トヨタ・コルサ

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テンプレート:画像改訂依頼 コルサ (Corsa) はトヨタ自動車が生産していた小型乗用車自動車)であり、ターセルカローラII姉妹車。特にセダンモデルは姉妹車のターセルセダン同様、同社におけるミニマムサイズの3ボックスセダンでもあった[1]

概要

コルサはトヨペット店専売の乗用小型車として設定され〈大阪府のみ、大阪トヨタ(現:大阪トヨペット)で販売〉、ターセルの姉妹車として誕生した。 2代目となってカローラ店専売カローラII(ハッチバックのみ)の姉妹車種追加を受けた。 これら3車種はフロントグリル形状やリヤガーニッシュ、リアコンビランプの色調とそれぞれの車種名エンブレムの表記意匠が異なる以外はすべて同じモデルライフを送っている。

歴史

初代 L1#型(1978年 - 1982年)

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北米仕様ターセル3ドア

1978年8月 トヨタ初のFF(前輪駆動)車として姉妹車のターセルと、共に販売開始された。 コルサのボディタイプは、2ドア/4ドアセダンと3ドアハッチバック。 発売当初は1500cc(SOHC・4気筒・1A-U型)のみだった。

初代と2代目はエンジンを縦置きに搭載、イシゴニス式ミッションの採用をしたFF前輪駆動であった。 [2] そのため4mをわずかに切る全長ながら、当時のコンパクトクラスとしては最長を誇る2,500mmのホイールベースを可能にしていた。

パワートレーンの配置はトランスミッションに内蔵されたメインドライブシャフトが車体前方に伸び、デフはクラッチ下に置かれていた。 エンジン縦置きを採用した理由としては「エンジンの整備性向上」、「既存のオートマチックトランスミッション搭載に有利」、「不等長ドライブシャフトに対する等長ドライブシャフトの優位性(トルクステア軽減)」などが挙げられていた。

このパワートレインレイアウトからエンジンとデフが「2階建て構造」となったことにより、車体から観るボンネットの高さや側面のベルトラインが比較的に高い位置となるデザインとなった。 ライバル車に対しロングホイールベースやホイールハウスのないリヤシート、エンジン縦置きレイアウトなどを特徴とする。それによりこのサイズの小型乗用車としては、広い十分な室内空間を確保でき、アメリカ市場において重宝とされ、人気を博した。

1979年6月 1300ccの2A-U型とオートマチック(1500ccのみ)を追加。1500ccのエンジンが1A-U型からE70型カローラ/スプリンターと共通の3A-U型に換装される。

1980年8月 スラントノーズ化されるマイナーチェンジを受けた。同時に1500に「GSLアベニュー」を設定。

2代目 L2#型(1982年 - 1989年)

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北米仕様ターセル5ドア

1982年5月 当初の、ボディタイプは4ドアセダンと5ドアハッチバック、エンジンは縦置きを継承。ホイールベースは、取り回し・小回り特性を考慮して、70mmも短くなった。 姉妹車にはカローラ店向けの、カローラIIも加わる。 コルサ・ターセル‣カローラIIはそれぞれ基本構造や仕様は同じである。但し、この2代目よりそれぞれのグレード呼称に、明確な差別化を設けた。コルサは、DX/GX/GXソフィア/SX/SX-5/EXとなる。

1983年8月 3ドアハッチバックを追加。特別仕様車「スポーツS」発売。

1984年8月 マイナーチェンジでフェイスリフト/3ドアSXにエアロパーツと60扁平タイヤ装着のスポーツパッケージ仕様と4ドアセダンに4WD仕様車追加。

1985年1月 3ドア/5ドアハッチバック特別仕様車「GXソフィア(エアコン付)」発売。

1985年9月 4ドアセダン特別仕様車「4WD GXエクストラ」、「4WD EXエクストラ」、3ドア・5ドア特別仕様車「DXエクストラ」をそれぞれ設定、発売。

1985年12月 3ドア/5ドアハッチバックのGXソフィアから発展した特別仕様車「ソフィアスペシャル」発売。

1986年5月 4ドアセダンはマイナーチェンジ。3ドア/5ドアハッチバックは生産終了し、次期型へ移行。

1987年10月 特別仕様車「4WD GX特別仕様車」発売。

1989年10月 生産終了。

3代目 L3#型(1986年 - 1990年)

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3代目コルサ(後期型リトラスポーツパッケージ、1.5SX-i)

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1986年5月 ボディタイプは3ドア/5ドアハッチバックとなり、2代目の4ドアセダンのみマイナーチェンジして継続販売とした。発表時のキャッチコピーは、「Yes!BePop CORSA!」

また、2代目からのスポーツグレードは継承され、専用のリトラクタブルヘッドライト仕様(1.5リッターのみ、スポーツパッケージはOP)となった。スターレットがベースとなってエンジン横置き搭載の、FF前輪駆動方式になりミッションも、ジアコーサ式へと変更される。ホイールベースは2代目と比較して更に50mmも短くなった事で小回りの特性が向上した。このモデルで3ドア/5ドアハッチバックは、全車種横置き型FF駆動方式となる。

ガソリン車は全車(4ドアセダンは、旧型に準ずる)SOHC12バルブ(1.3L・2E-U型、1.5L・3E-U型、1.5L EFI・3E-EU型)また、この3代目から1.5Lディーゼルターボエンジン(1N-T型)が加わり[3]全てのグレードに"LASER"エンジンを搭載。

1.3リッターについては4MT/3AT仕様となり、1.5リッターは5MTと4AT(ロックアップ機構付き)も選択できた。 グレード構成は、DX/GX/ソフィア/SX/EXとなる。DXとソフィア(GXにも?)には1.3リッターガソリンエンジンを搭載、GX/SX/EXには1.5リッターガソリンエンジンを搭載。GXとEX(DXにも?)には新設された1.5リッターディーゼルターボも設定。また、GP-TURBOには電子制御サスペンション、"TEMS"のオプション設定があった。

1986年10月 歴代3姉妹シリーズ唯一の1.5L SOHC12バルブインタークーラーターボエンジン(3E-TEU型)搭載「GPターボ」が、3ドアリトラハッチバックのみ設定される。 特別仕様車の「1.3ソフィア(SOPHIA)スペシャル」を設定、 廉価グレード"DX"の、エアコン/パワステ付きお買い得仕様車として"モア(MOA)"グレードを新設。「モア(MOA)」は"DX"に準じており、1.3リッターガソリンエンジン仕様と1.5リッターディーゼルターボ仕様、ミッションはそれぞれ4MTと3ATが選べた。

1988年5月 マイナーチェンジ、グレード設定と呼称の見直し。グレード呼称はTX/GX/MOA/SOPHIA/EX/リトラUX/リトラSX-i/リトラsx-iスポーツパッケージ/リトラGP-TURBOとなる。同時に3ドアのみキャンバストップ仕様の"リトラSX-i"と"1.3ガソリン仕様モア(MOA)"に設定。マイナーチェンジ後のキャッチコピーにはキャンバストップを新設したこともあり、「ぴーかん(晴天を意味する)コルサ」となった。 テンプレート:- 3ドア/5ドアに1.3リッターガソリンエンジン仕様(4MT/3AT設定)の特別仕様車、「ソフィアスペシャル・モアスペシャル」をそれぞれ追加。 ボディカラーはホワイトとソリッドレッドの2種、ホワイトがブルー内装、レッドはブラック内装となる。 主な仕様として、既設グレード(ソフィア/モア)に対して"ソフィアスペシャル"が「着座位置記憶機能付きシート・パワーウィンドウ・スペシャルエアコン・カラードバンパー/可倒式電動カラードドアミラー/カラードホイール/ブロンズガラス(チルトステアリング?)」、"モアスペシャル"は、「スペシャルエアコン・カラードバンパー/可倒式カラードドアミラー/カラードホイール」となる。

4代目 L4#型(1990年 - 1994年)

テンプレート:Double image aside 1990年9月 発表時のキャッチコピーは、「少年コルサ」。ボディタイプは、3ドアハッチバックと4ドアセダン、4ドアセダンは2代目以来の刷新となったものの、5ドアハッチバックが消滅した。3ドアリトラ「1.5GPターボ」は廃止され全グレードの、エンジンがDOHC16バルブ(ハイメカツインカム)・EFI化される(ディーゼル車は除く)。今回から4ドアセダンと共に3ドアハッチバックにも4WD仕様が導入された。当時の、自動車業界の傾向や世相により、内外装の品質が高くなった。グレード構成は3ドアハッチバックでTX/MOA/SOPHIA/SX/SZ、4ドアセダンがTX/AX/AX-X/VIT/VIT-X/VIT-Zとなる。グレードごとのエンジン構成は1.3リッターガソリン(4E-FE)がTX/MOA/SOPHIA/AX/AX-Xに設定。1.5リッターガソリン(5E-FE)は、SX/SZ/VIT/VIT-X/VIT-Zに設定され1.5リッターディーゼルターボ(1N-T)はTX/MOA/AX/VITに設定される。トランスミッションは1.3リッターガソリンが4MT/3ATと変わりないものの、1.5リッターに関しては基準車が5MT/4ATとなり、グレードSZ/VIT-Zには電子制御4ATの"ECT-S"が奢られた。尚、4WDの設定はグレードMOA/SX/AX/VITとなる。

1992年4月 特別仕様車「3ドア1300モアスペシャル」、「4ドア1300AXスペシャル」、「4ドア1500VIT-Xリミテッド」発売。

1992年8月 マイナーチェンジ。全車前後バンパーが若干大型化されサイドドアビームが標準装備された。一部上級グレードには、"運転席SRSエアバッグ"の設定もあった。グレード構成が見直され3ドアハッチバックがTX/MOA/SOPHIA/SX/SZ、4ドアセダンがTX/AX/AX-X/VIT/VIT-X/VIT-Xとなる。エンジン構成はほぼ前期型と変わらないが、トランスミッションについてはSZ/VIT-Zに設定されていた電子制御4ATの"ECT-S"に対して、1.5リッターガソリン車(グレードSX/VIT)に電子制御4ATの"ECT"が標準となる。

1992年12月 特別仕様車「3ドア1300モアスペシャル」、「4ドア1300AXスペシャル」発売。

1993年5月 特別仕様車「生産累計8000万台記念NEW AXスペシャル」発売。

1993年8月 特別仕様車「3ドア1300モアスペシャル」、「4ドア1300AXスペシャル」仕様変更。ディーラー特別仕様車の車種としても使用設定された。

5代目 L5#型(1994年 - 1999年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 1994年9月 キャッチコピーは「おれのコルサに何をする」。CMキャラクターには当初、俳優の大地康雄が起用されていた。

ボディタイプは3ドアハッチバックと4ドアセダン。コストダウンを図るべく基本コンポーネントは先代からのキャリーオーバーとなり、先代より直線的なスタイリングを採用。グレード構成は3ドアハッチバックのモア(MOA)/ソフィア(SOPHIA)/シンシア(CYNTHIA)、4ドアセダンのAX/AX-X/VIT-Xとなる。

エンジンは1.3リッターガソリン(4E-FE)をMOA/SOPHIA/AX/AX-Xに設定、また1,5リッターガソリン(5E-FE)をCYNTHIA/VIT-Xに設定、1.5ディーゼルターボ(1N-TE)の設定はMOA/AXのみとされた。

当初はフルラップ衝突対応の衝突安全ボディ"CIAS"が採用されていたが、1996年の一部改良より最新基準となるオフセット衝突対応の衝突安全ボディ"GOA"を採用。運転席SRSエアバッグのオプション設定(1996年以降より標準装備化)、4WDを1.5リッターガソリンのMOA/AX/CYNTHIA/VIT-Xに設定。

トランスミッションは変わらず1.3リッターガソリンが4MT/3ATという構成に1.5リッターガソリンが5MT/4AT(ECT)、1.5リッターディーゼルターボに5MT/4AT(ロックアップ付き)となった。

セダン全車ショルダーベルトアンカー/ハッチバック全車ショルダーベルトホルダー設定。MOA/AXに対しEパッケージを設定、前後バンパーが未塗装の簡素な仕様となっている。

1995年1月 特別仕様車、1.3リッターガソリン、3ドアMOAーSPECIAL・4ドアAX-SPECIAL・VIT-Xリミテッドを設定。

1996年1月 一部改良、全車に最新基準となるオフセット衝突対応の衝突安全ボディ"GOA"を採用。運転席SRSエアバッグとABSが全車標準装備となる。これに伴い特別仕様車、1.3リッターガソリン、3ドアMOA-SPECIAL/L・4ドアAX-LIMITEDを設定。

1997年12月 マイナーチェンジ、フロント周り/リア周り/シート生地色調の意匠変更。全車にマルチリフレクターヘッドランプが標準装備となる。ボディカラーの見直し、それまでの"スペシャルエアコン"(トヨタのエアコンは3種あり、通常のエアコンがスペシャルエアコン、ECOモード付きがマニュアルエアコン、オートがオートエアコンと、いうことになっている。)仕様に対して、ほとんどのグレードでマニュアルエアコン(ECOモード付き)に切り替わっている。全車デュアルエアバッグ/フロントプリテンショナーシートベルト、リアシート用ヘッドレストとリヤ左右シートベルト3点式の採用、グレード構成の見直しはなく、各グレード/エンジン/駆動方式に変更はない。ただし、ガソリン全車ディストリビュータレスの点火方式に、進化している。

1998年特別仕様車、1.3リッターガソリン、3ドアMOA-SPECIAL/L・4ドアAX-LIMITEDを設定。また3ドアハッチバックに"ヴェローネ"という、ユーロ調の装飾を施した特別モデルを設定。

1999年特別仕様車、1.3リッターガソリン、3ドアMOA-SPECIAL/L・4ドアAX-LIMITEDを設定。

1999年7月 ハッチバックは事実上のスターレットとの統合後継車に当たるヴィッツ、セダンはプラッツの生産へと移行するに伴い、5代目を最後に生産終了。 テンプレート:-

車名の由来

イタリア語の、「疾走、競走」から。

ちなみに世界市場ではGMグループオペルブランドにて『コルサ』の名称で1982年から小型乗用車を販売している。 1990年代に「オペル・コルサ」が日本で発売された際には商標の問題により「ヴィータ」という車名で販売された。

脚注

  1. 1977年12月にブランド終了となったトヨタ・パブリカ(セダン)が源流。以来カローラ(セダン)、およびスプリンターセダンが最小になり、カローラ/スプリンターセダンの歴代2代目/3代目では当時競合車種の日産・サニー(セダン)、および三菱・ランサー同様に最小排気量でもある1.2Lの設定もあった。それ以来、トヨタにミニマムサイズの3ボックスセダンはなかった。
  2. エンジン横置きのFF車は2代目カムリ/初代ビスタがトヨタ初
  3. 5ドアに設定。

関連項目

外部リンク

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