ホンダ・バモス

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バモス(Vamos)は、本田技研工業が生産・販売する軽自動車である。

概要

初代「バモスホンダ」は1970年代に生産されていたオープンカータイプの軽トラックであった。折からのレジャーカーブームの中で市場へ投入されたが、ユニークな車体ゆえに珍車扱いされた。月産台数は2,000台を見込んでいた[1]ものの、生産台数はわずか2,500台であり、売れ残りもあったという。オフロードカーのようなシンプルなスタイリングとイメージながら、当時の軽自動車の標準であった10インチタイヤに見られるように、オフロードの走破性を真剣に考慮したものではなく、4WD車が設定されなかったことなどが、不人気の要因であったと見られている。

2代目「バモス」はセミキャブオーバー型のアクティバンをベースにした、軽乗用ワンボックスワゴンとなっており、発売開始から10年以上たった現在もフルモデルチェンジされていない、ロングランモデルとなっている。

初代 TN360型(1970-1973年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 名称は「バモスホンダ」で、歴代ホンダ車の正式名称では唯一車名が先となるネーミングである。二輪車では「ダックス・ホンダ」などに先例があり、北米をイメージさせるアイディアであったとされる。

水平横置き空冷エンジンデフ一体のトランスミッション、フロント:マクファーソンストラット、リア:ド・ディオンアクスルサスペンションブレーキなど、走りに関する面は全て「TN360」の流用である。

が座席部分のみの「バモス2」(乗車定員2名)と「バモス4」(乗車定員4名)がそれぞれ32万1,000円と35万1,000円、荷台まで幌で覆われた「バモスフルホロ」(乗車定員4名)が36万9,000円であった。

車体にみられる特徴としては、乗員用のドアは一切なく、代わりに転落防止バーが備わる。シートは前後ともにベンチシートで、シートベルトは2点式となっている。

開発当時、カリフォルニアで流行していたフォルクスワーゲン・タイプ2キャンパーにヒントを得たと言われる、車体前面にマウントされたスペアタイヤも外観上の特徴で、話題となった。

オープンカーならではの駐車時の安全、盗難対策として、ハンドルロックと、グローブボックスの鍵が備わる。また、計器やスイッチ類は防水、防塵仕様となっている。

方向指示器作動表示は、左右の矢印ではなく、ジープのように「turn」と書かれた左右兼用のランプとなっている。

そのユニークなデザインと低価格のためか、改装を施され、 円谷プロダクションの特撮作品『ジャンボーグA』にバモスI世、II世として、また同『ウルトラマンタロウ』では、ラビットパンダとして劇中車に採用されている。

  • 1970年11月1日 - 同社の軽トラックである「TN360」をベースとした多用途車として発表した。
  • 1973年 - 製造を終了した。ホンダ最後の空冷エンジンを積む四輪車となった。

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2代目 HM1/2型(1999年- )

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

  • 1999年
    • 6月25日 - 「ストリート」の後継モデル[2]として「バモス」の車名を復活させた。正式名称は初代と異なり「ホンダ バモス」である。先代「ストリート」とは異なり屋根がロールーフで、競合車種より低い車高が特徴である[3]。4WDはストリートと同じリアルタイム4WDビスカスカップリング式)で、5速MT車のみの設定である。軽ワンボックスカーとしては、初めてテールランプをバックドアウインドウ横に配置しており、競合車種よりかなり高い位置にある。
ストリートには存在しなかった安全装備はもちろん快適装備(パワードアロックなど)やRV指向のオプション品もふんだんに取り入れ競合車種と引けをとらぬ内容となった。さらにはこの種の軽ワンボックスとしては初のオーディオ(1DIN)別体式の2DINカーナビゲーションも設定されたが、ややダッシュボードが通常グレードのものより膨らむ形となる。
  • 2000年
    • 2月9日 - ターボエンジンを搭載した「ターボ」が追加された。同時に「M」と「L」の4WD車に4速AT車を追加する[4]とともに、ターボを含む4速AT車全車にアルミホイールを装備した。また、リア・リーフスプリングの設定を変更し、乗り心地を向上した。ボディカラーは新色が追加され7色が設定された。
    • 10月26日 - 「L」をベースに、AM/FMチューナー付CDプレーヤー、専用インテリア、ハーフシェイド・フロントウィンドウ等を装備し快適性能を高めた特別仕様車「デラックス」が追加された。
  • 2001年
    • 自動車アセスメントの試験実施対象車種に選ばれた。
    • 9月6日 - マイナーチェンジがおこなわれた。フロントグリルやバンパーを一新し、ボディカラーは新色が追加され8色が設定された。ユーザーに不評だったリアシート格納を他社と同じくフロア格納タイプに変更した[5]。「L」と「ターボ」は新たにAM/FMチューナー付CDプレーヤーを標準装備するとともに、ローダウン・スポーツサスペンション、13インチアルミホイールなどをセットにした「Sパッケージ」が追加された。さらに、「ターボ」にはEBDABSとブレーキアシストも標準装備された。また、全グレードで「優-低排出ガス(★★)」を取得した。
  • 2002年
    • 12月19日 - 「M」をベースにAM/FMチューナー付CDプレーヤー+フロント2ツイーター&2スピーカー、電波式キーレスエントリーシステム(ウェルカムランプ機能付)、メッキタイプのフロントグリル・テールゲートハンドルケースを採用しつつ、価格を抑えた特別仕様車「スペシャルA」が発売された。ボディカラーは専用色を含む9色が設定した。
  • 2003年
    • 4月24日 - ハイルーフ仕様の姉妹車バモスホビオが追加された。同時に一部改良を行い、「L」に装備されている12インチアルミホイールのデザイン変更、「M」は「スペシャルA」で好評だったAM/FMチューナー付CDプレーヤー+フロント2ツイーター&2スピーカー、電波式キーレスエントリーシステムを新たに標準装備し、「L」・「ターボ」のオーディオはAM/FMチューナー付MD/CDプレーヤー+2ツイーター&2スピーカーに変更された(全グレードでオーディオレスの設定も可能)。電波式キーレスエントリーにはアンサーバック機能を追加し、シートとドアライニングのデザインを変更した。ボディカラーは新色4色を含む10色が設定された。
  • 2005年
    • 12月9日 - マイナーチェンジ(発売は12月12日)。ターボ車のグレード構成を「Mターボ」と「Lターボ」に分けて選択肢を増やすとともに、「Sパッケージ」を全グレードで設定できるようにした。ボディカラーの入れ替えや内装の変更を行い、左側ドアミラーにはフロントドア下部の死角を減らすサイドアンダーミラーが追加された。ターボ車にはオイル交換インジゲーターを追加し、「L」と「Lターボ」にはバモスホビオで好評の「ワイパブルマット」がメーカーオプションに追加された。
  • 2007年
    • 2月1日 - マイナーチェンジ(発売は翌2月2日)。フロント・リアのバンパーをエアロフォルムデザインに変更し、リヤコンビランプを2代目ステップワゴン後期型と共通の意匠を持つブラックスモークレンズに、アンテナをマイクロアンテナに変更、ボディカラーを一部変更するなどの、外観の変更をおこなった。また、オーディオレスを標準化し、「L」と「Lターボ」にはローダウンサスペンション、フォグライト、3本メッキフロントグリル、13インチアルミホイールなどを装備した「ローダウン」を追加した。同時に「L・ローダウン」・「Lターボ・ローダウン」をベースに、専用ステッカー、ワイパブルマット、ペットシートマット、撥水・消臭機能付シート表皮&撥水ドアライニング、お散歩用トートバッグ、専用機能性(制菌・防臭・防ダニ)フロアカーペットマットを装備した愛犬を連れても快適にドライブできる特別仕様車「トラベルドッグバージョン」が発売された。2008年1月31日オーダー分まで受け付ける期間限定販売とした。
  • 2010年
    • 6月3日 - 「Lターボ・ローダウン」をベースに、幾何学調メッシュ柄の専用パネルを採用し、キーレスエントリー発信機を1個追加した特別仕様車「スペシャル」を発売した。
    • 8月26日に、マイナーチェンジがおこなわれた。内装色にベージュを追加設定し、インパネにはブラックとベージュのツートーンカラーを採用した。また、ローダウンサスペンション、13インチタイヤ(155/70R13 75S)、運転席カップホルダー(固定式)を全車に標準装備した。メーターはメタリックな金属調の文字盤とブルーリング照明を、シート表皮にはスウェード調トリコットを採用した。なお、グレード体系が見直され、ターボ車を廃止、ローダウンサスペンション標準装備化に伴い「L・ローダウン」を「L」に統合した。
  • 2012年
    • 6月14日に、一部改良が行われた(発売は翌6月15日)。グレード体系を再編し、3本メッキフロントグリル、リアバンパーガーニッシュ、13インチアルミホイールなどを標準装備しつつ、購入しやすい価格設定とした「G」のみのモノグレード体系となった。ボディカラーは新色3色を含む8色を設定した。ドレスアップやカスタムの分野でも人気があり、DIY素材で車内をアレンジできるようになっている。

車名の由来

  • Vamos:ポルトガル語、およびスペイン語の"ir"(行く)という動詞の活用形(直接法一人称複数現在形)。 "Vamos!" ならば「さあ行こう!」(Let's go!)という意味になる。

脚注

  1. バモスホンダ〈VAMOS HONDA〉新発売! - ホンダ四輪製品ニュース 1970年10月16日 2014年5月20日閲覧
  2. ただし、2001年まではストリートも併売されていた。
  3. 低車高のため幅広に見え、「バモスホビオ」登場まで全てロールーフであった。
  4. 4速AT車はエンジン、トランスミッションともに縦置きであるZのエンジンおよびミッションを流用している
  5. ただし、格納するとフロントシートスライドが前半分に制約される

関連項目

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外部リンク

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