バスラマ・インターナショナル

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バスラマ・インターナショナルBUSRAMA INTERNATIONAL)は、ぽると出版(本社:東京都世田谷区)が発行する隔月刊のバス専門雑誌1990年に創刊された。略称「バスラマ」。通常号のほか毎年12月に発行する「年鑑バスラマ」、不定期発行の増刊として「バスラマエクスプレス」「バスラマスペシャル」がある。

概要

バスの新モデルの試乗体験、新しく始められたバスサービス・バス運行システムなど、バスファンに限らずバス事業者、関連メーカー、自治体の交通担当者など業界関係者の購読も見据えた専門的な内容が特徴である。特に毎回1-2社のバス事業者に的を絞って車両や特色ある路線などの情報を紹介する「バス事業者訪問」は人気がある。日本国外のバスに関する記事も毎号掲載されている。また、主な記事には英語の要約が記載されているのも特徴である。

雑誌形態ではあるが、取り扱い上は雑誌コードではなくISBNで管理される書籍である。中小の書店では常備するケースが少ないが、都市部の大規模な書店や、啓文堂書店(京王書籍販売)やブックファーストトーハン)のような交通図書に力を入れている書店、一部のミニカーショップなどで入手可能である。また、販路の狭さを考慮し、定期購読も行っている。

発行誌内容

  • 通常号は偶数月の25日前後に発売される。A4版96~104ページが基本。表紙は事業者訪問で取り上げられるバス事業者の車両を大きく掲載している。表紙の紙は以前は薄手のもので書店での陳列で痛みやすかったが、第90号以降は年鑑と同じ厚手のものに変えられた。目次には毎号編集長による巻頭言が記載されている。続いて特集、さらに新型車や新技術の紹介など、また中ほどに「バス事業者訪問」(初期は「ユーザー訪問」と称した)が掲載される。後半には歴史記事(バスのカタログ)や海外バスの記事(現地からの翻訳記事)、終わりのほうに各地のニュースや読者のページなどがある。
  • 年鑑バスラマは、1994年暮から年1回、年末に発売される。その時点で日本国内で発売されるバスの解説、1年間のバス事業者の動きや、資料ページが設けられる。1998年発行分までは、その発行年だけを記載していたが、1999年以降は「1999-2000」といった表記方法に改めている。
  • バスラマスペシャルは、主に注目すべき新型車について通常号だけでは特集しきれない場合、事業規模の大きいバス会社を特別に取り上げる場合などに発売される。最初の号は、1991年東京急行電鉄から分社化した東急バスの営業開始を記念して発行されたもので、以降三菱ふそう・エアロバス日野・リエッセなどの新型車、東京都営バス大阪市営バス(のちに通常号の事業者訪問でも再度取り上げられている)、西日本鉄道といった事業者の特集号が組まれている。2010年には西日本車体工業の事業終了を記念して「西工の軌跡」が発行された。
  • バスラマエクスプレスは、スペシャルよりもページ数の少ない増刊号として(定価も通常号より割安なことが多い)、新型車や特定の事業者の車両などを特集して発売される。バスラマスペシャル共々、発行は不定期である。

クラブバスラマ

バスラマでは、雑誌にとどまらず、バスグッズやツアーなども企画している。たとえば、バスの模型は、香港のメーカーと提携して、2000年から1/76の精巧な製品を実現している。ツアーは、ファン向けにメーカー工場訪問や名所探訪などを、こだわりの観光バスを使用して行われる。なおバスラマが企画するオリジナルツアーのため、一般向けの会員制バスツアーよりも割高である。

特記事項

  • 編集長和田由貴夫は、もとは「モータービークル」という商業車雑誌の編集者で、1990年に独立してバスラマを創刊した。大型免許も保有しており、新車記事では乗客としての立場のみならず、自らハンドルを握ることもある。運転感覚には個人的な好みもあるので一概に言えないものの、ドライバー視点からのレポートは評価が高い。
  • 2006年より、絶版となった号の「バス事業者訪問」コーナーを対象に、コピーサービスが開始された。コピーとしては高めではあるものの、雑誌の出版元自らのコピーサービスはあまり例がなく、読者本位のサービスとして特筆される。
  • 2010年は、創刊20周年記念としてバス業界向けイベント「バステクフォーラム」や「中国のバスの今を知る3泊4日のツアー」などを実施した。

関連項目

外部リンク