デルタ線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
  • 鉄道において線路を配置する形態の一つ。本項で細説。
  • 放射線の一種。荷電粒子が高速で物質中を通過する際に、原子分子などからたたき出される電子のうち、それ自身が大きなエネルギーをもち放射線として観測されるようなものをデルタ線δ-ray)と呼ぶ。

テンプレート:複数の問題 デルタ線(デルタせん)は、三角線(さんかくせん)とも言い、テンプレート:要検証範囲。列車の進行方向を変えずに各方向に直通できる。英語ではwye(ワイ)という。また転車台(ターンテーブル)の代わりに、各頂点の分岐点(分岐駅)で折り返して機関車、電車などの車両や列車の編成の向きを変えるためにも用いられる。ギリシャ文字デルタ(Δ)に形が似ていることから名付けられた。

デルタ線の利用例

1950年代に運行されていた特別急行列車「つばめ」・「はと」は、上下列車とも編成の最後尾に展望車を配する必要や、また三等車スハ44形の2人がけ座席が一方向き固定式であることから、東京・品川、大阪の双方において、全編成を方向転換させるという方法を採った。このような方向転換方法は三角線回し(さんかくせんまわし)と呼ばれている。なお、このような編成の方向転換については、電車列車の場合でもまれに行われることがあり、京浜東北線に投入されているE233系電車を試運転後、浦和電車区に搬入する際に山手貨物線 - 大崎 - 品川 - 東京経由としたため、京浜東北線では向きが逆になってしまうことから事前に武蔵野線を利用して方向転換が行われた。また、1997年上野駅停車時の騒音源を離すため「北斗星」・「あけぼの」等の荷物車電源車の向きを逆転させるために、同じく武蔵野線及び青森駅構内を利用してこのようにして全ての使用編成の方向転換を行ったことがある。

また、蒸気機関車も車両の進行方向によって前後が決まっているため、進行したい方向によって、車両全体の向きを転換する必要がある。通常はターンテーブルが用いられる。しかし、ターンテーブルを設置せずにデルタ線を使用して、方向転換する事もあった。敷地が確保できる場合、ターンテーブルよりデルタ線の方がコスト的に安いためか、軽便鉄道等に多く見られた。数は少ないが、国鉄にも蒸気機関車の方向転換を目的としたデルタ線がかつて存在していた。

日本国内では路線の分岐の数に比してデルタ線の数は多くない。一方海外では路線の分岐する所はデルタ線が設けられているところが多く、日本が手がけた韓国の鉄道においても多くのデルタ線が敷設されている。

デルタ線の例
ファイル:Delta02.PNG
「つばめ」・「はと」で行われた、デルタ線を使用しての宮原客車区への入出[1]
京葉線西船橋駅付近図
京葉線西船橋駅付近模式図

日本のデルタ線一覧

現存するデルタ線

ファイル:Delta-line-view.JPG
本四備讃線デルタ線の分岐部分
ファイル:Delta-line-right.jpg
本四備讃線デルタ線右辺側から。右辺側は高松から岡山、左辺側は松山から岡山、底辺側は松山から高松方面へ各路線分岐している。

廃止されたデルタ線

※路面電車は実例が多いため割愛。

計画されているデルタ線


未成となったデルタ線

世界のデルタ線一覧

台湾

中国

脚注

  1. 明石孝「つばめ到着」によれば、実際にはこの図の範囲では転向することはできず、大阪に着いてから、外側線を下り、本線を越えて福知山線の塚口で向きを変えて宮原に入れ、翌日は宮原から大阪にそのまま出していたという。(『鉄道ピクトリアル アーカイブス セレクション 10 国鉄客車開発記 1950』、2006年)

関連項目

テンプレート:Railway track layouts