ステロイド皮膚症

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テンプレート:独自研究 ステロイド皮膚症(ステロイドひふしょう)とは、ステロイド外用薬を長期に渡って使用し続けることによって起こるとされる一群の副作用が現れた皮膚症状名。正式な医学用語としては認められていない。主として外用剤において問題となるが、まれに内服、皮下注射においても全身性の皮膚萎縮などをきたす症例が存在する。ステロイド皮膚症は、古くは一般的(古典的)副作用のみを指す語として、一般の皮膚科医が用いることもあった[1]が、近年では、中止にともないリバウンドを生じるような皮膚の状態を特に指して用いられるようになった。テンプレート:誰2一般的な皮膚科医が用いることは少なく、アトピー性皮膚炎に関する代替医療業者や、その患者の間テンプレート:誰では広く用いられている言葉でもある。

ステロイド外用剤の一般的(古典的)な副作用との対比

ステロイド外用剤の一般的(古典的)な副作用とは、

  • 皮膚萎縮:表皮が薄くなる。これにより
    • 真皮の色が浮き出て赤っぽくなる。特に毛包周辺に赤褐色を認める。血管が浮き出て見える。
    • 弱い力で簡単に出血する(掻き壊しやすい)テンプレート:要出典
    • 刺激がダイレクトに伝わるため、かゆみ、ヒリヒリ感が増強される。テンプレート:要出典
  • 基剤や成分に対して接触性皮膚炎を起こす。
  • ステロイドの持つ免疫抑制作用により、細菌ウイルス真菌に感染しやすくなる。ニキビ、吹き出物ができる。感染症などに対して誤用した場合には増悪を招く。

などがあるが、これらの副作用は軽いものであり、使用を中止すれば元に戻る(可逆)のものである。

患者がアトピー性皮膚炎の症状を、ステロイドの副作用と混同しているケースも有る。 ステロイドの副作用によって皮膚が黒くなる、厚くなるとするのは誤解である。[2]

これに対し、近年使用されているステロイド皮膚症とは、

  • いわゆるリバウンド状態になる(ステロイドによる治療中に中止すると、強烈な症状がぶり返す)

を含める場合が多いようであるが、定かではない。テンプレート:要出典九州大学医学部は、急激に使用を中止せず、再燃(リバウンド)しないことを確認するまで使用を続けるのが大切としている。[3]

代替医療アトピービジネスだけではなく、皮膚症状からステロイド中止時におきる症状の分類、定義を試みた医師もいる[4]

  • なお、ムーンフェイス、副腎機能低下など内科的副作用も報告されているが、主として内服薬や皮下注射で発現する。外用剤では大量、長期にわたる使用において稀に報告されるのみであり、皮膚症状との関連も確認されていないためここでは除外する。

ステロイド皮膚症に対する対処

  • ステロイドの外用を中止する。

参考文献

  1. 「ステロイド皮膚症発症の頻度の推移-1979年から1984年まで-」皮膚 27:1166ー1171 1985
  2. テンプレート:Cite web
  3. テンプレート:Cite web
  4. 深谷元継 『アトピー性皮膚炎とステロイド離脱』 医歯薬出版

関連項目

外部リンク