ハイヒール

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ハイヒール(婦人靴)
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1組の爪先が丸い、黒い漆皮のハイヒールパンプス(ヒールの高さは8センチ

ハイヒールHigh heels)は「高いかかと」という意味を持つ、履くとかかと部分が爪先よりも7cm以上持ち上げられる形状の靴のこと。かかとと爪先の両方が共に高いヒールの靴は一般的にハイヒールとは呼ばず、「プラットフォーム・シューズ」(厚底靴)と呼ばれる。近年、一般的にこの形態の靴は、ウェスタンブーツシークレットシューズの様な紳士靴を除いて、殆どが婦人靴に限定されている。

ハイヒールシューズ

もともとハイヒールとは「高いかかと」の靴であり、靴にはパンプスからブーツに至るまで多くのバリエーションがある。またかかとの高さ、太さによっても別称が存在している。かかとが細く尖っているものは「ピンヒール」「スティレットヒール」などと呼ばれる。

歴史

男女問わず履かれていたが、ナポレオン戦争が始まると男はより機能的な靴を選び、結果ハイヒールは女の履物となった。ルイ14世は背を高く見せようと履いていた。

ハイヒールの利点と欠点

ファイル:High- heele.jpg
女性のハイヒール

利点

一般的な利点

  • 背を高く(足を長く)見せ、頭身の外見的均衡を整える(これについては逆にスタイルを悪化させるとの指摘がある[1])。
  • 低身長の人が立ち話をする際に、会話の相手を仰ぎ見る必要を減少させる。
  • 女性の足取りを強調しファッションを引き立たせる。

欠点

一般的な欠点

  • 健康上の問題ではないが、自動車を運転する際、足の指先が自由に動かない為足先の感覚が鈍ってペダルの踏み込み加減がわかりにくくなる。またアキレス腱を常に緊張させている為ペダル操作がギクシャクしやすい。このためハイヒール(他に下駄やサンダルなど)を履いた状態で自動車を運転することは禁止されている(道路交通法第71条)。

健康上の欠点

  • 重心の安定が悪く快適でない。また足首の捻挫を起こしやすくなる。
  • 健康上に多大な悪影響がある。人間は本来裸足での歩行に向いた骨格になっているが、ハイヒールを履き続けることで姿勢がゆがみ、外反母趾、むくみ、肩こり、重症となれば椎間板ヘルニアともなる。骨格に対して無理な緊張を強い続ける結果、骨、筋肉に負担がかかり、骨盤が歪む。骨格が歪むと、冷え、むくみ、腰痛、最悪の場合妊娠機能低下にまで繋がる[1]
  • 骨や筋肉が歪むため、平たい尻、下腹の膨らみ、O脚といった状態にも繋がり、スタイルを悪化させる[1]
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靴の形状と足先への影響
  • 高さのあるハイヒールを履く事で転倒し易くなり、体重を支える足首への衝撃や事故が増える。
  • 直立、歩行時に安定性が保てない為、足に過度の負担が掛かり痛みが発生する(長時間の場合は殊更である)。その結果、履き続けると骨と腱を傷付け「外反母趾」になる場合もある(下記参照)。
  • かかとを高くするデザインにより、着用者の体重が極端に爪先方向へ移動し押されがちである。
    • 靴先のデザインがつま先で絞られていると足指の自由がなく結果指の付け根で歩く事になる。長期間の着用は筋力のバランスと指間の靱帯を弛緩させ、足の骨格を歪ませてしまう(例:ヴィクトリア・ベッカムはハイヒールの履き過ぎで足の骨格が変形し、歩行が困難になり、その回復には患部の切開を伴う手術を要した)。
  • ハイヒールの靴はかかとを持ち上げる構造の為、常にアキレス腱を緊張させる。
  • ハイヒールを履く事による着用者の足裏の不具合は、特に魚の目水疱の形で現れる事がある。これは、体重がこの部分に集中し、足骨と地面とで挟まれる為である。

周囲に迷惑を掛ける欠点

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ハイヒールと心理学

ハイヒールの靴に関しては一部でフロイト的な分析として、ヒールの印象は強力な男根象徴とされる(ハイヒールは男性の性的倒錯者のマゾヒスティックな連想信号でもあるとされる)。それら矛盾する要因の結果、一部の女性ではハイヒールについて強い愛好・憎悪を持つことがある。例えばフィリピンイメルダ・マルコスや、ルーマニアエレナ・チャウシェスクはハイヒールの膨大な蒐集で有名だった。反面、幾人かのフェミニスト達はハイヒールの靴が男性による、動作を束縛し女性を圧制する道具であると考えている。

関連作品等

日本国外の有名メーカー
言葉
  • 「ハイヒールというのは、おでこにキスされた女性が発明したもの」 クリストファー・モーレー(アメリカの作家)
映画

脚注

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関連項目

外部リンク

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