ニミッツ級航空母艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
ニミッツ級航空母艦
300px
艦級概観
艦種 航空母艦原子力空母
艦名 海軍功労者。一番艦はチェスター・ニミッツ元帥に因む。
建造期間 1968年 - 2006年
就役期間 1975年 - 就役中
建造費 CVN-69:6億7,900万USドル
CVN-75:45億USドル
CVN-77:62億USドル
前級 エンタープライズ級航空母艦
次級 ジェラルド・R・フォード級航空母艦
性能諸元
排水量 軽荷:78,280 t - 80,750 t
基準:80,000 t以上
満載:95,413 t - 102,000 t以上
全長 330 m - 333 m
全幅 船体幅:41 m / 発着甲板幅:76.8 m
吃水 11.3 m - 12.5 m
機関 A4W加圧水型原子炉 2基
蒸気タービン
(テンプレート:Convert)
4基
スクリュープロペラ 4軸
速力 30+ノット(56+km/h)
乗員 個艦要員: 3,200名
航空要員: 1,700名
司令部要員: 60名
兵装 ファランクス CIWS
※CVN-68、69、76、77以外
3基
シースパロー短SAM 8連装発射機 2基
RAM近SAM 21連装発射機 2基
搭載機 CTOL機 + ヘリコプター
冷戦期:90機、現在:70機前後
F-14F/A-18A-DE/FA-6E-2EA-6BEA-18GS-3C-2H-60
レーダー AN/SPS-48E 3次元式 1基
AN/SPS-49 対空捜索用 1基
AN/SPS-67 対水上捜索用 1基
AN/SPS-64 航海用 1基
AN/SPN-43B 航空管制用 1基
AN/SPN-46 精測進入用 1基
Mk.95 短SAM射撃指揮用 4基
電子戦 AN/SLQ-32(v)4 電波探知妨害装置
NULKA デコイ・システム
Mk.137 デコイ発射機 4基

ニミッツ級航空母艦(ニミッツきゅうこうくうぼかん、テンプレート:Lang-en)は、アメリカ海軍原子力空母の艦級である。世界で初めて量産された原子力空母の級(クラス)であり、40年以上の期間をかけて、順次に改正されつつ全10隻が建造された。世界最大の軍艦級としても知られる。

来歴

第二次世界大戦後の核戦争時代の到来を受け、空軍戦略航空軍団への対抗もあり、アメリカ海軍は大型の艦上爆撃機を運用できる超大型空母(スーパー・キャリアー)の保有を志向した。1949年度計画の空母「ユナイテッド・ステーツ」(基準66,400t)は挫折したものの、朝鮮戦争空母航空団の存在意義が再確認されたこともあり、1952年度計画よりフォレスタル級(基準59,900t)の建造が認可され、同型4隻が建造された[1]。そのネームシップは予算1.9億ドルであったが、その後値上がりして、改良型であるキティホーク級のネームシップでは2.6億ドルとなった[2]

一方、1950年の時点で、当時のアメリカ海軍作戦部長フォレスト・シャーマン大将より、空母を含めた水上艦の原子力推進化の可能性検討が指示された。しかしこの時点では非常に高コストであったことから原子力委員会が賛成せず、1958年度計画で、やっとキティホーク級をベースとした初の原子力空母として「エンタープライズ」の建造が認可された。ただし艦型拡大(満載排水量にして9,000t増大)もあり、建造費は7割増の4.5億ドルとなった。これもあり、アイゼンハワー政権下では、1959・60年度ともに空母建造予算が認められず、1961・63年度に各1隻の建造が認可されたものの、原子力推進の実績がまだ乏しかったこともあり、これらは在来型のキティホーク級とされた[2]

その後、原子力推進技術の成熟を受け、原子力委員会は、1963年度計画のキティホーク級最終艦の原子力推進化を勧告したものの、同年10月、完成の遅延を理由として、ロバート・マクナマラ国防長官は変更の中止(通常推進の維持)を決定した。1964年6月の時点で、「エンタープライズ」の原子炉4基式よりも安価な2基式が実現可能となり、1965年度予算説明において、マクナマラ長官は高性能の原子炉の研究成果を受けて原子力艦隊の創設を発表した。原子力空母4隻体制が認可されたことから、ミッドウェイ級3隻を代替して、新型原子力空母3隻の建造が計画された。これにより建造されたのが本級である[2]

ネームシップとなる「1番艦」の建造は1967年度計画で着手され、残り2隻は1969・1970年度計画とされたが、マクナマラ長官の解任と政権交代に伴って、それぞれ1970・74年度に遅延した。またニューポート・ニューズ造船所のストライキもあり、建造には3隻ともに7年を要することとなった。その後、一度は4番艦の建造が認可されたものの、制海艦(SCS)から発展した小型空母(CVV)計画の台頭に伴い、ジェラルド・R・フォード大統領は1977年度予算からその要求を削除した。ジミー・カーター大統領もCVV計画を支持し、アメリカ合衆国下院は1979年度予算に4番艦の建造費を追加したが、大統領はその執行を拒否した。翌1980年度予算ではCVVの建造が盛り込まれる計画であったが、当初の小型空母から満載67,000tの中型空母に肥大化して低コスト性が失われており、イランアメリカ大使館人質事件の影響もあり、上院・下院が原子力空母の建造を勧告したことから、CVVにかえて本級4番艦が建造されることとなった。その後、レーガン政権下で打ち出された600隻艦隊構想を受け、1983年度予算で5番艦6番艦大ブッシュ政権下でも7番艦8番艦と追加され[2]、最終的に10番艦までが建造されることとなった[1]

船体

本級の設計は、おおむねスーパー・キャリアーの嚆矢であるフォレスタル級のものを踏襲・拡大したものとなっている。また40年以上に渡って順次に改正されつつ建造され、就役後の改装も度々行われてきたことから、各艦ごとにかなりの差異がある[3]。とくに9・10番艦は次級ジェラルド・R・フォード級へのつなぎとして様々な新機軸を採用しており、改ニミッツ級と称されることもある[4]。なお本級の運用寿命は45~50年と想定されている[5]

強度甲板は飛行甲板とされており、かなりの重装甲が施されている。その下には、1層のギャラリー・デッキをおいてハンガーが設置されている。なお、外見から受ける印象と異なり、上甲板にあたる主甲板はハンガー床面とされており、飛行甲板は04甲板(レベル03の天井)に相当することから、艦の大きさの割に乾舷は小さい。主船体は、主甲板および第2-4甲板の4層の甲板で構成されており、その下方はレベル5から8まで機関区画となっている。また水線下には4層程度の防御構造(下記の空間装甲構造も含む)が設けられているほか、艦底は二重底とされている。推進効率向上のため球状艦首が採用されているが、9番艦よりさらに大型化されており、これ以前の艦へのバックフィットも検討されている[3]

水線長比は7.8で、「エンタープライズ」とほぼ同値、「キティホーク」の7.6よりも若干長細いことになる[3]。ただし船型としては、抵抗上不利な肥えたものが採用され、速力はやや犠牲とされた。また「エンタープライズ」と比べると、特にニミッツ級初期建造艦においては、排水量が若干減少した一方で燃料・弾薬の搭載量が増加(航空燃料は257万ガロンから300万ガロンへ、航空弾薬も2,500トンから2,970トンへ)したことから、居住性も犠牲になっていると考えられている。燃料タンクは、従来通り空所と重層化して舷側に配置されて空間装甲を兼ねるようになっているが、弾薬庫の配置は、従来の3ヶ所から2ヶ所に削減し、艦の全長に占める割合を減らすことで脆弱性(ヴァルネラビリティ)を低減している。また抗堪性向上のため、4番艦「ルーズベルト」以降では弾薬庫の舷側に一部とはいえ2.5インチ厚のケブラー板が張られ、また弾薬庫と機械室の天井が二重構造とされており、これにより満載排水量にして5,000トンほど大きくなり、「エンタープライズ」より大きくなった。5・6番艦ではさらに飛行甲板の装甲を増強するとともに上部構造物にも装甲を施したことにより、満載排水量10万トンの大台を超えることとなった。7番艦以降では、さらに構造部材にHSLA-100高張力鋼が採用された[6]

艦橋構造はキティホーク級準拠のアイランドとされており、SPS-32・33フェイズド・アレイ・レーダーを四面に張り巡らせた前級とは大きく印象が異なる(というより前級が異端であった)。ブリッジは3層で構成され、下段を司令部、中段を航海艦橋とし、上段は発着管制に充てられた[脚注 1]。アイランド頂部並びに直後には各種電子装備を据え付けるためのマストが設けられている。この構成は近年の改装の機に改められ、ラティス構造の閉囲を経てステルス性を向上させた新型のマストをアイランドと一体化させたものに逐次更新しており、「ブッシュ」では新造時からこの構造が採用された。

機関

原子力船である本級は、主機関としてはもちろん原子力推進を採用しており、原子炉にはA4W加圧水型2基を搭載する。A4Wは、アメリカ海軍が空母用に開発した4番目の原子炉であり、Aは空母用であることを、Wはメーカーのウェスティングハウス・エレクトリックを意味する記号である。「エンタープライズ」ではやはり加圧水型のA2Wを搭載していたが、原子炉出力が低かったために8基という多数を搭載せざるを得なかったことから、2基に削減できた本級では、船体スペースの活用等で大きな恩恵があったとされている[7]

A4Wの軸出力は公称テンプレート:Convert、電力にして26,000 kWとされており[6]、日本の商用原子炉の電気出力と比べると数分の1から十数分の1に相当する。米国務省の公式な資料においても、「海軍の原子炉の出力は、最大級のものでも、アメリカの大規模な商業炉のものの5分の1に満たない」とされている[脚注 2][8]

軍艦の原子炉は、通常は巡航出力を発揮するため15パーセント程度の出力で運転されているが、戦闘時には1分以内に100パーセントの全力運転に移行できる。また停泊中は停止されている。なお原子炉は、主機関のほか、カタパルトへの高圧蒸気供給も担っている[7]

本級は炉心寿命の問題から就役期間中に原子炉燃料棒の交換が必要とされ、船体を切断しての2・3年掛かりの大規模な改装工事である燃料交換・大規模整備(Refueling and Complex OverHaul, RCOH)が逐次実施されている。核燃料交換のサイクルは、前期艦では13年、後期艦では25年とされている[9]。2005年に3番艦「ヴィンソン」が、2009年に4番艦「ルーズベルト」が工事に入っている。これらのRCOHは、建造を担当したニューポート・ニューズ造船所(NNSB)でしか行うことができないとされている[7]

能力

C4ISR機能

ファイル:The information exchange systems structure around the CVSG.png
CVSG内外に展開された情報システムの構造。

本級は、空母打撃群(CVSG)[脚注 3]旗艦となることから、充実した司令部設備を備えている。作戦術レベルの指揮・統制中枢となるのが、任務部隊などの司令官の指揮所となる群司令部指揮所(TFCC)である。当初、司令部幕僚の作業はほとんどが手作業であったが、1980年代初頭、ジェリー・O・タトル提督が司令部用部隊管理費から捻出した予算でAN/USQ-112 統合作戦戦術システム(JOTS)を組み上げて以後、自動化が急速に進展した。2013年現在、本級をはじめとする空母のTFCCでは、地上の艦隊司令部指揮所(FCC)や国家軍事指揮センター(NMCC)と情報を共有するための汎地球指揮統制システム(GCCS)、艦隊の各艦と情報を共有するためのGCCS-M、そして艦の戦術情報を共有するための海軍戦術情報システム(NTDS)という3つの主要な指揮・統制システムが集中している。また、その指揮・統制を支援するため、空母インテリジェンス・センター(CVIC)も設置される。これは、艦隊自身が収集した情報や、上級司令部あるいは統合同軸報送信サービス(IBS)を通じてもたらされた情報(偵察衛星偵察機諜報活動による情報)を総合・分析する部署である。アメリカ海軍では、TFCCからもたらされる作戦(OPS)情報とインテリジェンス(INTEL)情報を総合することにより、はじめて作戦指揮官の健全な意思決定が可能になると規定している[10]

これに対し、戦術レベルの指揮・統制中枢となるのが、空母艦長の指揮所である空母戦闘指揮所(CDC)であり、ここにはGCCS-MとNTDSが設置され、空母個艦の行動を指揮・統制する[10]。NTDSの後継として先進戦闘指揮システム(ACDS)の開発が試みられたものの、これは成功しなかった。その後、より包括的な統合戦闘システムとして艦艇自衛システム(SSDS Mk.2)が開発され、mod.1が本級の一部にも装備化されている[11]。空母自身のセンサーとしては、3次元レーダーとしてAN/SPS-48E、これを補完する長距離対空捜索レーダーとしてAN/SPS-49(V)5、対水上捜索レーダーとしてテンプレート:仮リンクが搭載される[6]テンプレート:-

航空運用機能

航空艤装

テンプレート:Double image stack #船体に上記したとおり、本級では04甲板(レベル03の天井)が全通した飛行甲板とされており、全長332.9メートル×最大幅76.8メートル、面積にして4.5エーカー(1.8ヘクタール)を確保した。飛行甲板上にはアングルド・デッキが設定されており、長さは243メートル、船体中心線に対する角度は9度3分で、甲板長が長いことから、「キティーホーク」の11度と比して小さい角度で済んでいる[3]。また7番艦以降では0.1度増した[9]

飛行甲板上の配置は「キティホーク」以降のそれが踏襲されている。カタパルトは、飛行甲板前方に2基(第1・2)、アングルド・デッキ上にさらに2基設置されている。機種としては、キティホーク級が搭載したMk.13の改良型であるMk.13-1が採用されており、4番艦以降ではさらに改良強化されたMk.13-2に改められた。カタパルト長は94メートル、フル装備のF/A-18を2秒で265キロメートル毎時に加速させることができる。また5番艦までは航空要員が飛行甲板に体を露出させてカタパルトを操作していたのに対し、6番艦以降では、NBC防護の観点から、第1・2および第3・4カタパルトの間にそれぞれ統合カタパルト管制室(ICCS)が設置されている[3]。なお、1番艦は前級までと同じく3基のブライドル・レトリーバーを搭載して竣工したが、その後これを不要とする機体が主流となっていったため、2番艦は艦首右舷側1基のみとした。4番艦以降は全廃している。

一方、アレスティング・ワイヤー(着艦制動索)としてはMk.7-3が採用されており、105ノットで進入してくる重量22.7トン(非常時は27.2トンまで)の機体を安全に停止できる。装備要領としては、アングルド・デッキ後部に、8番艦までは4本が張られていたが、着艦精度の向上を受けて、9番艦以降では3本となった[3]。また3本目と4本目のワイヤーの間には、アレスティング・フックが故障した機体等を強制的に停止させるため、ネット状のクラッシュ・バリアー(滑走制止装置)が設置されている[6]

飛行甲板の下に1層のギャラリー・デッキをおいてハンガーが設けられている。全長208.5メートル、最大幅32.9メートルで、高さは3層分、8.1メートルである。船体長の60パーセントを占めるものの、搭載機すべてを収容する容積はなく、主として整備スペースとして用いられる。ダメージコントロールの必要上、ハンガーは2枚の防火・耐爆シャッターによって3分割することができる。また艦尾側には露天で艦上機エンジンの試運転場も設けられている[3]

飛行甲板とハンガーを連絡するエレベータとしては、右舷アイランド前方2基、後方1基、左舷後方1基の計4基装備する。これらはいずれもデッキサイド式で、寸法は25.9メートル×15.9メートル、力量58.5トンで、前級までと同じく外舷側に向けて前側半分程より広げた変形五角形となっており、主翼を折りたたんだままの艦上戦闘機2機を同時に載せて昇降することができる。このほか、兵装用のエレベータが9基設けられている[3]

また燃料・弾薬の搭載量も大幅に増強されており、最後の通常動力型空母である「ジョン・F・ケネディ」と比較すると、同艦では航空燃料(JP-5)5,919トン、航空機用武器・弾薬1,250トンを搭載していたのに対し、本級ではそれぞれ、4割増の8,205トン、倍増した2,470トンとなっている。これにより継戦能力は飛躍的に強化され、「ジョン・F・ケネディ」では連続9日ないし11日が限界であったのに対し、本級では無補給で最大16日の作戦行動が可能となっている[12]

航空管制

多数機を同時運用することから、本級は充実した航空管制能力を備えている。

遠距離から航空機を誘導するための電波航法装置としては、AN/URN-25戦術航法装置(TACAN)が用いられる。これに基づいて艦に接近した航空機はAN/SPN-43B 航空管制用捜索レーダーにより捕捉される。これは晴天時には50海里、雨天時でも35海里の探知距離を備えており、対空捜索レーダーの補完としても用いられる。さらに接近してからは、AN/SPN-42、あるいはLPI化されたAN/SPN-46精測進入レーダーが用いられる。条件次第では自動着艦も可能であり、本級では2基が備えられていることから、同時に2機の発着艦が可能である[12]

艦上機

各種艦上機80~105機程度の搭載・運用が完成時点では想定されていた。しかし全機を格納庫に収容することはできず、一定数は露天繋止の状態であった。

冷戦終結後は艦上機の性能向上でより少ない機数でも同様の任務を遂行できるようになったこと、無理な運用の必要性が薄れたことや機種の統合整理等によって、2013年現在の標準搭載機はCTOL機56機とヘリコプター15機の計71機とされている。

空母航空団

2013年現在 テンプレート:Col

個艦防御機能

本級の固有兵装は個艦防御用に限られる。

防空システムとしては、当初はターター・システムが検討されたものの、まもなく50口径3インチ連装両用砲Mk.56 砲射撃指揮装置の組み合わせに取って代わられた。しかし排水量制限の問題等に直面し、最終的に、シースパロー個艦防空ミサイル・システムが採用された。1~2番艦では初期型のBPDMSが採用され、発射機としては8連装のMk.25計3基を右舷前部と艦尾両舷のスポンソンにそれぞれ配置した。3番艦以降では改良型のMk.57 mod.3 IBPDMSとされて、発射機はMk.29発射機に改められており、80年代以降の改装で先の2隻も同じく更新している[6]

また近接防空用として、3~8番艦は新造時より、1~2番艦も改装によって3基ないし4基の20mmファランクスCIWSを装備した。配置箇所は右舷前部のシースパロー短SAM発射機近傍、左舷前部スポンソン、後部両舷、あるいは艦尾ジェットエンジン整備・試験スペース等である。ただし9~10番艦は装備していないほか、一部の艦では、改装時に、ファランクスCIWSやシースパロー発射機の一部を置き換え、RAM近接防空ミサイルの21連装発射機が逐次搭載されている。

対潜兵器は持たないが、一部艦では、ウェーキ・ホーミング魚雷対策としてMk.32 3連装短魚雷発射管を後部に装備している。また対魚雷のソフト・キル用としては、AN/SLQ-36ニクシー曳航式デコイが搭載される[6]

このほか、米艦コール襲撃事件のようなテロ対策として、キャット・ウォークにM2 12.7mm重機関銃を配置することがある。[脚注 4]

同型艦

建造並びに大規模改修は、アメリカでも唯一その能力を保持するニューポート・ニューズ造船所が全てを担当している。

艦番号 艦名 発注 起工 進水 就役 RCOH 母港
CVN-68
[脚注 5]
ニミッツ
USS Nimitz
1967年
3月31日
1968年
6月22日
1972年
5月13日
1975年
5月3日
1998–2001 ワシントン州
エバレット
CVN-69 ドワイト・D・アイゼンハワー
USS Dwight D. Eisenhower
1970年
6月29日
1970年
8月15日
1975年
10月11日
1977年
10月18日
2001–2005 バージニア州
ノーフォーク
CVN-70 カール・ヴィンソン
USS Carl Vinson
1974年
4月5日
1975年
10月11日
1980年
3月15日
1982年
3月13日
2005–2009 カリフォルニア州
サンディエゴ
CVN-71 セオドア・ルーズベルト
USS Theodore Roosevelt
1980年
9月30日
1981年
10月31日
1984年
10月27日
1986年
10月25日
2009–2013 バージニア州
ノーフォーク
CVN-72 エイブラハム・リンカーン
USS Abraham Lincoln
1982年
12月27日
1984年
11月3日
1988年
2月13日
1989年
11月11日
2013– バージニア州
ノーフォーク
CVN-73 ジョージ・ワシントン
USS George Washington
1982年
12月27日
1986年
8月25日
1990年
7月21日
1992年
7月4日
神奈川県
横須賀海軍基地[脚注 6]
CVN-74 ジョン・C・ステニス
USS John C. Stennis
不明 1991年
3月13日
1993年
11月11日
1995年
12月9日
ワシントン州
ブレマートン
CVN-75 ハリー・S・トルーマン[脚注 7]
USS Harry S. Truman
1988年
6月30日
1993年
11月29日
1996年
9月7日
1998年
7月25日
バージニア州
ノーフォーク
CVN-76 ロナルド・レーガン
USS Ronald Reagan
1994年
12月8日
1998年
2月12日
2001年
3月4日
2003年
7月12日
カリフォルニア州
サンディエゴ
CVN-77 ジョージ・H・W・ブッシュ
USS George H. W. Bush
2001年
1月26日
2003年
9月6日
2006年
10月9日
2009年
1月10日
バージニア州
ノーフォーク

登場作品

ニミッツ級は現代アメリカ海軍を象徴する、ひいては現用空母を象徴する存在であり、数多くの媒体に露出している。

映画
アメリカ海軍の全面協力の下、1979年当時の「ニミッツ」がCVW-8と共に出演。
日本を襲った二体の怪獣に対応するために「エイブラハム・リンカーン」が出動し、終盤で日本近海に到着する。劇中ではニュースでその名が語られるのみで、姿は登場しない。
主人公が搭乗するF/A-18Fの母艦として「カール・ヴィンソン」が登場。
「ジョン・C・ステニス」が米・の大戦勃発の引き金として、裏切り将校の命令を受けたロシア空軍Tu-22Mから攻撃を受ける、沈没はまぬがれるが大破し、飛行甲板が使用不能となる。
「エイブラハム・リンカーン」が架空のステルス機F/A-37とE.D.I.の母艦として登場。ストーリー上では「リンカーン」だが、スケジュールの関係で後半部分は「カール・ヴィンソン」や「ニミッツ」で撮影された。
「セオドア・ルーズベルト」と「ジョン・C・ステニス」が登場。「ルーズベルト」はディセプティコンの攻撃を受け沈没。ただし沈没シーンではハルナンバーが74になっており、これは「ジョン・C・ステニス」の番号である。
エピローグにG.I.ジョーの母艦として、架空のニミッツ級空母「フラッグ」が登場する。ハルナンバーは99。
「ロナルド・レーガン」が登場。リムパック演習に各国の軍艦で構成されたリムパック艦隊の旗艦として参加。主人公のホッパー大尉の恋人の父親で艦隊司令官でもあるシェーン提督が座乗する。エイリアンのバリアによってホッパー大尉らの救援に向かえずバリアの外で待機していたが、戦艦ミズーリ」の砲撃でバリア発生装置が破壊され中に入れるようになると、すぐさま艦載機を発艦させ彼らの窮地を救った。
過去の記録映像として、怪獣「Kaiceph」の死骸を甲板上に乗せた「ジョン・C・ステニス」が登場する。
「ドワイト・D・アイゼンハワー」をモデルとしたキャラクター「フライゼンハワー」が登場する。ハルナンバーは81。
架空のニミッツ級空母「サラトガ」が登場。ハルナンバーは88。研究機関モナークの科学者が乗艦し、ホノルルを襲った怪獣ムートーへの攻撃や、サンフランシスコへと向かうゴジラの追跡を行った。
小説・漫画・アニメ
ニミッツ級をモデルにした空母「アクアポリス」と「イースヨー」が登場。
架空のニミッツ級空母「覇王(ダイナスト)」が登場。「四人姉妹」の指揮下に置かれている。
「カール・ヴィンソン」、「エイブラハム・リンカーン」、「セオドア・ルーズベルト」が登場。
米国(こめこく)海軍の「ミニッツ級空母」として登場。同型艦のうち約半数は巨大ロボット「空母マン」に変形する事が可能である。劇中にはハルナンバー88の「空母マン'88」が登場した
国連軍所属という設定の架空のニミッツ級8番艦「オーバー・ザ・レインボウ」ほか数隻が登場する。なお「オーバー・ザ・レインボウ」の米海軍時代の名は「ユナイテッド・ステイツ」であるという設定がある。
ニミッツ級と思しき艦が、フォレスタル級などと共に国連軍特別平和維持部隊に参加している。
第1話に主人公たちの母艦として、地球統合軍所属という設定のニミッツ級後期型架空空母「イラストリア」が登場する。
「ジョージ・H・W・ブッシュ」が登場し、小泉ジュンイチローと金将軍の麻雀試合の舞台となる。
第二回漆黒宴の舞台として、ニミッツ級空母「ブラック」(通称「黒船」)が登場。個人のコレクションとされており、ハルナンバーは「ジョージ・ワシントン」と同じ73になっている。
サンダース大学付属高校の学園艦として、サイズを除いてニミッツ級に酷似した艦が登場する。
UDF参加艦としてオープニングなどに6番艦「ジョージ・ワシントン」が登場する。
ゲーム
自機の母艦として、架空のニミッツ級4番艦「ロナルド・レーガン」(実在するロナルド・レーガンは9番艦)が登場。ハルナンバーはなぜか52となっている。
第1話に某国の最新鋭空母として登場。怪獣ゴルドキングの襲撃を受けて撃沈された。
自機の母艦として、ハルナンバー79のニミッツ級架空艦(実在するCVN-79はジェラルド・R・フォード級2番艦「ジョン・F・ケネディ」)が登場する。
F』(2000年)以降に実装された空母登場マップに、ハルナンバー93のニミッツ級架空艦が登場。
「ジョージ・ワシントン」が登場する。
ニミッツ級をモデルにしたヒューバート級空母「ケストレル」が登場。同シリーズの他作品にも艦名不明のニミッツ級が登場している。
「セオドア・ルーズベルト」が鋼の乙女「イーディス」のモデルとなっている。「セオドア・ルーズベルト」は直接登場はしない。

脚注

  1. そのため、上段の窓は飛行甲板を見渡せる左舷側にのみ開けられている。
  2. この際には2基のA4Wが集合的に捉えられていると考えられている。
  3. 2006年以前は空母戦闘群(CVBG)と呼称されていた。
  4. 員数外の装備であり、カタログデータに反映されない。
  5. 1975年6月30日、原子力攻撃空母(CVAN)から原子力空母(CVN)に艦種変更された。
  6. 2008年9月以降。
  7. 当初『ユナイテッド・ステーツ』と命名される予定だった。

参考文献

テンプレート:Reflist

  • 『〈新版〉アメリカ航空母艦史』(海人社
  • 『航空母艦全史』(海人社)
  • 『世界の海軍 2011-2012』(海人社)
  • 『U.S.Aircraft Carriers』(Naval Institute Press)

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:Navbox テンプレート:アメリカ海軍の航空母艦

テンプレート:Link GA
  1. 1.0 1.1 テンプレート:Cite journal
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 テンプレート:Cite journal
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 テンプレート:Cite journal
  4. テンプレート:Cite journal
  5. 『アメリカ合衆国会計検査院1998年 通常動力と原子力の空母のコスト比較』
  6. 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 テンプレート:Cite journal
  7. 7.0 7.1 7.2 テンプレート:Cite journal
  8. テンプレート:Cite web
  9. 9.0 9.1 テンプレート:Cite journal
  10. 10.0 10.1 テンプレート:Cite book
  11. テンプレート:Cite journal
  12. 12.0 12.1 テンプレート:Cite journal