ファラド

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ファラド(farad、記号:F)は、コンデンサ(キャパシタ、蓄電器)などの静電容量単位SI組立単位)である。名称はマイケル・ファラデーに由来するもので、ファラッドともいわれる。なお、同じくマイケル・ファラデーに由来するファラデーという単位があるが、これは電荷の単位である。

1ファラドは、「1クーロン(C)の電気量を充電したときに1ボルト(V)の直流電圧を生ずる2導体間の静電容量」(計量単位令による)と定義される。

SI基本単位で組み立てると、

F = C/V = m-2·kg-1·s4·A2

となる。

また、コンデンサの持つエネルギー(ジュール)はJ=F×V2÷2となる。

1990年代までのコンデンサにとっては、静電容量として1Fは非常に大きい単位であり、製品として存在しないものであったが(多くても数万µF = 数十mF)、現在では電気二重層コンデンサで4.7Fというものや、用途によっては1kFといった巨大な容量を持つ素子も存在する。 ただし、このような大容量の素子は、一般の電子回路ではなく、もっぱら二次電池の代用としてバックアップ電源(小は機器内のメモリー内容のバックアップから大は無停電電源装置用)や電動フォークリフトハイブリッドカーの動力用など電力の貯蔵に使われているため、一般的な電子回路ではpFやµFといった小さな単位がよく用いられる。

組立単位

ファラド毎メートル

誘電率の単位は、ファラド毎メートル(F/m)であり、

F/m = m-3·kg-1·s4·A2

となる。

ダラフ

静電容量の逆数をエラスタンスelectrical elastance)ということがある。その単位は、ファラドの逆数であるため毎ファラド (F-1)となるが、farad を逆さまにしてダラフdaraf)と呼ぶことがある。ダラフは、

F-1 =m2·kg1·s-4·A-2

となる。

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国際単位系(SI)の電磁気の単位
名称 記号 次元 組立 物理量
アンペアSI基本単位 A I A 電流
クーロン C TI A·s 電荷電気量
ボルト V L2T−3MI−1 J/C = kg·m2·s−3·A−1 電圧電位
オーム Ω L2T−3MI−2 V/A = kg·m2·s−3·A−2 電気抵抗インピーダンスリアクタンス
オームメートル Ω·m L3T−3MI−2 kg·m3·s−3·A−2 電気抵抗率
ワット W L2T−3M V·A = kg·m2·s−3 電力放射束
ファラド F L−2T4M−1I2 C/V = kg−1·m−2·A2·s4 静電容量
ファラドメートル F/m L−3T4I2M−1 kg−1·m−3·A2·s4 誘電率
ファラドダラフ F−1 L2T−4MI−2 kg1·m2·A−2·s−4 エラスタンス
ボルトメートル V/m LT−3MI−1 kg·m·s−3·A−1 電場(電界)の強さ
クーロン平方メートル C/m2 L−2TI C/m2= m−2·A·s 電束密度
ジーメンス S L−2T3M−1I2 Ω−1 = kg−1·m−2·s3·A2 コンダクタンスアドミタンスサセプタンス
ジーメンスメートル S/m L−3T3M−1I2 kg−1·m−3·s3·A2 電気伝導率(電気伝導度・導電率)
ウェーバ Wb L2T−2MI−1 V·s = kg·m2·s−2·A−1 磁束
テスラ T T−2MI−1 Wb/m2 = kg·s−2·A−1 磁束密度
アンペア回数 A I A 起磁力
アンペア毎メートル A/m L−1I m−1·A 磁場(磁界)の強さ
アンペアウェーバ A/Wb L−2T2M−1I2 kg−1·m−2·s2·A2 磁気抵抗(リラクタンス)
ヘンリー H L2T−2MI−2 Wb/A = V·s/A = kg·m2·s−2·A−2 インダクタンステンプレート:仮リンク
ヘンリーメートル H/m LT−2MI−2 kg·m·s−2·A−2 透磁率

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