フェイカー・ホリック

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テンプレート:Infoboxフェイカー・ホリック』 (FAKER HOLIC) は、イエロー・マジック・オーケストラ(以下、YMO)のライブアルバム。1991年5月21日アルファレコードより発表された。

解説

YMO散開後初の未発表録音を収録したアルバムで、第1回ワールドツアーのヴェニュー(ロンドン)での2回、ル・パレス(パリ)、ボトムライン(ニューヨーク)の4公演が編集、収録されている。

YMO活動中に発表された3rdアルバム『パブリック・プレッシャー』では、サポート・ギタリストの渡辺香津美ギターのチャンネルは、渡辺の日本コロムビアとの契約の都合上坂本龍一シンセサイザーに置き換えられていた。その後アルファレコードの販売経路を担当する業務が日本コロムビアに移行した事により諸問題がクリアされ、本作では渡辺のギターパート収録が可能になり、その違いを聞き比べることができる。

『フェイカー・ホリック』という題名は、「フェイク」の新作アルバムとして、YMO活動時に広告やレビューが雑誌に掲載されたものに由来している。”アナライザー”という楽器を使い、「ダンダラダイ」「ブルマー」などといった曲が収録されていたとする。

CDは2枚組で、Disc 1にはロンドンとパリでの演奏、Disc 2にはニューヨークでの演奏が納められている。

のちにテレビ番組『カルトQ』において「YMOカルトキング」に輝く砂原良徳が機材リストの資料提供者としてライナーノーツに名を連ねている。まだ彼がメジャー作品に参加する以前の事であり、直後にリリースされた砂原にとって電気グルーヴ加入後初のシングル『MUD EBIS/COSMIC SURFIN'』では本作品のパロディの意味合いを込めたライヴテイク風の「コズミックサーフィン」のカヴァーを披露している。

曲目

Disc 1

  1. キャスタリア Castalia
  2. ライディーン Rydeen
  3. ビハインド・ザ・マスク Behind The Mask
  4. コズミック・サーフィン Cosmic Surfin
  5. ラジオ・ジャンク Radio Junk
  6. インソムニア Insomnia
  7. 中国女 La Femme Chinoise
  8. テクノポリス Technopolis
  9. ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー Solid State Survivor
  10. デイ・トリッパー Day Tripper
  11. ファイアークラッカー Fire Cracker
    曲の最後に入る破裂音はシーケンサーであるローランド MC-8によるものであるが、アレンジよっては複雑な音を出すために多量のデータ入力が行われたため、この演奏のようにMC-8がシーケンスパターンの再生を失敗することがあった。
  12. ジ・エンド・オブ・エイジア The End Of Asia
  13. 千のナイフ 1000 Knives
  14. 東風 Tong Poo

Disc 2

  1. ライディーン Rydeen
  2. ビハインド・ザ・マスク Behind The Mask
    シーケンサーMC-8の暴走によりこの曲のシーケンスパターンが前曲「ライディーン」演奏中に3秒で再生終了してしまった。
  3. ラジオ・ジャンク Radio Junk
    こちらも「ロケット工場」同様にシーナ&ザ・ロケッツに提供され、アルバム「真空パック」に収録された。この時期のライブ定番曲となっているが、スタジオレコーディングの物は作られていない様で、最新ベスト盤UC YMOにもライブバージョンで収録されている。
  4. ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー Solid State Survivor
    ヴォーカルの高橋幸宏が途中歌詞を忘れ、更にドラムパターンを一瞬逸脱する場面があったが、当アルバムでは綺麗に修正されている。
  5. 在広東少年 Kang Tong Boy
    オリジナルは矢野顕子のアルバム『ごはんができたよ』に収録。シングル「春咲小紅」のB面曲でもあった。この曲では「お前は歌う、私に向かって歌う、つんぼの私に」という歌詞があり、このライブでも歌われているが当アルバムでは「つんぼ」の箇所の音声は消されている。(ちなみに1980年のワールドツアーでは「耳が壊れた私に」等、歌詞が直され歌われている)
  6. 東風 Tong Poo
  7. デイ・トリッパー Day Tripper
  8. 千のナイフ 1000 Knives
  9. ロケット工場 Rocket Factory
    この曲の演奏前にメンバー紹介が入る。
  10. 中国女 La Femme Chinoise
  11. ファイアークラッカー Fire Cracker
    ラストでシーケンスと矢野の演奏が8小節分長くなり、慌てて演奏を打ち切るところを坂本がカバーするのだが、これも当アルバムでは修正されている。
  12. コズミック・サーフィン Cosmic Surfin
  13. ジ・エンド・オブ・エイジア The End Of Asia

テンプレート:イエロー・マジック・オーケストラ


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