フィル・コリンズ

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フィル・コリンズ(1996年)

フィリップ・デヴィッド・チャールズ・"フィル"・コリンズPhilip David Charles "Phil" Collins1951年1月30日 - )は、イギリスミュージシャン。身長168cm[1]

バンド活動と並行してソロでも活躍し、1980年代から1990年代にかけて数々の大ヒットを記録した。女優のリリー・コリンズは娘である。

シングルとアルバムの総売り上げは1億5000万枚。

バイオグラフィー

幼少期〜ジェネシス加入

1951年ロンドンに生まれる。母親が芸能関係の仕事をしていた為、5歳の時から子役として演劇界でも活躍しており、観客役のエキストラで『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』にも出演している。

1970年プログレッシブ・ロックバンドジェネシスドラマーとして加入。メロディーメイカー誌に掲載されていたドラマーの募集広告を見て応募した。当時のリーダー的存在だったピーター・ガブリエル脱退後は、彼に代わってヴォーカリストも務めた。その後、バンドはポップス路線を進み、「ターン・イット・オン・アゲイン(君のTVショウ)」「アバカブ」「インヴィジブル・タッチ」などの数々のヒット曲を生み出した。

1996年にジェネシスを脱退する。その後のジェネシスには新ヴォーカリストとしてレイ・ウイルソンが加入した。

ソロとしての成功

ソロ・アーティストとしても多大な成功を残している。1981年にファースト・アルバム『夜の囁き』をリリースしたのを皮切りに、ソロ活動を活発化させていく。1984年には映画『カリブの熱い夜』の主題歌「見つめて欲しい」をリリース。アース・ウィンド&ファイアーのリード・ヴォーカル、フィリップ・ベイリーとのデュエットで知られる「イージー・ラヴァー」(1984年)や、スプリームスの「You Can't Hurry Love」(邦題「恋はあせらず」)のカバーなどをリリースしている。

1980年代はソロ/バンドが共に全世界で大ヒットを連発。一方でロバート・プラントのアルバムをプロデュースし、彼のツアーでもドラマーを勤めた。1985年ライヴ・エイドでは、ロンドンで演奏後にコンコルド大西洋を渡り、アメリカのステージにも出演。イギリスとアメリカのステージでレッド・ツェッペリンをはじめスティングエリック・クラプトンと競演するなど、来た仕事を基本的に断らない(ベストヒットUSA)ということで、「世界で一番忙しい男」と評された。

こうしたメジャーシーンでの活動と並行して、1970年代にはジャズ・ロック・バンドのブランドXにも参加し、当時の米国シーンにおけるクロスオーバー・ドラマーたちにも全くひけをとらない、卓越したドラミング・テクニックを披露している(現在は脱退)。ブランドX名義で作品を発表する以外に、ベーシストのパーシー・ジョーンズと共にブライアン・イーノなどのアルバムに参加したこともある。1990年代後半には、20人近いメンバーを率いてフィル・コリンズ・ビッグバンドとしてジャズ中心のライブも行っている。

ソロ活動で成功を収めた後には、19世紀アメリカの列車強盗バスター・エドワーズの伝記映画「フィル・コリンズ in バスター」(1988年公開)にて主演を果たし、同映画のメインテーマとなったザ・マインドベンダーズのカバー曲「Groovy Kind Of Love(邦題:恋はごきげん)」で全米・全英チャートの№1を獲得している。

1989年発売のシングル「Another Day In Paradise」が1991年グラミー賞にて「Record of the year」を受賞するなど、1980年代から90年代にかけては出す曲すべてが大ヒットという破竹の勢いだった。

低迷期とジェネシス再結成

1990年代中盤頃からセールスが下降していく。イギリスでは根強い支持を得ていたが、アメリカではトップ10入りも無くなっていく。1998年にはソロ・キャリアの集大成『ベスト・オブ・フィル・コリンズ』を発売した。

1999年にはディズニー映画『ターザン』の音楽を担当した。主題歌「You'll Be in My Heart」は久々のヒットを記録。アカデミー歌曲賞を受賞し、作品は後に舞台化もされブロードウェイなどでも上演されている。2002年にはエリザベス女王在位50年を記念するコンサート「Party at The Palace - Golden Jubilee」に出演。ここで共演したクイーンポール・マッカートニーエリック・クラプトンらと「Queen's House Band」なるバンドを即席で結成。イギリスのファンを前に久々のドラム・パフォーマンスを見せた。2002年、左耳に閉塞感を覚え突発性難聴と診断される。

2006年、米国Rockstar Games社のゲームソフト「グランド・セフト・オート・バイスシティ・ストーリーズ」に自身が声優を務める実在のキャラクターとして出演。また、この頃には妻と別れ、子供達と共にスイスに移住している。

2007年ジェネシスを黄金期の3人で再結成し、ヨーロッパとアメリカをツアー。一部の曲でキーを落として歌うなどしたが、コンサートの定番だったチェスター・トンプソンとのドラム・デュエットなどで、卓越したドラムテクニックが健在であることをアピールした。

引退と復帰、そして再び引退へ

2008年4月25日、表舞台からの引退を表明した。ジェネシスの再結成ツアーを終えたばかりのコリンズは、今後アルバムのリリースやツアーに出る意思がないことを発表。裏方として音楽に携わり、余生をのんびりと楽しむと語っている。今後は作曲を中心に活動を続けるが、多くの時間を大好きな趣味に没頭するために使おうと考えているようである。ちなみに趣味は歴史グッズ収拾。特に1836年、当時メキシコ領だったテキサス州サンアントニオにて、テキサス独立軍とメキシコ共和国軍との間で行われた「アラモの戦い」にまつわる記念品を熱心にコレクションしている。

2009年9月19日、一部報道によると脊髄の手術を受け、その結果手の動きに支障が出たようでピアノ、ドラム等の演奏が出来なくなった(術後すぐという事もあり一年から数年かけてある程度の回復はするとのこと)。なお、ドラムスティックをテープで固定すればドラムの演奏自体は可能であるという。また、彼自身は「まだ歌があるのでそれほど絶望はしていない」とコメントした。

その後、前述の引退宣言を撤回し、アルバム・リリースによってカムバックすることを決意。2010年9月13日に8年ぶりとなるアルバム「Going Back」を発売。このモータウンソングなどをカバーしたアルバムにより、全英チャートで12年振りとなる1位を獲得した。また、本作に伴うライブも行っている。

2011年3月8日、自身のサイトで再び引退することを明らかにした。 サイトで発表されたものの、和訳が以下。(当時の報道より)

  1. メディアからのひどい扱いや悪いレビューのために、やめるのではない。
  2. 愛されていないと感じるから、やめるのではない。僕にはいまでも、僕のやることを愛してくれているファンがたくさんいるのを知っている。ありがとう。
  3. 居場所がないから、やめるのではない。それは、(最新アルバム)『Going Back』がUKチャートのNo.1に輝いただけでなく世界中で好評だったことが証明している。
  4. アラモ(の戦い)への探究に時間を費やしたいがために、やめるのではない。 僕は、2人の小さな息子たちの父親として専念したいからやめるんだ」

私生活

これまでに3回の結婚と離婚を経験している[1]

  • アンドレア・コリンズ(1975年9月27日 - 1980年2月2日)
  • ジル・タヴェルマン(1984年8月4日 - 1996年12月5日)
  • オリアンヌ・シーヴェイ(1999年7月24日 - 2008年8月17日)
    • 次男ニコラス・グレヴ・オースティン(2001年生)
    • 三男マシュー・トーマス・クレメンス(2004年生)

ディスコグラフィー

アルバム

  • 1981 夜の囁き - Face Value(全英1位・全米7位)
  • 1982 フィル・コリンズ 2:心の扉 - Hello, I Must Be Going(全英2位・全米8位)
  • 1985 フィル・コリンズIII - No Jacket Required (全英・全米1位)
  • 1988 12インチャーズ - 12"ers(全英-位・全米-位)
  • 1989 バット・シリアスリー - ...But Seriously(全英・全米1位)
  • 1990 シリアス・ヒッツ - Serious Hits … Live! (全英2位・全米11位)
  • 1993 ボース・サイズ - Both Sides (全英1位・全米13位)
  • 1996 ダンス・イントゥ・ザ・ライト - Dance Into The Light (全英4位・全米23位)
  • 1997 ホット・ナイト・イン・パリ - A Hot Night in Paris
  • 1998 ベスト・オブ・フィル・コリンズ - Hits (全英1位・全米18位)
  • 2002 テスティファイ - Testify (全英15位・全米30位)
  • 2004 ラヴ・ソングス - Love Songs (全英9位・全米51位)
  • 2010 ゴーイング・バック - Going Back (全英1位・全米34位)

シングル

  • 1981 In The Air Tonight (全英2位・全米19位)
  • 1981 I Missed Again (全英14位・全米19位)
  • 1981 If Leaving Me Is Easy (全英17位・全米-位)
  • 1982 Thru These Walls (全英56位・全米-位)
  • 1982 You can't Hurry Love (全英1位・全米10位、邦題「恋はあせらず」)
  • 1983 I Don't Care Anymore (全英-位・全米39位)
  • 1983 Don't Let Him Steal Your Heart Away (全英45位・全米-位)
  • 1983 Why Can't It Wait 'Til Morning? (全英89位・全米-位)
  • 1983 I Cannot Believe It's True (全英-位・全米79位)
  • 1984 Against All Odds (Take A Look At Me Now) (全英2位・全米1位、映画「カリブの熱い夜主題歌
  • 1984 Easy Lover with Philip Bailey (全英1位・全米2位)
  • 1984 One More Night (全英4位・全米1位、ブリヂストン・レグノCMソング
  • 1985 Sussudio (全英12位・全米1位)
  • 1985 Don't Lose My Number (全英-位・全米4位)
  • 1985 Separate Lives with Marilyn Martin (全英4位・全米1位、映画「ホワイトナイツ」主題歌)
  • 1985 Take Me Home (全英19位・全米7位)
  • 1988 In The Air Tonight [Remix] (全英4位・全米-位)
  • 1988 A Groovy kind Of Love (全英1位・全米1位、映画「フィル・コリンズ in バスター」主題歌)
  • 1988 Two Hearts (全英6位・全米1位)
  • 1989 Another Day In Paradise (全英2位・全米1位、マツダ・クロノスCMソング)
  • 1990 I Wish It Would Rain Down (全英7位・全米3位)
  • 1990 Do You Remember? (全英-位・全米4位)
  • 1990 Something Happened On The Way To Heaven (全英15位・全米4位)
  • 1990 That's Just The Way It Is (全英26位・全米-位)
  • 1990 Do You Remember? [Live](全英57位・全米-位)
  • 1990 Hang In Long Enough (全英34位・全米23位)
  • 1991 Who Said I Would (全英-位・全米73位)
  • 1993 Hero David Crosby featuring Phil Collins (全英56位・全米44位)
  • 1993 Both Sides Of The Story (全英7位・全米25位)
  • 1994 Everyday (全英15位・全米24位)
  • 1994 We Wait And We Wonder (全英45位・全米-位)
  • 1996 Dance Into The Light (全英9位・全米45位)
  • 1996 It's In Your Eyes (全英30位・全米77位)
  • 1996 You Ought To Know (全英-位・全米-位)
  • 1997 Wear My Hat (全英43位・全米-位)
  • 1998 True Colors (全英26位・全米112位)
  • 1999 You'll Be In My Heart (全英17位・全米21位、映画「ターザン」主題歌・アカデミー歌曲賞受賞)
  • 2001 In The Air Tonight with Lil' Kim (全英26位・全米-位)
  • 2002 Can't Stop Loving You (全英28位・全米76位)
  • 2003 Wake Up Call (全英86位・全米-位)
  • 2003 Home Bone Thung-n-Harmony featuring Phil Collins (全英19位・全米-位)
  • 2003 The Least You Can Do (全英19位・全米-位)
  • 2003 Look Through My Eyes (全英61位・全米-位、映画「ブラザー・ベア」主題歌)
  • 2004 Don't Let Him Steal Your Heart Away (全英-位・全米-位)

ビデオ

  • 1983 VHM39003 恋はあせらず+3 VHD

参考文献

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関連項目

外部リンク

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