ブルガン油田

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ファイル:Kuwait city 1996.jpg
クウェートの衛星画像。アラビア湾が入り江になった所にクウェート市があり、その下の楕円形の黒い部分がブルガン油田の地上施設範囲。

ブルガン油田(ブルガンゆでん、アラビア語: حقل برقان Haql Burqān英語: Burgan Field)とは、1938年に確認されたクウェート南部にある油田[1]。確認原油埋蔵量約600億バレルを持つ、世界第2位の規模の油田である。商業生産の開始は1946年[1]。発見当時その途方も無い巨大さから世界の原油市況に影響を与えるのを恐れて大きさに関する情報が一時伏せられたといわれる。この油田の発見によってクウェートは第二次世界大戦後しばらくは世界最大の原油埋蔵量を誇っていた。

生産量は生産調整によって上下するが、上限は180万バレル/日程度のようである。サウジアラビアにある世界最大のガワール油田と違い、現在でも原油が地表に自噴することから、生産が非常に容易な巨大油田である。

この油田の発見によりクウェートは世界の主要な産油国となるが、1991年湾岸戦争の際イラク軍によってブルガン油田をはじめとしたクウェートの石油施設は甚大な被害を受け、国内9つの油田で合計30億バレルの原油を失った。

ブルガン油田が発見される以前、ムバラク大首長初めサバーハ家では1913年当時から油田の兆候に気付いていたらしく、1913年10月27日にインド総督に出した手紙の中でブルガンに見られるチャンスについて触れている[2]

脚注

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  1. 1.0 1.1 ブルガン油田,石油・天然ガス用語辞典,独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構
  2. 牟田口義郎「石油に浮かぶ国-クウェートの歴史と現実-」(中央公論社、昭和40年8月25日)参照