未来少年コナン
テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/TVAnime テンプレート:Infobox animanga/Footer 『未来少年コナン』(みらいしょうねんコナン)は、1978年4月4日から10月31日にかけて、毎週火曜日19時30分から20時00分(日本時間)まで日本放送協会(NHK)で放送された日本のアニメ作品である。全26話。製作会社は日本アニメーション。
目次
作品概要
宮崎駿が初めて監督を担当した作品として知られる。また、NHKが放映した最初のセルアニメーションシリーズでもある。従来、『少年ドラマシリーズ』などの青少年向け番組は18時台に放送されていたが、ゴールデンタイムにおける視聴率の大半を児童および青少年が占める状況を鑑み、19時30分からを「ファミリーアワー」として、本作もこの時間枠に放送することとした[1]。火曜日19時30分からの30分間は、この作品以後しばらくの間アニメーション枠となった。
本放送時の視聴率は、関東地区で平均8%と振るわず、最高視聴率も14%(第25話)に留まった[2]。NHKはPRのためNHK受信料徴収の際、同作品のシールを渡したこともある。後に再編集によって映画化されたが、その際には一部のテレビ版製作スタッフの意図に反して編集されたため問題になった。
制作が遅れ、26話作るために一年三ヶ月を要した。間に合わない際はNHKも特番を放送するなど制作サイドの都合に対応していたため、宮崎駿は「NHKだからできた」とも振り返っている[3]。
1999年にはTBS系列にて『未来少年コナンII タイガアドベンチャー』が放映されたが、舞台設定、登場人物など全く異なった設定のものである。
原作
アレクサンダー・ケイ(Alexander Key)の『残された人々(原題The Incredible Tide)』が原作としてクレジットされている。日本アニメーションがNHKにアニメ企画を提示した中の1本だったというが、本命企画ではなく、宮崎駿に日本アニメーションから監督依頼があったときもその本命の別作品の監督依頼だったという[4]。
中島順三プロデューサーによれば、NHK初のテレビアニメシリーズということで企画に応募した当初、日本アニメーションが手がけてきた世界名作劇場同様「家族で見られるようなものを」と考え、フランシス・ホジソン・バーネット作『秘密の花園』をアニメ化しようと思っていた。しかし、中島は折からのアニメブームを考慮して「小学校5、6年生に向けた冒険活劇にしよう」と考えを変更し、幾つか提示した作品の中からNHK側が『残された人々』を選んだ。中島が監督に抜擢した宮崎駿は最初こそ「こんなものアニメにならないよ」と難色を示したが、後述のように設定やストーリーを大きく変更すること、作画監督に大塚康生を起用することを条件に監督を引き受けた[5]。
『残された人々』が当時の冷戦を背景とした濃厚な東西対決色を枠組みとしていることなど、暗いペシミスティックな要素を子供に見せることを宮崎が嫌ったこともあり[6]、ストーリー及び登場人物について大幅に脚色が加えられている。原作の舞台は架空の最終戦争終了から20年経過した世界に変更されているほか、露骨に共産主義を連想させる一部のインダストリア側登場人物の名称は改められた。そのため宮崎は、ハイハーバーをアメリカ、インダストリアをソ連とする原作に立ち戻っての見方には不快感を表明している[7]。
本作の影響
本作を見たことで、アニメ業界を志したクリエイターも多い。本郷みつる[8]、摩砂雪[9]、井上俊之[10]、田中達之[11]など。スタジオジブリ作品の常連となったアニメーターの高坂希太郎も高校時代に本作を見て、宮崎駿と仕事が出来る可能性のあった作画スタジオのOH!プロダクションに入社したという[12]。平松禎史にとっては、絵を動かすことの面白さを教えられた作品であり、パラパラマンガを描くようになったという言わばアニメーターとしての原点となっている[13]。
本作には絵コンテで参加した富野由悠季は、『戦闘メカ ザブングル』を監督するにあたって、『未来少年コナン』を模倣するところから始めたと語っている[14]。また、当時新人だった押井守は、本作の絵コンテ集によってレイアウトを学び、高畑勲の絵コンテでのラオ博士の扱いでキャラクターを立たせる「戦略的な演出」を理解したという[15]。
さらに1995年に公開されたアメリカ映画『ウォーターワールド』が本作の影響を受けているのではないかという声がある[16] [17]。
あらすじ
西暦2008年、核兵器をはるかに上回る威力の「超磁力兵器」が用いられた最終戦争が勃発。人類は大半が死滅し、それまで築かれてきた高度な文明の多くが失われてしまった。五大陸は変形し地軸も曲がり、超磁力兵器による激烈な地殻変動で多くの都市が海中に没した。
戦争から20年、コナンは「のこされ島」と呼ばれる小さな島で、「おじい」と二人で平穏に暮らしていた。ある日、海岸に少女ラナが漂着する。ラナはハイハーバーという島で暮らしていたが、科学都市インダストリアの者たちにさらわれそうになり、隙を見て船から逃げ出していた。
インダストリアは、前時代の巨大な塔(三角塔)を中心とした都市だが、塔を維持するためのエネルギーが乏しかった。そこで、太陽エネルギーのシステムを復活させるため、その技術を持つラオ博士を探していた。しかしラオが見つからないため、ラオとテレパシーで会話できるという孫娘のラナを狙ったのだ。
コナンの奮闘空しく、ラナは再び連れ去られ、おじいは死んでしまう。コナンはおじいを埋葬し、ラナを救うため、そしてまだ見ぬ人々に出会うために島から旅立つ。やがて、多くの仲間を得て、世界征服を目論むレプカに立ち向かうことになる。
登場人物
主要人物
- コナン
- 声 - 小原乃梨子
- のこされ島で誕生した、自然を愛する12歳の快男児。脚力・腕力・肺活量などが人並み外れた驚異的な身体能力と不屈の根性を持っている。生まれてからずっと島で暮らしており、おじい以外の人間を知らなかったが、ラナとの出会いによって大きく運命が変わる。のこされ島時代から漁に使っていた銛を自在に操る。西暦2016年生まれと推定されるテンプレート:要出典。
- ラナ
- 声 - 信沢三恵子(現・信澤三惠子)
- 12歳になるラオ博士の孫娘。テレパシー能力を持ち、アジサシのテキィと心を通わせたり、祖父ラオ博士と意思疎通を図ることができる。そのためにレプカから目を付けられており、功を焦ったダイスによってそれまで住んでいたハイハーバーから拉致される。バラクーダ号から逃亡を図り、漂着した先の「のこされ島」でコナンと出会う。
- ブライアック・ラオ
- 声 - 山内雅人
- ラナの祖父で、太陽エネルギーの開発に関わった科学者チームの生き残り。60歳。太陽エネルギーの発明が超磁力兵器の開発を招いたことに負い目を感じている。フライングマシンでインダストリア脱出を図った際に撃墜される。この時の負傷を利用して別人になりすまし、パッチという偽名を使ってサルベージ船の責任者となった。インダストリアの許可無くコナンとラナを働かせ始めたことでテリットの不審を買い、最終的には自分のテレパシーを察知したラナに正体を気付かれることとなった。原作での名前は「ブライアック・ロー」。
- ジムシィ
- 声 - 青木和代
- コナンがのこされ島を出て最初に漂着した島で出会った10歳の少年。首にコナンの乗ってきた筏の帆をまとっている。コナンと互角に渡り合う運動能力の持ち主で、大の食いしん坊で狩りの名人。最初は警戒心もあってコナンと衝突したが、実力を認めあいすぐに意気投合する。ラナの人柄に接するまでは女嫌いだったが、ハイハーバーではテラと心を通わせるようになる。コナンほどの熱血漢ではなく気分屋のところもあるが、友情に厚くコナンと行動をともにする。好物はカエルの干物で、ハイハーバーでは養豚に関心を持つ。シリーズ後半ではダイスとの名コンビぶりで活躍。
- ダイス
- 声 - 永井一郎
- インダストリア貿易局員で、帆船「バラクーダ号」の船長。普段は採取したプラスチップをインダストリアに運搬している。インダストリアへ密航しようとしたコナンとジムシィを見とがめるが、コナンの熱意を汲んで二人をバラクーダ号で働かせる。「海の男」を自称しているだけあって、インダストリア周辺の海域を正確に把握しており、船員達からも信頼されている。作業用ロボット「ロボノイド」を自在に操る。当初はラナに愛情を寄せ、そのために結果を顧みずに行動して船員達を危険に晒すこともあった。モンスリーとは犬猿の仲だったが、次第に好意を寄せ合うようになる。最終話時点での年齢は35歳。
- レプカ
- 声 - 家弓家正
- インダストリア行政局長。33歳。インダストリアのエネルギー問題解決のため、委員会に太陽エネルギー復活を説くが、その実は武力による恐怖政治を信奉するタカ派。太陽エネルギーの秘密を握るラオ博士と、ラオ博士の手掛かりとなるラナを追う。『天空の城ラピュタ』のムスカとは服装や性格が似ており、実際に『ジブリ・ロマンアルバム 天空の城ラピュタ』など一部の資料ではレプカをムスカの末裔として紹介しているが、これはラピュタが本作の延長の世界観にある作品として企画されていたためであり、意に介すべきではない。原作での名前は「レプコ」。
- モンスリー
- 声 - 吉田理保子
- インダストリア行政局次長。レプカの命令によりのこされ島からラナを連行する。美人ながら気が強く、また無愛想な性格だが、その胸には大戦での凄惨な記憶を秘めている。乗り物の操縦に長け、判断力も優れるため、レプカや部下からの信頼は厚い。コナンの身体能力に惚れ込み、インダストリア市民として教育しようとする。レプカに忠実だったが、ハイハーバーでの敗北を経て心境が変化していく。最終話での年齢は28歳。原作での名前は「マンスキー」。
残され島
- おじい
- 声 - 山内雅人
- コナンと暮らしていた老人。コナンが「おじい」としか呼ばないため、本名は不明。かつて、コナンの両親を含む9名の仲間と地球を脱出しようとしたが失敗し、のこされ島に不時着、以来この島に住んでいる。他の仲間達は死に絶え、コナンと二人きりで生活していたため、ラナが漂着するまで他に人類が生き残っている場所があることを知らなかった。ラナを連行するためやって来たインダストリアの行政局員をロケット弾で脅して追い返そうとするが、去り際にクズゥの放った銃弾でロケット弾が爆発して重傷を負う。死に際に、コナンに仲間を見つけるため島を出るよう諭す。64歳没。
インダストリア
- モウ
- 声 - 雨森雅司
- インダストリア最高委員会の中心人物で、政策などの重要事項を承認する役割を果たす。委員会はレプカの行動に何かと口を挟むが、原子炉の維持・使用には委員達の承認が不可欠であるため、レプカにとってはまさに目の上のこぶである。
- エイ、ジュン
- 声 - 村松康雄、千葉順二
- インダストリア最高委員会の委員。普通のメガネをかけたほうがジュンで、黒メガネをかけているのがエイ。彼らを含めた委員達は、基本的に温厚な面々でラナ達にも中立的な立場をとるが、レプカの横暴を制止することができない無力な存在として描かれる。
- クズウ
- 声 - 水鳥鉄夫
- モンスリーの部下のひとり。26歳。
- ドゥーケ[18]
- 声 - 若本紀昭(現・若本規夫)
- モンスリーの部下のひとりで、飛行艇ファルコのパイロット。24歳。
- ルーケ
- 声 - 田中秀幸
- インダストリアの地下住人の中心的存在で、ラオ博士と面識がある。24歳。レプカの政策に反対したため、他の地下住人と同じように額に烙印を押され、囚人として投獄されていた。偶然牢屋にやってきたコナンの助けを借りて脱獄し、以降コナン達に協力する。三角塔の地下通路の構造を知り尽くしている。
- ルーケの父
- 声 - 山内雅人
- 息子であるルーケ同様、レプカの政策に反対している。容姿と声がおじいと瓜二つであり、コナンは彼を「おじい」と呼んで懐くようになる。
バラクーダ号
- ドンゴロス
- 声 - 神山卓三
- バラクーダ号の水夫長で、30歳。コナンとジムシィの世話係となり、特にバラクーダ号に残ったジムシィとは仲が良い。
- パスコ
- 声 - 池田勝
- バラクーダ号の水夫長で、32歳。ドンゴロスとは親友。
- グッチ
- 声 - 増岡弘
- バラクーダ号のコックで、29歳。常に仏頂面で無口な性格。プラスチップ島ではジムシィの持ってくるネズミなどの食材を、タバタバ(タバコ状の嗜好品)と交換していた。
サルベージ船
- テリット
- 声 - 納谷六朗
- サルベージ船の書記で、21歳。インダストリアでドジを踏み、サルベージ船へ左遷された過去を持つ。二等市民への昇格を切望しているが、それに必要な点数を与えないパッチを目の敵にしている。後にパッチがラオだったとモンスリーに知らせるも、ラオをみすみす逃したため、二等市民の夢は潰えてしまった。パッチが去った後、事故でクレーンに挟まれて死亡したことが、ルカの口から語られている。
- ルカ
- 声 - 水鳥鉄夫
- サルベージ船の作業員で、55歳。行方知れずの孫がコナン達と同じ年頃だったらしく、はやくからコナン達を気にかけていた。雑用が趣味らしく、陸側で食堂も営んでいる。
ハイハーバー
- オイトン
- 声 - 水鳥鉄夫
- ハイハーバーの村長で、53歳。大変動が起こる前は技術者だった。
- ガル
- 声 - 宮内幸平
- ハイハーバーの漁労長で、47歳。船を出して息子たちと漁を行うほか、いけすも持っている。コナンを気に入り、漁やハイハーバーの決まりを教える。火薬に魅せられており、何でも手製の爆弾で解決しようとする。この爆薬はかなり強力で、バラクーダ号を座礁させ、インダストリアの軍艦・ガンボートを沈没させるほどの威力がある。彼のいけすには戦争時にラオ博士が人々の救出に使ったフライングマシンが置いてある。
- シャン
- 声 - 中村武己
- ラナの叔父で、32歳。ハイハーバーの本村の郊外で診療所を営んでいる。ダイスがラナを拉致しに来るまで妻とともにラナを養っていた。中盤ではコナンやジムシィを自ら迎え入れて責任を負う。村での発言力も大きい。
- メイザル
- 声 - 斉藤昌子→斉藤昌
- ラオ博士の娘でシャンの妻。29歳。ラナの叔母にあたり、ラナから母親のように慕われている。
- サク
- 声 - 塩屋翼
- ガルの息子。13歳。常に父の漁の手伝いをしている。
- タルコス
- 声 - 山下啓介
- ハイハーバーの風車村の責任者で、33歳。ダイスに鍛冶仕事を教える。
- ケイ
- 声 - 三田松五郎
- オーロ
- 声 - 石丸博也
- ハイハーバーの本村の反対側にある荒地で暮らす孤児。おなじく孤児であるチートらと対立する不良少年グループのリーダー。17歳。自分にハイハーバーの支配者の器があると思い込んでおり、コナン達と何度も衝突したばかりか、島をインダストリアの脅威に晒すことになる。
- テラ
- 声 - つかせのりこ
- オーロの妹で、9歳。当初はオーロと共にコナン達と衝突したが、ジムシィに好意を抱くようになり、次第にオーロの元から離れていく。
- チート
- 声 - 田中秀幸
- ハイハーバーの南の荒地に住む孤児のひとり。17歳。オーロたちとは対照的に、孤児で集まって自律した生活を営んでいる。
動物
メカニック
- バラクーダ号
- 大変動後、プラスチップ回収のために建造された機帆船。既存のタンク類の鋼板を流用したため[19]、水線部が膨らんだタンブルホーム型船体をしている。補助機関として木炭エンジンを備える[19]。船体の左右には船倉にプラスチップを搬入するための作業船が据え付けられている。
- ファルコ
- インダストリアが運用する推進式の飛行艇。ギガントを除けばこの世界で(作中に登場する)唯一の飛行機。海洋調査用に設計されたもので、低速長時間飛行に優れる[20]。丸みを帯びた機体と大きな主翼を持ち、水平尾翼が省略されている。水素ガスタービンエンジンで垂直尾翼上端後方にあるプロペラを回して飛行する。最高速度時速360km。最低速度時速60km[20]。第11話で大破するが、第20話以降で固定式、旋回式機銃で武装して再登場している。
- ロボノイド
- インダストリアの作業用ロボット。燃焼式エンジンで駆動し、3本のレバーと2つのフットレバーで両手両足を自在に操れる。インダストリアの地下街建設に使用されていたものの残りで[21]、人間より腕力が必要な作業に使われる。箱型の胴体に手足のみ、頭部はなく操縦席は吹き抜けの開放式というシンプルな構造。インダストリアの作業場で用いられるほか、バラクーダ号の船槽に搭載されてプラスチップ採取に用いられる。
- フライングマシン
- 反重力装置で飛行する乗り物。ラオ博士がインダストリアの地下に隠して脱出に使用した機体と、ラオ博士が大変動後に生存者をハイハーバーへ引き揚げるために使用した機体の2種類ある。前者は紫色のドングリのような形で、金属ゴムで防弾が施されている[22]。後者は作中で750km/hと高速飛行ができ、潜行も可能であるが、防弾装甲を持たない。
- ガンボート
- インダストリアに唯一残る軍艦で、直訳すると砲艦。全長58メートル、全幅8.3メートル、排水量415トン、ガスタービン動力、速力24ノット、武装は76.2mm単装砲1門(前甲板)、23mm機関砲2門(艦橋)、57mm単装砲1門(後甲板)。多量の石油を消費するためインダストリア最高委員会の許可がなければ使用できない。貧弱な装備だが、艦船でないバラクーダ号や武器をもたないハイハーバー住民にとっては大きな脅威となる。
- サルベージ船
- 沈没した船を引き揚げるために使用する作業船で、インダストリアの人もない砂漠地帯に係留されている。ただし今日の一般的なサルベージ船の形状とは異なり自力航行はできず、クレーンや巨大なマジックハンドのようなものが据え付けられたグロテスクな外見をしている。ここで引き揚げた船は、後のインダストリア脱出の際に使用されることになった。回収作業用として潜水服が備え付けられているが、圧縮空気タンクを背負うものではなく船上からポンプで空気を供給する仕組みのヘルメット潜水型である。
- ギガント
- かつて、大変動の際に全世界を滅ぼした巨大な無尾翼全翼機。全長85メートル、全幅176メートル、全高60メートル、乗員250名、エンジンは太陽エネルギー推進イオンジェットエンジン6基および離陸用ブースターエンジン1基、リフトエンジン4基。武装は人工衛星破壊用カノン砲30門、レーザー砲60門、ロケット兵器12門、地上破壊用超大口径レーザー砲1門であり、地殻すら変動させるほどの攻撃力を持つ[23]。また、機内には青酸ガスの噴霧装置や非常消火装置も有している。
- 熱核兵器を上回る戦略兵器として建造された作中史上最大の航空機で、静止衛星軌道上に3機を配備すれば地球全域に対する攻撃が可能となる[23]。戦力分散戦略に基づき三角塔の地下に配備されたうちの1機が大変動後に残った[24]。一度大気圏外に離脱すれば、自ら太陽エネルギーを吸収して半永久的に飛行可能である。また、乗員全員が3年間生活できるだけの設備を有している。機体はブロック構造になっており、損傷部位を速やかに切り離すことが可能。機体全身に隠顕式の砲塔を装備するほか、先端部には飛行中に地上部と連絡を取るための交通艇が格納されている。名前はドイツ語で「巨人」を意味し、同時に第二次大戦中の超巨大輸送機Me323 ギガントに因むものでもある。主力兵装である超大口径レーザー砲は機首下面にあるが、劇中では登場していない[25]。
地理
- のこされ島
- おじい一行が地球脱出に失敗した際に墜落した島。浅瀬には軍艦の残骸があり、海中には都市が沈んでいる。周囲の海は魚が豊富で、しかも島の高台に突き刺さったロケットのコックピット部分から水が湧き出たので、おじいたちは生き延びることができた。コナンとおじいは、ロケットの下の石垣に囲まれた住居に住んでいた。戦争から年が経つにつれ島は樹木でおおわれ鳥たちも訪れるようになったが、おじいの仲間達は死に絶えコナンとおじいの二人だけになった。島のはずれに石造りの墓がある。インダストリア消滅後に周辺陸塊が隆起し、「新大陸」となる。OPに描かれた背景はその時以降の様子でもある。
- 暴れ海
- ジムシィのいる島にたどり着くまでにコナンが通った海で、常に嵐・竜巻が吹き荒れている。
- プラスチップ島[26]
- 筏の漂着によりコナンがジムシィと出会った島。ジムシィは「オレの島」と呼んでいる。プラスチップの採取のためにバラクーダ号が定期的に訪れる。もともとは多数の人間がいたが、若者達はインダストリアに連行され今では年老いた人間が居るだけだという。ダイスらはその住人を使い、ロボノイドも駆使しながら何日かプラスチップの採取を行ったのちインダストリアに帰港する。
- インダストリア
- 前時代の産業的遺構を多く残した都市である。大陸の海岸線上に位置しており、周囲には砂漠が広がっている。人口は都市機能と比較すると飽和状態であるため新たに外部から人間を連れてくることは禁じられていた。三角塔を中心としてごく小規模な市街地を形成しているが地上に並ぶ家屋は多くが無人で[27]、人々の多くは三角塔内部か地下で生活している。インダストリアの行政機関は最高委員会とその下の局からなる。最高委員会は博士10名からなり、名目上最高権力を有している。三角塔のエネルギーの管理も最高委員会が行う。局には少なくとも行政局と貿易局の2つがあり、行政局はレプカが局長を務める。インダストリアの管轄内に居住している住民(サルベージ船周辺を含む)は、生活態度などによってつけられる点数に基づく等級に分けられる。等級は(囚人を含めれば)少なくとも4つあり、待遇や居住エリアは等級ごとに異なる(作中ではあまり詳しく触れられていない)。身分的に最下層の囚人たちは専用の銃型器具で額に星形の烙印(焼印)を付けて区別され、居住区を地下に限定された上、衣類も粗末なものしか配給されない。街のはずれにはプラスチップの加工施設があり、バラクーダ号からトロッコで運ばれたプラスチップは石油に還元された上、ここでパンや衣類として加工されるほか石油のままガンボートへのエネルギーとして使用される。電力は原子炉によって賄われているが、炉の寿命が尽きかけているため、三角塔の設備の使用(たとえばレーザー砲など)は原子炉に過負荷を強いることになる。三角塔における武力の使用もまた厳重に管理されており、三角塔の兵器やガンボートやファルコなどの戦力の使用・兵器庫の開放には委員会の承認が必要となるほか、護身用以外の武器の携行は禁じられている。
- ハイハーバー
- ラナがインダストリアに連れ去られる前に住んでいた島。大地殻変動によって死火山が海面上に残り、島となったもの[28]。周辺の気候は温暖で魚も豊富。住民は大地殻変動の際にラオ博士によって救出された人々からなっている。島の北側に火口湖を持ち、その周辺に村が形成されている。本村の外れには風車村があり、ラナもインダストリアに連れ去られる前にはここで働いていた[29]。自動車道やバスなど前時代の遺構の残る南側の荒れ地はオーロの縄張りとなっており、豚が飼育されている。チートたちの村も南側の海辺にあり、畜産を行っている。本村とは、陸路のほか、船で往来できる。人々はここで農業や漁業を営んでいる。
スタッフ
作画
日本アニメーション社内班とOH!プロダクションの2班が作画として参加[30]。作画枚数は6千枚から7千枚をかけている[31]。作画監督は、大塚康生が単名でクレジットされているが、事実上、宮崎駿と大塚のダブル体制である[32]。特にラナに関しては、1話のラナの大塚の作画修正を見た宮崎駿が不満を持ち、2話以降のラナの作画監督は宮崎駿自身が行うようになった[33]。
音楽
担当した池辺晋一郎にとって本作は初のアニメ作品であった。池辺の他の劇伴作品と比べてより明確な調性志向が強く、明るい音楽が多いのが特徴である。
脚本
クレジットされている脚本家は宮崎駿から渡されたシノプシスを元に脚本を執筆していたが、当時のプロデューサーにとってアニメには脚本が必要という慣例上そうしていただけで、実際にはその脚本はほとんど使われず、宮崎は直接絵コンテを描き下ろしている[34]。宮崎は脚本をあくまで叩き台として考えており、スケジュールが遅延して来たため、直接絵コンテから描くようになったと述べている[35]。
スタッフリスト
- 一部、劇場版でのクレジットも含む。
- 原作 - アレグサンダー=ケイ「残された人びと」
- 企画・製作 - 日本アニメーション株式会社
- 製作 - 本橋浩一
- 製作管理 - 高桑充
- 企画 - 佐藤昭司
- 音楽 - 池辺晋一郎
- 作画監督 - 大塚康生
- 美術監督 - 山本二三
- 撮影監督 - 三沢勝治
- 録音監督 - 斯波重治
- キャラクターデザイン・メカニックデザイン・場面設定・大道具・小道具 - 宮崎駿、大塚康生
- 原画 - 近藤喜文、友永和秀、河内日出夫、才田俊次、篠原征子、北島信幸、富沢信雄、大島秀範、山内昇寿郎、村田耕一、真鍋譲二、岡迫恒弘、川尻善昭
- 動画チェック - 前田英美
- 動画チェック助手 - 大島秀紀
- 美術監督補 - 阿部泰三郎
- 背景 - アトリエローク(現:アトリエローク07) 阿部泰三郎、高野正道、笠原淳二、川本征平
- 色指定・仕上検査 - 保田道世
- 撮影 - 東京アニメーションフィルム(現:アニメフィルム) 金子仁、清水達正、小山信夫
- 編集 - 瀬山武司、割田枡男、上遠野英俊
- 現像 - 東洋現像所(現:IMAGICA)
- 演奏 - コンセール・レニエ
- 効果 - 石田秀憲(石田サウンド(現:フィズサウンドクリエイション))
- 整音 - 桑原邦男
- 録音製作 - オムニバスプロモーション
- 録音スタジオ - シネビーム・スタジオ
- 演出助手 - 鈴木孝義、馬場健一
- 製作進行 - 細田伸明(第1話 - 第26話)、星出和彦、竹内考次、内山秀二、神田喜雅、照井清文
- 演出補 - 早川啓二
- プロデューサー - 中島順三、遠藤重夫
- 演出 - 宮崎駿(第1話 - 第26話)、高畑勲(第9話、第10話)、早川啓二(第11話 - 第26話)
- 監督 - 宮崎駿
- 製作 - 日本アニメーション、NHK
- オープニングナレーション - 伊武雅之(現・伊武雅刀)
主題歌
- オープニングテーマ「いま地球が目覚める」
- 歌 - 鎌田直純、山路ゆう子
- エンディングテーマ「幸せの予感」
- 歌 - 鎌田直純、山路ゆう子
- レーベルはNHKレコード(発売元はポリドール)
- 「幸せの予感」はNHKレコード版の他にキングレコード発売の音楽集LP(後にCD化)に収録された版があり、歌詞の一部が異なっている(NHKレコード(ポリドール)版の2番の歌詞がキング版では3番に使われ、キング版の2番は別の歌詞に差し替えられている)。
- なお「幸せの予感」は、『みんなのうた』でも紹介された(こちらの歌詞はNHKレコード版と同じ)。
各話リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 美術監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1978年 4月4日 |
のこされ島 | 中野顕彰 | 宮崎駿 | 宮崎駿 | 阿部泰三郎 |
第2話 | 4月11日 | 旅立ち | 胡桃哲 | |||
第3話 | 4月18日 | はじめての仲間 | 中野顕彰 | 宮崎駿 早川啓二 |
高野正道 | |
第4話 | 4月25日 | バラクーダ号 | 胡桃哲 | 阿部泰三郎 | ||
第5話 | 5月9日 | インダストリア | 中野顕彰 | 奥田誠治 | 高野正道 | |
第6話 | 5月16日 | ダイスの反逆 | 阿部泰三郎 | |||
第7話 | 5月23日 | 追跡 | 高畑勲 | 高野正道 | ||
第8話 | 5月30日 | 逃亡 | 宮崎駿 早川啓二 |
笠原淳二 | ||
第9話 | 6月6日 | サルベージ船 | 吉川惣司 | 高畑勲 | 宮崎駿 高畑勲 |
阿部泰三郎 |
第10話 | 6月13日 | ラオ博士 | 阿部泰三郎 高野正道 笠原淳二 | |||
第11話 | 6月20日 | 脱出 | 石黒昇 | 宮崎駿 早川啓二 | ||
第12話 | 6月27日 | コアブロック | 中野顕彰 | 高畑勲 | ||
第13話 | 7月4日 | ハイハーバー | ||||
第14話 | 7月11日 | 島の一日 | とみの喜幸 | |||
第15話 | 7月18日 | 荒地 | 吉川惣司 | 宮崎駿 早川啓二 | ||
第16話 | 8月1日 | 二人の小屋 | 宮崎駿 | 高野正道 笠原淳二 | ||
第17話 | 8月8日 | 戦闘 | 宮崎駿 鈴木孝義 | |||
第18話 | 8月15日 | ガンボート | 宮崎駿 | |||
第19話 | 8月29日 | 大津波 | 宮崎駿 早川啓二 | |||
第20話 | 9月12日 | 再びインダストリアへ | 高畑勲 | |||
第21話 | 9月19日 | 地下の住民たち | とみの喜幸 | |||
第22話 | 9月26日 | 救出 | 宮崎駿 | |||
第23話 | 10月3日 | 太陽塔 | 中野顕彰 | |||
第24話 | 10月17日 | ギガント | ||||
第25話 | 10月24日 | インダストリアの最期 | ||||
第26話 | 10月31日 | 大団円 |
映画版
未来少年コナン
NHKのテレビシリーズをまとめた総集編『未来少年コナン』が1979年に劇場公開された。同時上映作品は、同じく日本アニメーション製作の『野球狂の詩 北の狼南の虎』。
実写映画『海底大戦争』や『吸血鬼ゴケミドロ』などの監督作品がある佐藤肇が総監督(映画OPでは監督とクレジット)を務めた。物語はかなり改変されており、ハイハーバーやギガントの存在が割愛されている。主題歌を歌うのは研ナオコで、BGMはテレビシリーズと別な曲に変更されていた。
ラオ博士が死亡しなかったり、インダストリアが沈まないなどラストのストーリーは改変され[36]、テレビシリーズとはかなり異なった趣きに仕上がっている。急性声帯炎を押して収録したコナン役の小原乃梨子も複雑な気持ちだったことを明かし[37]、当時のファンの反応はあまり芳しいものではなかった。安直に総集編を劇場公開した関係者を批判する声も少なくなかった。ビデオやLDは1984年に発売されたが、現在絶版状態にある。
本作を制作した日本アニメーションの社長・本橋浩一とニッポン放送のラジオプロデューサーだったドン・上野こと上野修が同級生だった関係から、ニッポン放送側から日本アニメーションに映画化の話が持ち込まれ、東映が製作協力と配給を行うことで製作が決定した[38]。
監督の佐藤肇と脚本の今戸栄一は東映側のプロデューサーによる指名であった[38]。しかし、企画当初は、総監督には宮崎の就任が予定されており、雑誌「アニメーション」1979年5月号(すばる書房)で発表があり、宮崎もコメントを寄せていた。しかし宮崎はテレビシリーズの再編集というアニメ映画のあり方に反対で、テレビシリーズ全26話を劇場で上映するか、続編を新作映画として制作することを要求して衝突。この再編集版には一切関わらずに、自らの名前も監督から外させた[39]宮崎駿の作品歴から再編集版は省かれている。
一方、映画を盛り上げるべく、1979年7月20日には、ファン1万人を集めて、日本武道館で「コナン・フェスティバル」を開催した。内容は、第1部が本作を上映しながら舞台上で声優が生アテレコを披露する「コナン・ストーリー」、第2部が作詞作曲した谷山浩子による劇場版主題歌の披露、第3部がささきいさお、堀江美都子、大杉久美子らアニメソング歌手と水島裕、神谷明、富山敬ら特別ゲストの声優によるアニメソング・ヒット・パレードというものであった[38]。
さらにニッポン放送は、映画公開の前日深夜となる1979年8月31日には『オールナイトニッポン』で4時間の生放送を行い、その中で新たに書き起こされた台本で本作の生ラジオドラマも放送された。演出は映画化を持ちかけたドン上野本人で[40]、声優もゲスト出演してファンと電話で交流したりもした[38]。
2012年8月8日に、『夏休みアニメ特選』の1つとして本作をNHK BSプレミアムで放送[41]。この放送のために、デジタルリマスター化が行われた[42]。
- 公開 - 1979年9月1日
- 上映時間 - 123分
- 製作 - 本橋浩一
- 製作管理 - 高桑充
- 企画 - 佐藤昭司
- 脚本 - 今戸栄一
- キャラクターデザイン - 大塚康生
- 音楽 - 藤家虹二
- 音楽プロデューサー - 上野修
- 録音 - 岡村昭治
- 音響効果 - 大平紀義
- 編集 - 田中修
- 選曲 - 石川孝
- 記録 - 宮本衣子
- プロデューサー - 中島順三、足立和
- 総監督 - 佐藤肇
- 製作協力 - 東映株式会社
- 製作 - 日本アニメーション株式会社
主題歌
未来少年コナン 特別編 巨大機ギガントの復活
本作は、TVシリーズで人気の高かった「ギガント」「インダストリアの最期」「大団円」の3つの話を再編集したダイジェスト版である。同時上映は『超人ロック』。劇場公開日は『風の谷のナウシカ』と同日だが、こちらの方はほとんど話題にならなかった。
- 公開 - 1984年3月11日
- 上映時間 - 49分
- 公開 - 松竹系
- 製作 - 本橋浩一
- 製作管理 - 高桑充
- 企画 - 佐藤昭司
- プロデューサー - 中島順三、遠藤重夫
- 演出補佐 - 早川啓二
- 演出助手 - 馬場健一
- 作画監督 - 大塚康生
- 脚本 - 中野顕彰
- 絵コンテ - 宮崎駿
- 撮影監督 - 三沢勝治
- 音楽 - 池辺晋一郎
- 美術監督 - 山本二三
- 録音監督 - 斯波重治
- 録音スタジオ - ニュージャパンスタジオ
- 編集 - 瀬山武司
- 劇場版構成 - 吉田耕造
- フィルム構成 - 映像音響システム・YOSHI編集室
- 現像 - 東洋現像所
- 製作進行 - 細田伸明
- ナレーション - 小林清志
- 監督 - 宮崎駿
- 製作 - 日本アニメーション株式会社・松竹株式会社
ゲーム
未来少年コナン(PCエンジン SUPER CD-ROM²)
2Dアクションゲーム。「のこされ島」「インダストリア」「ラオ博士」「ハイハーバー」「救出」「ギガント」の6ステージで構成されている。スプライトとBG(バックグラウンド)を駆使したプログラムによるドット絵で再現したオープニングやエンディング、アニメーションシーンが挿入され、アニメと同じ声優陣による音声が流れる(ただしナレーションは阪脩、ガルは水鳥鉄夫に変更されている)。
未来少年コナン DIGITAL LIBRARY
1995年10月20日発売、発売元:バンダイビジュアル)。3DO向けのアニメのデータベースソフト。2種類のミニゲームも収録されている。
未来少年コナン(PlayStation 2)
2005年8月25日発売。発売元:ディースリー・パブリッシャー。
3Dポリゴンのトゥーンレンダリングによる3Dアクションゲーム。「残され島編」「インダストリア編」「ギガント編」の3部構成。カメラワークや操作性に問題があり、評価は良くない。オープニングやエンディング、ゲーム中にテレビアニメから取り込んだアニメーションムービーが流れる。しかしゲーム中の声優は5人のみで、コナン役の小原乃梨子以外はオリジナルとは違うキャストになっている(ラナは三橋加奈子、ジムシィは山口眞弓、ダイスは辻親八、レプカは松山鷹志が担当)。
パチンコ・パチスロ
いずれもニューギンから発売された。
- パチンコ
- CR未来少年コナン(2005年)
- CR未来少年コナン〜愛と勇気と冒険と〜(2011年)
- パチスロ
- パチスロ未来少年コナン(2011年)
ビデオグラム化
バンダイビジュアルが、1990年4月にレーザーディスク全7枚組のLD-BOXを39,600円で発売。バンダイビジュアルがディズニー作品の販売をしていたときのノウハウが投入され、『機動戦士Ζガンダム』のLD-BOXに抜かれるまで、『スター・ウォーズ』なども押さえてLD-BOXのセールス記録を保っていた[43]。1997年にはLD-BOXに使われたマザーを素材にDVD-BOXを発売。2001年になって、ニュープリント、ニューテレシネで新たにマスターが作成されて、日本語字幕と音声と効果音のみ収録したMEトラックも追加された仕様のDVDが再発売された[44]。さらに2008年1月には、本放送30周年記念として廉価版DVD-BOXが新たに初回限定で発売された[45]。2011年11月25日、マスターネガよりテレシネを再び行い、ブルーレイ版が発売された。本編DISC(5枚組)にビスタサイズ版全話を収録した特典DISC(3枚組)が付属している。ニューマスターのDVDに収録されていたMEトラックは省かれたが、ノンテロップのオープニングとエンディング、第1話絵コンテ、イメージボードギャラリーが収録されている。
LD-BOX発売の際、第5話のレプカの「人非人(にんぴにん)」のセリフがカットされ以後DVDでもカットされたままだった。再放送では第3話のドンゴロスの「脳天パー」も合わせてカットされたこともあった。ブルーレイはいずれもカットされていない。
民放再放送バージョン
NHKで放送された「未来少年コナン」は30分の時間いっぱいに製作されたため、民放での放送はCMを入れるために再編集が施された。フジテレビで初放送されたバージョンは、オープニング、エンディングの音源をオリジナルカラオケに差し替えて短く編集され、アバンタイトル(第2話以降)とA、Bパートの間のパタパタアイキャッチはカットされている。本編A、Bパートは編集されていない[46]。地方局や独立UHF局での放送ではこのバージョンが使用されている。また、2013年からアニマックスで放送されたビスタサイズ、ハイビジョンリマスター版ではCMを放送するためこのバージョンのオープニング、エンディングがビスタサイズ、ハイビジョンリマスター版に変更され放送。初期にあった予告とパタパタアイキャッチが追加されている。
テレビ東京ではアバンタイトル(第2話以降)とオープニングとA、Bパートの間のパタパタアイキャッチを省略し、エンディングのみフルで放送されたが、CM枠確保のため本編の一部がカットされた。
日本テレビでは独自にオープニングのみ歌入りで短く再編集したものを使用し、アバンタイトル(第2話以降)とA、Bパートの間のパタパタアイキャッチとエンディングはカットされたが、本編A、Bパートの編集はされなかった[46]。1998年の再放送では再度オープニングの編集がなされ、1997年放送時とは別の短縮版となった。
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 |
---|---|---|---|---|
宮城県 | 仙台放送 | 1982年頃 | 火曜日 16:30〜17:00 | フジテレビ系列 |
関東地方 | テレビ東京 | 1980年代半ば | テレビ東京系列 | |
沖縄県 | 琉球放送 | 1990年代 | TBS系列 | |
新潟県 | 新潟テレビ21 | 1995年頃 | 月曜日〜木曜日 17:30〜18:00 | テレビ朝日系列 |
関東地方 | 日本テレビ | 1997年7月30日 - 1997年9月 1998年 |
日本テレビ系列 | |
近畿地方 | 関西テレビ | 2006年4月1日 - 2006年7月1日 2006年7月8日 - 2006年9月23日 |
土曜日 5:45〜6:15 土曜日 6:00〜6:30 |
フジテレビ系列 |
京都府 | 京都放送 | 2006年10月5日 - 2007年3月29日 | 木曜日 7:15〜7:45 | 独立UHF局 |
東京都 | TOKYO MX | 2012年11月25日 - 2013年5月19日 | 日曜日 17:30〜18:00 | 独立UHF局 |
埼玉県 | テレビ埼玉 | 2014年6月17日 - | 火曜日 18:00〜18:30 | 独立UHF局 |
脚注
参考文献
- アレグザンダー・ケイ『残された人びと』(内田庶訳、岩崎書店、新装版2012年)
- ファンタスティックコレクションNo.15『未来少年コナン』(朝日ソノラマ)
- アニメーション狂専誌FILM1/24別冊未来少年コナン(アニドウ)
- ロマンアルバム46 EXTRA 未来少年コナン(徳間書店)
- アニメージュ文庫『また、会えたね!未来少年コナン』(徳間書店)
- ラポート・デラックス3未来少年コナン大事典(ラポート)
- 未来少年コナン愛蔵版(学研:アニメディア)
- 未来少年コナン「LD-BOX」解説書(バンダイ)
- 季刊レーザービジョンレビュー1986・秋 第6号(株式会社・AVエクスプレス)
- 切通理作『宮崎駿の<世界>』ちくま新書、2001年。増補版 ちくま文庫、2008年
- 大塚康生、森遊机『大塚康生インタビュー アニメーション縦横無尽』実業之日本社、2006年
外部リンク
- 未来少年コナン公式サイト(バンダイビジュアル)
- 未来少年コナン(ゲームソフト/PlayStation 2)
- ↑ 『ファンタスティックコレクションNo.15 未来少年コナン』、朝日ソノラマ、1979年、p.21
- ↑ 「「コナン」を語る」『出発点 1979~1996』p.437
- ↑ 『出発点』p433
- ↑ 宮崎駿、富沢洋子「「コナン」を語る」『出発点 1979~1996』徳間書店、1996年、p.434
- ↑ NHK BS2『お宝TVデラックス テレビアニメ進化論』2008年12月6日放送
- ↑ 「「コナン」を語る」『出発点 1979~1996』p.435
- ↑ 「「コナン」を語る」『出発点 1979~1996』p.437
- ↑ 「本郷みつると仲間たちPART2」『アニメージュ』1996年9月号、徳間書店
- ↑ 堀田純司、GAINAX『ガイナックス・インタビューズ』講談社、2005年、p.93
- ↑ 小川びい、小黒祐一郎「アニメの作画を語ろう animator interview 井上俊之(1)」 WEBアニメスタイル 2001年3月29日
- ↑ 小川びい、小黒祐一郎「アニメの作画を語ろう animator interview 田中達之(1)」 WEBアニメスタイル 2003年9月29日
- ↑ 『ロマンアルバム・エクストラ61 風の谷のナウシカ』徳間書店、1984年、p.114
- ↑ 『ガイナックス・インタビューズ』p.370
- ↑ 『富野由悠季インタビュー集 富野語録』ラポート、1999年、pp.72-73.
- ↑ 押井守『押井守1995-2004 これが僕の回答である』インフォバーン、2004年、pp.178-179
- ↑ 岡田斗司夫「日本文化としてのアニメ」『キネマ旬報』1995年10月上旬号
- ↑ 佐野眞一『日本映画は、いま スクリーンの裏側からの証言』TBSブリタニカ、1996年、p.136。アニメ研究家のおかだえみこの談話。
- ↑ EDクレジットではドゥケ。
- ↑ 19.0 19.1 『ファンタスティックコレクションNo.15 未来少年コナン』、p.74
- ↑ 20.0 20.1 『ファンタスティックコレクションNo.15 未来少年コナン』、p.76
- ↑ 『ファンタスティックコレクションNo.15 未来少年コナン』、p.78
- ↑ 『ファンタスティックコレクションNo.15 未来少年コナン』、73頁
- ↑ 23.0 23.1 アオシマ「1/700 未来少年コナン ギガント」、パッケージ解説
- ↑ 『ファンタスティックコレクションNo.15 未来少年コナン』、26頁
- ↑ DVD「未来少年コナン7」付属冊子
- ↑ 名前は未来少年コナン公式サイト(バンダイビジュアル)による。
- ↑ DVD「未来少年コナン6」付属冊子
- ↑ 『ファンタスティックコレクションNo.15 未来少年コナン』、p.30
- ↑ DVD「未来少年コナン5」付属冊子
- ↑ 『宮崎駿の<世界>』p.64
- ↑ 『大塚康生インタビュー』p.85
- ↑ 『大塚康生インタビュー』p.161
- ↑ 『大塚康生インタビュー』p.46
- ↑ 『大塚康生インタビュー』p.159
- ↑ 宮崎駿「私にとってのシナリオ」『出発点 1979~1996』徳間書店、1996年、pp.98-99。
- ↑ アニメージュ編集部編『劇場アニメ70年史』徳間書店、1989年、p.76.
- ↑ 石黒昇、小原乃梨子『私設・アニメ17年史』大和書房、1980年、pp.185-187。
- ↑ 38.0 38.1 38.2 38.3 「劇場公開決定! 未来少年コナン おまえの最期の大冒険がいま、はじまる」『アニメージュ』1979年9月号、徳間書店、
- ↑ 『宮崎駿の世界』p.160
- ↑ ドン上野『ミスター・ラジオが通る』実業之日本社、1986年、pp.92,115
- ↑ アニメワールド+BLOG:NHK:BSプレミアム 夏休みアニメ特選のお知らせ
- ↑ NIPPON ANIMATION NEWS:NHK-BSで劇場版「未来少年コナン」(HD版)再放送
- ↑ 「Head Line インタビュー 渡辺繁」『B-CLUB』Vol.148、1998年、p.25
- ↑ ニューマスター使用の「未来少年コナン」が再発売 AV Watch 2001年6月14日
- ↑ 「DVD発売日一覧」 10月9日の更新情報 AV Watch 2007年10月10日
- ↑ 46.0 46.1 第1話のプロローグ部分(第2話以降はアバンタイトルとして使用)は尺の関係でカットされた。