フランシスコ・カナロ

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テンプレート:Infobox Musician フランシスコ・カナロ(Francisco Canaro, 1888年11月26日 - 1964年12月14日)はウルグアイ出身で主として隣国のアルゼンチンで活躍したタンゴヴァイオリニスト指揮者作曲家

生涯

『タンゴの王』と言われ、作曲した作品(『ガウチョの嘆き』、『さらば草原よ』などが有名)は700曲、録音したレコードは7000タイトルにおよぶと自伝の中でカナロは語っている。この数字が信用できるかどうかはともかく、その充実した内容は『タンゴの王』という呼び名にふさわしいものといえる。

カナロはウルグアイのサン・ホセ・デ・マジョに生まれ、幼い頃に、アルゼンチンのブエノスアイレスに移住するが、実家の家計は苦しく、ギターマンドリンヴァイオリン等の楽器をすべて独学でマスターしたという。1906年にヴァイオリン、ギターそしてマンドリンとのトリオでデビュー、1964年に亡くなるまで、タンゴ界の第一線で活躍している。彼がデビューして亡くなるまでの60年近い歳月の間、タンゴ界の大御所として君臨できた理由はいくつかあるが、時代を先取りしたアイディアを次々と打ち出した事(楽団にコントラバスを加えてオルケスタ・ティピカの基礎を築いた事や1930年代のタンゴ界で流行したシンフォニック・タンゴや小編成の五重奏団(キンテート・ピリンチョ)などの新機軸を貪欲に取り入れている)や、60年の演奏キャリアの間演奏スタイルは変われど、簡明で親しみやすい演奏スタイルという一線を守り続けた事が理由として挙げられる。

カナロはそのキャリアのすべてを通じて、メロディアスな演奏で大衆の支持を受け続け、このスタイルはモダン・タンゴの流行期になっても崩される事はなかった。亡くなる3年前の1961年にはただ一度の来日を果たしている。

なお、カナロの名を冠した『パリのカナロ』 "Canaro en Paris" は、アレハンドロ・スカルピーノと、ファン・カルダレーラの両者の共同の作曲の1925年の作品で、1925年の大成功をおさめたパリへのカナロ楽団演奏旅行の新聞記事の見出しからとった題名の曲である。

また、マリアーノ・モーレスとの合作のタンゴ『さらば草原よ』は、1957年度紅白歌合戦1961年NHK紅白歌合戦で、藤沢嵐子によって歌われている。

外部リンク

  • [1] Biografía de Francisco Canaro (スペイン語) Todo Tango
  • [2] Biography of Francisco Canaro (英語) Todo Tango
  • [3] Discografía de Francisco Canaro (スペイン語)
  • [4] Discography of Francisco Canaro (英語)