デモンターブル

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デモンターブル(démontable)とは、自転車のフレームの中間にカップリングなどを取り付け、分割し小さく持ち運べるようにしたもの。省略してデモンタと呼ぶこともある。「démontable」とはフランス語で分割可能という意味である。もともとは1ヶ月近くバカンスを取る事が一般的なフランスで、通常では積みにくい自転車をそのまま車に積みやすくするために開発されたのがデモンターブルの始まりとされている[1]

折り畳み自転車は、折りたたみ小さくしたり、走行可能な状態へ戻すことは簡単だが、ヒンジ部分の精度の問題や、折りたたみ機構による車体設計の制限などがあり、走行性能は落ちる。逆にデモンターブルは、分割・組み立ては面倒だが、分割式でない自転車とほぼ同じ走行性能を有する。

本格的なデモンターブルは東叡社(さいたま市)のようなオーダーメイド工房で、S&S Machine社のBTCカップリング(東叡社はS&S社の指定工場)を使い作成することになる。S&Sの指定工房には、ほかに、つねさぶろう(千葉市)などがある。

前述のように設計上精度が求められる事、需要が必ずしも多くない事からデモンターブルはオーダーで注文製造される事がほとんどである。しかし少数ではあるが大量生産を前提に製造されているものもある。現時点での製品は以下の通りである。

以前は同社ブランドの製品「ラ・スコルサ・ヌーボ」にも、ロード、ミキストなどと並んでデモンターブル・モデルが設定されており、現在もパナソニック サイクルテックでPOSと呼ぶオーダーメード車種のうちOSD9がデモンターブルとしてラインナップされている。接合方式は従来の方式でBTCカップリングは使用していない。
独特のトラスフレーム形状で小径車はあるが、自転車の広義にはデモンターブルの一種となる。分割は六角レンチ一本で可能。
2004年より分割方式のフレーム「ブレイクアウェイ」を販売。軽量で画期的な接合方式でシートポストもフレームをつなぐ強度の一部として計算されており、六角レンチ一本で分割可能。その後折り畳み自転車メーカーのダホンがリッチーのパテントの使用権を取得、リッチーブランドと並行してブレイクアウェイフレームを使ったデモンターブルを自社ブランドとして製造している。
前述のBTCカップリングを装着したモデル「トラベラーズチェック」を2008年に、「ロングホールトラッカーデラックス」を2011年に発表した。

参考文献

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  1. 美しき自転車 魔物たち(新田真志著)、アテネ書房より