ドラゴン危機一発

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テンプレート:Infobox Filmドラゴン危機一発』(ドラゴンききいっぱつ、原題: 唐山大兄、英題: The Big Boss)は、1971年制作の香港映画ブルース・リー主演。

概要

アメリカから香港に凱旋したブルース・リーゴールデン・ハーベスト社と契約して主演した一連のカンフー映画[1]の第1作目にあたる。

香港では、当時の映画興行記録を更新する大ヒットとなり、続く『ドラゴン怒りの鉄拳』で、リーの人気を不動のものにした。

本作品は当初ジェームズ・ティエンを主役に据えた作品で、リーは準主役という位置づけであったが、リーの凄まじいインパクトに彼を主役に据える方向でシナリオが書きかえられた。そのため、ティエン演じる役柄は途中で殺されてしまうことになった。監督のクレジットはロー・ウェイと表記されているが、実際には途中まで別の監督が代役を務めていた。

ストーリー

タイを舞台に、製氷工場を隠れ蓑にして麻薬を密売しているギャングの一味に、次々と従兄弟達を殺されたチェン(ブルース・リー)が怒りを爆発、ギャングのボス(ハン・インチェ)やドラ息子(トニー・リュウ)に復讐の闘いを挑む。

キャスト

役名 俳優 日本語吹替
チェン・チャオワン ブルース・リー 藤岡弘
チャオ・メイ マリア・イー 岡本茉利
シュウ・シェン ジェームズ・ティエン 市川治
クオン リー・クン 神山卓三
チェンの従兄弟の一人 ラム・チェンイン 千田光男
マイ ハン・インチェ 大塚周夫
マイの息子 トニー・リュウ 伊武雅刀
工場長 チェン・チャオ
ウー・マン マラリン 小宮和枝
町の氷菓子屋の娘 ノラ・ミャオ(特別出演)
  • 1978年1月1日 テレビ朝日日曜洋画劇場」初のTV放映時には、藤岡弘、がブルース・リーの日本語吹き替えを担当していた。アクション・シーンも、怪鳥音ではなく藤岡本人の叫び声である。
  • パラマウントから2012年11月9日発売のエクストリーム・エディションBDに日本語吹替が収録されている。

スタッフ

作品解説

ロケ地

ほとんどのシーンがタイでのロケによるもので、主要キャストを除いてエキストラもほとんどがタイ人だった。

事故

タイの過酷な気候の中で続いた撮影で、主役を演じたブルース・リーの体重は激減したという。また、リーがコップを洗っていた際、右手人差し指を十針縫う大ケガを負ってしまう[2]。後に握力が強すぎて握りつぶしてしまったと関係者から語られている。

怪鳥音

他の作品で有名になったリーの怪鳥音・ヌンチャクが登場しない作品。ただし、1982年に香港でのリバイバル公開時に新たに製作された広東語音源[3]では、怪鳥音のないアクション・シーンに、他のリー作品からサンプリングした怪鳥音をわざわざ被せる改変が行われており、以後の広東語音声収録のソフトウェアはほぼ全てがこのバージョンとなっている。日本における最初のビデオソフトはポニーから発売されたが、既にこの改変音源が使用されていた。正確にはこれより以前、まだビデオデッキが一般に普及する前の1970年代に、日本国内でも8ミリフィルムで本作のダイジェストフィルムが発売されていた。

公開

日本では『燃えよドラゴン』に続いて1974年に劇場公開されている。日本で公開されたゴールデン・ハーベスト社単独製作のカンフー映画は本作が2本目となる[4]。日本題名『ドラゴン危機一発』は、『007 危機一発』(後に『007 ロシアより愛をこめて』に改題)をもじったもので、ストーリーとは全く関係ない。『ドラゴン危機一』と表記するのは誤りである。また、日本公開時は、配給元の東和が製作したオリジナル主題歌マイク・レメディオスの「鋼鉄の男」を編入したオリジナルのバージョンで公開された。2012年現在このバージョンは、東和の権利切れにともない再公開・放送・ソフト発売はされていない。また東和は「洋画英語」という理由で英語音源で公開している。

イギリス統治時代の香港映画には、第一公用語である英語の原題が必ずあったが、なぜかアメリカの劇場公開版では本作(The Big Boss)が『Fists of Fury』に、『ドラゴン怒りの鉄拳』(Fist of Fury)が『The Chinese Connection』となった。「The Big Boss(大親分)」を「The Chinese Connection(中国麻薬密売組織)」に改題して配給しようとして2作品を取り違えたと考えられるが、「Fist」が複数形の「Fists」になっていることと加え、このような間違いが起きた原因は不明である。

脚注

  1. 日本では「ドラゴンシリーズ」と呼ばれている。
  2. 本作の一部シーンで右人差し指に包帯を巻いているのがわかる。
  3. なお、この作品をもってブルース・リー主演作の広東語化が完了する。
  4. 1本目は、『燃えよドラゴン』公開直後に公開されたジミー・ウォング主演の『片腕ドラゴン』。

関連項目

外部リンク