鉄道車両の座席

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デュアルシートから転送)
移動先: 案内検索

テンプレート:国際化

鉄道車両の座席(てつどうしゃりょうのざせき)では、鉄道車両における座席のうち、椅子を使用したものの配置や形態について扱う。

客車(広義の旅客用鉄道車両)には通常座席が備わっている。客車は座席が主に椅子からなる座席車と寝台を座席として用いる寝台車に大別されるが、寝台車についてはその形態や配置について別に扱う。ただし、座席車のうち個室車の座席についてはコンパートメント席で扱い、ここではその区分がない開放式と称される座席について述べる。

腰掛の主要な構造

乗客が着座する座面と、背中を押し付ける背もたれの部分にモケットという布が張られていることが多い。中にはを張っているものや、座面・背もたれに木・FRPなどを使用している例もある。

伝統的に腰掛の下部には車両ドアの開閉機構暖房用のヒーターなどが設置されるため箱状に覆われているものが多いが、車両によっては覆われていないものもある。日本では1990年代以降に製造された車両で軽量化、清掃容易性、レッグスペース拡大など利点の多い「カンチレバーシート」ともいわれる椅子下の脚をなくした片持ち式支持構造とする例が見られる。

また、ロングシートの一人当たり占有幅やクロスシートの座席間隔は、戦時設計とされる63系電車および同時期の車両以後、特に日本国有鉄道(国鉄)・JRでは伝統的寸法が用いられたが、1990年代以降ではサービス向上や日本人の体格向上に合わせるため拡大する傾向がある。一方、ラッシュ時の収容力確保も両立せねばならず、各鉄道事業者では所有路線の性格にあわせ様々な工夫をこらしている。

座席の配列

ロングシート(縦座席)

概要

車両の長手 (longitude) 方向に並んで座る座席。通常は車両の左右の側窓を背にして座る長いベンチ様の座席である。ラッシュ時の混雑が激しい都市部や走行距離の短い路線を走る車両、車幅の狭い車両(路面電車など)に採用されることが多い。また、1両あたりで運べる人数が多く(収容力が大きい)、車両の製造・ランニングコストも低く抑えられるため、ラッシュはあるもののあまり混雑の続かない、不採算となりやすい地方線区で使われる例も見られる。

通路が広いため立席乗車人数を最大にでき、乗降のしやすさは横座席に勝る。混雑の激しい路線では着席よりも収容力や乗降のしやすさを優先し縦座席を採用することがほとんどである。一方、車窓が見づらいなど構造上長時間乗車に向かないことから、閑散時や中 - 長距離の乗車(都市間連絡や観光目的での利用など)ではあまり好ましい評価を受けない。 [1] 近年では、四国旅客鉄道(JR四国)のように、「鉄道のライバルは鉄道以外にも自家用車バスなどにある」との輸送モード間競争の観点から、オールロングシート車の新造を止めた会社もある。京浜急行電鉄南海電気鉄道もその中の1社だったが、2000年代後半以降京急新1000形増備車南海新8000系でオールロングシートが復活した。また計画段階ではオールロングシートにしたものの乗車定員の懸念から一時的にクロスシートとした車両もある(東京都交通局日暮里舎人ライナー300形)。

反面、立ち客がいないなど空いていれば足を伸ばせる点とボックスシートよりも正面に着席している乗客との距離が離れている点で快適である[2]ともいえ、閑散路線・時間帯でロングシートとクロスシートが混用されている路線ではロングシートを好む乗客もいる。

先に示したとおり、座席の前のスペースを広く取れることから、車両の幅が狭い時代は一等車二等車といった特別車両に採用されていた[3]。日本においても、大正時代中期までは多くがこの形式であり、車体幅の広がった昭和時代以降にシートピッチの広いボックスシートや転換クロスシートに移行した。2011年時点でも少数ながらソファータイプのロングシートを採用したサロン調の特別車両が見られる。しかしながら、そのような車両は大変コストがかかるため、比較的少ないスペースでプライベートな空間を提供できること、窓の大きさを犠牲にすることなく背ずりの高さを上げられることなどから、特別料金を必要とする座席にはクロスシートを採用する例が大勢を占め、ロングシートは通勤・近郊形車両に使われている例がほとんどである。

なお、通路部分に大きいテーブルを設置して、イベント車に使用することもある。こちらはさほどコストはかからないため、ローカル線や路面電車の車両でもロングシート車をイベント対応車として設定しているケースも見られる。

特殊な配置では、JR東日本キハ100系気動車の一部や、伊豆急行2100系電車のように、観光客が車窓風景を楽しめるように中央部から窓を向いたロングシートが設置されたものがある。また、京阪8000系電車更新車の場合は、車端部を背もたれを高くしたハイバック形のロングシートに交換している。近年では南海高野線「天空」九州旅客鉄道(JR九州)の観光特急「指宿のたまて箱」のように、このタイプのロングシートに限って有料座席(指定席)として発売されることがある。なおこれらの座席について「天空」は「ワンビュー座席」、「指宿のたまて箱」は「ソファーシート」と呼ばれており、公式にはロングシートと呼ばれない。

なお、ヨーロッパアメリカでは、地下鉄や郊外電車でもクロスシートやセミクロスシートの採用例が多く見られたが、2000年代以降はわずかにロングシートの採用例が増加している。

椅子の形態

座席は人間工学に基づいて設計されている。深めに腰掛けた時に内臓を圧迫する猫背にならないよう、背もたれの下側が厚くなっているのはその一例である。

一人当たりの着席幅が明確でない場合は、座席に荷物を置いたり脚を広げて座ったりする行為のため、着席定員が守られないことが多い。たとえば7人掛け座席に6人以下で着席(もう誰も座れない状態)する状態である。各鉄道事業者は定員着席のために座席の色や形状にさまざまな工夫を凝らしている。

色分け
座席モケットの色の一部分を変えて、心理的な誘導効果をねらったもの。始まりは201系電車(登場時)の 7人掛けの中央1人分のモケット色を他とは変える方式である。その後住宅・都市整備公団2000形電車では2人掛けと4人掛けの座面で生地の色を変えたものや、 乗客1人ずつの着席位置を示す模様を織り込んだ生地(大阪市交通局20系電車など)を使用したものが見られる。
シート分割
それまでロングシートは長手方向に一体もしくは二分割(4人掛け×2や4人掛け+3人掛けなど)であることが一般的だった。これをさらに小さく分割し座席定員の明確化を狙ったものである。北総開発鉄道7000形電車では2人分ずつに区切っている。九州旅客鉄道(JR九州)が発足後に新規開発したロングシート車(815系303系サハ813形500番台など)には1人分ずつ座布団が独立したロングシートを採用している。
バケットシート
座席に体形にあった定員分の凹みを設け、より快適な着座感を期待するほか定員着席を誘導する方式。凹みの形状は各社各様で、その形状によって効果も異なる[4]。1980年代頃から採用例が増えている(国鉄211系電車など)。一方日本国外では以前からベンチ状に成形したプラスチック製・金属製のシートが取り入れられている例が見られ、日本でも大阪市交通局30系電車(後に通常タイプに改造)や名鉄モ880形電車などの採用例が見られる。
仕切り
座席の中間に1 - 2か所の仕切りを設け、色分けや座席形状より強制的に着席位置を誘導する構造である。色分けやバケットシートによる区切り方は、色や座席の凹みを無視され過剰に広く座られるなど強制力が弱かったため、それらに代わる着席範囲の明確化手段として登場した。仕切りの箇所数によってその効果が異なるが、7人掛けの場合に2+3+2の位置で配置するのが主流である。日本では1986年東急9000系電車等を先駆として採用されはじめ、1990年代後半から徐々に採用例が増えた。仕切りには板状のものと、立ち客の握り棒(スタンションポール)を兼ねた直立棒のものがある。特に握り棒を兼ねたものは、交通バリアフリー法の施行以後の新造車両に、ほぼ例外なく採用されている。なお、日本国外でも輸送量が比較的多いベルリンロンドンの地下鉄等では早くから採用されていたほか、アジア地域でもソウル市の都市交通など採用例が増えている。
ロンドン地下鉄の場合、ロングシートに肘掛けを置いて1人分ずつ独立させている。

座席数、寸法

かつては『普通鉄道構造規則』(2002年廃止)の中で、座席数を車両定員の3分の1以上、かつ1人当たりの着席幅を400mm以上とすることが規定されていた。国鉄時代は約430mmに設定していた。この規定はJR東日本の6扉車導入を機に廃止されたが、そうした特殊な例をのぞけば2000年代以降もおおむね守られている。

1人当たりの着席幅は体格向上に応じて拡大の傾向にあり、最新の車両では450mmから480mm程度である。

なお、改定後の条文は次の通り。

(旅客用座席)第百九十六条
旅客車には、適当な数の旅客用座席を設けなければならない。ただし、特殊な車両にあっては、この限りでない。

クロスシート(横座席)

概要

車両の長手方向と交差(クロス)する方向に並んで着席する配置の座席。通常2人掛けの座席を中央の通路を挟んで複数列配置する。有料のものを中心に特急列車急行列車用の車両はほとんどこの配置である。乗客は列車の進行方向に対して前後方向を向いて座るため、着席時の快適性にすぐれている。一方、乗客の収容力・乗降のしやすさを考慮すると、通勤用車両への採用はラッシュ時の混雑度が比較的低い場合でないと難しい。採用する場合は、特定の号車や車端部に限られることが多い。欧州においては都市内交通用車両においても多用される。

関西圏・中京圏などでは以前から鉄道会社間の競合が激しく、都市間列車を中心にJR、私鉄双方とも転換式クロスシートの採用例が多い。一方関東圏では東武伊勢崎線東武日光線東武6050系電車、京浜急行電鉄の快特のうち泉岳寺品川駅発着の列車中心に運転される2100形西武池袋線西武秩父線4000系など、主に中距離の都市間利用や行楽客を目的とした列車向けの車両への採用例がある。しかし、料金不要の列車にクロスシート主体の車両は少なく、特に日中の京急線では交互に運行されるロングシート使用の都営線直通快特に比べて、混雑率が高い列車も多い。ロングシート車が主体の東京では特殊な車両ゆえに遅延の原因になること(特に通勤時間帯)や、狭い空間で他人と隣り合うもしくは向き合って座ることを好まない昨今の風潮などから一部では評判が悪い。反面、クロスシートの要望も高く、東急9000系電車をはじめとして、車端部のみクロスシートとした車両も登場している。このような車両を含めると、日本の大手私鉄でクロスシートの車両を1両も保有しないのは京王電鉄のみである[5]

なお、回転式、転換式にかかわらず、鉄道用語としては進行方向に向けることのできる2人掛け座席をロマンスシートと呼ぶ。このような構造の座席設備を持つ車両をロマンスカーと呼び、特に小田急電鉄小田急ロマンスカーは列車名としても広く親しまれている。

椅子の形態

回転式クロスシート(回転腰掛)
ファイル:JRC-EC373-Interior.jpg
回転式クロス(リクライニング)シート(JR東海373系電車

主に有料特急用車両に装備され、向きを転換するときには床面に垂直な回転軸を中心に180度回転する。着席者が進行方向を向いて座ることができ、また必要に応じて前後の座席を向かい合わせにして利用できる。観光路線を運行する車両や、ジョイフルトレインなどの団体利用を念頭に置いた車両においては45度あるいは90度回転させ、通路の反対側の座席と向かい合わせにしたり、窓側に向けて固定したりできるものなどもある。座席の背面に後席の乗客のためのテーブル・小物入れ・足置きなどを備えるもの、肘掛の中にテーブルや灰皿を内蔵しているものもある。かつての国鉄型の標準座席間隔は910mm(特急形普通車)または970mm(近郊形グリーン車)であった。

昭和30年代から40年代に製造された国鉄の特急形車両の普通車、準急形車両の二等車(のちの一等車)、近郊形車両のグリーン車ではリクライニング機能のない回転式クロスシートが採用されていた。現在採用されている回転式クロスシートの大部分は背もたれの傾斜を変えられるリクライニングシートである。リクライニングしない座席を備える車両は、新幹線「Max」の2階自由席車や快速「なのはなDX」指定席車(キハ200系)やキハ185系普通列車用改造車やL/Cカー・2WAYシート・マルチシートといったデュアルシート(回転できるのはクロス状態時のみ)などがある。

転換式クロスシート(転換腰掛)

背もたれが前後に移動する機構により、着席方向を切り替えられる座席である。これが0系新幹線185系電車の普通車座席の原型仕様であり、117系電車などに設置されている。特に会社間競争の激しい中京地区や関西方面・北部九州の近郊形車両に多く採用されているが、関東・東北地方では採用する鉄道会社が少ない。

比較的簡易な機構で、回転クロスシートと同様に進行方向を向いて座り、前後の座席を向かい合わせにすることが可能である。背もたれに中折れ機構を設け、着座姿勢をより改善しているものもある。戦前から昭和30年代までは二等車特急形車両などの特別料金を要する列車で用いられることも多かったが、回転式クロスシートに比べると座り心地が悪く、背もたれの背面に設備品を装備できず、また基本的にリクライニング機構も設けられないため[6]、この分野では回転式に移行した。代わりに1980年代末期以降では東日本旅客鉄道(JR東日本)をのぞいたJR各社の普通列車(各駅停車・快速)用車両や、一部の私鉄で運行される特別料金不要の特急・急行用車両に導入される例が増えている。座席間隔は国鉄型が910mm、私鉄では900mmとする例が多く、必要に応じて変更される。なお、転換クロスシート車と言われる車両であっても、近郊形・私鉄の特急形では車端部や扉横の座席は転換クロスシート並みに背もたれを傾斜させた固定式とし、中間の座席のみを転換式としているものが多い。これは、背もたれ後部のデッドスペースの発生による乗車定員の減少を防ぐためである。これらの車両の大半は車端部は事実上後述の「ボックスシート」であるが、転換クロスシート部分を向かい合わせにした場合と同じ寸法が取られているため、通常のボックスシートに比べてゆとりがある。

終着駅で車掌がスイッチを操作することにより一斉に各席の方向が転換する、座席の自動転換装置を備える車両もある。例は京阪電気鉄道3000系(初代・2代目とも)8000系阪急電鉄6300系8000系(8002F - 8007F、大部分はロングシート)・9300系電車山陽電気鉄道5000系電車(3次車以降)・5030系電車、京浜急行電鉄2100形電車などである。なお、京急2100形は向かい合わせ使用をしないことを前提に座席間隔を詰め、より多くの座席配置とする設計を採っており、営業時の座席は進行方向に固定され、乗客が転換することはできない。運行開始直後はこれを知らない者が強引に向かい合わせに変えようと座席を引っ張り、故障が多発した。そのため、背もたれには座席を転換できない旨の注意書きがある。

固定式クロスシート

テンプレート:Double image aside 方向転換しないクロスシートで、固定の向きによって次のような配置がある。 向きによらない固定式クロスシート全般の利点は、方向転換機構がない分構造が簡便で、軽量化・省コスト化と剛性確保を両立しやすく、座席構造部の軋み音がしにくいことが挙げられる。

ボックスシート
向かい合わせに掛ける配置。国鉄・JRの伝統的なクロスシート車がこれで、旧式の客車急行形車両の三等車(後の二等車→普通車)における一般的配置であり、近年まで各地で多く見られた。構造上、席の半数程度は進行方向と逆向きに座る。向かい合わせ間隔は、国鉄型だけでも1,335mmから1,580mmまでの範囲で数種類あったが、急行形車両の多くは1,460mm、1977年以降に製造された近郊形車両は1,470mmである。なおJR東日本発足後に新製された近郊形電車・一般形電車E217系E231系E233系E531系近郊タイプ)のボックスシートは1,500mmと、従来型よりも拡大されている。また1950年代以前の普通列車用車両の二等車(後の一等車→グリーン車)ではゆったりとしたシートピッチのボックスシート(80系300番台では1,910mmなど)が採用されたが、後に回転クロスシート等に置き換わった。
その他、前述の転換クロスシートを採用している近郊型車両の大半や、京急新1000形1-5次車・南海2000系5-7次車・1000系などのロングシート車は車端部のみボックスシートである。ただし前者は転換クロスシート部分を向かい合わせにした場合と同じ寸法になるよう調節されており、後者はスペースに余裕があることからいずれもシートピッチ1,750mm前後のゆったりした寸法が取られている。
昭和戦前から戦後間もない頃にはオロ36形客車サロ85形電車など二等車(後の一等車・グリーン車)において三等車に比べ座り心地が良く向かい合わせ間隔の広いボックスシートを設置した例があったが、これらは1960年代以降、二等車(旧三等車)・普通車に格下げされている。
特急用としては、国鉄581・583系電車普通車(昼間座席使用時)、改修前のJR東日本253系電車(「成田エクスプレス」)普通車(座席下を荷物置き場として活用するため)や、JR東日本251系電車(「スーパービュー踊り子」)の一部などで採用されていた。
進行方向向き
すべての座席を同一方向に向けて座席を固定した2人がけクロスシートで、スハ44形客車等、戦前から戦後にかけての特急用三等客車がこれにあたる。終着駅到着後は、デルタ線を利用した、編成まるごとの方向転換を前提としていた。
集団見合型・集団離反型
客室の中央(3扉以上の車体の場合は扉間中央)を境に2群に分け、全席が車両(扉間)中央を向く配置が集団見合型、逆に車端方向を向くのが集団離反型である。集団見合型は欧州の長距離用開放式客車で採用例が多い。日本では登場時の京急2000形電車JR東日本719系電車、2004年以降改修されたJR東日本253系電車普通車、固定クロスシート化後の京急600形電車などで、この構造が採用されている。
離反型はかつて東北・上越新幹線開業時の200系新幹線や、0系新幹線の3人掛けシートで採用されていた。これは簡易型リクライニングシートを備える際、横幅が大きい3人掛けシートは回転ができないからだった。また、車端部は車体中央を、中央部は車端方向を向いて掛ける配置(かつて京阪9000系電車で採用、のちにすべてロングシートに改造された)や、叡山電鉄デオ900形電車近鉄260系電車のように、前の車両が進行方向向き・後ろの車両が逆向きといった、2両以上にわたる座席配置もある。
利点として、座面・背もたれともに(基本的に)前後対称形状が求められる転換クロスシートや、空間効率上直立に近い形状の背もたれであるボックスシートと比較して、座席本体(座面・背もたれ)の形状を最適化しやすいことが挙げられる。言い換えれば、固定式クロスシートとしての簡便さと、回転クロスシートなみの座席本体設計の自由度を両立している。
難点は、構造上、席の半数弱は対面せず進行方向と逆向きに座ることである。しかし、この座席レイアウトが多いヨーロッパにおいては、主要都市は元来、頭端式ホームを持つターミナル駅が多く長距離列車は頻繁に方向転換を行うため、座席の向きを進行方向に合わせるという考え方が一般的でなく、乗客も対面しない状態で後向きに乗車することに抵抗感が薄い。日本ではこの座席レイアウトだと酔いやすいなどの理由で評判が良くないため採用例は限られ、ボックスシートやセミクロスシートが採用されることが多い。
リクライニングシート(自在腰掛)
ファイル:Reclining Seat JRW Kiro180-12.jpg
リクライニングシート(国鉄キハ181系気動車キロ180形)

背もたれの傾斜角度を調節することができる座席である。

国鉄では、1949年(昭和24年)戦後初の特別急行列車「へいわ」復活に際し、一等展望車に使用するため復活されたマイテ39の座席で初めて採用された。本格的な使用は翌年に登場した特別二等車スロ60形客車からで、このとき採用された機械式5段階ロック・足載せ台付の座席は以後大きな変更もなく国鉄末期まで特急・急行用二等車(→一等車→現グリーン車)の標準装備とされた。なお、スロ60形客車は最初は一等車「スイ60」として設計されたため座席間隔を1,250mmとしていたが、その後製造されたスロ53形客車では1,160mmとなり、これはJR移行後でも特急形車両におけるグリーン車の標準座席間隔である。客車特急列車の展望車の代替車両として151系電車で設計・製造された「パーラーカー」クロ151形車両の1人用リクライニングシートの座席間隔は1,100mmだった。また例外的に普通車(当時は3等車)より改造されたスロ62形客車の座席間隔は1,270mmで、当時の国鉄型では最大だった。

新幹線では1964年の東海道新幹線開業時における0系新幹線の一等車から、現在に通じる座席幅のものを採用。車体幅が大きい規格をとる新幹線では、横一列あたりの座席数が普通車の大多数は3+2列なのに対し、グリーン車は2+2列として、座席幅にゆとりを持たせている。

普通車で最初に採用されたのは、183系電車簡易式(後述)である。その後、1985年の100系新幹線、在来線用も1986年のキハ183系500番台およびキハ185系気動車から国鉄では、普通車においても無段階ロック式のリクライニングシートを採用している。なお、後者のキロハ186形の普通座席は新幹線0系の廃車発生品の転換式クロスシートを使用していた(後にリクライニングシートに交換)。

その後、とりわけJR化以降、普通車用座席の改良が重ねられた結果、1990年代後半には普通車用座席とグリーン車用座席との差は小さくなった。差は傾きや座席の大きさ、シートピッチ(座席間隔)[7]などである。そのため在来線用のグリーン車では横一列当たりの座席数を2+2から2+1に減らし、新幹線と同様に1人あたり座席幅をゆとりを持たせて普通車用座席との差別化を図る場合も多い。

また、夜行列車の一部では、高速バス等との競争のため、普通車であっても傾きの大きさがグリーン車用に近い座席、あるいはグリーン車から転用した座席を設置し、シートピッチもグリーン車に近い寸法として居住性を高めた。2003年3月まで「ムーンライトえちご」に充当された165系電車が始まりとされ、2011年現在現存するものとしては「はまなす」の「ドリームカー」が該当する。かつての「なは」「あかつき」では夜行高速バス並みに全席1人掛けで傾きの角度が大きい「レガートシート」があった。これ以前、1980年代からは四国や九州の気動車急行においてグリーン車を座席を交換することなく普通車に格下げして使用する例もあった。

簡易リクライニングシート

1972年に登場した183系電車普通車で初めて採用[8]された、リクライニングシートの一種である。同時期に製造された14系客車485系電車(1974年度以降の新製車)、381系電車やまた113系グリーン車の一部などにも採用されており、私鉄では1990年以前に製造された近畿日本鉄道特急用車両などに採用されている。座席下部に設置された受け皿のようなものの上にシートを配置する形状で、座面を前後移動させることにより背もたれをリクライニングさせる構造である。このためリクライニング角度は小さく、リクライニングさせると座席の前後間隔が狭くなるという欠点がある。

初期のものは背もたれにストッパーが無く、体重を掛けていないと座席の傾きが元に戻り、体を起こすたびに「バッターン」という大きな音と衝撃が生じることから、「バッタンコシート」という俗称もある。そのため評判はあまり芳しくなく、1976年以降に製造された車両からは完全にリクライニングさせた時のみ作動するストッパーが追加された。JR化の前後から指定席車用座席から通常のリクライニングシートへの換装が行われた。

2011年現在、このシートは鉄道博物館のヒストリーゾーンで、背もたれのストッパーがあるものと無いもの両方に座ることができる。 テンプレート:-

椅子の配列

クロスシートは、おおむね以下の構成である。

座席幅の寸法は、特急用車両の場合普通車で430 - 460mm、グリーン車の場合2+2配列で450mm前後、2+1配列のものや新幹線車両では470 - 500mm程度が一般的である。数値のみで見た場合普通車とグリーン車との間の差、また前述のロングシート車の数値と大差がないように思われるが、座席幅の数値は肘掛部分をのぞいた幅で計測されるのが通常であるため、横方向における体感的なゆとりは座席幅よりもむしろ肘掛の有無や、肘掛の幅の差に表れる[9]。 なお、一部の車両には車椅子を固定するために標準の配列から1人分減じた区画がある。

2+2配列
一列あたり中央の通路を挟んで2人掛けの椅子が並んでいる配列。日本の鉄道車両の場合ほとんどのクロスシートがこの構成である。
2+3配列
標準規格の新幹線の普通車で採用されている配列。東海道新幹線では、海側の座席が3人掛け、山側が2人掛け座席である。修学旅行列車155系電車で最初に採用された。
3+3配列
JR東日本の2階建て新幹線「Max」の2階自由席車で採用されている配列。通路の両側に3人掛け座席が並ぶ。回転式クロスシートではあるが、横幅の関係で肘掛がないことからリクライニングはできない。
2+1配列
1人掛けと2人掛けの座席が組となっており、JR化以降の在来線特急グリーン車で採用されている事例が増えている。振り子式車両では、客室内で左右の重量を揃えるため千鳥式の座席配置が見られる。
一方、一部の普通・快速列車用車両にもこの配列が見られるが、これは通路を広げ立席定員を増やすためで、1座席の幅は2+2配列で利用されるものとほぼ同じである。
関空快速用車両の223系0番台は当初空港利用客のスーツケースなどの荷物置き場を確保する目的でこの配列とされたが、ラッシュ時の輸送力確保にも有効であったため後継車両の225系5000番台もこの配列が踏襲され、主に通勤車両である103系で運転されていたラッシュ時の快速の置き換え用にも投入されることとなった。当初は1人掛け座席の肘掛け下に荷物を固定するためのワイヤーが備え付けられていた。
また、山陽電気鉄道5030系電車京阪3000系電車 (2代)名鉄2200系電車の一般車でもラッシュ時と閑散時の運用を両立させるための目的や、京阪800系電車JR東海371系電車サロハ371形など、室内幅の都合でこの配列を採用した車両も存在する。
1+1配列
一列あたり中央の通路を挟んで1人掛けの椅子が並んでいる配列。かつての一等車や、それを元にした東海道本線特別急行列車群に使用されたクロ151形車両「パーラーカー」の開放式一等席で用いられた。1990年代に「成田エクスプレス」用253系電車の開放式グリーン席で採用された事例があるが、2004年までに上記の「2+1配列」に変更されている。なお、この配置は座席定員が限られることから少なく、例えば、一般形車両においては三岐鉄道270系電車などの軽便鉄道路面電車の様に車両幅が狭い場合や、側面方向の展望席などに限られる。
また変わったところでは、1990年から2008年まで「あかつき」で、1990年から2005年までは「なは」に連結していた座席指定席普通車である「レガートシート」用オハ14形300番台(「なは」用はオハ24形300番台)車両では高速バスの座席配置にならい、1人掛け座席を独立させ3列に配置していた(1+1+1配列)が、これは列車の事情に合わせた例外である。

セミクロスシート

ファイル:JRE 717 interior.JPG
2ドアセミクロスシートの例(国鉄717系電車
ファイル:JRS-121-inside.jpg
3ドアセミクロスシートの例(国鉄121系電車
ファイル:JR-E231-inside-2.jpg
4ドアセミクロスシートの例(JR東日本E231系電車
ファイル:C301-Interior-Motor.JPG
日本国外では標準的な4ドアセミクロスシートの例(台北捷運301型電車車内)
ファイル:JRS EC 7000-7018 interior.jpg
交互にロングシートとクロスシートを設置した例(JR四国7000系電車

ロングシートクロスシートを組み合わせた配置で、通常は乗降が円滑になるようドア付近をロングシート、ドア間にクロスシートを配置する。

日本国内では1920年代の第二次都市間高速電気鉄道(インターアーバン)建設ブームの頃から、長距離輸送とラッシュ時対策の両立や、電動車の主電動機点検蓋(トラップドア)とクロスシートの干渉を防ぐ目的[10]などで採用されはじめ、第二次世界大戦後も都市間輸送用を中心に採用が続いている。

国鉄時代の車両では近郊形車両である113系電車や415系電車等の3ドア車や、80系電車711系電車やキハ40系気動車等の2ドア車が存在している。また、交直流急行電車キハ58系気動車などの急行形車両には、「近郊形改造」として、ドア付近の座席を一部ロングシートに改造した2ドアのセミクロスシート車が存在する。

また、私鉄の例では、東武6050系電車西武4000系電車名鉄6000系電車西鉄3000形電車などが挙げられる。

いわゆる国鉄型車両の場合、新規製造した時点では、3ドアの電車では通常ドア間に左右各2ボックス16名分の固定クロスシートを配していた。また、2ドア車両の場合ではデッキ付きのものはドア間すべてに固定クロスシートを配しており、デッキがないものについては客用扉付近をロングシートにし、扉間中央部にクロスシートを配する例が多かった。

1990年代以降は4ドアの車両でもクロスシートを導入する車両が増えている。日本で初めて登場した4ドアのクロスシート車は1970年に製造された近鉄2600系および量産型の2610系・2680系であるが、ロングシート部分はなく全座席が固定クロスシート設置として製造されたため、セミクロスシート車ではない。首都圏の場合、相鉄7000系電車GreenBoxこと7755Fの1本のみ)が比較的混まない一部車両[11]のドア間に左右1組ずつ固定クロスシートを試験的に設置した。これを筆頭に同等の設備を同社の8000系9000系、JR東日本のE217系電車E231系電車近郊用仕様車E531系電車首都圏新都市鉄道TX-2000系電車で採用されている。また、名鉄300系電車名古屋市交通局7000形電車のようにロングシートと転換式クロスシートを扉を境に交互に配置した例、近畿日本鉄道のL/CカーやJR東日本の2WAYシートにみられる後述のデュアルシートなどがある。

なお、東急9000系電車都営三田線6300形電車(1、2次車のみ)、東京メトロ南北線9000系電車(1次車のみ)、京急新1000形電車京急2000形電車(改造後)、南海1000系電車南海2000系電車(後期車のみ)などの通勤形車両で、車端部に少数のボックスシートを配する(していた)例がある。

また、国鉄113系電車・115系電車の転換式クロスシート改造車、JR西日本125系電車223系5500番台電車521系電車阪急6300系電車のように、クロスシート主体で運転席後部や妻面側車端部などに少数のロングシートを配する例もある。

また、トイレを有する車両で、便所使用者の直視を避けるため、当該便所前の座席のみを横座席としている車両も存在する。例えば、国鉄キハ35系気動車、近鉄2610系電車ロングシート化改造車、愛知環状鉄道2000系電車のロングシート車、JR東日本107系電車JR東日本E231系電車のうち小山車両センターの車両の6号車およびJR東日本E233系電車(3000番台)の一部編成の6号車である。

その他、通路の左右でロングシートとクロスシートを組み合わせて設置する方式もある。第二次世界大戦前の日本では主に琵琶湖鉄道汽船100形電車山陽電気鉄道100形など、通路の両側を2人掛けのクロスシートとするのに十分な車体幅を確保できない形式に採用された。戦後も草軽電気鉄道仙北鉄道(キハ2406)、下津井電鉄(モハ1001・2000系“メリーベル”)など、762mm軌間で車体幅が狭い軽便鉄道の車両においてクロスシートを配置する方式として利用された。近年ではJR四国の7000系電車121系電車(ワンマン対応改造車)、JR東日本701系(5000番台)、それにJR九州キハ220系200番台など、主にラッシュ対策と長距離輸送の両立を求められる3扉構成の車両において、クロスシートとロングシートの組み合わせを車体中央を中心に点対称に配置した千鳥配置のレイアウト[12]で採用されている。通常のセミクロスシートに対して通路のスペースが広く取れるほか、ロングシートとクロスシートとの壁が無いために開放的であるなどの利点がある。ただし、クロスシートに座る客にとっては、ロングシートに座る客から横顔を見られる恰好となるので、居心地がよくないという欠点もある。

JR東日本719系電車のクロスシート座席部分は集団見合い型、名鉄6000系電車の一部では集団離反型の配置である。 テンプレート:-

デュアルシート

2WAYシート・マルチシート

ロングシートクロスシートの両方に転換可能なタイプの座席である。混雑時には背もたれを窓に向けるように並べたロングシートとして使用し、閑散時には回転軸を中央に寄せて回転式クロスシートとして使用する。機構が複雑であるが、利用率に合わせてロング・クロス両配置の適した方で運用することが可能である。

登場自体は古く、1972年に国鉄が阪和線鳳電車区所属の73形電車のクハ79929号車を試験的に改造したのが最初である。これは実用化されなかったが、後の1996年近畿日本鉄道の長距離急行用車両として製造された2610系電車の座席でも試験的に採用され、実用化された。以後L/Cカーの愛称が与えられ、翌年には新造車として5800系電車が、2000年には5820系電車シリーズ21)が登場し本格的に採用された。車端部は4人がけロングシートで、クロスシートにした場合は回転クロスとなる。現在は特急をのぞいて種別に関係なく使用されている。

また、JR東日本仙石線用に改造した205系電車でも5編成の石巻方先頭車に2WAYシートの名称を与えて採用している。この場合は観光路線として仙石線の利用を促進する狙いもある。またE331系電車の先頭車でも類似したものが装備されている。また東武鉄道50090系にもデュアルシートが導入され、同社ではマルチシートと称している。

近鉄、東武のデュアルシートは住江工業製である。

テンプレート:-

収容式座席

テンプレート:Double image stack 収納式座席とも呼ばれ、主に、車内に設置されている折り畳みタイプの椅子である。混雑時における立席定員の確保のためや扉付近の通行の確保を必要とする場合、折り畳んだ状態でロックされているが、それ以外の時間帯にはロックが解除され利用が可能となるものである。また、車椅子スペースなどでは、車椅子での利用がない場合は座席として使用できるようにするため、ロック機能がないものも存在する。

通勤車両における採用事例としては、京阪電気鉄道の5扉車5000系電車が最初であり、収納時は座席が天井部に移動する。座面折りたたみ式は、JR東日本が山手線205系電車に増結した6扉車「サハ204形車両」で広く知られるようになった。6扉車はラッシュ時にすべての座席が折りたたまれるが、731系電車キハ201系気動車のようにドア付近の席のみ折りたたみ可能とした例もある。現在ではE231系電車[13]東急5000系電車 (2代)やなどに取り付けられている。

通勤車両では、阪急8200系にも採用されていたが、運用されていた神戸線の混雑が緩和されたことや、乗客から不評だったこと、2007年10月29日からの優先座席復活に伴い収納式座席車両の運用を廃止したことから同年12月から2008年3月にかけて阪急9000系に準じた仕切り板付きロングシートに交換された。名鉄3500系の一部には、1人掛けでロック機構の無い簡便なものが設けられている。

クロスシート車では、JR西日本の223系阪和線用0番台、2500番台をのぞく)・225系(阪和線用5000番台をのぞく)や京阪8000系#8081を含む)、阪急6300系及び阪急9300系(ロングシートのうち車椅子スペースに該当する部分にも採用)、名鉄5700系及び名鉄1200系京急2100形電車のようにドア付近に設置されているものや、2階建て新幹線「Max」や近鉄特急の一部のようにデッキに設けた例がある。JR西日本、京阪、阪急では「補助いす」と称している。類似したものとして東武鉄道特急用車両だった5700系電車には観光バスで採用された型式の補助席が設けられていた。なお、南海2300系電車は車椅子スペースにロング状態の折畳式シートがある。

また阪急電鉄京都線や京阪電気鉄道の特急では、1970年代前半まで折りたたみ式のパイプ椅子が扉付近に取り付けられており、乗客が自由に取り外して座ることができた。

特徴的なものとしては、京急600形電車で「ツイングルシート」が採用されていた。同形式は日本の地下鉄対応車両としては珍しい全席固定式クロスシート車として登場したが、立席収容力確保のため2人掛け座席の一部を収納して1人掛けとし、座席数が増減できるようにしたものである。しかし、不評のため2011年現在座席の収納は行われておらず、ロングシート化の際にツイングルシートも撤去されている。詳細は同車項目を参照。

片持ち式座席

ファイル:JR103P室内.jpg
片持ち式座席を使用した車内の例(JR西日本103系体質改善工事試作車

鉄道車両の椅子下の床上に脚台や機器が設置されていないものを片持ち式座席(かたもちしきざせき)または、カンチレバーシートという。

椅子のフレームは壁面に固定されており、片持ち状であることからこうよばれる。

ロングシートおよび固定クロスシートで採用されている。また、転換式クロスシートや回転式クロスシートでは車体剛性など強度上の都合で若干異なる形状である。いずれも腰掛を固定する部分の側構体を補強する必要があるが、腰掛フレームや床構造を単純化しやすい。

椅子下に脚がないことから(特に機械を使った)清掃が容易である。椅子下に機器を搭載しないことが前提のため、椅子下に収納されていた機器は他の場所に移設する必要がある。なお、椅子下の暖房機については小型化され、吊り下げられるのが主流である。

日本においては、東日本旅客鉄道が1991年より運行開始した「成田エクスプレス」に使用される253系電車の普通車において、椅子の下も荷物置き場とするためにこの構造が採用されたのが最初である。その後、通勤形車両においても、901系(その後209系に形式変更)のロングシートに採用された。

209系の座席の素材はリサイクル性向上を狙ったが、座席の硬さから不評だった。その後E231系の一部やE233系などではSバネを入れ座面を柔らかくしている。

京浜急行電鉄では1500形を更新する際アルミ車の椅子を片持ち式としたが、クッションは柔らかめのものを使用している[14]

優先席

婦人・子供専用車(昨今の女性専用車設定は新設ではなく復活したもの)廃止以降、1973年の中央線快速を皮切りに「シルバーシート」が設けられた。しかし、バリアフリーを目指す社会の要請に合わせて「優先席」の呼び名に変更し、高齢者だけでなく傷病人・妊婦など立つことが辛い人に優先的に着席してもらうよう改められた。

2000年頃から携帯電話による医療機器への悪影響を防ぐため、優先席付近では携帯電話の電源を切るよう呼びかけがされるようになり、2005年頃からは該当箇所の吊り革の色で区別を図るなどの方策をとっていた。しかし、2014年7月より、関西鉄道協会の鉄道事業者とJR西日本は、携帯電話の電源を切るマナーを、「混雑時のみ」と変更した[15]。 最近では阪急電鉄や横浜市営地下鉄のようにすべての座席を「優先席」とし、特定の優先席を定めない事業者もある。阪急電鉄はこの「全席優先席」が実質的に機能していないとして、2007年10月29日から優先席を復活させている。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister

  1. [http://www.janjanblog.com/archives/32723 JanJanBlog「東北新幹線『はやぶさ』で広がる格差」2011年3月6日上岡直見執筆。飛行機のファーストクラス並みの設備とサービスを誇るグランクラスと、只見線でロングシート車を対比して論じている。
  2. 乗車マナーとしては好ましくない。
  3. 『通勤電車なるほど雑学事典』(川島令三著、PHP研究所 ISBN 9784569573779)
  4. 共通して凹みが浅いほど効果が無くなり、凹みが深いほど効果が出る。
  5. 京王電鉄の前身の京王電気軌道では唯一150形がクロスシートを装備していた。
  6. 一時期小田急2300形電車で転換式リクライニングシートが試用された例があるが乗客の評判が芳しくなく定着しなかった。
  7. 新幹線電車の普通車では3列座席を回転式とするために1,040mmに拡大されている。
  8. 591系電車で試用されたR50形を元にしている。
  9. 例えば東海道・山陽新幹線車両の場合、座席幅は普通車が430 - 460mm、グリーン車は475 - 480mmが一般的であるが、肘掛部分の幅が普通車は約40mm、グリーン車は両端部が約80mm、中央部が約135 - 140mm程度あるため、肘掛部分を含めた実効的な座席幅は普通車が約490 - 500mm、グリーン車は約625mm前後である。
  10. 特急車時代の京阪1900系電車のように、電動車はセミクロスシートだが中間の付随車や制御車は全席クロスシートとした例がある
  11. 5号車と8号車
  12. つまり、中央扉を境に通路左右の座席の種類が入れ替わる。
  13. 山手線では2010年2月20日以降、座席収納を取り止めている。
  14. その後の、新1000形全車や600形のロングシート車でも同様の形状の座席を使用している。
  15. 優先席携帯オフは混雑時だけ…関西のJRと私鉄読売新聞 2014年06月26日