スズキ・ワゴンR

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox 自動車基本情報 ワゴンR(ワゴンアール、Wagon R )は、スズキで生産されている軽トールワゴンである。

概要

誕生当時、軽自動車の弱点であった室内の狭さを、背を高く取ることで克服した軽の革命的モデルである。男性にも受ける軽自動車を作ろうと開発がスタートし、1987年頃すでに原型はできあがっていたが、紆余曲折を経て1993年に発売(当初のキャッチコピーは「クルマより楽しいクルマ、ワゴンR」)。

それまで軽自動車と言えば、低車高の乗用型もしくは、商用車派生型のワンボックスモデルしかなかったが、ワゴンRの場合はフロアパネルを二重構造とし座面も高く取ることで、足を窮屈に曲げずに座ることで圧迫感を軽減し、視点を高くすることにより眺望性・視認性および開放感を向上させた。床面が高く乗降に不便なワンボックスカーに対し、ワゴンRでは床面は地面からワンステップの高さのため乗降もスムーズとなった。

ワゴンRはまた、厳しいコスト管理により徹底した部品共用化が図られた。バブル景気の後遺症でコストダウンの方向を探っていた当時、現スズキ会長兼CEOの鈴木修はフォルクスワーゲンの製造工場を見学した際に、車種の多様さと比べて基本の車体(プラットフォーム)が少ないことに驚き、VWとの本格的な提携は実現しなかったものの、その後のスズキの徹底した共用化へのきっかけとなった。 当初は月販目標台数を4,000台としていたが、受注はそれをはるかに超え、発売して数か月、増産に対応すべく、約1億円の費用を掛けて生産ラインを拡張したほどである。若年の男性ユーザー層をターゲットとしていたが、優れた使い勝手で購買層は瞬く間に老若男女の幅広い層に拡大した。他車に与えた影響も大きく、類似車種が多数登場した。特にワゴンRと、スズキ最大のライバルであるダイハツ工業ムーヴは軽トールワゴンの代表的車種となっている。

販売台数においては、おおむね軽自動車市場のトップシェアを長らく維持しており[1]、車名別月別国内販売台数1位、すなわち、登録車(普通車)の販売台数1位車種の販売台数を上回った時期もあった。現在は、2009~2010年に実施されたエコカー減税・補助金等を発端とした、いわゆる「エコカー・ブーム」の影響によりシェアは低下し、2009年以降、国内販売台数1位の座はトヨタ・プリウスに譲ったものの、国内軽自動車車名別新車新規届出台数では2004年から2010年までの7年連続で首位を記録するなど、依然として好調な販売実績は維持している。

ワゴンRの派生車種としては、OEM車種のマツダAZ-ワゴン(4代目まで)およびフレア(5代目)、初代ベースでサイズを拡大した登録車(普通車)のソリオ(ワゴンRワイド→ワゴンRプラス→ワゴンRソリオ→ソリオと改名、2代目まで)があり、さらにソリオ派生のシボレー・MWもある。また、日本国外では、ワゴンRを基にしたオペル・アギーラポーランドで生産されていた。

歴史

初代 CT21S/51S / CV21S/51S型(1993年 - 1998年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 デビュー当初は全車F6A型3気筒EPIエンジン(SOHC12バルブ)のみ。初代モデルは当初、全グレードが「ターボなし(N/A)」「右後部ドアのない1+2ドアモデル」「後席ヘッドレストなし」「AT車は3速ATかつフロアシフトのみ」であったが、好調な販売に支えられ、後に「ターボ付モデル」「4速ATモデル」「5ドアモデル」「前席ベンチシート/コラムATモデル(ワゴンRコラム)」「後席ヘッドレスト付き」とラインナップが増えた。そのためこの代のモデルは多岐にわたる。

  • 1993年9月3日 - 初代ワゴンR発売。
  • 1994年 - RJCカー・オブ・ザ・イヤー受賞。
  • 1995年2月 - F6A型3気筒インタークーラーターボエンジン(SOHC6バルブ)を搭載する「RT-S」追加。
    • 10月 - マイナーチェンジ。ホイールのPCDが全車114.3mmから100mmに変更。これに伴い「RV」(F6A型、SOHC6バルブターボエンジン)追加。既存の「RT-S」は「RT」に改名。ターボエンジン搭載車は全車マフラーカッターがデュアル化され最高出力が若干向上(61馬力→64馬力)する。
  • 1996年8月 - 5ドア追加(2WDのみ)。これに伴いパワーウィンドウ標準装着グレードは乗降ドア全てがパワー化される。
    • 10月 - 国内累計販売台数50万台達成。
  • 1997年2月 - 低価格車「Rc」追加、普通自動車登録の「ワゴンRワイド」登場。
    • 4月 - マイナーチェンジ。K6A型3気筒インタークーラーターボエンジン(DOHC12バルブ)を搭載する「RS」追加。「RX」と「FX」が既存のF6A型3気筒エンジン(SOHC12バルブ)からK6A型3気筒エンジン(DOHC12バルブ)に変更される。
    • 11月 - 前席ベンチシート/コラムAT(電子制御3速)モデル「ワゴンRコラム」追加。エンジンはK6A。丸型ヘッドライトなど専用の内・外装を持ち、レトロな雰囲気が演出されていた。
  • 1998年3月 - 「RR」、「コラムターボ」追加。エンジンは「RR」がK6Aターボ、「コラムターボ」にはF6A(SOHC6バルブ)ターボが搭載される。RRには4速ATを設定、コラムターボは3速ATのまま。
    • 5月12日 - 「ワゴンRコラム」に新グレード「FX」、「FT」追加。また、標準グレードには特別仕様車「FM」、「RR-F[2]」発売。

テンプレート:-

2代目 MC21S/11S/22S/12S型(1998年 - 2003年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 スタイルは初代のキープコンセプトながら全体的に多少丸みを帯びる。内装の大幅な質感アップや、最小回転半径を小さくする(4.6m→4.2m)など、地道な改良を施した。派生車やOEM車と部品を共用化するため、ステアリングホイールやフルホイールキャップにスズキのマークが入れられなかった[3]

スポーティグレードに1+2ドアモデルの「RR」と5ドアモデルの「RR-F」の2グレードが設定され、標準グレードは1+2ドアモデルの「Rc」、「RX」、「RX-T」、5ドアタイプの「FG」、「FX」、「FX-T」の6グレードを設定。「Rc」や「FG」などのエアコンやパワーウィンドウがオプションの仕様以外にタコメーターが標準で装備された。ちなみに前期型に限り、「RX」と「FX」の2WD車に耐熱樹脂ベルトを用いたCVT仕様[4]が存在していた。GM製の燃料電池スタックを搭載してスズキ初の燃料電池自動車が試作されている。

先代モデルは全てEPI&プラグコード仕様であったがこのモデルから、DIを積極的に導入し、FX-Tに搭載されるF6Aエンジン以外に搭載され燃費向上が図られた。FX-Tには同時期のアルトバンの6バルブ・キャブレター仕様のエンジンをベースとしている。なお、F6AエンジンのNA仕様(直3・SOHC12バルブ・EPI)はアルトのセダン系の売れ筋グレードに採用されていたものとは若干仕様が異なり見た目もFX系のK6Aエンジンと酷似していたが約1年間しか販売されず快適装備がほとんど付かないRcやFG(注文装備にて快適装備が付くグレード)のみに搭載され主力のFXには搭載されなかったため軽のエンジンとしては非常に生産量は少なかった。

  • 1998年10月7日 - 軽自動車の規格改定に合わせフルモデルチェンジ。
    • 11月12日 - 累計生産台数100万台達成。
  • 1999年2月4日 - 「FX-T」をベースに、2DINサイズのオーディオ、アルミホイール、電動格納式ドアミラー、それに伴いボディ同色ドアノブを装備した特別仕様車「FX-Tリミテッド」を発売。
    • 3月 - 国内累計販売台数100万台達成。4月21日には1,000台の限定で「RR-F」をベースに、本革シートなどの採用やホワイトパールの塗装を施した特別限定車「100万台記念限定車」を発売。
    • 6月21日 - 軽自動車で初めて、燃料に圧縮天然ガス (CNG) を用いた「天然ガス (CNG) 自動車」を発売。
    • 10月7日 - 一部改良。NA車には新たにDOHC 4バルブVVTエンジンを搭載し、F6A型エンジンのNA仕様(直3・SOHC12バルブ・EPI)が廃止される。また、ターボ車は4速ATとなる。「RR」は外内装をよりスポーティーに。MT車にはクラッチスタートシステムが装備された。また、グレード体系も整理され、1+2ドアタイプの「Rc」と「RX-T」、5ドアタイプの「FX-T(5速MT車)」を廃止、また1+2ドアタイプの「RX」は3速AT車のみ、「RR」はコラム4速AT車のみとなる。「Rc」が廃止されたため、エアコンやパワーステアリングは全車標準装備となった。
    • 12月8日 - 「RR-F」をベースにオーディオ仕様を見直した特別仕様車「RR-FSリミテッド」、5ドア「FX」をベースにメッキパーツを装備した外装と、上質な内装とした特装車「スペシャル」を発売。RRシリーズはK6A型エンジンのみの設定であったが、「RR-FSリミテッド」ではF6A型エンジンに換装された。なお、「RR-FSリミテッド」は、SOHCエンジン、最高出力60PS、7000rpmなので、「RR-F」よりは速くはなく、「FX-T」系同様に近距離を重視している。
  • 2000年1月 - インドで1100cc仕様の「ワゴンR」を発売。
    • 3月 - 発売以来初の月間販売台数3万台を突破。
    • 4月 - 1+2ドア(運転席側1ドア、助手席側2ドア)モデルが廃止され全車5ドア仕様となる。
    • 5月18日 - スズキ創立80周年を記念し、「FM」をベースに、エアロパーツをフル装備し、2DINサイズのオーディオなどを装備した特別仕様車「80周年記念車 FMエアロ」を発売。さらに、6月8日には「FX-Tリミテッド」をベースに、スタイリッシュな外観とMD/CD/カセットつきオーディオなどを装備した「80周年記念車 FX-Tエアロ」を発売。
    • 12月5日 - マイナーチェンジ。フロントフェイスやホイールカバーが変更され、さらに、バックドアハンドルをボディ同色に変更。この時テールランプはまだ前期と同一であるが、後にレンズカットが少ない物に変更されている。NA車は「優-低排出ガス車(E-LEV(☆☆))」認定を、ターボ車はF6A、K6Aともに「良-低排出ガス車(G-LEV(☆))」認定をそれぞれ取得。AT車は4速仕様に。エクステリア関係ではフロントグリルの変更および標準シリーズのヘッドランプのマルチリフレクター化など。「FM」に標準装備されていたタコメーターはなくなる。また、グレード体系を整理するとともに、「21世紀記念スペシャル FMエアロ」を設定。
  • 2001年2月7日 - 買い得グレード「FM-G」とスポーティな外観を持つ「FM-Tリミテッドエアロ」を追加。
    • 5月 - 国内累計販売台数150万台達成。
    • 5月16日 - レトロ調の意匠が特徴の「C2」を追加。これは先代「コラム」の後継であるが、コラムシフトが一般グレードにも拡大採用されたため、名称が変更された。また、「RRリミテッド」には「サイドエアバッグ装着車」を設定。
    • 6月5日 - 国内累計販売150万台達成を記念し、お買い得グレード「FM-G」をベースに、上級仕様の装備をしながらベース車よりも安く抑えた特別仕様車「FM-Gリミテッド」を発売。6月20日には3,000台限定で「RRリミテッド(コラム4速AT車)」をベースに、MD/CDオーディオ、4スピーカー+スーパーウーハー、ウッド本革コンビステアリング、専用シートを装備した特別限定車「150万台記念車」を発売。
    • 11月14日 - 一部改良。オプション設定となっていた運転席・助手席SRSエアバッグが標準装備化、タコメーターが再び標準で装備(「FMエアロ」)され、リアサスペンションのショックアブソーバーの取り付け位置がリアフェンダー内側前方からリアフェンダー内側後方に変更され、エクステリア関係ではスチールホイール装着車用の樹脂製フルホイールカバーのデザインが変更される。またAT車は全てコラム4速ATとなる。グレード体系が整理され、標準グレードはお買い得グレードの「N-1」、レトロ調デザインの「C2」、エアロパーツを装備した「FMエアロ」、新開発のDOHC Mターボエンジンを搭載した「FTエアロ」の4グレード、「RR」は「RR」とディスチャージヘッドランプなどを装備した「RR-SWT」の2グレードとなった。F6Aのターボエンジンを積む「FM-T」が販売終了となりMターボが出たためエンジンは全車K6A&DI化となった。長年スズキ車に採用され続けていた透明のオーディオハーネスがホンダと同じブースター/オートアンテナ対応の青色ハーネスに変更される。
  • 2002年2月5日 - ヤングファミリー向けに「ミキハウス」とタイアップした特別限定車「ミキハウスバージョン」を発売。(限定3,000台)
    • 9月3日 - マイナーチェンジ。新たにリアシートスライド機構を追加。また「N-1」をベースに、DOHC Mターボエンジンを搭載した「N-1ターボ」を追加。なお、これにより「C2」は廃止。
  • 2003年1月14日 - 軽自動車販売台数30年連続No.1達成を記念し、ディスチャージヘッドランプやスマートキーレスシステムなどを装備した特別仕様車「RR バージョンV」を発売。特別仕様車などに搭載されることが多かった2DINオーディオのMD/CD/カセットは廃止された。
    • 4月10日 - 運転席・助手席SRSエアバッグ、パワーステアリング、パワードアロック、キーレスエントリーシステムなど充実の装備内容ながら83万円からの価格設定とした「B」を発売。同年5月には「B」から装備内容の一部を簡素化したことで75万円からの価格設定とした「A」を追加。

テンプレート:-

3代目 MH21S/22S型(2003年 - 2008年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 初代に立ち返り再びスクエアデザインとなった。スバルと共同開発したフロントサスを採用、プラットフォームを新しくした。スポーツグレードの「RR-DI」には軽市販車初の直接噴射式ターボエンジンが搭載された。歴代モデルで唯一、全グレードにタコメーターを標準装備する。グレード体系では標準モデルは「FA」・「FX」・「FT」・「FS」に、スポーツモデルは「RR」と「RR-DI」となった。なお、この型からエンブレムが社章の「Sマーク」をデフォルメしたものから「Sマーク」そのものになり、リアにも「Sマーク」が装着される(「Sマーク」は他のスズキの車種にも順次採用されたが、2012年現在、アルトラパンが唯一「Sマーク」を採用せずキャリイと同じくSUZUKIのデカール(縁取りは異なる)がリヤに貼られている。また、ジムニーとキャリイはフロントのみ採用)。

また、この代からリアの車名ロゴエンブレムがメッキ仕様となった。バックドアハンドルは鍵穴を廃止し、形状を変更した。同じGM系列のスバルと共同開発(2003年当時)したフロントサスペション用L字形ロアアームを採用している。ターボ車については、空冷式インタークーラーの小型高効率タイプへの変更と、フロントグリルからインタークーラーへの専用エアーインテークを設置したことにより、2代目モデルまでエンジンフードにあったインタークーラー冷却用のエアーインレットがなくなり、先代同様「TURBO」デカールも存在しないためこの代からターボカーと一目で分かる要素は消滅した。

  • 2003年9月30日 - フルモデルチェンジ。
    • 12月 - 国内累計販売台数200万台達成。
  • 2004年1月26日 - 14インチアルミホイールやエアロパーツ、CD/MDオーディオや革巻きステアリングホイールを装備して価格をベース車両の税別6万円アップに抑えた特別仕様車「FXリミテッド」を発売。後にボディカラーを増やし、7月6日にはターボ車「FT」に特別仕様車「FTリミテッド」を発売したこともあって、2004年の年間軽自動車販売台数ではムーヴから年間ナンバーワンを奪還した。
    • 7月 - 「天然ガス (CNG) 自動車」を3代目にモデルチェンジ。
    • 12月15日 - 一部改良。NA車でエンジンの環境性能(4WD・4AT車は平成17年排出ガス基準75%低減レベル(SU-LEV(☆☆☆☆))認定を取得)や内装の質感が向上したほか、特別仕様車「FX-Sリミテッド」は「FX」をベースに、前照灯のリフレクターがブルーリフレクター、車幅灯のレンズがブルーレンズとなり、Mターボエンジンを搭載する特別仕様車「FT-Sリミテッド」には「FT」をベースに「FX-Sリミテッド」の装備に加え、専用のフロントグリルが与えられた他、RRと同様のフロントフォグランプを装備、価格がベース車両の税込6.3万円アップから税込8.4万円アップになった。なお、「FS」はこの変更で廃止となった。また、リアのエンブレム配置が変わり、左上に配置していた「SUZUKI」ロゴを廃止し、「WAGON R」の車名ロゴは右上から右下に変更した。
  • 2005年9月2日 - マイナーチェンジ。フロントグリルやホイールキャップ、リヤコンビランプのデザインを変更。内装は、自発光式メーターの新採用や、インストルメントパネルの改良などが挙げられる。また、2WD・5速MT車を除く全てのグレードにおける燃費向上、「FT」、「FT-Sリミテッド」は排ガス性能向上(平成17年排出ガス基準50%低減レベル(U-LEV(☆☆☆))認定取得)。
  • 2006年3月 - 国内累計販売台数250万台達成。同年5月11日にHDDナビゲーションシステムを装備した250万台達成記念特別仕様車「250X」、「250T」を発売。
    • 9月4日 - スポーツモデル「RR」にMターボエンジンを搭載した特別仕様車「RR-Sリミテッド」を発売。
    • 9月12日 - 特別仕様車の「FX-Sリミテッド」にCVT搭載車を設定。
    • 10月19日 - HDDナビゲーションシステム、フルオートエアコンなどを装備した特別仕様車「ナビスペシャル」、「ナビスペシャルターボ」を発売。
  • 2007年2月 - 「ワゴンRスティングレー」発売。横長タイプのディスチャージヘッドランプや半透明フロントグリル、先端を高くしたボンネット、クリアタイプのテールランプ(前期タイプのもの)など、従来のモデルとは全く印象の異なるエクステリアおよび黒色基調で統一されたインテリアが特徴。エクステリアに関しては全車にエアロパーツとアルミホイールが標準装備となる。ラインアップは3グレード・6バリエーションで、DOHC VVTエンジンを搭載する「X」、DOHC Mターボエンジンを搭載する「T」、直噴ターボエンジンを搭載する「DI」の3グレード・6バリエーション。なお、リアに配置の車名ロゴは前期の初期型同様、右上に配置されている。
    • 5月 - 一部改良。一部グレードのシート・ドアトリム表皮を変更し、さらに、ドアロックの開錠・施錠、エンジン始動を容易にするキーレススタートシステムを装備[5]。CVT搭載車(CVTはJatco製)を追加。(標準グレードは新グレードの「FC」に設定、「スティングレー」は既存の「X」に追加で設定。)
  • 2008年6月 - 2003-2007年度の国内軽自動車車名別新車新規届出台数ナンバーワンと国内累計販売台数300万台達成を記念して、アルカンターラを使用したシートやメッシュ調インパネセンターガーニッシュなどを装備した特別仕様車「リミテッド」・「スティングレー リミテッド」を発売。

テンプレート:-

4代目 MH23S型(2008年 - 2012年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 基本的にはキープコンセプトだが若干路線変更し、いかにもスペース重視の箱型から、スペースとデザインを両立させたスタイリッシュな外観になった。初代から継承されていたCピラー部のクォーターウインドウが廃止され、リアドアの開口幅の拡大によって乗降性を向上させている。シフトレバーは、2代目MRワゴンと同様、従来のコラムシフトからインパネシフトに変更された[6]。居住空間を大幅に拡大したため、荷室スペースは旧型よりも狭くなっているが、今回から全車に最大160mmまで前後にスライド可能なリアシートスライド機構が新たに標準装備となり、シートアレンジの自由度や日常での使い勝手が一層向上している。また、4代目にはスペアタイヤが装備されておらず、代わりに全車パンク修理キットが装備されている。計器類はパレットのものと共通となり、ノーマル(オリジナル)シリーズは全車大型スピードメーターを備えるシンプルな自発光式単眼メーターを、スティングレーシリーズは全車タコメーター付の自発光式3眼メーターをそれぞれ採用している。

エンジンも改良され、燃費性能が向上し、ターボ車とノンターボ車のCVT仕様のエンジンにはワゴンRでは初めて電子制御スロットルが採用された。4WD車の一部にも今回からCVTが設定され、ターボ車は全車CVT仕様となった。ラインアップも見直され、「FXリミテッド」、「FTリミテッド」、「TS」をカタロググレードに新設。スポーツモデルは、初代から3代目までのRRが廃止されて「スティングレー」に統一された。スティングレーの「TS」には、ワゴンR初となるESP(車両安定装置)がメーカーオプションに設定された。

海外仕様車

2010年4月23日マルチ・スズキ・インディアがインド仕様の新型「ワゴンR」を発表した。日本における4代目モデルをベースにフロントノーズを延長して独自のフェイスを与え、BS4排ガス規制に適合したK10Bエンジンを搭載している。製造はグルガーオン工場にて行われる[7]

2013年8月21日にはインド向けの「スティングレー」(車名に「ワゴンR」は付かない)が発表された。日本向けのワゴンRスティングレーと同様に、横長のヘッドライト、クリアタイプのフロントグリルおよびテールライトが採用されている[8]

同年9月に子会社のスズキ・インドモービル・モーター社を通じてインドネシア仕様車の生産が開始された。フロントデザインが日本仕様と異なるほか、エンジンは1000ccとなる。また、車種名は「カリムン ワゴンR(KARIMUN WAGON R)」となる[9]

2014年4月20日には、子会社のパックスズキモーター社を通じてパキスタン仕様の「ワゴンR」を生産・販売を開始した。生産体制は、インドネシア工場から部品を輸出してパキスタンで組み立てるノックダウン生産。全幅と全高は日本仕様の「ワゴンR」と同じであるが、パキスタンでの使用環境に合わせて1000ccのエンジンを搭載するためエンジンルームを205mm延長し、専用のフロントフェイスを与えた小型乗用車として発売される[10]

年表

  • 2008年9月25日 - フルモデルチェンジ。「スティングレー」も同時にフルモデルチェンジ。
  • 2009年4月23日 - 自動車の安全性能を比較評価する平成20年度自動車アセスメントにおいて、新型軽自動車での乗員保護性能試験で最高評価(運転席:5☆・助手席:6☆)を獲得。
    • 5月14日 - 2009年次RJCカーオブザイヤーの受賞を記念し、「FXリミテッド」をベースに、専用フロントグリル・LEDサイドターンランプ付ドアミラー・フルオートエアコン・タコメーター付メーターパネル(スティングレー用と同一品)・6スピーカー付CDオーディオ・本革巻ステアリング・メッキインサイドドアハンドル等装備を充実させた特別仕様車「FXリミテッドII」を発売。ボディカラーはベース車に未設定の「ミステリアスバイオレットパール」と「ルナグレーパールメタリック」を含む全6色を設定。
    • 10月1日 - 仕様変更。ノーマルタイプのグレード体系が見直され、「FA」・「FXリミテッド」・「FTリミテッド」を廃止し、替わって特別仕様車で好評だった「FXリミテッドII」がカタロググレードに格上げされた。また、ボディカラーの見直しも行われ、ノーマルタイプの「FX」に設定されていた「ジュエルパープル・メタリック」・「アンティークローズ・メタリック」・「クリアベージュ・メタリック」、スティングレーに設定されていた「クラッシーレッド・パール」・「ノクターンブルー・パール」の全5色を廃止した。
    • 10月9日 - 2009年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞。2008年度のジムニー受賞に続き、スズキ車では2年連続の「ロングライフデザイン賞」受賞となった。
  • 2010年1月21日 - スズキ四輪車国内累計販売台数2,000万台達成を記念し、「FXリミテッドII」をベースに、ディスチャージヘッドランプ(ロービーム、オートレベリング機構付)、オートライトシステム、マルチリフレクターフロントフォグランプ、ルーフアンテナを装備した特別仕様車「FX-Sリミテッド」を発売。
    • 5月1日 - 仕様変更。ノーマルタイプは既に標準装備されている「FXリミテッドII」のCVT車を除く全車で従来メーカーオプション設定となっていたEBD付4輪ABSとブレーキアシストを標準装備化。「スティングレー」はグレード体系を整理し、「X」の4WD・4AT車と「TS」を廃止した。また、「T」はオーディオレス仕様となったため、車両本体価格が2.1万円値下げされた。この改良により、ESPのオプション設定を廃止した。
    • 8月20日 - 一部改良(2型)。CVT車はパレットや7代目アルトに採用されている副変速機構付CVTを採用し、燃費と発進加速を向上。これにより、4WD・CVT車は「平成22年度燃費基準+25%」を達成(「平成27年度燃費基準」にも達成)し、5MT車を除く全グレードにエコドライブインジゲーターを追加した。ノーマルタイプはCVTとアイドリングストップシステムを装備し、25.0km/L(10・15モード)の低燃費を達成した「FX アイドリングストップ」を新設するとともに、従来の「FXリミテッドII」はフロントメッキグリルのデザイン変更とランフラットタイヤのメーカーオプション設定(2WD車のみ)を受け、「FXリミテッド」に名称を戻した。インテリアはシート表皮に光沢糸を縫込み、洗練された印象となった。ボディカラーの入れ替えが行われ、「FX」は「ブリーズブルーメタリック」と「ブルームピンクメタリック」を廃止する替わりに、パレットにも設定されている「アクアベールブルーメタリック」を追加(「FX アイドリングストップ」は「FX」のボディカラーに準じる)。「FXリミテッド」は「パールメタリックカシミールブルー」を追加した。「スティングレー」はシート表皮・ドアトリム表皮を変更し、ボディカラーの「スパークブラックパール」を廃止。ターボ車の「T」は15インチアルミホイールを採用するとともに、2WD車は排出ガスのクリーン化により、「平成17年度排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆)」を取得するとともに、ノーマルタイプの「FXリミテッド」と同様にランフラットタイヤのメーカーオプション設定を追加した。
    • 11月25日 - 国内累計販売台数が2011年1月で350万台を達成することを記念し、特別仕様車「リミテッド」、「スティングレー リミテッド」を発売。前者は「FXリミテッド」をベースに、オートライトシステム付ディスチャージヘッドランプ、ガンメタリック塗装の14インチアルミホイールを装備し、内装をブラックで統一。後者はスティングレー「X」をベースに、スケルトンタイプのフロントグリルとヘッドランプをブラックメッキに、14インチアルミホイールはガンメタリック塗装の新デザインにそれぞれ変更。さらに、LEDサイドターンランプ付ドアミラー、青色LEDイルミネーション(インパネ、フロントドアトリム、フロントスピーカー)、オートライトシステム等を装備。ボディカラーは専用色の「バタフライバイオレッドメタリック」を含む6色を設定。なお、両仕様ともにバックモニター付CDプレーヤーをメーカーオプションに設定した。
  • 2011年1月11日 - 2010年12月時点で国内累計販売台数350万台を達成したことを発表[11]
    • 7月 - 「スティングレー」を仕様変更し、「X」の2WD・4AT車が廃止。これにより、「スティングレー」は全車CVT仕様となった。
    • 11月15日 - アイドリングストップ搭載グレードを拡充し、新たに「FXリミテッド アイドリングストップ」と「スティングレーX アイドリングストップ」を追加。2グレードには3代目スイフトのアイドリングストップシステム搭載車より採用している「IDLING STOP」エンブレムをバックドアに装着しており、既存の「FX アイドリングストップ」も仕様変更により「IDLING STOP」エンブレムをバックドアに装着した。
    • 11月21日 - 特別仕様車「リミテッドII」・「スティングレー リミテッドII」を発売。2010年10月に発売された特別仕様車のバージョンアップ仕様で、両仕様共通の特別装備してリクエストスイッチかリモコンキーで施錠すると自動でドアミラーが格納するリモート格納ミラーを装備するとともに、シート表皮にはセーレンの「ラックススエード」を採用。さらに、前者は従来の「リミテッド」の特別装備に加えてオートライトシステムを追加装備するとともに、フロントグリルとヘッドランプをブラックメッキ化。後者は従来の「スティングレー リミテッド」の特別装備を備えるとともに、ガンメタリック塗装アルミホイールは15インチにサイズアップ。ボディカラーは2010年8月の一部改良で廃止されていた「スパークブラックパール」を特別設定色として復活した。
  • 2012年1月26日 - 一部改良。「FX」・「FXリミテッド」の2WD・4AT車において、エンジン制御の見直しによって燃料カット時間を長くしたほか、変速機のロックアップ領域を拡大し燃料消費を抑えたことで、JC08モードにおける燃費を0.6km/L向上(20.4km/L→21.0km/L)した。これにより、「平成27年度燃費基準」を達成している。
    • 5月31日 - 一部改良(3型)。2012年7月からのシートおよびシートベルトに関する保安基準の改正に対応するため、フロントシートはヘッドレスト大型化が、リアシートについては、ヘッドレストの大型の鞍型タイプへの変更、チャイルドシート固定用テザーアンカーとISOFIX対応チャイルドシート固定用アンカー(いずれも左右2席分)の設置が行われた。後述の5代目発売のため、販売期間はわずか3か月間であった。
    • 9月6日 - フルモデルチェンジに伴い、福祉車両「ウィズシリーズ」の車いす移動車(電動固定・リアシート付)のみとなる。
    • 11月27日 - 福祉車両「ウィズシリーズ」に5代目ベースの乗降シート車が設定されたことに伴い、本代をベースとした車いす移動車(電動固定・リアシート付)の生産・販売を終了。これにより、4代目の生産がすべて終了となった。

5代目 MH34S型(2012年 - )

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 本代では「ENE-CHARGE」や「ECO-COOL」など、低燃費化技術や軽量化技術などが盛り込まれた次世代環境技術「スズキグリーンテクノロジー」の第1弾の車種として開発された。「ENE-CHARGE」は元々アイドリングストップ車専用に搭載されていた鉛バッテリーに高効率のリチウムイオンバッテリー電気自動車用バッテリーとして導入実績がある東芝製「SCiB(高入出力タイプ・3Ahセル)」を採用[12])を追加するとともに、オルタネーターを高効率・高出力化。減速時に発電・充電を行ってバッテリーに蓄え、蓄えられた電力をオーディオやメーターなどの電装品に供給することで発電に使用していたガソリンの使用量を最小限に減らすとともに、エンジン負荷を軽減。「ECO-COOL」はアイドリングストップが作動してエアコンが送風運転に切り替わった時に搭載された蓄冷材を通した冷風を送ることで室内の温度上昇を抑え、エンジン再始動を抑制する。アイドリングストップシステムは改良を行い、停止前の減速時、アクセルを離したときから燃料をカットするとともに、エンジン自動停止のタイミングを13km/h以下に早めた。また、フロントピラーに新日本製鐵(現・新日鐵住金)が新たに開発したプレス工法「NSafe-FORM-LT」を採用した強度980MPaのハイテン鋼を軽自動車で初めて採用するとともに、外板、内装、足回りなどの素材を見直すことで最大70kgの軽量化を達成[13]。「FX」の2WD車は全高1,550mm以上の軽トールワゴンでは最軽量となる780kgを実現した。さらに、エンジンをR06A型へ置換するとともに、副変速機構付CVTの改良、走行抵抗の低減を行ったことで、JC08モード燃費でNA・2WD車は28.8km/L、ターボ・2WD車は26.8km/Lの低燃費を実現し、「平成27年度燃費基準+20%」を達成した。この「スズキグリーンテクノロジー」は同年11月13日にスズキ初となる「2013年次 RJCテクノロジーオブザイヤー」を受賞しており[14]、2013年に入ってからアルトエコスペーシア/スペーシアカスタムMRワゴン/MRワゴンWitスイフトソリオに順次導入されている。

プラットフォームの一新により、ホイールベースは2,425mmに拡大した一方、最小回転半径を4.4m[15]に抑えて取り回しの良さを継承。フロントマスクはより力強く、上質なデザインとなっており、「ワゴンR」は縦型ヘッドランプを外側に張り出させてワイド感を強調し、メッキグリルを「FX」にも採用。「ワゴンR スティングレー」はボンネットの厚みが増し、ヘッドランプとスケルトングリルを横一文字に配置し、スモールランプに連動して点灯するLEDイルミネーションを採用した。ボディカラーは全9色[16]。メーターは「ワゴンR」もタコメーター付の3眼メーターに戻され、エコドライブアシスト照明とエコスコア(採点機能)を追加した。装備面ではフルオートエアコン(カテキン・エアフィルター付)とヒルホールドコントロールを全車標準装備するとともに、スティングレー「T」はリモート格納ミラーやパドルシフト(7速マニュアルモード付)も装備。さらに、「スティングレー」は先代でも設定されていたESPのメーカーオプション設定を復活した。

グレード体系は簡素化され、「ワゴンR」は「FX」と「FXリミテッド」、「ワゴンRスティングレー」はNA車の「X」とターボ車の「T」の各2グレードを設定。トランスミッションは当初CVTのみの設定であった。また、全車オーディオレス仕様となり、CDプレーヤーをメーカーオプションに設定した。

後期型では、既存の「ENE-CHARGE」で培ってきたエネルギーマネジメント技術を更に進化させ、スターターモーター機能とモーターアシスト機能を兼ねるモーター機能付発電機(ISG)を新たに搭載したことで、走行中はモーターアシストによってエンジン負荷がさらに軽減され、静かでスムーズなエンジン再始動が可能となり、リチウムイオンバッテリーは回路などの見直しにより大電流に対応し、よりスムーズな充電・給電が可能となった改良版の「S-ENE CHARGE」を一部グレードに採用したことで、JC08モード燃費を32.4km/Lに向上した。

歴史

  • 2012年8月9日 - フルモデルチェンジ公式発表に先立ち、減速時エネルギー回生機構「ENE-CHARGE(エネチャージ)」とエアコン空調ユニット内に搭載した蓄冷材により、アイドリングストップ中でも冷風を送れる「ECO-COOL(エコクール)」を新型ワゴンRに導入することを発表[17]
    • 9月6日 - フルモデルチェンジを公式発表(「ワゴンR」は同日より販売開始、「ワゴンR スティングレー」は少し遅れて9月19日より販売開始)[18]
  • 2012年9月7日 - 左リアドアのリアドアラッチの製造不良によりドアラッチ内部の樹脂部品が破損しているものがあり、最悪の場合、走行中にドアが開く恐れがあることから、発売前日までに製造された2,476台を対象にリコールの届出を発表[19]。発売翌日のリコール届出は過去最短となった。
    • 10月1日 - 2012年度グッドデザイン賞を受賞。同賞の受賞は1993年・2008年に次いで3度目となった[20]
    • 10月25日 - マツダ向けのOEM車種がフルモデルチェンジ。本代から車種名をマツダ・フレアに改名した。
    • 11月14日 - ワゴンRで採用された、スズキの次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」が「2013年次 RJC テクノロジー・オブ・ザ・イヤー」を受賞[21]
    • 11月27日 - 福祉車両「ウィズシリーズ」の新たなラインナップとして本代ベースの「乗降シート車」を追加。本仕様では標準装備されているワイヤレスリモコンや助手席足元の両側に配置しているスイッチを操作することでシートが乗降し、連動で背もたれが自動リクライニングすることでスムーズな乗り降りが可能。さらに、乗降時に使用する胸部固定用ベルト、助手席フロントピラーアシストグリップ、左右アームレスト、専用フットレストを標準装備している。また、ラゲッジスペースには折りたたみ式車いすを収納する際にバンパーを保護するバンパーカバーや固定する際に便利なラゲッジフックとラッシングベルトも標準装備した。ボディカラーは「スペリアホワイト」と「シルキーシルバーメタリック」の2色を設定する。
    • 12月19日 - 幅広いユーザーに対応するべく、フルモデルチェンジ時に廃止していた「FX」の5MT車を追加設定により復活[22]。新機能として、エンスト時にシフト位置をニュートラルに戻し、クラッチを踏み込むだけでエンジンを再始動できるエンジンリスタート機能を搭載。また、インパネシフトからフロアシフトに変更されたため、インパネシフトの位置にインパネセンターポケットが追加装備されたほか、パーキングブレーキは手動式に、フロントシートはセパレートタイプにそれぞれ変更。さらに、ヒルホールドコントロール、エコドライブアシスト照明、タコメーター、センターロアポケット(ペットボトルホルダー付)、「ENE-CHARGE」が非装備となる。なお、アイドリングストップシステム[23]と「ECO-COOL」は標準装備となっているため、JC08モード燃費で2WD車は25.6km/L、4WD車は24.0km/Lの低燃費を実現し、2WD車はCVT車同様に「平成27年度燃費基準+20%」を、4WD車は「平成27年度燃費基準+10%」をそれぞれ達成した。
  • 2013年7月16日 - 一部改良(2型)[24]
    エンジンのタイミングチェーンの細幅化やVVTなどのエンジン制御の最適化を行うとともに、CVT車はCVT制御の最適化やディファレンシャルケースの軽量化を行い、さらに、NA・2WD・CVT車はエンジンアンダーカバーを追加したことで空気抵抗を低減したことで、全グレードで燃費を向上。特に、NAエンジンの2WD・CVT車はJC08モード燃費を30.0km/Lに向上した。
    また、CVT車は安全性能も強化し、ワイパー作動域内のため、雨や汚れの影響を受けにくい車内のフロントガラス上部に設置した赤外線レーザーレーダーにより、低速走行(約5km/h~約30km/h)中に衝突を回避できないと判断した場合に自動ブレーキが作動して衝突回避あるいは衝突時の被害軽減を図る「レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)」や前方約4m以内の障害物を検知し、停車または徐行中(約10km/h以下)に障害物があるにもかかわらずアクセルを大きく踏み込んだときにエンジン出力を抑えることで急発進や急加速を抑制する「誤発進抑制機能」、高速走行(約55km/h以上)中に急ブレーキを行った場合にハザードランプを自動で高速点滅することで後続車に注意を促す「エマージェンシーストップシグナル」、タイヤがスリップしそうになると必要に応じて車輪に自動ブレーキをかけたり、エンジン出力をコントロールすることで車両の安定走行に貢献する「ESP(車両走行安定補助システム)」の4点(「FX」のCVT車は運転席シートリフターとチルトステアリングを加えた6点)をセットオプションとして設定した。
    ボディカラーは「アーバンブラウンパールメタリック(ワゴンR専用色)」と「スチールシルバーメタリック(スティングレー専用のオプションカラー、スペーシアカスタム採用色)」を追加するとともに、「ルナグレーパールメタリック」と「ミステリアスバイオレッドパール(オプションカラー)」が「FX」にも、「イノセントピンクパールメタリック」が「FXリミテッド」にも拡大設定された。なお、「シルキーシルバーメタリック」はワゴンR専用色に移行した。
    併せて、初代モデルの発売から20年を迎えたのを記念した特別仕様車「20周年記念車」を発売。「FXリミテッド」をベースに、専用デザインに変更したフロントメッキグリルやヘッドランプにブラックメッキを施し、バックドアを除くカラードドアハンドルはスチールシルバーメタリックに変更し、15インチアルミホイールを装備。左右フェンダーには記念車の証として「20th Anniversary」の専用エンブレムを装着。リアバンパーやLEDストップランプ内蔵のリアコンビネーションランプはスティングレー仕様とした。内装はブラックで統一し、インサイドドアハンドルをメッキ化。装備面も充実し、ベース車ではセットオプション設定となるレーダーブレーキサポート、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、ESPを標準装備するほか、オートライト付ディスチャージヘッドランプ、運転席シートヒーター(2WD車のみ、4WD車はベース車に標準装備)、バニティーミラー(運転席・助手席)、フロントスタビライザーも装備した。ボディカラーはスティングレー専用色である「スチールシルバーメタリック(オプションカラー)」や「フェニックスレッドパール」を含めた6色を設定した。
    • 9月3日 - 発売20年を迎えた同年9月に国内累計販売台数が400万台に達成する見込みであることを発表。発売開始から20年での国内累計販売400万台達成はアルトを抜き、スズキ歴代最速での達成となった[25]
    • 12月 - ワゴンRに廉価グレード「FX-E」を追加。「FX」のCVT車からエネチャージやアイドリングストップシステムを非装備化することで価格を抑え、オーディオのオプション設定を「なし」に変更(4スピーカーは装備)。ボディカラーは「スペリアホワイト」、「シルキーシルバーメタリック」、「ブルーイッシュブラックパール3」の3色のみを設定する。なお、本グレードはビジネスカー用途を目的とした法人向けグレードの位置づけのため、通常版のカタログ(Webカタログを含む)には掲載されていない。
  • 2014年5月 - 仕様変更。ボディカラーの「ルナグレーパールメタリック」を廃止。
    • 8月25日 - マイナーチェンジ(3型)[26]
    前期型の「FXリミテッド」から改名した「FZ」と「スティングレーX」に、スターターモーター機能とモーターアシスト機能を兼ねるモーター機能付発電機(ISG)を用いた「S-ENE CHARGE」を搭載。15~85km/hの加速時に、減速時に蓄えられた電力をモーターアシストに用いることでエンジン負担を軽減し、加速時の燃料消費を抑制。さらに、スターターモーター機能により静かでスムーズなエンジン再始動を実現するとともに、再アイドリングストップ可能な速度を引き下げてアイドリングストップの頻度を増やしたことで燃費向上に貢献。また、アイドリングストップシステムにブレーキストロークセンサーを新たに搭載したことで意図しないエンジン再起動を抑え、R06A型エンジンはエンジン圧縮比の向上・燃焼改善・摩擦抵抗低減・パワートレイン制御最適化を行った改良型を搭載し、ISGの搭載に合わせて補強ベルトシステムなどを変更した。これらにより、燃費が向上されただけでなく、軽やかな加速ときびきびとした走りを実現した。併せて、ヘッドランプとリアコンビランプにブルー加飾を施し、青く点灯するLEDイルミネーションランプを装備。14インチアルミホイールは細く立体的なスポーク形状とすることで他のグレードとの差別化を図った。
    デザインはすべてのグレードで変更を施し、ノーマルタイプは従来の「FX-E」から改名し、カタロググレードに昇格したCVT車の廉価グレード「FA」と既存の「FX」・「乗降シート車」は力強いデザインのフロントグリルとシンプルな造形のフロントバンパー、落ち着いた雰囲気のダーク系の内装色を採用。「FZ」はメッキフロントグリルを新デザインに変更し、シャープな印象のフロントバンパーと安定感を表現したフロントロアグリル、シックな印象のグレー系の内装色を採用した。スティングレーはスケルトングリル下にメッキを施し、フロントバンパーとフロントロアグリルは押し出し感を強めた形状となり、バックドアメッキガーニッシュを追加。「T」はフォグランプ外側にLEDイルミネーションランプを装備。また、内装はブラック基調にシルバー加飾を施した。ボディカラーは「FZ」とスティングレーに新色の「クリスタルホワイトパール(オプションカラー)」を追加し、既存の「パールホワイト(オプションカラー)」は「FX」専用色に変更。「FA」は「FX-E」から継続設定の3色に加え、「イノセントピンクパールメタリック」、「アーバンブラウンパールメタリック」、「フィズブルーパールメタリック」の3色を加え、6色展開となった。
    装備面ではスティングレーのスマートフォン連携ナビゲーション装着車に、軽自動車では初の機能を備えたバックアイカメラを追加。この機能は後退時にバックアイカメラを用いて移動物を検知し、左右から車両後方に車や歩行者などの移動物が近づいてくるとモニター内の左右サポート表示の点滅とブザーで運転者に知らせる後退時左右確認サポート機能と白線のある駐車場で後退する際、停車位置が近づくとモニターに表示されるバックアイカメラの映像を上から見下ろしたような俯瞰映像に自動で切りかえる自動俯瞰機能を備えており、駐車時での車の出し入れを支援する。そのほか、「スティングレーT」にはクルーズコントロールシステムを装備し、「FA」の2WD車を除くCVT車はヒーター性能を向上。運転席シートヒーターを「FA」の2WD車を除く全車に標準装備し、「FA」及び「FX(5MT車)」を除く4WD車には助手席シートヒーターも装備した。

車名の由来

  • セダンもあるけど、ワゴンもある。『ワゴンあーる』ということからワゴンRとなった。また、Rは「Revolutionary=画期的な」と「Relaxation=くつろぎ」それぞれの頭文字「R」をも指し、「軽自動車の新しい流れを作る新カテゴリーのクルマ」「生活にゆとり感を与えるクルマ」という2つの意味も、後付ながら込めている。
  • 3代目以降のバリエーションモデル・「スティングレー」は「STING(刺激)」と「RAY(光線)」を合わせた造語であるが、英語ではアカエイという意味[27]もある。なお、過去スズキでは主力車種だったフロンテの3代目(LC10型)に「スティングレイ・ルック」というコピーを採用している。
  • 当初は「ジップ(ZIP)」という名前で発売予定であり、鈴木修社長(当時)も承諾していたが、開発を手がけた戸田昌男(後の社長)が「あまり良くない」と主張したことから急遽変更されたことが、戸田元社長の葬儀での鈴木会長の弔辞で明らかにされた[28]

脚注

  1. 2003年1月から12月までの年間軽自動車販売台数でムーヴに抜かれたことがあった。2003年4月から2004年3月の軽自動車販売台数では、ワゴンRが第1位。
  2. 1+2ドアモデルの「RR」を5ドアモデルとしたグレード
  3. 同時期にモデルチェンジないしは発売されたアルトKeiでも同様の手法が取られている。
  4. CVTは愛知機械工業製で、スズキと愛知機械工業の共同開発。同時期にフルモデルチェンジしたダイハツ・ミラにも採用
  5. 「FC」、「スティングレー(全グレード)」、「FX-Sリミテッド/FT-Sリミテッド/RR-Sリミテッド」、「リミテッド/スティングレー リミテッド」に搭載
  6. ノーマルグレードの5MT車は従来のフロアシフトで、インパネには「インパネポケット」が装備される
  7. テンプレート:Cite web
  8. テンプレート:Cite web
  9. スズキ、インドネシアでエコカー「ワゴンR」を発表 - スズキ ニュースリリース 2013年9月19日
  10. スズキ、パキスタンで軽自動車「ワゴンR」を改良して発売 - スズキ ニュースリリース 2014年4月20日(2014年4月21日閲覧)
  11. スズキ、ワゴンR 7年連続軽No.1 国内累計販売台数350万台を達成 - 2011年1月11日(2011年1月13日閲覧)
  12. 二次電池SCiBがスズキの新型ワゴンRのアイドリングストップシステムに採用 - 東芝 ニュースリリース 2012年9月6日(2012年9月8日閲覧)
  13. 【スズキ ワゴンR 新型発表】新日鐵の技術でフロントピラーに980MPa級ハイテンResponse.2012年9月6日
  14. スズキの次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」2013年次 RJC テクノロジー オブ ザ イヤーを受賞 - スズキ株式会社 ニュースリリース 2012年11月14日(2013年3月5日閲覧)
  15. 14インチタイヤ装着車。15インチタイヤを装着するスティングレー「T」は4.6m
  16. グレードにより設定できるボディカラーが異なり、全グレードで設定できるボディカラーは3色のみ。フィズブルーパールメタリックは「ワゴンR」、フェニックスレッドパールは「ワゴンRスティングレー」にそれぞれ設定されるほか、ルナグレーパールメタリックとミステリアスバイオレッドパール(オプションカラー)は「FX」では設定されず、「FX」ではイノセントピンクパールメタリックとスペリアホワイトが設定される
  17. スズキ、低燃費化技術を開発 - 2012年8月9日
  18. スズキ、新型「ワゴンR」、「ワゴンRスティングレー」を発売 - 2012年9月6日
  19. ワゴンRのリコールについて - スズキ株式会社 2012年9月7日(2012年9月22日閲覧)
  20. スズキ、新型「ワゴンR」シリーズが2012年度グッドデザイン賞を受賞 - スズキ株式会社 ニュースリリース 2012年10月1日(2012年10月3日閲覧)
  21. テンプレート:Cite press release
  22. スズキ、軽乗用車 新型「ワゴンR」に5MT車、「アルト ラパン」に4AT車を設定して発売 - 2012年12月19日
  23. 5MT車用のアイドリングストップシステムはCVT車用とシステムが異なり、走行中にブレーキを踏んで停車し、シフト位置をニュートラルに戻してクラッチを離すことでエンジンを自動停止する。前述のエンジンリスタート機能により、再度クラッチを踏み込むことでエンジンを再始動できる
  24. スズキ、30.0km/Lの低燃費と先進の安全技術を搭載した軽乗用車「ワゴンR」、「ワゴンRスティングレー」を発売 特別仕様車「ワゴンR 20周年記念車」を設定 - 2013年7月16日
  25. スズキ 「ワゴンR」が発売20年で国内累計販売400万台を達成 - スズキ株式会社 ニュースリリース 2013年9月3日
  26. スズキ、軽乗用車「ワゴンR」、「ワゴンRスティングレー」に「S-エネチャージ」を搭載 軽ワゴンNo.1の低燃費32.4km/Lを達成 - スズキ株式会社 ニュースリリース 2014年8月25日
  27. ちなみに、シボレー・コルベットのスティングレイはアカエイの意味である。
  28. 『ワゴンR』の名付け親に別れ 戸田スズキ前社長合同葬 - SUZUDAS(スズキ車blog) 2007年03月30日(2012年10月16日閲覧)

関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:自動車テンプレート:スズキ車種年表