ベルト (機械)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:出典の明記

ファイル:Flachriemen.png
フラットベルト(平ベルト)

ベルト英語:belt)は巻掛け伝動装置に使われる機械要素で、原動車から従動車に動力を伝達するもの。ほとんどの場合、軸にセットされたプーリーに合わせて用いられる。 静音性、軸角度の自由度、軽量性、コストに利点があり、旧来から現在まで、ベルトコンベアや自転車工作機械など、機械全般に幅広く使用されている。

種類

  • フラットベルト(平ベルト)。旧来から、布製のものが工場や農機で用いられてきた。
  • コンベアベルト。ベルト外面でバラ物や製品を運搬する。工場で組み立てラインにも用いられる。
  • コグドベルト(タイミングベルト)。平ベルトの滑りをなくすため突起(コグ)を設けたもの。自動車のタイミングベルトや、小型の電気機器(プレーヤー類)など、ずれてはいけない機械に用いられる。金属チェーンを使用できない箇所にも用いられる。
  • Vベルト。V形の断面形状。自動車等のファンベルト、スクーター等の無段変速機、洗濯機、農機など広範な機器に用いられる。規格はインチ。スリップを減らすために高さを大きくし、曲げ抵抗を減らすため内側に切り込みを入れたコグベルトもある(コグドベルトとは異なる)。
  • リブベルト。Vベルトを並列させたもので、多本掛けを代用する。小さい物は自動車のファンベルト、大きいものは工場で多く用いられる。
  • 丸ベルト。小型の電気機器(プレーヤー類)に多く用いられる。クロス掛けに強い。中実、中空、芯入りなどがある。

素材

布製から始まり、現在はゴムナイロンなどの芯材を入れたものが主流になっている。丸ベルトにはウレタン製などもある。

ベルトの掛け方

ファイル:Belt (PSF).svg
ベルトの掛け方による回転方向の変化

ベルトの掛け方によって原動車と従動車の回転方向が変化する。イラスト左から、従動車が原動車と同じ回転方向を得るオープンベルト(並行掛けとも)。従動車が原動車と逆の回転方向を得るクロスベルト(クロス掛け・十字掛け・たすき掛けとも)。軸方向を90°(またはそれ以外に)変えるクォーターターン。 クロスベルトとクォーターターンは、軸が接近しているとベルトが接触損耗・ねじれ破損するため、プーリー径とベルト幅によって適切に軸距離をとる必要がある。

ベルトは使い続けると表面が削れて弛み、スリップが発生するため、常に張りを調節する必要があり、多くの機器で軸位置を調整できる。 それを自動化するため、ばね式の張り車(テンショナー)を用いる場合がある。 逆に、テンションナーを緩めてスリップさせ、クラッチの代用にする機器もある。

テンションは通常内側から外に向かってかける。逆折れにテンションをかける場合は、強化型(レッド)ベルトを使用する。

歴史

テンプレート:節stub

関連項目

テンプレート:自動車部品