ナニワ金融道

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テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:Sidebar with collapsible lists テンプレート:Sidebar with collapsible listsナニワ金融道』(ナニワきんゆうどう)は、青木雄二による日本漫画1990年から『モーニング』(講談社)にて連載された。単行本全19巻のほか、1999年からは文庫版全10巻が出版された。1992年講談社漫画賞1998年手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞作品。

1996年からは不定期でフジテレビ系でテレビドラマも放送された。

2003年の作者没後、2007年から続編にあたる『新ナニワ金融道』がスタートしている。またスピンオフ作品として『新ナニワ金融道外伝』とその続編となる『新ナニワ金融道外伝ファイナル』がある。

作品概要

商業の町大阪を舞台に、マチ金(消費者金融)会社「帝国金融」(セリフ中ではこの表記、看板等では「帝國金融」)の営業マン灰原達之と、借金にまつわる因業深い人間模様を描いた作品。連帯保証人になった彼氏の借金の肩代わりをしてソープ嬢になる女、ご祝儀を盗まれてしまい穴埋めに奔走したあげく取り込み詐欺に手を出し破滅する男、詐欺的先物取引で全てを失う小学校教頭、法律の網の目をかいくぐる闇金融業者、更にはライバル企業との対決など、様々な人間や社会の裏表を描く。[1]青木雄二の独特なアクのある絵が読者に強いインパクトを与え、人気作となった。最初は5週程度掲載される予定であったが、第1回目の掲載時に読者から多大な支持を得て連載が決定した。

作中では舞台となった大阪に合わせ関西弁(主人公の灰原だけは標準語)や、ステレオタイプな大阪として猥雑な雰囲気を描いている。

舞台となる地名、背景に登場する看板や物などに独特の名づけられ方がされているのも特徴で、連載当時の社会事象・事件等を茶化したものや、猥雑な文字列が容赦なく多用されている。登場人物の名前も多くはこの方法で名付けられているが、帝国金融の社員たちにはこの演出が適用されず、ごく一般的な名前が付けられている。また住所の番地や車のナンバーなど、数字が絡むものには頻繁に893(=ヤクザ)という文字列が使用されている。

  • ミナミセンズリ銀行」こと「銭田掏二朗」※下記「主要登場人物」参照
  • バブル景気で一山当てた「肉欲企画」と、その社長「肉欲棒太郎」
  • 一流企業「巨大長商事」の社長「巨根三郎」

これらは生の修羅場を容赦なく活写することへの青木の強いこだわりの賜物である。『罪と罰』に強い影響を受けていると考えられている。表向き綺麗な看板でも現実にしていることは薄汚いことを主張するため、逆に作中の看板には猥雑な文字列を堂々と使用している。しかし『BSマンガ夜話』で取り上げられた際に、看板の映ったコマを(画面に映し出すことは問題なかったものの)出演者同士で「あまり口に出して読まないように」と互いに注意しあったという逸話がある。

本作の連載されたモーニングは作家と担当編集者が密接に関係し担当が作品の下調べなどをしていることが知られるが、本作に関しても連載開始時から単行本10巻前後までの担当編集者が経済に詳しい人物で、漫画原作者的立場であったという説もあるという[2]。然し、実際には上場先物商品ではないプルトニウムを取引する、銀行業務においては非常に一般的な0号不渡りを主人公たちが知らない等、実際に金融機関に関わりのある者が読むと不自然さを感じさせる箇所もある。

主な登場人物

帝國金融の人物

灰原 達之(はいばら たつゆき)
勤めていた会社[3]が倒産し、再就職先として金融業を志すが、過去に前の職場の社長の頼みで金融会社から借り入れしていた経験があったため、「まともな金融屋」には採用されなかった。しかし「これを最後の賭け」として面接に行った「株式会社帝國金融」で、追い込み(貸した金の取り立て)に遭遇し、成り行きから見学を兼ねて現場に同行することになる。そこで金を借りてしまった者の末路を見つつも、「これほど本音で仕事する業種は他にない」と金融業を自分の天職に決め、大阪一の金融屋を目指す。初めは金融業にしては情に流され甘いところが見られたが、様々な葛藤や裏切りを経験し、図太い精神を身に付けていく。しかし、最後まで所々に残る「甘さ」も彼の持ち味となっている。作中にて関西出身(ただし本籍地は岡山県[4]実写ドラマ版では九州出身に変更されている。[5])として描かれているが、なぜか関西弁を用いず、標準語で会話する唯一の主要キャラクターである。
桑田 澄男(くわた すみお)
入社したての灰原の教育係を勤めた先輩のベテラン金融マン。作品中盤では灰原とよくコンビを組んでいた。出っ歯でパンチパーマに粗野な大阪弁、荒っぽい態度と見た目はヤクザそのもの。灰原たち後輩への面倒見がよく、時にはひょうきんな所も見せる。しかし借金の回収のためには非情な事でも抵抗なくこなし、証拠が残らないような公文書偽造教唆をしたり、保証人の女性をソープ売ったりする(業界用語で言う「風呂に沈める」)。相手が後輩でも容赦せず、灰原が失敗して詐欺に遭った時は、灰原にも責任を負わせるべく約束手形裏書させたりした。元ソープ嬢(騙されて恋人の借金を背負わされた為)の交際相手がいる。ドラマ版での口癖は“最高裁判所の裁判長かて「そら払わなアカン!」ていいまっせ”。
元木(もとき)
帝国金融社員。坊主頭でこれまたヤクザのような外見である。するどい観察眼を持っている。またひょんなことからティッシュ配りのアルバイトをしていた灰原を目撃し、困窮した彼が会社の金に手をつけていると誤解された件では、「もし会社の金に手をつけているなら深みにはまらないうちに処理したほうが灰原のためだ」と内心考えながら何もしていないことを祈る一面も見せた(なお誤解はすぐに解ける)。家族は妻と子供が二人。
高山(たかやま)
帝国金融のナンバー2で、部長。社員を直接仕切る管理職で、面倒見は良いが、よく怒鳴るなど厳しい面もある。桑田と同じくパンチパーマで、常に三白眼と、こちらもヤクザのようである。
吉村 定雄(よしむら さだお)
途中入社の新人だが年齢は灰原より上の30代。司法書士を目指しており、以前勤務していた法務事務所の倒産に伴い入社。大人しく几帳面で、法的書類の作成等で活躍。登場当初こそ怒鳴りつけられて落ち込むなど気の弱さが目立ったが、徐々に自分の役目を果たせるようになった。勤務初日から契約を取り付け、金融マンとして才能の片鱗を見せた灰原に対し、全くゼロの所から始めた叩き上げである。読者の共感を得やすくするために導入され、人気もあったのか1人担当の仕事も描かれた。所帯持ちで、妻と2人の子がいる。当初、受験勉強のため週3回のパートタイマー勤務として入社した。ドラマ未登場。
金畑 金三(かねはた かねぞう)
帝国金融の社長。海千山千の大ベテランで広い人脈を持つ。性格は温厚だが、決して情に流されず常に社員をコントロールしている。また、ベンチャー企業への融資を提言し、やや身をわきまえぬ発言をしてしまった灰原に怒りをあらわにする場面があるが、その迫力は絶大であったが、その後灰原を自分の後継者でもあるかのように諭す場面もあった。よほどの大事でないと直接事態を解決するために登場しない。その中で数少ない出番ながらも、作中では全ての問題を如才なく解決し、豊富な人脈と強いカリスマ性を印象付けている。家族は妻と息子と娘。ドラマ版では金子高利という名前になっている。
悪徳 栄(あくとく さかえ)
帝国金融専属の顧問弁護士。自称ハーバード大学卒。金畑社長とは旧友で、帝国金融内でトラブルがあった際には必ず頼りにされている存在。報酬は暴利であるが、夜逃げしたテナントのビルオーナーを脅したり、灰原の釈放を手助けしたりと腕は一流で、過去にはプロ野球の契約問題にも関わった事もある(灰原たちは「眉唾臭い話」といっている)。

その他の主要人物

市村 朱美(いちむら あけみ)
灰原の恋人となる人物。ヤクザと付き合い妊娠中絶を行った過去があり、全身に刺青も入れている。帝国金融のビルに入居した広告代理店「誇大広告社」に勤めており、ひょんなことからそこでバイトをすることになった灰原と知り合い、お互いに惹かれていき、付き合い始めた。しっかり者で灰原をサポートする。銭田との対決の際に灰原がヤクザと揉めた時、拉致監禁されるが、ヤクザ3人と渡り合い自力で脱出した豪胆さの持ち主。ドラマ版では1回限りの登場で普通のOLという設定になっている。
泥沼 亀之助(どろぬま かめのすけ)
灰原の顧客。恩のある先輩の結婚式で祝儀詐欺の被害に遭い、帝国に融資を申し込んだ。帝国からの借金はクレジットカードを使い完済するも、借金は増え、行き詰る。無計画な借り入れとその場しのぎの返済繰り返すさまは自転車操業であり、まさに泥沼にはまっていくようであった。その結果思いつきで始めた取り込み詐欺により、警察に逮捕される。後に、たまたま朱美にからんできたチンピラとの喧嘩で拘置所留置されることになった灰原に罪をなすりつけようとしたが、結局は失敗に終わり、自分で自分の首を絞める結果になった。ドラマ版では全ての話に登場し、「いい金儲けのアイディアを思いついた」と言ってはしつこく付きまとい灰原に煙たがられている。
肉欲 棒太郎(にくよく ぼうたろう)
『肉欲企画』という不動産会社(実態は地上げ屋)を経営。銀行からの依頼で某所の地上げに取り組んでいたが、一部地権者との交渉が長期化し資金繰りが悪化、帝国金融の融資を受ける。その資金で地上げ途上の土地に風俗ビルを建設し、周辺環境を悪化させ地上げを有利に進めようと目論むが、建設反対を訴える地元住民グループに灰原が入れ知恵をしたことで、ビル完成間近に計画は頓挫。莫大な借金を背負い夜逃げに追い込まれる(当該ビルはその後、帝国金融が取得し本社ビルとする)。その後は神戸でヤクザ舎弟となりノミ競馬の集金人を仕事にするが、再び這い上がってやるという強い意志は失われず、後に広島で妻や元社員の川井と激安チケット販売の商売に転ずる。
三宮 損得(さんのみや そんとく)
灰原の顧客で市立鈍才小学校教頭。地元の名家三宮家の婿養子、旧姓は「御影」。かなりの恐妻家。蟻地獄物産を通じて先物取引にはまり、同社に対して多額の借金を抱える。その後借金のみならず、ありとあらゆるものに手をつけて(愚行を重ねて)いくことになる。妻の芽子(めこ)[6]は夫がどうなってもいいという非情な考えの人間で、夫に暴力を振るうこともいとわず(夫の損得や灰原らには本人の見えないところで「鬼ババ」呼ばわりされたほど)、ついには夫を離婚させて無一文[7]で三宮家から追放した。最終的には警備員となるが、人間的に少し成長した様子が描かれる。ドラマ版では伊東四朗が演じた。
銭田 掏二朗(せんだ ずりじろう)
トイチ闇金融業者。自称「ミナミの銭掏銀行(せんずりぎんこう)」。帝国金融と対決し、一時は優位に立つが、最後は修羅場の末、灰原に辛酸をなめさせられた。モデルは『ミナミの帝王』の主人公・萬田銀次郎と思われる。萬田が弱者の味方で知恵を駆使するキャラクターなのに対し、銭田はとことん弱者を食らう短絡的思考な敵役キャラとなっており、明らかに使い方を間違ったようなを使う。一馬(かずま)という舎弟を常に連れている。ドラマ版にも「ミナミの難波銀行」と呼ばれる闇金融業者・難波銀子(なんば ぎんこ)が登場する。
都沢(みやこざわ)
警察キャリア官僚。階級は警部補京大法学部出身でアメリカンフットボール部に所属していたこともあり、頭も良く体力抜群である。住専の債権回収部署に行くことになった直属の上司である刑事部長の命によって、回収のノウハウを短期間で会得すべく帝国金融に出向することになる。仕事に対する使命感は強いものの、それはあくまで自分の出世のためであり、全てにおいて自分本位な考え方をする(京大に入りアメフトをやったのも「就職と出世に有利だから」という理由)。そのため帝国金融の者からは良くは思われていない。ある事情で灰原のパートナーとして活躍する。当初は灰原を内心あなどっていたが、彼のたくましさや金融を取り巻く人間模様の厳しさに触れ、尻込みするようにもなる。
落振 県一(おちぶれ けんいち)
海事代理士。一時は河原に住み、日雇労働と川釣りで糊口をしのぐホームレス生活を送っていた。灰原が船舶検査証書と船舶国籍証書の違いを見抜けず、船舶登記詐欺にあった際に力を貸し、解決に大きく貢献する。元は大蛇地裁書記官をしており、順調に勤め上げれば無試験で司法書士になれるところだったが、印紙の横流しがバレて辞職に追い込まれる。その後苦学して海事代理士になり、年金暮らしの母親と暮らしていたものの生活は困窮していた。助平でセコく、金と食いものに意地汚いが、法律の裏をかくことには異常に長けている。ジュゼッペ・アルチンボルドの「野菜」をフリーハンドで描けるという特技を持つ。その後は帝国から受け取った協力費を元に、出身地の広島県呉市で海事代理士の仕事を再開(「カバチタレ!」でその現状を確認できる)。ドラマでは、いしだあゆみが演じる女性・落振尼子に変更されている。なお、落振に関するエピソードには、田島隆が関わっている。

その他の登場人物

古井 藤四郎(ふるい とうしろう)
再選を賭けた市議選に立候補中の現職の大蛇市議会議員であり、古井呉服店という老舗呉服店を経営。甲守(こうもり)と猫田(ねこた)という市職員を引き連れ、よく飲みに行っている(その飲み代は市に「食料費」として送る)。選挙費用5000万円を帝國金融から借用することになるが、対立候補の大手(おおて)に僅差で落選してしまい、家族ともども夜逃げする。
なお、その金は、桑田が手形に裏書させた甲守と猫田が、存在しないバーのカラ伝票を市に送ることで金を作り返済する。妻と子供が二人いる。
清水 好美(しみず よしみ)
大蛇社会保険事務所に勤務する公務員。妻と小学生の子2人がいる。一軒家をローンで購入したばかりで、夫婦ともども返済に追われている。通っていた「スナック下心」のママ、川田京子(かわだ きょうこ)に帝國からの借金の連帯保証人を請われ、ハニートラップにはまり承諾。後日、川田が夜逃げししたことから、レストランでアルバイトをしたり、社会保険料を滞納している業者(「寒い会社」)リストを灰原に売ったりして、その肩代わりを背負うことになる。
背口 光雄(せぐち みつお)
「南アメリカン運送」という運送会社を経営している23歳の青年。もともと岡山県の山間部出身で父は兼業農家を営んでいた。しかし父が亡くなり、母と妹の淑子(としこ)と3人で生活保護を受給して生活するが、「金を得るのに街のほうがよいだろう」と家族で大阪に転居するが母が体調を崩すなど、生活はより一層苦しくなる。高校卒業後は「キケン運輸」に就職し、社長の赤名(あかな)に運転免許などの面倒を見てもらう。
その後独立し、南アメリカン運輸を設立。キケン運輸の下請けも任される。山名に借金の連帯保証人を頼まれ、かつての恩もあったことから断れずに承諾する。しかしその見返りとしてキケン運輸の下請けもやめると言ったことから、赤名が逃げ、会社も傾く。回収が困難になることを防ぐため、妹の淑子と彼女の三宅(みやけ)を桑田に紹介されたソープランドで働かせることで借金を返済する。
なお、関西弁ではなく標準語で話すが、時折岡山訛りが残っている(注訳が入る)。
山川 与飼夫(やまかわ よしお)
奈良県の山奥に住む兼業農家、山川家の一人息子。彼女と大阪に遊びに来ていたところ、自動車で追突事故を起こす。その事故時に、ベンツの運転者である腹黒 助平(はらぐろ すけべい。当たり屋の可能性が高い)から全額賠償の念書を書かされたことにより、なにかにつけて難癖をつけ金を請求される羽目になる。
それと同時に彼女が妊娠してしまい、結婚を迫られる。
軽薄 一郎(けいはく いちろう)
小規模広告代理店「軽薄企画」社長。バブル期に自社ビルを購入している。2階と3階を貸していた「猫馬場塾」が夜逃げし、債権者に保証金900万円を払えと押しかけられ占拠され、その金をヤミ金融である銭田から借入。その返済のために銭田からそそのかされ取り込み詐欺多重債務を繰り返し、会社を計画倒産させるが、灰原に銭田と軽薄が組んでいることを見抜かれ、無一文で夜逃げすることになる。妻と娘が一人いる。
浴田 山海(よくだ さんかい)
大阪府警察浄化警察署刑事。刑事という身分でありながら、ヒビワレックスタイヤというマルチ商法にはまり、自ら小売店となり勧誘して回っている。
ヒビワレックスタイヤのビラ配りの途中、上司である浄化署長の自宅に配る。署長はビラをみてタイヤを注文するが、浴田は注文者が署長ということに気づき、同じく小売店をしていた灰原の彼女である市村朱美に販売を頼む。しかし結局ばれ、懲戒免職も覚悟していた浴田だが、逆に署長からにマルチ商法がどれだけ警察内部に浸透しているかの調査を命じられる。
末期 近志(まつご ちかし)
末期観光の社長。大阪・新地で「末期観光レジャービル」というビルを持つ。ひょんなことから転売目的で大型クルーザーを購入することになり帝國から金を借りる。
浦切 平基(うらぎり へいき)
船舶専門のブローカーであり、末期のビルで「ラウンジぬめり」というスナックも経営している。落振とは仕事上の仲ではあるが、互いの仕事に好感をもっていない。
大家である末期に対して大型クルーザーの販売をもちかけるが、船舶国籍証書と船舶検査証書の違いを持ち出し二度売りする。
金箔 為祥(きんぱく ためよし)
新興宗教「カラス真理教」の教祖。浦切、ミドリムシ釣具店オーナーの栗尾 英寿(くりお えいじゅ)、ニシキヘビファイナンス社長の善井 大三造(ぜんい だいさんぞう)と結託して、末期と帝國金融をだます。

テレビドラマ

テレビドラマは、それぞれ2時間枠のスペシャルとしてフジテレビ系列で放送された。中居正広、小林薫、緒形拳などのレギュラー陣に加え、深津絵里や加藤あいが各回のヒロインを演じている。ストーリーは原作をベースとしながらも、原作では全く別だったストーリーを絡ませたり、結末が原作と異なるなどのアレンジが見られる。灰原の入社までのいきさつなど、基本設定も若干異なっている。

配役のアレンジとしては、女性キャラがかなり少ない原作であるため、男性キャラが女性に変更されていることが多い。シビアな話をやわらかく見せる効果も狙っての演出と思われる。2006年1月27日に、全6巻のDVD-BOXと、各話単品DVDが発売された。このほか、パート1から5についてはVHSビデオも発売されているが、パート6はDVDのみの販売となっている。DVDのカバーに顔が載っており、肖像権管理が厳しいジャニーズ事務所のタレントが出ているドラマとしては珍しい。

パート1~6で長らくロケ使用された帝国金融が入居する雑居ビルは、フジ系列である関西テレビの旧西天満本社ビル(後のデジタルエイトビル、老朽化により2011年解体)の隣の区画に2005年頃まで存在していたが、現在は解体され、跡地は別のビルに建て替っている。また、金子高利(帝国金融社長)役の緒形拳2008年に逝去した。

キャスト

レギュラー
複数作出演
  • 古井 富士子(古井藤四郎)(枷木) - 室井滋(パート1、6)
  • 三宅 律子 - 篠原涼子(パート2、6)
  • 悪徳 栄 - 藤木孝(パート3、4)
  • 新山 光雄 - 斎藤晴彦(パート4、5)
パート1
パート2
パート3
パート4
パート5
パート6

スタッフ

主題歌

放送日

( )内の数字は視聴率。

DVD

  • ナニワ金融道DVD-BOX

劇場版

ナニワ金融道 死角はどこだ¥ -THE MOVIE-

2004年劇場公開の日本映画

キャスト

その他出演者
Special Thanks

ナニワ金融道 灰原勝負! 起死回生のおとしまえ!!

2005年7月2日劇場公開の日本映画

備考

帝國金融では、社用車にメルセデス・ベンツの560SELを2台使用している。ナンバーは「893」と「884」の2台が存在する。「893」はよく灰原が運転しており、自動車電話が装備されている。しかしガソリンスタンドでオイル交換の際エンジンルームを開けたところ、搭載されているエンジンはM117ではなくM120のV12である。

本作と同じ週刊モーニングで連載していた『はるか17』8巻act79にて、CMの違約金返済のために社長が「帝国金融」に入ろうとして、桑田と思わしき人間(パンチパーマ、柄物スーツ…)とニアミスをしている。

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

  • 難波金融伝・ミナミの帝王 - この映画版に関して、作者の青木雄二が本作の盗作だとして訴訟騒ぎにまで発展し、後に連載誌の漫画ゴラク側がモーニング誌上に謝罪広告を出した。本作においては、この作品の主人公を茶化し敵役として登場させ、灰原らに叩きのめさせるといったことも行っている。
  • ニシキファイナンス - 作中に登場する「ニシキヘビファイナンス」のモデルとなった実在の貸金業者。戦後最大と言われる連鎖倒産を引き起こした。
  • ナニワ銭道 - 作画・及川コオ、原作・青木雄二プロダクションでアサヒ芸能にて連載中の作品。

外部リンク

テンプレート:手塚治虫文化賞マンガ優秀賞

テンプレート:講談社漫画賞一般部門
  1. 週刊SPA!で連載されている『新ナニワ金融道青木雄二伝』によると、最終的にはマルクス主義唯物論を通じて今日の資本主義の限界と矛盾を訴えたかったそうであるが、思想的内容の持ち込みをモーニング編集部に止められてしまい青木はストレスを抱え込んでしまったという。
  2. 『マンガ夜話 (Vol.7) (キネ旬ムック)』
  3. 単行本では印刷屋、実写ドラマ版では焼肉店。
  4. 単行本第1巻より
  5. DVD3巻より
  6. 実写ドラマ版では「三宮玲子(-れいこ)」に変更された。
  7. 実写ドラマ版では退職金の一部を生活費に充てようとする描写がある。