ジャスティス・リーグ
『ジャスティス・リーグ』(Justice League)は、DCコミックの刊行するアメリカン・コミックスに登場する架空のスーパーヒーローチーム、及びコミックのタイトル。オリジナルのチーム名がTHE JUSTICE LEAGUE OF AMERICA[1]であるため、JLAと略される。アニメ化、実写テレフューチャー化、格闘ゲーム化もされている。
中核となるメンバーは、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンで、DCコミックの名門チームとして設定されている。以後、必要に応じリーグあるいはJLAと省略する。
目次
概要
初出誌は1960年3月の『ブレイブ&ボールド』("The Brave and the Bold")#28[2]・29。人気を博したため、10月から『ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ』[3]("Justice League of America")が創刊され、連載が開始された。
この少し前から、DCコミックではゴールデン・エイジ(第二次世界大戦頃)のヒーロー(フラッシュやグリーンランタン等)をリニューアルして「2代目」として登場させている。次にDCコミックは、オールスターチーム「ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ(JSA)」を復活させようとしていた。
この流れで、ジャスティス・リーグは結成された。ジャスティス・リーグは人気ヒーローの競演が特徴であり、JSA同様オールスターチームでもある。名前は、結成当時に人気のあったメジャーリーグ(ナショナルリーグ、アメリカンリーグ)から「ジャスティス・リーグ」と付けられた。この後、JSAも復活している。
DC以外では、ダークホースコミック社の『JLA VSプレデター』(映画『プレデター』の地球外生命体プレデターと戦う)と言うクロスオーバー作品がある(『バットマンvsプレデター』も存在する)。
劇中での設定
創立メンバーは、以下の7人とされる[4]。
- マーシャン・マンハンター
- 本名、ジョン・ジョーンズ。火星人で、怪力、飛行、透明化、すり抜け(壁などを貫通する)、テレパシー、変身など、多彩な能力を持つ。弱点は火。
- 2代目フラッシュ[5]
- 超高速で行動できる「スピードスター」と呼ばれるタイプのヒーロー。本名、バリー・アレン。後に戦死。
- 2代目グリーンランタン[6]
- パワーリングのエネルギーを自在に操るヒーロー。本名、ハル・ジョーダン。
- アクアマン
- 地上での名はアーサー・カリー、本名はオリン。海底国家アトランティスの王。水陸両棲の海底人で、地上人よりもタフでパワーもある。
- ワンダーウーマン
- アマゾン族の王女、ダイアナ・プリンス。怪力・飛行などの能力を有する。
- スーパーマン
- 普段の姿は、新聞記者クラーク・ケント。クリプトン星の生まれで地球育ち。怪力、飛行能力、目から放つ熱線やX線が特徴で、DCコミック最強のヒーロー。弱点はクリプトナイト。
- バットマン
- 大富豪ブルース・ウェインの隠された姿。闇の騎士、世界最高の探偵などと呼ばれる。スーパーパワーは持っていないが、極限近くまで鍛え上げられた体力・知力を武器とする。
彼らのうち、『ブレイブ&ボールド』で登場するのはワンダーウーマンまでの5名である。スーパーマンの登場は『ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ』からであり、バットマンの登場はさらに後だった。なお『DCキャラクター大事典』の「ジャスティス・リーグ」の項(180頁)およびスターロの項(321頁)では、5人目はワンダーウーマンではなく2代目ブラックキャナリー(ダイナ・ローレル・ランス[7])と記述されているが、180頁にある『ブレイブ&ボールド』の表紙に映っているのは明らかにワンダーウーマンである。同書50頁のブラックキャナリーの項によると、彼女は『JLA:イヤー・ワン』#1~12(1998年1月~12月)の段階でJLA入りしているが、そもそもの初登場は『ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ』#220(1983年11月)である。これは、クロスオーバー作品『クライシス』以後の設定改変である[8]。
最初の5人が結集したのは、異星人アペラックス人およびスターロと戦うためである。この戦いでジョンは引退生活を終わらせ、ヒーロー活動を再開させた。この後、プラズマ型の異星人が地球を襲撃した。トライアンフという名のヒーローの呼びかけで、先の5人とスーパーマンを召集し、異星人を撃退したものの、トライアンフ自身は消滅している[9]。
スーパーマンとバットマンは名目上のメンバーだったが、すぐに正式に加盟した。基地は、当初はロードアイランド州にあり、「秘密の聖域」と名づけられていた。資金はオリバー・クイーン(初代グリーンアロー)が提供し、装置類はテッド・コード(後の2代目ブルービートル)が設計した。ルーカス・"スナッパー"・カーという青年が協力しており、彼はリーグの公式マスコットとなった[10]。後に月面に基地が設営され、「ウォッチタワー」と命名された[11]。月面基地を失った後には、人工衛星が基地となっている(名称は同じくウォッチタワー)。同時にワシントンD.C.にも、リーグのシンボルとなる「ホール・オブ・ジャスティス」が設営され、両施設はテレポート装置で接続されている(バットケイブなど、 他の場所にもテレポート装置が設営されている)[12]。
その他の主なメンバー
- 2008年のメンバー[13]
- 2代目ブラックキャナリー - 議長
- 4代目グリーンランタン(ジョン・スチュワート)
- 3代目フラッシュ(ウォーリー・ウェスト)
- ブラックライトニング
- ジオ・フォース
- ホークガール
- レッドアロー
- レッドトルネード
- ピクセン
彼らにスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンを加えた構成となっている。
彼らを初め数十名が加入・脱退しており、創立メンバーも離脱・再加入したり、チームも解散・再結成をしている。
コミック以外の作品
格闘ゲーム化や実写テレフューチャー化されている他、スーパーマンやバットマンを主人公とした作品にも登場している。以下、時系列順に説明する。
なお、リーグをアニメ化した作品については「ジャスティス・リーグ (アニメ)」を参照(メンバーは、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ(ウォーリー・ウェスト)、グリーンランタン(ジョン・スチュワート)、ジョン・ジョーンズ(マーシャン・マンハンター)、ホークガールの7人)。また、ハンナ・バーベラが1970年代にアニメ化した事もある(『Super Friends』を参照)。
格闘ゲーム
1995年にスーパーファミコン、メガドライブ用格闘ゲームソフトとして、アクレイムジャパンが開発した。
登場キャラクターは、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、アクアマン、グリーンアロー、フラッシュと、ボスキャラクターを含めた計7人。[14]
実写テレフューチャー
1997年に放映された。リーダーはジョン・ジョーンズであり、スーパーマンやバットマン、ワンダーウーマンは登場しない。ストーリーは、トーリがアイスへと成長する過程が中心となっている。
- ジョン・ジョーンズ
- 演 - デヴィッド・オグデン・スティアーズ
- グリーンランタン / ガイ・ガードナー
- 演 - マシュー・セトル
- ザ・フラッシュ / バリー・アレン
- 演 - ケニー・ジョンストン
- 失業でアパートを追い出され、グリーンランタンとファイアーの住むアパートに転がり込む。
- アトム / レイ・パーマー
- 演 - ジョン・カッサー
- 私生活では科学の教師である。
- ファイアー / B.B.ダコスタ
- 演 - ミシェル・ハード
- 私生活では女優の卵であり、友人である俳優のマーチン・ウォルターズ(デヴィッド・クラムホルツ)に求愛されている。
- アイス / トーリ・オラフスドッター
- 演 - キム・オージャ
- 気象庁研究所職員だったが、ある物質を浴びたことで触ったものを凍らせる能力を身に着けることとなり、事件に巻き込まれていく。
ヤング・スーパーマン
スーパーマンとなる前のクラーク・ケントを主人公としたテレビドラマ、『ヤング・スーパーマン』(原題:Smallville、2001年~2011年)にも登場。シーズン6第11話「正義の同盟(原題:JUSTICE)で結成されたが、チーム名は命名されていない(しかし、「正義」の文字を入れる、とリーダーのグリーンアローから宣言されている)。
- 最初のメンバー
- オリバー・クイーン(グリーンアロー)
- バート・アレン(インパルス)
- ビクター・ストーン(サイボーグ)
- アーサー・カリー(アクアマン)
- クラーク・ケント(ボーイスカウト)
- クロエ・サリバン(ウォッチタワー)
クロエはシーズン1からのレギュラーで、当初はクラークの同級生(女子高生)だった。途中でクラークの素性を知り、サポート役になっている(主に分析や調査を担当しており、バットマンに対するオラクルに近いポジション)。コードネームは今回からの使用。クラークのコードネームは、オリバーが急造したものである(彼ら以外は、「以前からオリバーがスカウトし、チームとして行動していた」、と語られている)。彼らの他、レギュラーなのはオリバーのみである。
その後、ゲストヒーローの増加に伴い、チームメンバーも増えていった(ブラックキャナリーなど)。バットマン、ワンダーウーマンの2名は参加していない(両者とも未登場)。後にJSAも登場した。なお、インパルスは、原作では後に2代目キッドフラッシュを襲名し、更に後には4代目フラッシュとなっている。
バットマン:ブレイブ&ボールド
テレビアニメ『バットマン:ブレイブ&ボールド』(2008年-2011年)にも登場するが、かなり影が薄い。
当初は存在すら語られていなかったが、第34話「サイドキックたちの成長」のオープニング前のパート(イントロダクション)で過去の姿が登場。幼いロビン(ディック・グレイソン)、アクアラッド、スピーディらの背後でリーグの面々が会議をしている様が描かれた(場所は人工衛星ウォッチタワーの中)。また、第48話「愛国者プラスチックマン?」においては、プラスチックマンが「リーグに居場所がない」とボヤいている。
最終的にはバットマンを中心に再編された。彼の選んだメンバーは、アクアマン、グリーンランタン(ガイ・ガードナー)、ブルービートル(ハイメ)、ブースターゴールド、アイス、ファイアー。サポート役として、マーシャン・マンハンターも登場。
なお、本作ではスーパーマン、ワンダーウーマンは基本として登場しない。前述の「サイドキック~」においても、両者は後ろ姿のみとなっている。第39話~第40話「侵略の日」では、フェイスレスハンターとスターロによる脅威が描かれたが、この際にも両者は登場していない(それ以前から、イントロダクションで繰り返し両者によるヒーローとの戦いが描かれていた)。なお、フェイスレスハンターとスターロによる侵略は凄まじく、前編では全世界のほとんどのヒーローが洗脳ずみとなっていた(バットマンが呼集をかけたところ、魔の手を逃れていたのは、ブースターゴールド、 ブワナビースト、キャプテン・マーベル、ファイアストームだけだった)。
ヤング・ジャスティス
テレビアニメ『ヤング・ジャスティス』(2011年-2012年)では第1話「インディペンデンス・デイ」から登場。中にはホークマン、ドクター・フェイトら、ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ(JSA)のメンバーも入っている(JSAがかつて存在していたことも語られている)。
リーダーはスーパーマンのようだが、実際にはスポークスマンに近い。実質的に指揮を執っているのはバットマンと思われる(第13話「リーダーの素質」におけるキャプテン・マーベルのセリフより)。
なお、カッコ内のナンバーは、転送装置の認証に使用される(例:「バットマン、ゼロ・ツー」、「ブラックキャナリー、ワン・スリー」、「レッドアロー、ツー・ワン」、「スピーディ、B・ゼロ・シックス」)。Bナンバーは、ヤング・ジャスティスのメンバーに振られている。他にAナンバーも存在(A-03はザターナ[15] )。
認証コード | 名前 | 備考 |
---|---|---|
スーパーマン | チームのリーダー。スーパーボーイは彼のクローン。 | |
02[16] | バットマン | ヤングチームに作戦を与える。ロビンの師匠。 |
ワンダーウーマン | ||
04[17] | フラッシュ | 2代目(バリー・アレン)。キッド・フラッシュの師匠。 |
グリーンランタン | 5代目(カール・レイナー) | |
06[18] | アクアマン | アクアラッドの師匠。 |
07[19] | マーシャン・マンハンター | ミス・マーシャンの叔父。 |
08[20] | グリーンアロー | アルテミスの師匠。 |
ホークマン | ||
ホークガール | ||
11 | |
ザターナの父。監督代行(二人目)。 |
キャプテン・アトム | ||
13 | ブラックキャナリー | ヤング・チームの教官兼カウンセラー。 |
グリーンランタン | 4代目(ジョン・スチュワート) | |
16[21] | レッド・トルネード | ヤング・チームの監督。 |
15 | キャプテン・マーベル | 監督代行(一人目)。 |
以上は、女性アナウンサー(キャット・グラント)のセリフによるとナンバー順に整列している模様だが、マーベルとトルネードのナンバーは逆である。ザターラに打ち消し線を引いているのは、第19話「仕組まれたカオス」で離脱したため(従って、この時は整列していない)。
彼らに、以下の5人が加わっている(同話において。メンバーカードの受け取り順に記載)。
認証コード | 名前 | 備考 |
---|---|---|
17 | ドクター・フェイト | 2代目。 |
アトム | ||
プラスチックマン | ||
20 | アイコン | サイドキックのロケットはヤングチーム入り。 |
21 | レッドアロー | 元はグリーンアローのサイドキック(スピーディ)。 |
以上はリーグの会議で参加が認められた。プラスチックマン、アイコン(とサイドキックのロケット)、レッドアローに関しては、第14話「現れた真の敵」においてリーグと共闘している。また、この時はガイ・ガードナー(3代目グリーンランタン)も登場した。
初代フェイトのケント・ネルソンは第7話「信じる心」で死亡し、意識のみヘルメットに宿るようになった(それ以前は、65年間ヘルメットを被っていなかった)が、第19話で解放された。同話でキッド・フラッシュが被った時は、ケントがヘルメットに封印される形でキッドが開放されている。
映画化の動き
2007年頃からワーナー・ブラザーズにより実写映画化の計画が進められており、『マッドマックス』シリーズで知られるジョージ・ミラーが参加し、2008年2月に撮影される事となっていた。しかし、映画脚本家らがストライキを起こし、撮影が進まずにいた。さらに計画していたモーションキャプチャによる撮影も難しくなり、実写映画化は2010年に一旦キャンセルとなった。
2012年にマーベル・コミックスの映画『アベンジャーズ』が成功した。それを受けて、脚本家のウィル・ビールが執筆のために雇われたが、2013年に彼の脚本は破棄された。この脚本では、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンの3人が主要キャラクターになる予定であった。
その後、『マン・オブ・スティール』の続編として2016年公開予定の『バットマン v スーパーマン: ドーン・オブ・ジャスティス』で、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンの3人が共演することが発表された。 さらにその続編として『ジャスティス・リーグ』が2017~2018年頃公開予定で企画が進んでいる。監督や脚本家など主要スタッフおよびヒーロー陣の俳優は『バットマン v スーパーマン: ドーン・オブ・ジャスティス』のキャストが引き続き携わることが予定されている。
脚注
外部リンク
- DC COMICS: JUSTICE LEAGUE OF AMERICA テンプレート:En icon
- Don Markstein's Toonopedia: The Justice League of America テンプレート:En icon
- Justice League of America (TV movie) テンプレート:En icon
- ↑ スコット・ビーティほか 『DCキャラクター大事典』 赤塚京子ほか訳、小学館集英社プロダクション2011年、180頁で大文字のみで「THE JUSTICE LEAGUE OF AMERICA」の表記になっている。
- ↑ 『DCキャラクター大事典』 180頁。
- ↑ 『DCキャラクター大事典』 181頁の訳題より。
- ↑ 『DCキャラクター大事典』 180頁。
- ↑ 『DCキャラクター大事典』のマーシャン・マンハンターの項(226頁)では3代目だが、フラッシュの項(同書124頁)では3代目のデビューは1986年。ただし初代キッドフラッシュとしては1960年。
- ↑ 『DCキャラクター大事典』のマーシャン・マンハンターの項(226頁)では5代目だが、グリーンランタンの項(同書144頁)では3代目のデビューは1968年、4代目は1971年、5代目は1994年。
- ↑ 『DCキャラクター大事典』 50頁。
- ↑ 『DCキャラクター大事典』 321頁。
- ↑ 『DCキャラクター大事典』 180頁。
- ↑ 『DCキャラクター大事典』 180頁。
- ↑ 『DCキャラクター大事典』 181頁。
- ↑ 『DCキャラクター大事典』 183頁。
- ↑ 『DCキャラクター大事典』 182頁。
- ↑ ジャスティス・リーグ
- ↑ 第19話「仕組まれたカオス」他
- ↑ 第1話「インディペンデンス・デイ」他
- ↑ 第1話「インディペンデンス・デイ」他
- ↑ 第1話「インディペンデンス・デイ」他
- ↑ 第1話「インディペンデンス・デイ」他
- ↑ 第1話「インディペンデンス・デイ」他
- ↑ 第1話「インディペンデンス・デイ」他