ビアガーデン

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百貨店屋上のビアガーデン

ビアガーデンビアレストランビアホールとも呼ばれる)は、屋外(ないしデパートなどの建物の屋上)に多数のテーブル席をしつらえ、ビールなどを提供する形式の酒場。多くは夏期に限定して開設される。

消夏法として広く大衆に好まれ、の風物詩であり、夏の季語にもなっている。

辞書では「ビヤガーデン」の表記が多い。

日本における歴史

  • 日本で最初の屋上ビアガーデンは1953年大阪市北区梅田でオープンした「ニユートーキヨー大阪第一生命ビル店」である[1]
  • 屋上に限らなければ、日本で最初のビアガーデンは、1875年横浜・山手で「スプリング・バレー・ブルワリー(その5年前に創業、現在の麒麟麦酒 )」の創始者であるアメリカ人、ウィリアム・コープランドが、工場隣接の自宅を改装して開いた「スプリング・バレー・ビヤ・ガーデン」である。主に外国人居留者と外国船の船員向けであった。現在では一般的となった、工場で出来立てのビールを提供する飲食店「工場内ビアレストラン(ビール園やブルワリービアホール)」のルーツとも言える。

飲食形態

日本では多くの場合、一定の時間に限り「飲み放題・食べ放題」の方式を採用する場合が多い(一部では時間無制限の方式を採用している。)。金銭授受を省いて料理などを提供する方が合理的と判断されていると思われる。もちろん、個別に料金を取り精算する店もある。提供される飲料は、ビール、チューハイが多く、烏龍茶、ジュースなどのソフトドリンク類もジョッキで供されることが多い。自動でビールをジョッキにつぐセルフサービスも増えている。

料理は、中央のカウンターなどに大皿盛りされたものを、客がセルフで取り分け、自席で飲食する。空き皿の回収は店側が行うことが多い。ジョッキは、飲料と交換(あるいは、それにそのまま入れる)の為、回収されることはないのが普通。外部から紛れ込んでも、ジョッキがないと飲み食いできない仕組みが作られている(このほか、テーブルごとに着席人数を伝票等で明示するという方式などもある)。

料理

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ビアガーデンの料理

調理に手間なく、取り分けやすいものが好まれる。時間制のビュッフェスタイルの店が多いが、一品ずつ会計するオーダー形式の店もある。店によって違うが、以下のようなものが供される。

施設

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ミュンヘンのレストラン、ホーフブロイケラー(Hofbräukeller)のビアガーデン

テーブル及び椅子は、雨にかかることと設営の簡易さから、アルミニウム製またはプラスチック製であることが多く、重厚さや、雰囲気のよさは期待できない。屋外の大型テレビがある場合、ナイターを放送することがあり、野球場へ行くよりも簡易に応援できる場所となる。ステージで音楽演奏を行うところもある。

北海道札幌市大通公園では、毎年夏になると公園の大半がビアガーデンになり、札幌の夏を代表するイベントとなっている。幅65メートル、長さ数百メートルに渡る広大なビアガーデンは、日本国内では他に類を見ない大規模なものである。

明治神宮外苑にある「森のビアガーデン」は、その名のとおり周りが森に囲まれたビアガーデンである。テーブルと椅子は丸太で出来ており、趣がある。座席でバーベキューが可能であり、またビールも専用サーバーごと提供してもらうことが可能なので、ピッチの早いグループにとっては重宝する。

その他

1940年東京都上野のビアホールで「泡が多すぎる」と客が抗議した事から、警察が「生ビールの仕入れ量より売り上げた量が異常に多い」ことで法令違反の疑いがあるとしてビアホール会社を検察が起訴した。しかし、裁判で酒学の権威と言われた坂口謹一郎が「ビールの泡はビールよりもアルコール濃度が高い」と証明し、1944年『ビールの泡もビールと認める』と無罪の判決が下された。

日本の主なビアガーデン

関連項目

脚注

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  1. 「大阪発祥 屋上でかんぱーい!」(朝日新聞2014年8月21日)によれば、同じビルの地下で営業しているビアレストラン「ニュートーキヨー」の広報は大阪の雑誌が2005年に「日本初」と紹介されたが、異論は出ていないという。
  2. Bizスポ 2010年07月16日(金)放送での特集
  3. プレスリリース参照