ジョン・トラボルタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:ActorActress ジョン・ジョセフ・トラボルタJohn Joseph Travolta1954年2月18日 - )は、アメリカ合衆国俳優。世界的にヒットし、若者文化に大きな影響を与えた『サタデー・ナイト・フィーバー』や『グリース』などへの出演により、70年代に一世を風靡した。

生い立ち

ニュージャージー州イングルウッドにて、6人兄弟の末っ子として生まれる[1]。父親のサルヴァトーレ(1995年没)はイタリア系アメリカ人2世のフットボール選手でもあったタイヤ会社のセールスマン[2]、母親のヘレン・セシリア(1978年没)はアイルランド系アメリカ人の演技講師。兄や姉も俳優をしている。

キャリア

高校卒業後にニューヨークに移り、ブロードウェイのミュージカルに出演するようになる。その後ロサンゼルスに移り、1975年スタートのTVシリーズ『Welcome Back, Kotter』のレギュラー出演を経て、1976年の『キャリー』で本格的な映画デビューを果たす。

1977年に主演した青春映画『サタデー・ナイト・フィーバー』のヒットでスターになった。その後も、『グリース』(1978)、『アーバン・カウボーイ』(1980)のヒットでさらに人気を高めた。しかしその後、1983年の『ステイン・アライブ』(『サタデー・ナイト・フィーバー』の続編)が酷評され、『セカンド・チャンス』などが興行的に失敗するなど、一時期役に恵まれなかったが、彼の大ファンだったクエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』(1994)のヴィンセント役で復活をし、再び大スターの地位を安泰なものにした。

その後、『ゲット・ショーティ』(1995)でゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門)を受賞する一方で、2000年には自ら製作者としても携わったSF映画『バトルフィールド・アース』が興行的に失敗、2001年第21回ゴールデンラズベリー賞の主要部門をほぼ独占する、という不名誉な結果も受けている。

多数の賞にノミネートされた2002年作品『シカゴ』の弁護士役のオファーを断ったことを後悔していると語っている[3]

2007年のミュージカル映画『ヘアスプレー』には、主人公の母親役として6時間がかりの特殊メイクによる女装姿で出演した。これは同作のオリジナル映画版と舞台版において同役をどちらも男性が演じたことに則ってのキャスティングである。さらに、それを全く苦にすることなしに歌とダンスも存分に披露して、大きな話題となった。

私生活

1991年に女優ケリー・プレストンと結婚した。後述するように航空機マニアであることから、息子をジェット(Jett)と名付けた。彼はバハマ滞在中の2009年1月2日に浴室で倒れ、同日死亡が確認された。没年齢16[4][5]。また、塩漬け缶詰(スパム:SPAM)の熱狂的なファンで、娘に命名しようとしたこともあるが実現せず、エラと命名された。2010年11月23日には第3子となる男の子ベンジャミンが誕生。

サイエントロジーの熱心な信者として知られ、映画『バトルフィールド・アース』はその創設者であるL・ロン・ハバードのSF小説「バトルフィールド・アース」を映画化した作品である。

航空機マニア

ファイル:Travolta707.JPG
トラボルタが保有するカンタス航空塗装のボーイング707-138B型「Jett Clipper Ella」(N707JT)

子供の頃から航空会社の操縦士にあこがれていたという[6]大の航空機マニアで、1974年に初めて航空機の操縦資格を取得してから、2002年までの総飛行時間は5000時間を超え[6]、「最初の給料は全て飛行訓練に消えた」と語っている[6]ボーイング747707などの大型旅客機を含む9機種の操縦資格を取得しているほか、巨大な滑走路のついた自宅には自家用機として2機のジェット機と数機の軽飛行機がある[7]

2003年に映画のプロモーションのためにオーストラリアを訪問した際には、保有するボーイング707を自ら操縦したが、空港でハンドリング業務を担当したカンタス航空の社員と意気投合したのがきっかけ[6]となり、カンタス航空の親善大使を務めることになった。

2004年にはカンタス航空とタイアップした「Spirit of Friendship」ツアーにより、所有するボーイング707をカンタス航空の往年の塗装に戻した[8]上、自らの操縦によりニュージーランドシンガポール香港日本イギリスイタリアフランスドイツを訪問した[8]。総飛行距離は64,700km[8]。なお、このボーイング707は、親善大使を務めているカンタス航空より1998年に購入したもので[6]、機首には「Jett Clipper Ella」と家族の名前を盛り込んだ愛称が記されている[6]。なお、この機体はドラマ撮影のために、パンアメリカン航空塗装になっていた時期があった。

2010年1月26日ハイチ地震 (2010年)支援のため、妻と一緒に、自らが操縦するボーイング707に、6トンの救援物資や医療薬品と医療スタッフ、新興宗教団体サイエントロジーボランティア牧師を乗せて、ハイチまで運んだ[9]

出演作品

日本語吹き替えは主に山路和弘・大塚明夫がつとめる。

公開年 邦題
原題
役名 備考
1975 魔鬼雨
The Devil's Rain
ダニー
1976 キャリー
Carrie
ビリー
プラスチックの中の青春
The Boy in the Plastic Bubble
トッド テレビ映画
1977 サタデー・ナイト・フィーバー
Saturday Night Fever
トニー ナショナル・ボード・オブ・レビュー主演男優賞受賞
1978 グリース
Grease
ダニー
1979 年上の女
Moment By Moment
ストリップ
1980 アーバン・カウボーイ
Urban Cowboy
バド
1981 ミッドナイトクロス
Blow Out
ジャック・テリー
1983 ステイン・アライブ
Staying Alive
トニー
セカンド・チャンス
Two Of A Kind
ザック
1985 パーフェクト
Perfect
アダム
1987 ベースメント
Basements
ベン テレビ映画
1989 エキスパーツ
The Experts
トラヴィス
ベイビー・トーク
Look Who's Talking
ジェームズ
1990 リトル・ダイナマイツ ベイビー・トークTOO
Look Who's Talking Too
ジェームズ
1991 チェインズ/翳りゆく街 (潜入捜査)
chains of gold
スコット・バーンズ 兼脚本
myベスト・フレンズ
Eyes of an Angel (The Tender)
ボビー
過ぎゆく夏
Shout
ジャック
1993 ベイビー・トーク3 ワンダフル・ファミリー
Look Who's Talking Now
ジェームズ
1994 パルプ・フィクション
Pulp Fiction
ヴィンセント・ベガ MTVムービー・アワード ベスト・ダンス・シークエンス受賞(ユマ・サーマンと共に)
ロサンゼルス映画批評家協会賞 男優賞受賞
ロンドン映画批評家協会賞 男優賞受賞
ストックホルム国際映画祭 男優賞受賞
1995 ジャンクション
White Man's Burden
ルイス
ゲット・ショーティ
Get Shorty
チリ・パーマー ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門)
1996 ブロークン・アロー
Broken Arrow
ヴィック・ディーキンス少佐
フェノミナン
Phenomenon
ジョージ
マイケル
Michael
マイケル
1997 シーズ・ソー・ラヴリー
She's So Lovely
ジョーイ 兼製作総指揮
フェイス/オフ
Face/Off
ショーン・アーチャー MTVムービー・アワード最高デュオ賞受賞(ニコラス・ケイジと共に)
マッド・シティ
Mad City
サム
1998 パーフェクト・カップル
Primary Colors
ジャック・スタントン
シン・レッド・ライン
The Thin Red Line
クインタード淮将
1999 シビル・アクション
A Civil Action
ジャン・シュリクマン
将軍の娘/エリザベス・キャンベル
The General's Daughter
ポール・ブレナー
2000 バトルフィールド・アース
Battlefield Earth
タール 兼製作
ゴールデンラズベリー賞 最低主演男優賞受賞
ラッキー・ナンバー
Lucky Numbers
ラス・リチャーズ
2001 ソードフィッシュ
Swordfish
ガブリエル
ドメスティック・フィアー
Domestic Disturbance
フランク・モリソン
2002 オースティン・パワーズ ゴールドメンバー
Austin Powers in Goldmember
カメオ出演
2003 閉ざされた森
Basic
トム・ハーディ
2004 炎のメモリアル
Ladder 49
マイク・ケネディ
パニッシャー
The Punisher
ハワード・セイント
ママの遺したラヴソング
A Love Song for Bobby Long
ボビー・ロング
2005 Be Cool/ビー・クール
Be Cool
チリ・パーマー
ウォーキング・オン・ザ・ムーン 3D
Magnificent Desolation: Walking on the Moon 3D
ジェームズ・アーウィン 声の出演
2007 ヘアスプレー
Hairspray
エドナ・ターンブラッド
ロンリーハート
Lonely Hearts
エルマー・ロビンソン
団塊ボーイズ
WILD HOGS
ウディ・スティーヴンス
2008 ボルト
Bolt
ボルト アニメ映画、声
2009 サブウェイ123 激突
The Taking of Pelham 123
ライダー
オールド・ドッグ
Old Dogs
チャーリー
2010 パリより愛をこめて
From Paris with Love
チャーリー・ワックス
2012 野蛮なやつら/SAVAGES
Savages
デニス
2013 キリングゲーム
Killing Season

CM

  • タカラ canチューハイ(1984年)

脚注

テンプレート:脚注ヘルプテンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:Normdaten
  1. テンプレート:Cite news
  2. テンプレート:Cite web
  3. Just A Minute With: John Travolta on music, movies, misses
  4. テンプレート:Cite news
  5. テンプレート:Cite news
  6. 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 イカロス出版『月刊エアライン』2002年10月号 p90
  7. Google Earthで確認できる(GoogleMAP29°16'42"N, 82°7'0"W)
  8. 8.0 8.1 8.2 イカロス出版『月刊エアライン』2002年10月号 p91
  9. John Travolta flies Scientologists' aid to Haitiguardian.co.uk, 2010-01-26 閲覧。