ドリーム政宗号

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テンプレート:出典の明記 テンプレート:Vertical images list ドリーム政宗号(どりーむまさむねごう)は東京都渋谷区宮城県仙台市を結ぶ、JRバス東北が運行する夜行高速バスである。

なお、本項目では同区間を走行する昼行便仙台・新宿号(せんだい・しんじゅくごう)および2008年3月31日までJRバス東北と東北急行バスにより共同運行されていた政宗号(まさむねごう)についても記載する。

全席指定制なので、あらかじめ乗車券を購入しなければならない。

概要

1990年8月10日、仙台と新宿[1]を直結する初の定期高速路線として、JRバス東北・JRバス関東の2社に以前より東京・仙台間の高速バス(現在の「スイート号」)を運行していた東北急行バスを加えた3社で「政宗号」(昼行便)の運行を開始した。愛称名は、独眼竜の異名で知られる初代仙台藩伊達政宗に由来する。

JRバス関東は1992年に撤退。同社運行分はJRバス東北に移管された[2]

その後停留所増設や増便などが行われたものの、長く昼行便のみの運行が続いていたが、2003年4月1日に、JRバス東北が夜行便「ドリーム政宗号」の運行を開始した(運行開始当初は昼行便と同様の4列シート車を充当していた)。それまで仙台と東京を結ぶ夜行高速バスは東北急行バスの「スイート号」のみであったため、新たな夜行路線は好評をもって迎えられ、翌2004年には女性専用車(のち「レディースドリーム政宗号」)の運行も開始。2005年には夜行便の車両が独立3列シート化された[3]。なお、女性専用車の設定は2008年2月29日の出発便をもって終了している。

しかし、その後格安ツアーバスの台頭により、特に昼行便の利用が急激に減少した。そうした中、2008年3月31日をもってJRバス東北・東北急行バスの2社による共同運行を終了。以降はJRバス東北が「仙台・新宿号」(昼行便)と「ドリーム政宗号」(夜行便)を、東北急行バスは「ネオスイート号」(昼行便)をそれぞれほぼ同じ区間[4]で運行。「ネオスイート号」は短命に終わった[5]が、「仙台・新宿号」「ドリーム政宗号」は運賃をツアーバスとほぼ同水準に引き下げたことにより利用が回復[6]、現在に至るまで堅調に推移している。

運行会社

※東京側の運行支援業務はジェイアールバス関東東京支店が担当。

運行経路

新宿駅新南口(代々木)(降車は新宿駅東口) - 池袋駅東口(新宿行のみ) - 王子駅(新宿行のみ) - (王子北ランプ) - (首都高速道路) - (東北自動車道) - (仙台南IC) - JR長町駅東口 - 仙台駅東口(42番のりば)

羽生PA那須高原SA国見SAで休憩する(ドリーム政宗号は乗務員のみの休憩で、緊急時以外乗客は下車することができない)。

運行回数

  • 1日7往復(昼行便「仙台・新宿号」5往復、夜行便「ドリーム政宗号」2往復)。

歴史

ファイル:644-8973-JR-Bus-Kanto-P-MS729SA.jpg
当初はJRバス関東も運行していた
  • 1990年平成2年)
  • 1992年(平成4年) - JRバス関東が撤退し運行支援に回る。2社での運行となる。
  • 2000年(平成12年)4月1日 - 上り便の池袋駅停車を開始。
  • 2002年(平成14年)4月1日 - 1日5往復に増便。
  • 2003年(平成15年)4月1日 - 夜行便「ドリーム政宗号」運行開始。
  • 2004年(平成16年)7月25日 - 「ドリーム政宗号」2号車を女性専用車両とし、「レディースドリーム政宗号」運行開始。
  • 2005年(平成17年)
    • 4月1日 - 「レディースドリーム政宗号」が独立3列シート車での運行となる。
    • 7月22日 - 「ドリーム政宗号」が独立3列シート車での運行となる(増発便は除く)。
  • 2007年(平成19年)12月1日 - 「レディースドリーム政宗号」の運行が翌年2月29日まで金・土・日と年末年始に変更。
  • 2008年(平成20年)
    • 2月29日 - この日の運行をもって「レディースドリーム政宗号」(夜行便2号車)の運行を終了。
    • 3月31日 - この日の運行をもって東北急行バスとの共同運行を終了。
    • 4月1日 - JRバス東北が「仙台・新宿号」(昼行)・「ドリーム政宗号」(夜行)、東北急行バスが「ネオスイート号」(昼行便)をそれぞれ独自に運行開始(「ネオスイート号」は同年6月30日まで運行)。同時に「長町ターミナル」(駅西側)から「JR長町駅東口」に停留所変更。
    • 5月12日 - この日より同年7月31日までの期間限定で、JRバス東北会社設立20周年を記念し、昼行便の大人片道運賃を3,000円に、夜行便の大人片道運賃を5,600円にそれぞれ値下げ(値下げ前の運賃は大人片道6,210円、往復(10日間有効)11,500円)。
    • 8月1日 - JRバス東北会社設立20周年キャンペーンを同年10月31日まで延長(のち2009年1月31日→同年7月31日まで再延長。但し金・土・日・祝日については、大人片道運賃が昼行便4,000円、夜行便5,800円となる)。
  • 2009年(平成21年)8月1日 - 同日以降も「特別謝恩割引」として割引運賃を継続。
  • 2010年(平成22年)12月1日 - 「仙台・新宿号」(昼行)1往復増便(増便分は夜行便と同じ独立3列シート車で運行)。あわせて同日より2011年3月17日までの期間限定で、夜行便の運賃を閑散期4,500円、繁忙期5,500円に改定。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月16日 - 同年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響により運休していたが、この日より仙台発昼行便の運行を再開(新宿発昼行便は翌17日から)。午前発の2便のみ運行(以降順次増便)し、JR長町駅東口は通過[7]
    • 4月1日 - この日より通常の運行に戻る(夜行便も運行を再開。4月10日まで[8]4月28日5月10日の特定日[9]は夜行便の運賃が大人片道5,800円となる)。但し、JR長町駅東口は引き続き通過。
    • 4月15日 - この日よりJR長町駅東口での客扱いを再開。
    • 12月1日 - 「仙台・新宿号」(昼行)1往復増便(独立3列シート車で運行)。
    • 12月16日 - この日より「仙台・新宿号」(昼行)のうち1往復(上り2号、下り1号)に4列ワイドシート車を導入(下り1号は翌12月17日より)[10]
  • 2013年(平成25年)
    • 8月1日 - 運賃を昼行便3段階(S期間・A期間・B期間)、夜行便4段階(S期間・A期間・B期間・C期間)に改訂[11]
    • 12月1日 - 運賃改訂。昼行便は各期間とも500円、夜行便は200円~300円の値上げ。
  • 2014年(平成26年)4月1日 - 「仙台・新宿号」(昼行)、「ドリーム政宗号」(夜行)各1往復ずつ増便。いずれも独立3列シート車で運行[12]

使用車両

  • 原則として、夜行便2往復(11号~14号)と昼行便2往復(下り3号・5号・7号、上り4号・6号・8号)は化粧室付き独立3列シート車が使用される(おおむね2号車以降は4列シート車で運行される場合がある)。
  • 3号~8号を除く昼行便は化粧室付き4列シート車(40人乗りハイデッカー車)が使用される。そのうち1往復(下り1号、上り2号)はワイドシート車で運行[10]
    • なお、運行開始から2001年頃までは各社とも34人乗りスーパーハイデッカー車で運行していた。
  • 2004年7月25日~2008年2月29日まで夜行便の2号車は女性専用車(レディースドリーム政宗号)として運行されていた。運行日は以下の通り。
    • 運行開始~2007年11月30日:毎日運行
    • 2007年12月1日~2008年2月29日:金土日祝および年末年始に限り運行


利用状況

年度 運行日数 運行便数 年間輸送人員 1日平均人員 1便平均人員
2002(平成14)年度 365 3,852 79,584 218.0 20.7
2003(平成15)年度 366 4,956 122,165 333.8 24.6
2004(平成16)年度 365 5,490 127,417 349.1 23.2
2005(平成17)年度 365 5,731 109,092 298.9 19.0
2006(平成18)年度 365 5,542 89,462 245.1 16.1
2007(平成19)年度 366 5,232 65,571 179.2 12.5
うち昼行便(2006年度より)
年度 運行日数 運行便数 年間輸送人員 1日平均人員 1便平均人員
2006(平成18)年度 365 3,678 54,704 149.9 14.9
2007(平成19)年度 366 3,674 40,148 109.7 10.9
うち夜行便(2006年度より)
年度 運行日数 運行便数 年間輸送人員 1日平均人員 1便平均人員
2006(平成18)年度 365 1,864 34,758 95.2 18.6
2007(平成19)年度 366 1,558 25,423 69.5 16.3

類似路線

スイート号・ニュースター号・ホリデースター号(東北急行バス)

広瀬ライナー号宮城交通京王電鉄バス

ドリーム横浜・仙台号(JRバス東北)

ドリームササニシキ号(JRバス東北)

ミリオンライナー日本中央バス

  • (昼行便)板橋・武蔵浦和駅さいたま新都心駅・館林 - 仙台駅東口 ※2011年12月1日廃止
  • (夜行便)市ヶ谷・新宿・池袋・さいたま新都心駅・館林 - 仙台駅東口 ※2008年9月1日廃止

脚注

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外部リンク

テンプレート:ドリーム号

  1. 前年(1989年)にJRバス関東がJRバス新宿駅(現・新宿駅新南口)を開設していた。
  2. 古川営業所の乗務員が担当した時期がある。
  3. 当初は「レディースドリーム政宗号」のみであったが、のち通常便も3列化された。
  4. 仙台の発着地が異なっていた(「ネオスイート号」は東北急行バス仙台営業所発着)。
  5. 2008年6月30日の運行をもって廃止。
  6. ジェイアールバス東北 厳しい環境の中、着実に実績(交通新聞ニュース 2009年4月15日)
  7. JRバス東北 仙台―新宿間22日まで運行 既に予約で満席(河北新報 2011年3月17日)
  8. 本来は2011年3月18日からの予定であった。
  9. これ以降はお盆・年末年始が該当。
  10. 10.0 10.1 テンプレート:PDFlink(JRバス東北ホームページ)
  11. テンプレート:PDFlink(JRバス東北ホームページ)
  12. 4/1 「仙台⇔首都圏」が1日9往復に増便(2014年3月18日 JRバス東北)