ホンダ・フィット

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テンプレート:Otheruseslist テンプレート:Mbox フィット(初代:Fit、2代目・3代目:FIT)は、本田技研工業が生産・販売しているハッチバック型の小型乗用車である。

概要

日本では2001年6月にロゴの後継車として登場した。軽自動車を除くホンダの乗用車では最も小型であり、同時期の同クラスの他の車種と比べて優れた走行性能と低燃費の両立そして広いラゲッジスペースを確保し、コンパクトカーベンチマークの一つとして評されている。トヨタ自動車ヴィッツ日産自動車マーチと共に「日本のコンパクトカー御三家」と言われた事もある。

センタータンクレイアウトと呼ばれる燃料タンクをフロントシート下部に配置したレイアウトを初代より採用しており、このレイアウトにより同時期の同クラスのスモールカーを上回る広さを実現している。

2002年には日本国内における年間販売台数で33年間トップを守り続けたトヨタのカローラを上回りトップとなった。

車名の文字は初代のみ小文字の「Fit」であったが、2代目以降は大文字の「FIT」に変更された。なお初代の車体後部に取り付けた「Fit」ロゴの「i」の上の点部は1.3Lモデルが赤、1.5Lモデルが青と分けて使用された。

日本国外では北米南米中国で日本と同じ「フィット」の名称が使われているが、それ以外の欧州東南アジアオセアニア中東アフリカなどでは「ジャズ」の名称で販売されている。なお、北米ではサブコンパクトカーに、欧州ではBセグメント車格がそれぞれ分類されている。

日本では2010年10月にハイブリッドモデルも追加された。ハイブリッドモデルの詳細はホンダ・フィットハイブリッドを参照。

初代 GD1/2/3/4型(2001 - 2007年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 プラットフォームにはセンタータンクレアウトを採用したグローバルスモールプラットフォームが採用されている。このプラットフォームは、のちにモビリオモビリオスパイクフィットアリアエアウェイブそして、欧州向け3代目シビック(3ドアおよび5ドアハッチバック)にも用いられている。

発売当初の搭載エンジンは、新機構である「i-DSI」を採用したL13A型エンジンのみで、トランスミッションは、ホンダマルチマチックSと呼ばれるCVTのみの設定であったが、後に1.5L VTEC仕様のL15A型エンジンとホンダマルチマチックS+7スピードモード(7速自動変速モード)が、また、1.3Lと1.5Lの一部グレードに5速MTが追加された。

デビュー当初の日本国内での月販目標台数は8,000台だったが、受注台数は発表後1か月でそれを大きく上回る約48,000台を記録した。この数値は3代目のプリウスが出るまでは日本車歴代トップだった。その年の10月、グッドデザイン賞を受賞し[1]、11月には「2001 - 2002日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞[2]。翌2002年には「RJCカー・オブ・ザ・イヤー」受賞。さらに、同年(2002年)の日本国内での年間販売台数で33年間トップを守り続けたトヨタのカローラを上回りトップとなった[3]2007年6月末に、世界累計販売台数が200万台を達成した[4]

北米仕様は、2004年6月のマイナーチェンジ以前の「前期」のデザインであり、リアのブレーキランプとテールランプがLEDになった日本での「中期」以降にあたるモデルは販売されなかった。L15A型 1.5L VTECエンジンのみを搭載し、トランスミッションは5速MTの他5速ATが設定されている。またフラットブレードワイパーも適用されている。そして米高速道路交通安全局 (NHTSA) が定める連邦自動車安全基準 (FMVSS) のNo.208「衝突時の乗員保護」に適合するよう、前後バンパーを通称5マイルバンパーに変更されている。よってこれらの大きさや形状は日本仕様と異なる。またフューエルリッドの位置も異なる。同局の前面衝突試験では運転席・助手席ともに最高評価の五つ星を獲得している。

ブラジルではフレックスエンジン(エタノールとガソリン両用エンジン)搭載車を売り出している。

年表

  • 2001年平成13年)
    • 6月21日:発表された(発売は翌6月22日)。当初は「W」・「A」・「Y」の3グレードが設定された。月販目標台数は8,000台
  • 2002年(平成14年)
    • 9月12日:L15A型エンジンとホンダマルチマチックS+7スピードモードが搭載された「1.5T」を追加した。「1.5T」専用のメーカーオプションとしてハーフシェイドウィンドウ、オートエアコン、電動格納ミラーをパックにした「Lパッケージ」や大型テールゲートスポイラー[5]などを設定した。
    • 11月14日:「1.3A」と「1.3W」が一部改良された。HIDヘッドライトやハイマウントストップランプがメーカーオプションに設定され、キーレスエントリーにアンサーバック機能を追加した。
  • 2003年(平成15年)
    • 4月10日:1.3L・FF車のエンジンを改良し「超−低排出ガス」認定を取得した。
    • 10月21日:一部改良がおこなわれた。内装に「シフォンベージュインテリア」を設定した(「1.3Y」を除く)。新たに「Hondaスマートカードキーシステムイモビライザー機能付)」を設定した[6]。「超-低排出ガス」認定を全タイプに拡大した。さらに、サスペンションチューニング、フロントスタビライザー径のアップ、フロア改良により乗り心地や操縦安定性を向上したほか、パワーステアリングモーターの容量アップや低フリクション化によりより自然なステアリングフィールを実現した。「1.5T」のFF車にはリアディスクブレーキが追加設定された(15インチアルミホイールとセットオプション)。また「1.3W」に設定されていた本革巻ステアリングホイールは廃止された。
    • 11月18日:タイ王国でジャズの生産および販売が開始[7]
    • 12月25日:一部改良がおこなわれた(発売は2004年1月13日)。ボディカラーの追加を行うとともに、平成17年排出ガス規制に適合し、1.3L車が「平成17年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆)」を、1.5L車が「平成17年排出ガス基準50%低減レベル(☆☆☆)」をそれぞれ取得した。
  • 2004年(平成16年)
    • 6月10日マイナーチェンジがおこなわれた(俗に言う「中期」モデル)。1.3L車はスポーティグレードの「S」を追加し、1.5L車は従来の「T」が廃止され、1.3L車と同じスポーティグレードの「S」、ベーシックグレードの「A」、上級グレードの「W」の3グレードとなり、「W」と「S」のFF車に5速MT仕様が追加された。ホンダマルチマチックS+7スピードモードはパドルシフト式に改良された。バンパーやフロントグリルを変更し、LEDブレーキランプおよびテールランプ(全車)、LEDドアミラーウインカー(一部)を装備した。メーターを一新し、1.5L車は自発光タイプとなる。また、エンジンなどをさらに高効率化したことで全車「平成22年度燃費基準+5%」を達成した。
    • 12月16日:「1.3A」をベースに、Hondaスマートカードキーシステム(イモビライザー機能付)、ドアミラーウィンカー (LED) 、エアクリーンフィルターなどを装備し機能を充実するとともに、専用ボディカラーを設定した特別仕様車「1.3A ウエルカム エディション」を発売した。
  • 2005年(平成17年)
    • 4月14日:両腕が不自由な人向けに両足で運転できる足動運転補助装置「Honda・フランツシステム」搭載車を設定した。
    • 6月24日:本田汽車(中国)有限公司がジャズの欧州への輸出を開始[8]
    • 12月8日:マイナーチェンジをおこなった。俗に言う「後期」モデルである。フロントグリル、前後ランプ系周りを変更した。スポーティーグレードの「1.3S」、「1.5S」は、フロントディスクブレーキ径を14インチに拡大し、リアディスクブレーキ(それ以前は、1.5L FFのみメーカーオプション)と15インチアルミホイールを標準装備化するなどより差別化が図られ、4WD車が廃止された。また、キーレスシステムが「Hondaスマートキーシステム」となり、「1.5W」に標準装備、「1.3/1.5S」と「1.3W」にオプション設定された。また、「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」を全タイプに拡大認定された。ボディカラーは4色が追加された。
  • 2006年(平成18年)
    • 12月21日:新グレードとして「1.3A」をベースに、プライバシーガラスや電動格納ドアミラー(LEDドアミラーウィンカーなし)を標準装備し、装備内容を見直した「1.3AU」を追加した。同時に「1.3AU」と「1.5A」をベースに「Honda HDDインターナビシステム」を装備した特別仕様車「HDDナビエディション」を発売した。HDDナビのほかに1.3L車にはマイクロアンテナを、1.5L車には電動格納式リモコンドアミラー(LEDドアミラーウィンカー付)、アレルフリー高性能脱臭フィルターなどを追加装備している。
  • 2007年(平成19年)
    • 6月14日:特別仕様車「1.3A HID エディション」、「1.5A コンフォート エディション」を発売した。前者はHIDヘッドライト、プライバシーガラス、マイクロアンテナを、後者にはフルオートエアコン、イモビライザーを装備した。さらに2タイプ共通で電動格納式リモコンカラードドアミラー(LEDドアミラーウィンカー付)、アレルフリー高機能フィルターなども装備を機能を充実させた。また、前述の装備に加えHonda HDDインターナビシステムを装備した「1.3A HDDナビ HID エディション」、「1.5A HDDナビ コンフォート エディション」も同時発売した。

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2代目 GE6/7/8/9型(2007 - 2013年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2007年10月18日に2代目へのフルモデルチェンジが発表され、日本では10月26日に販売が開始された。月間販売目標は12,000台と発表されている。

エンジンは従来どおりのL13AおよびL15Aであるが、i-VTEC仕様に改良された(L13A:100PS, L15A:120PS)。L13A型はi-DSIから1バルブ休止型VTECへ、L15A型は1バルブ休止型VTECから低速域と高速域で切り替えるパフォーマンス型VTECへ変更となった。後者については、新たに低速側のロッカーアームを高強度アルミ材を用いたL字型とすることで、従来の3ロッカーではなくコンパクトな2ロッカーで低速域と高速域を切り替える構造になった。

トランスミッションは、FF仕様にはトルクコンバータ付きCVTが組合わされ、4WD仕様には5速ATが組合わされている。当初、1.5L仕様はスポーツグレードの「RS」のみで、FF仕様には5速MTも組合わされていた。また発売当初、RSのMT車の車両本体価格は同一グレードのCVT車よりも20万円以上高額だったが、これは標準装備が大きく異なるためであった[9]。この価格差は、2009年11月の一部改良によって、ほぼ同一の標準装備に改められて解消された。

メーカーオプションで、エアウェイブと同様の「スカイルーフ」が選択できる。

発表前の内部試乗会は鈴鹿サーキットで行われ、競合他社のコンパクトカーとの比較試乗や、営業マンには内部試験を受けないと販売できない異例の体制をとっている。この模様はNTV系の報道番組で放送された。

中国製やタイ製の部品の割合を先代に比べて大幅に増やすことによって、製品価格上昇を抑えた(日本経済新聞の記事より)。また、韓国製の高張力鋼を用いて車体剛性を1.5倍化した(朝日新聞の記事より)。

その年の10月、グッドデザイン賞を受賞し[10]11月21日には2007-2008日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた[11]。初代につづいて2度目の受賞となった。11月末に、国内累計販売台数が100万台を達成[4]

初代同様、販売は好調で、2007年11月から2008年9月まで国内乗用車販売台数で11か月連続首位を記録している[12][13]。2008年3月、2007年度登録乗用車販売台数で第1位を獲得[4]し、12月には2008年登録車販売台数で第1位を獲得した[14]

2007年に独立行政法人自動車事故対策機構 (NASVA) が実施した自動車アセスメントで、衝突安全性能総合評価は運転席・助手席とともに6スター(★★★★★★)とトップレベルの評価を獲得[1]した。(フルラップ前面衝突試験・オフセット前面衝突試験・側面衝突試験のすべての項目で最高ランクのレベル5。)歩行者頭部保護性能試験ではレベル3に留まった。

北米仕様は、初代と同様に前後バンパーが延長されたほか、フロントノーズも延長された。エンジンは初代と同様1.5Lのみの設定となる。 2008年7月には欧州仕様が発表され、エンジンは1.2L i-VTEC (1,198cc) と1.4L i-VTEC(1,339cc。日本向けの1.3Lと同一エンジン)とが搭載されている。1.4L仕様には欧州仕様シビックに採用されている6速2ペダルMTの「i-SHIFT」を搭載したモデルも設定されている。

2009年6月10日にはインド市場にもジャズが投入された。パワートレーンは1.2L i-VTECエンジンと5速MTの組み合わせのみとなる[15]。また、同年10月7日に英国スウィンドン工場でもフィットの生産が開始された[16]

2010年10月8日にマイナーチェンジを行い、エクステリアを多少変更し、RSには同クラスの日本車で初の6速MTが採用され、内装はオレンジとブラックのシートへと変更された。同時にフィットハイブリッドを設定した。フィットハイブリッドの燃費は30km/L(10・15モード燃費)となっている。

2012年からオーストラリア・ラリー・チャンピオンシップ(Australian Rally Championship:ARC)のG2クラスに参戦している。イタリアのJAS Motorsportによって製作された車両は、スーパー2000のようなオーバーフェンダーをつけたボディに、M-TECチューンのK20A型エンジン(183kW、193N·m)を搭載したFF車両である。

年表

  • 2007年(平成19年)
    • 10月18日:フルモデルチェンジが行われた(発売は10月26日)。1.3L車は「G」と「L」の2グレードに、1.5L車は前述のとおり「RS」のみとなる。
  • 2008年(平成20年)
    • 6月19日:特別仕様車「ハイウェイ エディション」を発売した。全タイプに設定されており、共通でETC車載器、ハーフシェイド・フロントウィンドウ、「コンフォートビューパッケージ(FF車のみ。4WD車はベース車に標準装備)」が装備される他、「G」には「Fパッケージ」の装備が、「L」にはHIDヘッドライトが、「RS」には「Sパッケージ」の装備がそれぞれ追加され、「RS」の5速MT車にはさらに「Hondaスマートキーシステム」も追加される。
  • 2009年(平成21年)
    • 5月21日:「G」、「L」をベースに人気の高い「Hondaスマートキーシステム」や専用スウェード調ファブリックシートなどを装備した特別仕様車「スマートスタイルエディション」を発売した。
    • 11月26日:一部改良が行われた。フロントコーナー(三角窓)に高熱線吸収/UVカット機能付ガラスを採用するとともに、「L」にはHIDヘッドライト、本革巻ステアリングホイール、エアコン連動温調機能付アッパーグローブボックスを、「RS」にはテールゲートスポイラーをそれぞれ標準装備し、「RS」のFF車は新デザインの16インチアルミホイールを採用した。同時に新グレードとして、「G」の装備にHondaスマートキーシステム、ETC車載器、ハーフシェイド・フロアウィンドウ、バニティミラー付サンバイザー(助手席側)、「Fパッケージ」の装備品を追加した「G・スマートセレクション」並びに「G・スマートセレクション」の装備に加え、LED仕様のリアコンビネーションランプ、クルーズコントロール、フルオート・エアコンディショナー、運転席&助手席シートヒーターなどを装備した1.5L車「X」を追加した。また、1.3L・FF車(「L」を除く)にも5速MT車を追加した。
  • 2010年(平成22年)
    • 5月17日:「1.3G」をベースに、Hondaスマートキーシステム、ETC車載器を装備し、ピンク系の加飾を施した専用インテリアを採用した特別仕様車「シーズ(She's)」と、同じく「1.3G」をベースに、15インチアルミホイール、テールゲートスポイラー、ディスチャージヘッドランプなどを装備した特別仕様車「スポーティ エディション」を発売した。なお、「シーズ」・「スポーティ エディション」ともに「Fパッケージ」の装備品も装備される。
    • 10月6日:同年9月末時点で日本国内累計販売台数150万台を達成した。初代モデルの発売から9年4か月での達成は1997年から発売されている軽自動車ライフの10年6か月を上回り、ホンダ車としての最短記録を塗り替えることとなった。
    • 10月8日:マイナーチェンジをおこなった。1.3L車の「13G」と「13L」の外観は、空気抵抗を低減し燃費向上にも寄与するデザインに変更されたほか、CVT車には「ECONモード」を追加した。また、前期型から見直しを行ったことで、装備充実や使い勝手の向上が図られた。また、「13G」と「13G・スマートセレクション」にはスムーズな駐車をアシストする「Hondaスマートパーキングアシスト・システム」をメーカーオプションとして新たに設定した。1.5L車の「15X」はクロームメッキ専用フロントグリルやリアライセンスガーニッシュを施した外装とブラウン基調の専用シート、クロームメッキ加飾や高輝度メタリック塗装を施した内装で質感の向上が図られた。また、CVT再セッティングと吸音・遮音性能向上により高い静粛性も実現した。「RS」は、初代シビックの「1200RS」をイメージしたオレンジ色の専用色を設定したほか、専用外観デザインや2トーンカラー専用シート表皮、本革巻スポーツタイプ・ステアリングホイールなどを採用した。さらに、CVT車にはパドルシフトを、MT車は同クラスの日本車では初の6速MTに変更すると共に、サスペンション、EPS、エキゾーストシステムの専用セッティングを行うことで、よりダイナミックな走りも実現した。なお「RS」の4WDは廃止した。
  • 2011年(平成23年)
    • 8月22日:発売10周年を記念して、Hondaスマートキーシステム(2個付)、ETC車載器、ハーフシェイド・フロントウィンドウ、バニティミラー付サンバイザー(助手席側)、Fパッケージなどを装備し、専用ブラックインテリアを採用した特別仕様車「13G・10thアニバーサリー」を発売した。
    • 10月13日:発売10周年を記念して、8月に発売した「13G・10thアニバーサリー」の仕様を一部変更し、新たにバックモニター付オーディオ+USBジャック、IRカット<遮熱>/UVカット機能付フロントウインドウガラス、クロームメッキ・エアコンアウトレットノブ/リングを追加し、Hondaスマートキーシステムのキーを通常の1個に変更し、専用ブラウンインテリアを採用した「13G・10thアニバーサリーII」と、キーレスエントリー一体型キーを1個追加し、オレンジステッチ入り専用ブラックインテリア、16インチ専用アルミホイール、クロームメッキ・メーターリングを装備した「RS・10thアニバーサリー」を発売した。
  • 2012年
    • 5月24日:2回目のマイナーチェンジが行われた。空力性能やCVT効率の向上により、1.3L・CVT車で燃費を向上した。LEDコンソールライト、LEDドリンクホルダーイルミネーション、全席3点式ELRシートベルト&ヘッドレストを全車に標準装備し、一部グレードにはVSAも標準装備された。併せて、2010年5月に特別仕様車として発売されていた「She's(シーズ)」がスーパーUVカット・フロントドアガラス、プラズマクラスター技術搭載フルオートエアコン、アレルクリーンシート、カラードフロントグリルを新たに装備してカタロググレードとして追加したほか、「15X」を装備内容の変更により「15XH」に改名し、同時に「13L」を廃止した。ボディカラーには「She's」専用色など2色を追加した。
    • 8月31日電気自動車仕様「フィットEV」の自治体や企業に向けた日本国内でのリース販売を開始した(車名型式:ZAA-ZA2)。「フィット」の基本パッケージをベースに、燃料電池電気自動車FCXクラリティにも採用している、小型でありながら力強い加速性能を持つギアボックス同軸モーターを採用し、PCU(パワーコントロールユニット)とともに車体フロント部に集約配置することで「フィット」と同レベルのゆとりのある空間を実現。また、ブレーキペダル操作部とブレーキ動作部を独立し、ブレーキ動作部にブラシレスモーター・減速ギア・ポールネジを採用することでブレーキペダルの踏み始めから停止間際までの減速エネルギー回収を実現するとともに、モータートルク減速と液圧ブレーキの配分が変わってもドライバーに違和感を覚えさせない自然なブレーキフィールも実現する電動サーボブレーキシステムも採用したことで、JC08モードにおける一充電走行距離で225kmを実現した。リチウムイオンバッテリーには東芝製の「SCiB」を採用し、金属製のロアケースの上に樹脂カバーで覆い、モジュール化して床下に並べて固定した状態で配置し、バッテリーパック後方に2つの冷却ファンも設置したことで、走行と充電を繰り返してもバッテリーの上限温度を超えることがなくなり、温度上昇によるパワーダウンの回避と長期使用における耐久性向上を実現した。デザインも専用仕様となっており、発熱量が少ないEVの特性を活かして冷却のためのフロント開口部を最小化するとともに、メッキグリルをフロントバンパーと融合させてヘッドランプをつなげた未来感あるデザインとした。ボディカラーは新色の「リフレクションブルー・パール」のみの設定である。
    • 10月4日:特別仕様車「ファインスタイル」を発売した。4タイプが用意されており、HIDヘッドライト(ハイ/ロービーム、オートレベリング/オートライトコントロール機構付)を「13G・スマートセレクション」と「She's」に標準装備するとともに、「13G・スマートセレクション」にはフルオート・エアコンディショナー、ブルーステッチ入り専用ブラックシート、運転席アームレスト、「She's」には運転席&助手席シートヒーターとETC車載器も標準装備された。「15XH」にはグランスムース&スウェード調ファブリックコンビインテリア、ダークガンメタリック塗装のセンターパネル・アッパーグローブボックスリッド・ステアリングガーニッシュ、本革巻CVT/ATセレクトレバー、シルバーリング塗装セレクトレバーエスカッション、専用15インチアルミホイールを、「RS」には専用塗装16インチアルミホイールとHondaスマートキーシステム(1個付)をそれぞれ標準装備した。
    • 10月23日ブラジル専用の派生仕様「FIT twist」をサンパウロ国際モーターショーで発表した[17]。専用フロントグリルやルーフレールなどを装備し、SUVのようなデザインが採用されている。
  • 2013年
    • 4月4日:ハイブリッド、シャトル、シャトルハイブリッド、EVを含むシリーズでの国内累計販売台数が同年3月31日時点で200万台を突破したことを発表した。発売開始から11年10か月目での200万台突破はHondaとしては最速の記録達成となった[18]

3代目 GK3/4/5/6型 (2013年 - )

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 ホンダが進めるグローバルオペレーション改革の一翼を担う車両として[19]、2013年9月5日にフルモデルチェンジを公式発表した[20]。初代からの設計思想は継承しつつ、パワートレインや車体を新設計にしたことで性能を向上させた。デザインコンセプトを「EXCITING H DESIGN!!!(エキサイティング H デザイン!!!)」と定義し、日本を含むグローバル市場におけるホンダの最量販車となることを目標とした。

パワートレインは「EARTH DREAMS TECHNOLOGY(アース・ドリームス・テクノロジー)」を導入して全面刷新され、全てエンジンがSOHCからDOHCに切り替えられた。1.3L車はエンジンにアトキンソンサイクル仕様のL13B型を採用し、またアイドリングストップを採用することで、燃費を26.0km/L(「13G」、JC08モード 国土交通省審査値)に向上した。1.5L車は直噴エンジンのL15B型を採用したことで、最高出力を10%向上した。なお、燃費向上により、「RS」の6速MT車を除く全車が「平成27年度燃費基準(「13G」を除く1.3L・FF・CVT車は+10%、「13G」は+20%)」を達成した。

プラットフォームも新設計となり、初代から続くセンタータンクレイアウトを継承しつつ室内空間やパッケージの自由度を最大限に高め、製造手法や解析方法を刷新したことで軽量化と高剛性化を図った。防音材や遮音材の適応面積を最大化したことで静粛性能を向上させるとともに、段差の乗り越え時に発生するショックノイズも大幅に低減させた。シャシーシステムはサスペンションを新設計にしたことで、操舵安定性と乗り心地の改善を目指した。

安全性能も強化され、VSAやヒルスタートアシスト機能に加え、急ブレーキ時にハザードランプが点滅し、後続車に注意を促すエマージェンシーストップシグナルも標準装備されたほか、衝突被害軽減ブレーキの一種である、追突や発進時の事故被害の軽減し、安全運転をサポートする「City-Brake Active system(シティブレーキアクティブシステム)」を新開発し、サイドカーテンエアバッグシステムと前席用i-サイドエアバッグシステム(容量変化タイプ)とのセットオプション「あんしんパッケージ」を設定した。また、このクラスにおいて採用例の少ないLEDヘッドライトもグレード別装備として用意されている[21]

内装では、1.5L車の助手席側のインパネにソフトパッドを採用した。また先代に引き続き、ハイブリッド車の「フィットハイブリッド」も設定される。


年表

  • 2013年
    • 9月5日 - 公式発表された(発売は翌9月6日)。発表は千葉県浦安市東京ディズニーリゾート内にある舞浜アンフィシアターで行われた。ガソリン車のグレード体系は1.3Lの標準モデル「13G」、1.5Lの上級モデル「15X」・スポーティモデル「RS」の3グレードが基本となっており、「13G」には電動格納式リモコンカラードドアミラー(LEDドアミラーウィンカー付)、Hondaスマートキーシステム、ハーフシェイド・フロントウィンドウ、ULTR SEAT(ウルトラシート)等の快適装備をプラスした「Fパッケージ」、LEDヘッドライト、フルオート・エアコンディショナー等を追加した「Lパッケージ」、「RS」と同形状の大型テールゲートスポイラー、サイドシルガーニッシュ、リアバンパーを採用するとともに、パドルシフト、15インチアルミホイールなどを追加したスポーティ仕様「Sパッケージ」を設定。「15X」はLEDヘッドランプ、コンビシート(プライムスムース×ファブリック)&専用インテリア、本革巻ステアリングホイール、クルーズコントロールなどを追加した「Lパッケージ」が設定される。また、「13G・Fパッケージ」と「RS」には先代同様 MT車も設定される(前者は5速MTで、ECONモードが非装備、コンフォートビューパッケージのオプション設定が無しとなる。後者は6速MTとなる)。
    • 10月1日 - グッドデザイン・ベスト100を受賞した[22]
  • 2014年
    • 1月13日 - 北米国際オートショーにおいて北米仕様が公開された[23]。北米仕様のパワープラントはL15B型エンジンと新開発のCVTが採用され、2014年春より稼働するメキシコの新四輪車工場において生産される。
    • 4月25日 - 一部仕様向上が行われた。「13G・Fパッケージ」のFF・CVT車と「13G・Lパッケージ」のFF車においてJC08モード燃費を0.2km/L向上したことで、「平成27年度燃費基準+20%」を達成した。

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搭載エンジン

車名の由来

フィットは「ぴったりの」という意味の英語[24]。なお、フィット発売以前に2代目シティのグレード名やスクーターの3代目ディオのバリエーションモデル名として使用されており、1987年10月に商標登録されていた(商標登録番号:第1991947号)。

当初は「フィッタ(Fitta)」という名称が予定されていたが、発売直前になってフィットと変更になったという。フィッタの車名でパンフレットが印刷され、CMも完成しており、営業所向けの販売マニュアルやホンダによるフィッタの商標登録も確認されている[25][26]。車名の変更の原因は、フィッタがスウェーデン語で女性器を意味する隠語だったことが、スウェーデンホンダからの指摘により判明したため、と言われる[27]。これについてホンダ広報部は、『新潮45』の取材に対して、この噂が流れていること自体は認めつつも、噂の内容が事実であるかどうかについては、「そのような事実があったとも、なかったとも言えません」と回答した[26]

脚注

テンプレート:Reflist

派生車種

関連項目

テンプレート:Sister テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:ホンダ車種年表 テンプレート:Honda

テンプレート:自動車
  1. 小型乗用車[フィット ホンダ・LA-GD1, ホンダ・LA-GD2]|受賞対象一覧 - 日本デザイン振興会
  2. 第22回 日本カー・オブ・ザ・イヤー
  3. フィット、2002年登録車販売台数で第1位を達成 - ホンダ広報発表(2003年1月9日)
  4. 4.0 4.1 4.2 フィット、2007年度国内登録車販売台数で第1位 - ホンダ広報発表(2008年4月4日)
  5. 「Sパッケージ」+15インチアルミホイール+ハイマウントストップランプとのセット装着もしくは「Lパッケージ」、「Sパッケージ」のいずれかとセット装着
  6. 「1.3W」に標準装備、「1.5T」にメーカーオプション
  7. テンプレート:Cite web
  8. テンプレート:Cite web
  9. RSのMT車ではVSA、HIDヘッドライト、16インチアルミホイール、リアディスクブレーキなどが標準装備なのに対してCVT車ではオプション設定になっていた。
  10. 乗用車[HONDA / FIT]|受賞対象一覧 - 日本デザイン振興会
  11. 日本カー・オブ・ザ・イヤー2008-2009決定!
  12. 新車乗用車販売台数ランキング(2007年) - 日本自動車販売協会連合会
  13. 新車乗用車販売台数ランキング(2008年) - 日本自動車販売協会連合会
  14. フィット、2008年登録車販売台数で第1位を獲得 - ホンダ広報発表(2009年1月8日)
  15. テンプレート:Cite web
  16. テンプレート:Cite web
  17. サンパウロ国際モーターショー2012でブラジル専用仕様車「FIT twist」を発表 ~ブラジルでの四輪研究開発をさらに強化~
  18. 「フィット」シリーズ、国内累計販売200万台を突破 - Honda ニュースリリース 2013年4月4日
  19. 2012年9月 社長会見 骨子 3代目フィットをベースに、セダンシティクロスオーバーSUVヴェゼルが開発されている。
  20. 新型「フィット」「フィット ハイブリッド」を発売 - Honda プレスリリース 2013年9月5日
  21. マツダ・デミオがクラスで最初に装着したので「クラス初」ではない。
  22. 乗用車[新型乗用車 フィット]|受賞対象一覧 - 日本デザイン振興会
  23. 2014年北米国際自動車ショーで北米仕様の新型「フィット」を公開
  24. 車名の由来を教えて。本田技研工業公式サイト内 お客様相談センター
  25. 1999年11月に商標登録されている。(商標登録番号:第4335513号
  26. 26.0 26.1 ヨーコ「現役ストリッパーが徹底追跡!爆笑『性器と日本語考』」『新潮45』2007年10月号、pp.182-183
  27. 総括!クルマ界の封印されたもの (4) 現代ビジネス 2010年10月10日