ニセコエクスプレス

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ファイル:JRH-Kiha183-5000 Niseko Express.jpg
フラノ紅葉エクスプレスとして運用中のニセコエクスプレス
(2009年9月 岩見沢駅にて)
ファイル:Niseko exp.jpg
ニセコエクスプレス
ファイル:Niseko exp hakodate exp.jpg
はこだてエクスプレスとして運用中のニセコエクスプレス(1992年)
ファイル:Niseko exp big sneakers.jpg
ANAビッグスニーカートレインとして運用中のニセコエクスプレス

ニセコエクスプレス (Niseko Express) は、北海道旅客鉄道(JR北海道)が1988年(昭和63年)から運用する鉄道車両気動車)で、ジョイフルトレインと呼ばれる車両の一種である。機能的にはキハ183系に属し、5000番台を称する。

概要

JR北海道が団体臨時列車用として企画した「リゾート列車」のひとつで、新千歳空港ニセコを結ぶスキー列車への運用を主目的として、自社苗穂工場で新製された。

キハ183系気動車をベースとする初のリゾート車両で、ニセコ方からキハ183-5001 - キハ182-5001 - キハ183-5002の3両編成を組む。

構造

前頭部は傾斜角を大きくとり、大型の曲面ガラスを採用した流線型とされた。JRの鉄道車両として初めてプラグドアを採用し、密閉性の向上と車体外側面の平滑化による着雪防止を図っている。

従来のリゾート列車が客室の一部又は全部を高床式としていたのに対し、曲線の多い山岳路線を走行することから床面はフラットな構造とされ、床面の嵩上げは200mmにとどめられた。屋根の高い車体断面は存置され、広い車内空間が確保される。

座席はリクライニングシートが一般用よりもわずかに広い960mm間隔で設置される。当初は各座席に液晶式モニターが設置されていたが、2004年のシートモケット張替の際に撤去され、オーディオサービスのみ存置されている。

冷房装置は取外し可能な床置き式で、冬季には取外し後の空間をスキー板等の大型荷物置き場として使用できる。

走行装置はキハ183系の最終増備車(NN183系)を基本とした仕様で、最高速度120km/hに対応している。駆動機関は直列6気筒ディーゼル機関DMF13HZ (330PS/2,000rpm) を各車に1基ないし2基搭載する。ブレーキ装置は CLE 方式(応荷重装置付電磁自動空気ブレーキ)を装備し、ダイナミックブレーキを併設する。

形式別詳説

キハ183形
編成の両端に連結される運転台付の普通車で、5001は函館方に、5002は旭川方に組成(札幌駅基準)される。
トイレ・洗面所を設け、定員は48名である。駆動機関は2基を搭載する。
キハ182形
編成の中間に組成される普通車で、運転台はもたない。5001の1両のみ製作された。
車販準備室・電話室を設け、定員は56名である。
駆動機関は1基を搭載し、編成全体に電源を供給する発電装置としてDMF13HS形機関とDH82A形発電機を搭載する。

テンプレート:Triple image

運用の変遷

テンプレート:Sound

ファイル:JRH-Niseko-Express 2010Winter.jpg
原色に戻ったニセコエクスプレス(函館本線稲積公園駅、2010年12月25日)

製作当初より季節ごとの臨時列車に使用される。臨時特急「ニセコスキーエクスプレス」(札幌駅 - ニセコ駅間)の運用を主とし、夏季では、フラノエクスプレスから変わって、全日本空輸(全日空)とタイアップし、全日空ツアー乗客用の「ANAビッグスニーカートレイン」(札幌駅 - 新得駅間)として運行した。この時は正面の愛称表示が「ANA」に変更された。また臨時特急はこだてエクスプレス(函館駅 - 札幌駅間)などに用いられていたが、近年では臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス」(札幌駅 - 富良野駅間)日高本線の臨時快速「優駿浪漫」(札幌駅 - 様似駅間)にも用いられる。

プロ野球パシフィック・リーグ球団の日本ハムファイターズ(現在の北海道日本ハムファイターズ)の北海道フランチャイズ移転前年の2003年12月にファイターズのマークをあしらったデザインとなり、臨時特急「ファイターズ号」として運転されている。

参考文献

  • 交友社『鉄道ファン
    • 柿沼博彦・中村和弘 「JR北海道 アメニティリゾート・ニセコエクスプレス」1989年2月号 No.334 pp.16 - pp.20

関連項目

外部リンク

テンプレート:JR北海道の車両リスト