない。
レベルダウンとは、場のポケモンLV.Xからレベルアップカードをはがすこと。進化しているポケモンLV.Xを退化させることで、同時にレベルダウンしていることになるが、専らレベルダウンのみをさせる効果を持つカードは1枚しかない[注 11]。レベルダウンによりHPが小さくなった結果、気絶してしまう場合もある。
ポワルン・デオキシス・ロトム(フォルム違いのポケモン)
DPシリーズ拡張パック第5弾「秘境の叫び」に収録された各種のポワルンや、同「怒りの神殿」に収録された各種のデオキシスには、前述のアンノーンのようにフォルム名のついているものが存在する(例えば、「ポワルン 雨雲の姿」「デオキシス アタックフォルム」など)。カードの説明文に書かれている「ポワルン」「デオキシス」とは、当該ポケモンのすべてのフォルムを含む(ポワルンのルールデオキシスのルール[注 12]
DPtシリーズ拡張パック第2弾「時の果ての絆」に収録された各種のロトムにも、やはりフォルム名のついているものが存在する(例えば「ヒートロトム」など)。カードの説明文に書かれている「ロトム」とは、文字どおりの「ロトム」の他、当シリーズのすべてのフォルムを含む(ロトムのルール)。
SPポケモン(スペシャル-)
DPtシリーズ拡張パック第1弾「ギンガの覇道」から登場(当シリーズのみ)[47]。「ポケモントレーナーが捕まえたり、育てたりしたポケモン」という背後設定がある[47]。本来進化形のポケモンであっても、分類はすべて「たね」または「レベルアップ」である。通常のポケモンとは別名のカードとして扱われ、ポケモン名の後ろに所有するトレーナーなどを表すマーク(例えば、G(ギンガ)、FB(フロンティアブレーン)など)が付されている。シナジーカードが豊富に存在し、かつて「ガブリアスC(チャンピオン) LV.X」を用いたデッキが一時代を築いたことがある[48]
アルセウス
DPtシリーズに登場した各種の「アルセウス」および「アルセウスLV.X」は、デッキに何枚でも入れられる(アルセウスルール[49]。アルセウスの中には、場に6匹のアルセウスがいる場合を想定したワザを持つものも存在する。ただし、このルール以外には通常のポケモンとの違いはない。
伝説ポケモン(でんせつ-)
LEGENDシリーズ拡張パック第1弾「ハートゴールドコレクション・ソウルシルバーコレクション」から登場(当シリーズのみ)[50]。ゲーム版の「伝説のポケモン」や「幻のポケモン」がカード化されたものであり、分類は伝説である。2枚で一組を成しており、HPやタイプの書かれている方を「」、弱点・抵抗力が書かれている方を「」と呼んで区別するが、カードに記述されているわけではない。伝説ポケモンには、カード名に「○○LEGEND」とついており、上下のカードは同名のカードとして扱う。上下合わせて1匹のポケモンであり、手札に上下が揃っているとき、それらを組み合わせて直接ベンチに出す(伝説ポケモンのルールという)。場にいる限り「進化していないポケモン」であり、場にいない時は、HP・弱点・抵抗力・にげるエネルギーが設定されていないポケモンとして扱われる。そのため、例えばワシボンのワザ「とりぶえ」やグッズ「ヘビーボール」の効果で、伝説ポケモンを山札から手札に加えることはできない。
同・第2弾「よみがえる伝説」[51]以降に登場した伝説ポケモンには、伝説/幻のポケモンが2匹描かれており(例えば、「エンテイ&ライコウLEGEND」。ただし、対戦上は1匹のポケモンのカードとして扱う)、気絶した場合、相手はサイドを2枚とる(これも伝説ポケモンのルールである)。その分、以前の伝説ポケモンより強力である。
グレートポケモン
同じくLEGENDシリーズのみに登場[50]。カードのデザインが異なるものの通常のポケモンと同名であり、例えば「グレートポケモンのオーダイル」(公式的呼称)などと呼んで区別する[52]。当時の通常のポケモンよりHPが高く、強力なワザやポケパワー・ポケボディーを持つものが多い。カードにグレートポケモンであることを示す記述はなく、普通のポケモンとのルール上の違いもない。

エネルギーのカード

場のポケモンにつけて使用するカード。原則として、手札から自分の番に1枚ずつつけることができる。ワザや「逃げる」を使うために必要となる。基本エネルギー特殊エネルギーに分かれる。

基本エネルギー
特殊な効果を持たないエネルギー[注 13]。デッキに何枚でも入れることができる。草・炎・水・雷・超・闘・悪・鋼・フェアリーの9種類存在し、それぞれのタイプのエネルギー1個ぶんとして扱う。DPtシリーズまでの基本エネルギーカードにはカード名が記載されておらず、呼称は「○の基本エネルギー」であったが、現在は基本○エネルギーと呼ぶ。
「悪エネルギー」および「鋼エネルギー」はPCGシリーズまでは特殊エネルギーのみ存在していたが[注 14]、DPシリーズからは基本エネルギーとしても登場している。PCGシリーズまでに登場した悪/鋼エネルギーカードは、DPシリーズからは基本エネルギーカードとして使える。
特殊エネルギーカード
特殊な効果を持つエネルギー。基本エネルギーと異なり、枚数制限がある。今までに多くの種類が登場しているが、代表的なものを以下に記述する。
ダブル無色エネルギー
無色エネルギー2個ぶんとしてはたらく。初期シリーズのスターターパックから登場している(ただし、当時のカード名は「無色二個エネルギー」であった)。かつては大会で猛威を振るい、殿堂ルール時代には2ポイントの殿堂カードに指定されたことがある。
レインボーエネルギー
ポケモンについている限り、すべてのタイプを持つエネルギー1個ぶんとして扱われる(XYシリーズの開始に伴い、当然フェアリータイプも含むようになった)。このカードを手札から出してポケモンにつけたとき、そのポケモンにダメカンを1個のせる。ポケモンについていない時は、無色エネルギー1個ぶんとして扱う。
ワザの効果などで、単に「○エネルギーをトラッシュ」と指示された場合は、レインボーエネルギーもトラッシュする対象となる。一方、「基本○エネルギーをトラッシュ」と指示された場合は、レインボーエネルギーはトラッシュできない[注 15]。そのような記述のあるワザの説明文には、「トラッシュできないなら、このワザは失敗」と併記されているものもある。レインボーエネルギー以外の、複数のタイプとしてはたらく特殊エネルギーにおいても同様である。
ブレンドエネルギー ○○○○
BWシリーズ拡張パック第5弾「リューズブラスト・リューノブレード」から登場。ポケモンについている限り、4つのタイプを持つエネルギー1個ぶんとして扱う(ポケモンについていないときは、無色エネルギー1個ぶん)。現在、「-草炎超悪」「-水雷闘鋼」の2種類存在する。レインボーエネルギーよりタイプの数が少ないが、手札からポケモンにつけてもダメカンがのらないため、レインボーエネルギーの軽量版ともいえるエネルギーである。
  • 以下の特殊エネルギーは、現在の公式ルールからは除外されている。
特殊悪エネルギー
悪タイプのエネルギー1個ぶんとして扱われる。悪ポケモンにつけると、つけた数だけ、そのポケモンのワザによるバトルポケモン(自分/相手)へのダメージは「+10」される。ただし、悪ポケモン以外についている場合、この効果はない。
neoシリーズまでは、悪ポケモン以外についている場合もダメージを増加させたが、ポケモンチェックのたびにダメカンを1個ずつのせるという効果を持っていた。また、PCGシリーズまでは「わるいポケモン」も対象であったが、DPシリーズからは除外された。
DPtシリーズまでに登場した「悪エネルギー(特殊エネルギー)」から名称が変更された。これら2枚は同名のカードとして扱われる。
特殊鋼エネルギー
鋼タイプのエネルギー1個ぶんとして扱われる。鋼ポケモンにつけると、つけた数だけ、そのポケモンが受けるワザのダメージは「-10」される。自分自身へのダメージも軽減できる。ただし、鋼ポケモン以外についている場合、この効果はない。
neoシリーズまでは、鋼ポケモン以外についている場合もダメージを減少させたが、ワザで与えるダメージが「-10」されるという効果を持っていた。しかしあまりにも汎用性が高く、ダメージ以外でダメカンをのせられるポケモンと組み合わせての凶悪なコンボが氾濫した。
DPtシリーズまでに登場した「鋼エネルギー(特殊エネルギー)」から名称が変更された。これら2枚は同名のカードとして扱われる。

トレーナーズのカード

戦闘を補助するカード。グッズサポートスタジアムの3種類に分類される。LEGENDシリーズまでは分類が「トレーナーのカード」であったが、BWシリーズから「トレーナーズ」に改称された。以前のシリーズのカードに書かれている「トレーナーのカード」は、「トレーナーズ」と読み替える。同時にルール変更として、先攻プレイヤーの最初の番でも使えるようになった。

BWシリーズ拡張パック第6弾「フリーズボルト・コールドフレア」からは、「ACE SPEC(エーススペック)」というトレーナーズが登場している[21]。これは、第4のトレーナーズではなく、すべて従来の3種のいずれかに分類されるものである(2013年7月現在、ACE SPECはすべてグッズである)。ACE SPECは、非常に強力な効果を持つ反面、全体でデッキに1枚しか入れることができない(ACE SPECのルールという)。なお、「プラズマ団のACE SPEC」も存在する。

グッズ

グッズは、1ターンに何枚でも使用できるトレーナーズである。DPtシリーズまでは「トレーナー」と呼ばれていたものが、LEGENDシリーズの開始に合わせて現在の名称に変更となった。以前のシリーズのカードに書かれている「トレーナー」は、「グッズ」と読み替える。基本的に使用後すぐにトラッシュする。2枚同時に使うことで(1枚でも使える)強力な効果を発揮するものもある[11]

以下に、特別な使い方をするグッズを挙げる。

ポケモンのどうぐ
グッズのサブカテゴリ。場のポケモンにつけて使用し、ついているだけで自動的に効果を発揮する。指示がない限りこのカードはトラッシュせず、ポケモンにつけたままにしておく。原則として、1匹のポケモンに対し2枚以上つけることはできない。つける対象のポケモンや、効果がはたらくポケモンに制限のあるものも存在する。ポケモンのどうぐである「ACE SPEC」も存在する[21]
BWシリーズ拡張パック第9弾「メガロキャノン」では、後述のワザマシンと同じ挙動をするポケモンのどうぐが初めて登場した[38]。ポケモンのどうぐであるため、1匹のポケモンに複数つけることはできない。
ワザマシン
現在の公式ルールからは除外されているグッズのサブカテゴリ。「ポケモンのどうぐ」と同様、ポケモンにつけて使用するが、1匹のポケモンにつけられる枚数の上限はない。カードにワザが書いてあり、このカードをつけたポケモンのワザとして使用できる(エネルギーが必要なものも存在する)。つけられるポケモンに制限のあるものも存在し、ワザマシンに書いてあるワザを使用した番の終わりにトラッシュするものもある。
ワザを使うポケモンが、他のポケモンのワザを参照する場合があるが、そのポケモンについている「ワザマシン」のワザを参照することはできない(そのようなワザには、「ポケモン(のカード)に書いてあるワザ」と明記されている)。
ロケット団秘密メカ
初期シリーズからPCGシリーズにかけて登場した、現在の公式ルールからは除外されているグッズのサブカテゴリ。使い方は通常のグッズと同じである。
なにかの化石(-かせき)
初期シリーズ拡張パック第3弾「化石の秘密」[53]からPCGシリーズにかけて登場した(狭義の)グッズ。現在の公式ルールからは除外されている。ゲーム版でオムナイトリリーラなどに復元される化石(またはコハク)を基にしたカードである。分類は「グッズ」であるが、以下の特別ルール(まとめて化石のルールという)を持っている。
  • 最大HPが「10」のたねポケモンとして場に出すことができる。ただし、場以外にある時はグッズとして扱うため、例えば「山札のたねポケモンをベンチに出す」という効果でこのカードを選ぶことはできない。また、カード分類はあくまでグッズであるため、ポケモンのどうぐ「しんかのきせき」などの効果もはたらかない。「なにかの化石」から進化できる「進化カード」なら、どのポケモンにでも進化できる。ワザは持っていないが、ワザマシンに書いてあるワザを使うことはできる。
  • HPがなくなっても気絶として扱わないことに加え、自分の番に任意にトラッシュできる(この効果も気絶ではない)。この効果により、相手にサイドを取らせないための時間稼ぎに使われることがあった。
  • PCGシリーズからは、最大HPが「50」に上がり、無色タイプが設定された。また、特殊状態にならず、逃げられないようになった。
~の化石
DPシリーズの開始に伴い、「なにかの化石」は登場しなくなった。代わりに「かいの化石」「たての化石」などに細分化され[注 16]、それぞれ特定の1進化ポケモンにのみ進化できるようになった(例えば、「かいの化石」からは「オムナイト」にのみ進化できる)。また、気絶したときにサイドを1枚とるようになった。すべての「~の化石」はポケボディーを持っている。
グッズ「ひみつのコハク」も同時に登場し、同じ性質を持つものの、「~の化石」と名のつくカードには含まれず[注 17]、やや仲間外れとなっている。
BWシリーズで再登場した「~の化石」は、効果が根本的に変更され、「山札の下から7枚にある復元ポケモンをベンチに出す」カードになった。前述の「ひみつのコハク プテラ」のように、かつての「化石のルールを持つグッズ」と同名カードにさせないために、対応する復元ポケモンの名を付したものもある[注 18]

サポート・スタジアム

サポート
原則として自分の番に1枚だけ使用できるトレーナーズ。主に手札を充実させる効果を持ち、バトルの組み立てにおいて重要である。基本的にグッズより強力な効果を持つ。LEGENDシリーズまでは「サポーター」と呼ばれたものが、BWシリーズの開始に合わせて現在の名称に変更となった。以前のシリーズのカードに書かれている「サポーター」は、「サポート」と読み替える。同時に、ターン終了まではバトル場の横に置いておくというルールがなくなり、グッズと同じくすぐにトラッシュするようになった。
「アララギ博士」と「プラターヌ博士」
これら2枚のサポートは、1つのデッキに片方しか入れられない。両方合わせて4枚入れるということもできない。
スタジアム
自分の番に1枚だけ使用できるトレーナーズ。バトル場の横に出して使用し、場に置いてあるだけで効果を発揮する(効果の使用を宣言しなければならないものもある)。スタジアムは、お互いのプレイヤーもしくはポケモンに影響する(ただし、効果を受けるには条件がある場合が多い)。ルールを変更する様々な効果を持ち、強力なコンボを発生させる。

カードの効果変更

効果の異なる同名カード(ポケモンを除く)がのちに再録される場合、すべての同名カードの効果を最新のものに統一するという措置が採られる[31]。また、再録されることなく、他のルール変更に付随して効果が変更される場合もあり、これらをまとめて俗にエラッタという。シリーズの変わり目などに、再録前に行われる場合もある。前述の「特殊悪/鋼エネルギー」への名称変更も、広い意味でエラッタといえる。

公式大会においては、レギュレーションで定められた「使用できるカード」と同名扱い[注 19]のカードならば、ADVシリーズ以降のどのカードを使用してもよいことになっている[28]。例えば、BWシリーズ以降のカードを使用する大会であっても、DPシリーズのグッズ「モンスターボール」を使用できる。エラッタされた旧カードも使用できるが、変更前の効果を適用しないよう注意しなければならない。

以下に、BWシリーズ以降におけるエラッタの例を挙げる。

グッズ「きずぐすり」
LEGENDシリーズまでは回復するダメージが「20」であったが、BWシリーズから「30」となった。多くのエラッタは、このような比較的小規模のものである。
グッズ「ポケモンキャッチャー」
XYシリーズから、コインを1回投げてオモテでなければポケモンを入れ替えられなくなった[31]。このような大幅な弱化を伴うエラッタがなされることもある。
グッズ「スーパーボール」
LEGENDシリーズの「自分の山札にあるたねポケモンのカードを、1枚ベンチに出す」から、BWシリーズの「自分の山札の上から7枚にあるポケモンのカードを、1枚手札に加える」へ、効果が大幅に変更された。すなわち、検索する範囲が小さくなった代わりに、任意のポケモンを選べるようになった。
ポケモン「ジラーチ(Pt2)」
ポケモンのカードがエラッタされたケース。ポケモンのカードは、再録によって効果を変更することはできないことになっている。DPtシリーズ拡張パック第2弾「時の果ての絆」に収録された当カードは、バトル場の横に置いてあるサポートの効果を参照するワザ「リフレイン」を持っている。BWシリーズにおけるサポートの使用法変更などに伴い、「この番に使ったサポートの内、1枚の効果を参照する」と変更された。

公式大会

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コンピュータゲーム

ゲームボーイ用ソフト(『GB2』はゲームボーイカラー専用)として発売された。実際のカードゲームが再現されているが、複雑な効果をもつカードは収録されていない。ゲームオリジナルのカードも一部登場する。

ポケモンカードGB
1998年12月18日発売。第1弾から拡張パック第3弾「化石の秘密」までに登場したカードが中心に登場する。ゲームオリジナルのカイリューのカードが付属した。
ポケモンカードGB2 GR団参上!
2001年3月28日発売。前作に登場したカードに加え、拡張パック第4弾「ロケット団」と拡張シートで登場したカードが中心に登場。「GR団」とは、「グレートロケット団」のことである。「GR団のミュウツー」が付属した。

ポケモンカードゲームプレイヤーズ(PCGP)

2002年、ADVシリーズ時代に立ち上げた公式会員制度。2005年3月より新規登録は無料・継続は有料、さらに2007年3月より継続も無料となった。登録するとIDカードが交付され、公式大会や会員主催イベントへの参加、会員誌「プレイヤーズニュース」や公式ホームページへの投稿などによってポイント「けいけんち」が加算された。たまった「けいけんち」の値に応じて限定カードの入手、公式大会出場への当選確率上昇といった特典が受けられ、また国際大会の招待選手に選ばれることもあった。現在では、「ポケモンカードゲームプレイヤーズ」は終了し、「ポケモンだいすきクラブ」の「ポケモンカードゲームネットワーク」に移行している。

ポケモンカードゲーム Online

2009年11月20日から2010年8月31日までの期間限定で、Webサイト上で人間同士のオンライン対戦が可能となったサービス。人間同士のオンライン対戦は、ポケモンカードゲームでは初であった。デッキはあらかじめ用意されているものを使用し、改造はできないが、順次追加された。アクセスするには登録が必要で、登録には「エキスパートデッキ リーフィアVSメタグロス +Online」に同梱されているアクセスナンバーが必要であった。

このサービスで対戦をするとポイントを得られ、ポイント数が上位の者にはデスクトップ用の壁紙がプレゼントされた。また、定期的にオンライン大会が開催され、このサービスを利用したポケモンワールドチャンピオンシップスの「ポケモンカードゲーム Online予選」も開催された。

ポケモンカードゲームガチャ

2014年6月23日より稼動のゲーム付きカード販売機。100円で2種類のミニゲームをした後、3枚以上のカードが排出される。ただし、ポケモントレッタのようなカードを使ってのゲーム機能はない。

第1弾はポケモンカードゲームXY拡張パック「ライジングフィスト」を販売。

関連書籍

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脚注

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出典

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外部リンク

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  1. ポケモンカードゲームとは
  2. ポケットモンスターカードゲームができるまで - 任天堂オンラインマガジン 1999年9月号 (No.13)
  3. テンプレート:Cite web
  4. テンプレート:Cite web
  5. テンプレート:Cite web
  6. ポケットモンスター (1996~1998) - Case Study、木村誠、早稲田大学IT戦略研究所
  7. 7.00 7.01 7.02 7.03 7.04 7.05 7.06 7.07 7.08 7.09 7.10 7.11 7.12 カード商品 | 商品情報
  8. 「はじめてセット」「はじめてセット forガール」
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  26. テンプレート:Cite web - 最終更新:2013年11月8日
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  28. かんたんルール
  29. グッズ「ファーストチケット」のQA改定
  30. 31.0 31.1 31.2 新しいルールと変更点
  31. 公式大会および公認大会における勝敗規定
  32. 33.0 33.1 殿堂レギュレーション
  33. 殿堂カップ!再度開催!!
  34. 殿堂レギュレーション!
  35. 36.0 36.1 拡張パック「プラズマゲイル」「プラズマ団パワードデッキ30」
  36. 「復元ポケモン」紹介!
  37. 38.0 38.1 拡張パック「メガロキャノン」、「最強爆流コンボデッキ60 カメックス+キュレムEX」
  38. 拡張パック「サイコドライブ」「ヘイルブリザード」
  39. コンセプトパック「EXバトルブースト」
  40. 第4弾 拡張パック「ロケット団」
  41. 拡張パック「ロケット団の逆襲」
  42. ジム拡張第1弾「リーダーズスタジアム」
  43. 拡張パック 第1弾「金、銀、新世界へ...」
  44. ピチュー|カードけんさく
  45. 46.0 46.1 拡張パック 第4弾「闇、そして光へ...」
  46. 47.0 47.1 拡張パック「ギンガの覇道」
  47. バトルカーニバル2011 東京会場1日目速報
  48. 拡張パック「アルセウス光臨」
  49. 50.0 50.1 拡張パック「ハートゴールドコレクション・ソウルシルバーコレクション」「ランダムベーシックパック」
  50. 拡張パック「よみがえる伝説」構築スタンダードデッキ「バンギラス悪」「ハガネール鋼」
  51. 環境論(BW3・4)
  52. 第3弾 拡張パック「化石の秘密」