スーパーバイク世界選手権

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スーパーバイク世界選手権(スーパーバイクせかいせんしゅけん、SBK[1]、もしくはWorld Superbike Championship(略称:WSB))とは、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)が主催する、4サイクルの2・3・4気筒エンジン搭載[2]の市販車を改造したオートバイで競うレース

概要

スティーブ・マクラフリンが発案し、1988年より始まった。レース専用に特化した車両ではなく、より選手の能力、技能で争われるように市販車をベースとした改造車両で行われる。

1大会につき2レース開催。予選結果は2つのレース両方のスターティンググリッドに適用される。決勝前々日の午後と前日の午前に計時予選を行い、下位のグリッドはこの2つの予選で決定されるが、予選上位(2012年現在16台)のライダーは決勝前日午後のスーパーポールと呼ばれるセッションに進出、最終的なグリッドはこのセッションでのタイムにより決定される。かつては鈴鹿8時間耐久レースの予選スペシャルステージ同様、1台ずつのタイムアタックであったが、2009年からノックアウト方式の3セッション(ウエット宣言された場合は2セッション)に変更された。SP1、SP2でそれぞれ下位4台が脱落、SP3は8台で競われる。このスーパーポールにはライダー毎に2本の予選タイヤが供給される。この予選タイヤはレースタイヤに比べ温まりが早くグリップも強力で、劇的なタイムの短縮が期待できるが、ライフは極めて短い。この2本の予選タイヤを3つのセッションにどう割り当てるかといった戦略も現行のスーパーポールの見所の一つになっている。

出場できる車両は、一般車で150台以上販売された4サイクルの二輪車。当初は排気量が4気筒は750ccまで、2気筒が1,000ccまで、改造範囲も厳しく制限されていた。これは、より公平なレースを行うためであったが、このレギュレーションでの末期には表彰台は2気筒勢が独占するようになってしまい、必ずしも公平だったかどうかは疑問が残る。レギュレーションは市販車の動向の影響を大きく受けており、日本製1000ccスーパースポーツ車の人気の高まりにより2004年に排気量は、2気筒4気筒車とも1,000ccまでに変更されたが、有力な市販車の存在しない3気筒車は900ccのままであった。さらにドゥカティが1,000ccの999から1,200ccの1098にモデルチェンジする事になり、これを参戦させるため2008年から、2気筒車の排気量制限が1,200ccまでに変更された(排気量が大きい分改造範囲は4気筒1,000ccよりも狭くなった)。エンジン出力は200馬力を上回り、その最高速度はサーキットによっては340km/h近くに達する。

かつてはミシュラン、ダンロップ等複数のタイヤメーカーが参戦していたが、2004年からワンメイク化されピレリの独占供給となった。

世界の主なオートバイメーカーがスーパースポーツカテゴリーの旗艦モデルを投入し、レースに参戦しながら技術を競い市販車にフィードバック、市場の拡大に繋げるために切磋琢磨している。2012年現在、ホンダCBR1000RR)、スズキGSX-R1000)、カワサキZX-10R)、ドゥカティ1198R)、アプリリアRSV4 Factory)、BMWS1000RR)の各マシンが参戦し、ヤマハは2011年シーズン(YZF-R1で参戦)をもって撤退した[3]

ライダーも世界各国のトップライダーが集い、上位ライダーはMotoGPへ参戦することもある。しかし、チャンピオンを獲得してもマシン特性の違いからMotoGPでは上位争いに加われないケースも多く、ライディングスタイルを変更するライダーも多い。一方、MotoGPに比べベテランライダーも十分に活躍できるため、近年はMotoGPでシートを失ったベテランライダーの次の活躍の場となっている。

スーパースポーツ世界選手権とスーパーストック1000FIMカップ(ヨーロッパラウンドのみ)、スーパーストック600ヨーロッパ選手権(ヨーロッパラウンドのみ)が併催されている。2003年まではサイドカー世界選手権も併催されていた。

2010年全日本ロードレース選手権を撤退したヨシムラがスポットながら参戦を決定しており、2011年にはフル参戦も検討していたが、前年と同様のスポット参戦となった。2012年は前年までBSBに参戦していたクレセント・スズキがスーパーバイク世界選手権へと参戦するのに伴い、同チームの車両のエンジン及びエキゾーストシステム担当として参戦している[4]

日本では1988年より2003年までスポーツランドSUGOで日本大会が開催されていた。日本人ライダーも優勝や表彰台はあるものの、2013年現在チャンピオンには手が届いていない。

歴代チャンピオン

ライダー 国籍 メーカー/マシン マニファクチャラー
2013年 トム・サイクス テンプレート:Flagiconイギリス カワサキ/ZX-10R アプリリア
2012年 マックス・ビアッジ テンプレート:Flagiconイタリア アプリリア/RSV4 アプリリア
2011年 カルロス・チェカ テンプレート:Flagiconスペイン ドゥカティ/1198R ドゥカティ
2010年 マックス・ビアッジ テンプレート:Flagiconイタリア アプリリア/RSV4 アプリリア
2009年 ベン・スピーズ テンプレート:Flagiconアメリカ ヤマハ/YZF-R1 ヤマハ
2008年 トロイ・ベイリス テンプレート:Flagiconオーストラリア ドゥカティ/DUCATI 1098 F08 ドゥカティ
2007年 ジェームス・トスランド テンプレート:Flagiconイギリス ホンダ/CBR1000RR ホンダ
2006年 トロイ・ベイリス テンプレート:Flagiconオーストラリア ドゥカティ/DUCATI 999 F06 ドゥカティ
2005年 トロイ・コーサー テンプレート:Flagiconオーストラリア スズキ/GSX-R1000 スズキ
2004年 ジェームス・トスランド テンプレート:Flagiconイギリス ドゥカティ/DUCATI 999 F04 ドゥカティ
2003年 ニール・ホジソン テンプレート:Flagiconイギリス ドゥカティ/DUCATI 999 F03 ドゥカティ
2002年 コーリン・エドワーズ テンプレート:Flagiconアメリカ ホンダ/VTR1000SP-2 ドゥカティ
2001年 トロイ・ベイリス テンプレート:Flagiconオーストラリア ドゥカティ/DUCATI 996R ドゥカティ
2000年 コーリン・エドワーズ テンプレート:Flagiconアメリカ ホンダ/VTR1000SP ドゥカティ
1999年 カール・フォガティ テンプレート:Flagiconイギリス ドゥカティ/DUCATI 996 ドゥカティ
1998年 カール・フォガティ テンプレート:Flagiconイギリス ドゥカティ/DUCATI 996 ドゥカティ
1997年 ジョン・コシンスキー テンプレート:Flagiconアメリカ ホンダ/RVF/RC45  
1996年 トロイ・コーサー テンプレート:Flagiconオーストラリア ドゥカティ/DUCATI 995  
1995年 カール・フォガティ テンプレート:Flagiconイギリス ドゥカティ/DUCATI 916  
1994年 カール・フォガティ テンプレート:Flagiconイギリス ドゥカティ/DUCATI 916  
1993年 スコット・ラッセル テンプレート:Flagiconアメリカ カワサキ/ZXR750  
1992年 ダグ・ポーレン テンプレート:Flagiconアメリカ ドゥカティ/DUCATI 888  
1991年 ダグ・ポーレン テンプレート:Flagiconアメリカ ドゥカティ/DUCATI 888  
1990年 レイモン・ロッシュ テンプレート:Flagiconフランス ドゥカティ/DUCATI 888  
1989年 フレッド・マーケル テンプレート:Flagiconアメリカ ホンダ/RC30  
1988年 フレッド・マーケル テンプレート:Flagiconアメリカ ホンダ/RC30  

主な日本人ライダー

2013年シーズンにエントリーしているライダーはいない。

2012年シーズン以前

脚注

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  1. 『Road Racing FIM Superbike & Supersport World Championships and FIM Superstock Cup Regulations 2009[1]』(Covering 1、1/176)より。
  2. 『Road Racing FIM Superbike & Supersport World Championships and FIM Superstock Cup Regulations 2009[2]』「1.9.1 Classes will be for the following categories:」(p14、18/176)より。
  3. 「ヤマハ・ワールド・スーパーバイク・チーム」2011年シーズン末で活動を休止ヤマハ発動機 2011年8月1日付
  4. ヨシムラジャパンの2012年レース参戦体制について

関連項目

外部リンク

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