シャカタク

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テンプレート:Infobox Musician シャカタク(Shakatak)はイギリスフュージョンバンドである。

アメリカジャズを起源とするフュージョンとは異なり、アドリブ偏重ではなく旋律と編曲を重視した親しみやすいサウンドが特徴で、1980年代においてレベル42と人気を分かち合い、テンプレート:仮リンク・シーンを盛り上げた。

グループ名のShakatakとは、デビュー前の彼らのレコードを通信販売で売ってくれたレコード店「RECORD SHACK」に対する感謝の気持ちを込めて、「SHACK」+「ATTACK」から名づけられたものである。

メンバー

主要メンバー

  • ビル・シャープ(Bill Sharpe) - ピアノキーボードバーミンガム大学卒。結成時からのメンバーであり、事実上のリーダーとして扱われることもある。ソロアルバムや共作アルバムを数枚リリースしており、1984年発表の『Famous People』(邦題『ブルーシャープ』)からのシングルカット「Change Your Mind」(ヴォーカルにゲイリー・ニューマンをフィーチャー)は全英TOP20ヒットとなった。
  • ジル・セイワード(Jill Saward) - ヴォーカル。ライブではパーカッションも担当。フルートも多少演奏する。女性コーラスの一員としてグループの最初期より参加。後にグループは彼女のヴォーカルをメイン・フィーチャーする方向へと変化した。1999年にソロアルバム『Just For You』をリリース。
  • ロジャー・オデル(Roger Odell) - ドラムス。結成時からのメンバー。初期のヒット曲の多くが彼とビル・シャープの共作であり、そのセンスで「シャカタク・サウンド」を支え続けるキーパーソン。2000年に「BEATIFIK」名義でソロアルバム『The Blue Window』をリリース。
  • ジョージ・アンダーソン(George Anderson Jr.) - ベース。グループの2代目ベーシストとして『Night Birds』より参加。トロンボーン奏者を目指していたが独学でベースギターを習得しプロ入りしたという経歴を持つ。2009年にソロアルバム『Positivity』をリリース。

元メンバー

  • スティーヴ・アンダーウッド(Steve Underwood) - 初代ベーシスト。1stアルバム『Drivin' Hard』レコーディング後に、音楽性の違いを理由にグループを脱退した。
  • テンプレート:仮リンク(Nigel Wright) - 結成時から、キーボード奏者兼プロデューサーとして参加していたが、プロデューサー業に専念するため、3rdアルバム『Invitations』を最後に脱退。以降、シャカタクは勿論、ユーロビート系ダンスミュージックのプロデュース、リミックスを数多く手掛けている。(なお、近時のシャカタクのアルバムはグループのセルフ・プロデュース作である。)
  • キース・ウィンター(Keith Winter) - 結成時からギター奏者として参加していた。長年にわたりグループを支えたが、1980年代末に神経を痛めてギターが弾けなくなってしまい、脱退した。その後、回復し、ギタリストとしての活動を再開している[1]

その他

※ キース・ウィンター脱退直後はメゾフォルテのギタリストであるフレドリック・カールソン(Fridrik Karlsson) が、現在はアラン・ウォーマルド(Alan Wormald)がギターを担当している。いずれも準メンバー格だが、クレジット上はゲストミュージシャン扱いである。

※ ジル・セイワードとジャッキー・ロウ(Jackie Rawe)の2人は、グループ結成直後からコーラス担当としてグループに関わっており、1stアルバム『Drivin' Hard』にも参加している(「Toot The Shoot」)[2]。両名によるコーラスは2ndアルバム『Night Birds』で大きくフィーチャーされたが、同アルバムのクレジット上は、ヴォーカル曲「Light On My Life」を歌ったローナ・バノン(Lorna Bannon)共々ゲスト扱いであり、裏ジャケットのメンバー紹介画像にも載っていない。逆に、同じく両名のコーラスが大きくフィーチャーされた3rdアルバム『Invitations』では、ヴォーカル曲「Lonely Afternoon」を歌ったテンプレート:仮リンク(Tracie Ackerman)を加えた3人が、メンバーとしてクレジットされている。

※ 4thアルバム『Out Of This World』の発表前後にジャッキー・ロウがグループから脱退、同アルバムではジル・セイワードとノーマ・ルイス(Norma Lewis)がメンバーとしてクレジットされている(「Nights Like Tonight」でリードヴォーカルを務めたトレイシー・アッカーマンはゲスト扱いである)。その後、ノーマ・ルイスも脱退。以降、ジル・セイワード以外のヴォーカル/コーラスは、全てゲスト扱いである。

※ 近年のライブやレコーディングでは、コーラス兼サックス・フルート担当としてジャッキー・ヒックス(Jacqui Hicks)が参加することが多く、ギターのアラン・ウォーマルドと共に、(準)レギュラーメンバーとして扱われている場合もある。

来歴

1980年に結成。同年、ポリドールよりシングル「Steppin'」でデビュー。翌1981年に1stアルバム『Drivin' Hard』をリリース。なお、同年、ベガーズ・バンケット・レコードからリリースされ、日本でも輸入盤として一部で注目されたコンピレーションアルバム『Slipstream - The Best of British Jazz Funk』(LP2枚組)[3]に「Feels Like The Right Time」が収録されており、これが日本でシャカタクが一般に認知される最初の機会となった模様である。

1982年、ビル・シャープのピアノと女性コーラス(ジル・セイワードとジャッキー・ロウ)を前面にフィーチャーしたシングル「Night Birds」で世界的にブレイク、2ndアルバム『Night Birds』、3rdアルバム『Invitations』が大ヒット作となる。

1984年頃よりジル・セイワードのヴォーカルを前面に出したダンスポップ路線へと移行していったが、特に日本のファンが初期の女性コーラスをフィーチャーしたインストゥルメンタル路線を圧倒的に支持していたため、一時期、日本のファンの嗜好に合わせた日本国内限定発売盤のリリースなどで応えていた。近年では比較的ポップ色の強いスムーズジャズ路線が定着、安定した活動を継続している。

アジアでも強い人気を誇り、特に日本には現在でも根強いファンが多い。その楽曲はテレビドラマ男女7人夏物語』『男女7人秋物語』のBGMにも使用され、1987年度・1988年度・1989年度と3年連続で、日本ゴールドディスク大賞のインストゥルメンタル部門アルバム賞にも輝いた(受賞はそれぞれ翌年)。来日機会も多い。

1997年ビクターエンタテインメント(JVC)にレーベルを移籍。

2008年6月、移籍前の旧作(海外仕様)のリイシュー盤を日本でリリース(K2HDマスタリング/紙ジャケット仕様)。これらには、「Invitations」を除き、レアトラック、リミックスなどがボーナス曲として追加されている。

おもなアルバムタイトルとリリース年月

  • Drivin' Hard (1981.5) ※邦題「トワイライト・ドライヴィン」。日本では「Night Birds」の大ヒットを受けた後に発売。LPとCDで収録される「Steppin'」のバージョンが異なる。リイシュー盤あり
  • Night Birds (1982.8) ※日本での1stアルバム(本国では2ndアルバム)。リイシュー盤あり
  • Invitations (1982.12) ※リイシュー盤あり
  • Out Of This World (1983.10) ※邦題「今夜はセンチメンタル」。リイシュー盤あり
  • Down On The Street (1984.8) ※1993年リリースの同名ベスト盤とは別内容。CDには「Breakin' Away」「Rising Sun」未収録[4]。リイシュー盤あり
  • Live In Japan (1984.4) ※日本のみ発表。LP2枚組のライヴ盤。
  • Live! (1985.2) ※日本未発表。「Live In Japan」のリビルド盤(CD1枚)。リイシュー盤あり
  • City Rhythm (1985.11) ※海外盤には「Day By Day」のタイトルバージョンがある。リイシュー盤あり[5]
  • Into The Blue (1986.6) ※日本のみ発表。テレビドラマ『男女7人夏物語』のBGMに使われた。
  • Golden Wings (1987.6) ※日本のみ発表。テレビドラマ『男女7人秋物語』のBGMに使われた。日本ゴールドディスク大賞インストゥルメンタル部門アルバム賞受賞。
  • Never Stop Your Love (1987.12) ※日本のみ発表。「Manic & Cool」の数曲を差し替え先行発売された日本向けバージョン。
  • Manic & Cool (1988.4) ※日本未発表。リイシュー盤あり
  • Da Makani (1988.5) ※日本のみ発表。副題「潮風のストーリー」。国際外洋ヨットレース「ケンウッド・カップ」(ハワイ)の1988年大会イメージアルバム。日本ゴールドディスク大賞インストゥルメンタル部門アルバム賞受賞。
  • Coolest Cuts (1988) ※日本未発表。英テンプレート:仮リンクレーベル発売の19曲入りベストCD。このタイトルにのみ「SHAKATAK MEGAMIX」が収録されている。
  • The Very Best Of Shakatak (1988.12) ※日本のみ発表。ベスト盤。
  • Niteflite (1989.6) ※日本のみ発表。日本ゴールドディスク大賞インストゥルメンタル部門アルバム賞受賞。
  • Turn The Music Up (1989) ※日本未発表。リイシュー盤あり
  • Fiesta (1990.6) ※日本のみ発表
  • Greatest Grooves (1990) ※日本未発表。ベスト盤。
  • Perfect Smile (1990) ※日本未発表。日本でのみ発表された「Into the Blue」「Golden Wings」「Da Makani」「Niteflite」「Fiesta」からのコンピレーションアルバム。
  • Night Moves (1990) ※日本未発表。ベスト盤。
  • Christmas Eve (1990.11) ※日本のみ発表。山下達郎の『クリスマス・イヴ』のカバー収録。
  • Bitter Sweet (1991) ※日本未発表
  • Utopia (1991.6) ※日本のみ発表
  • Open Your Eyes (1991) ※日本未発表。主に「Turn the Music Up」「Bitter Sweet」「Utopia」からのコンピレーションアルバムだが、1曲だけ未発表曲がある(「Hungry」)。
  • The Remix Best Album (1991) ※日本未発表。ベスト盤。
  • Christmas Dreams (1991.11) ※邦題「Silent Eve」。「Christmas Eve」に辛島美登里の『サイレント・イヴ』のカバーを含む計5曲の未発表曲を追加した準オリジナル盤。
  • Street Level (1992.4)
  • Merry Christmas in Summer (1992.11) ※日本のみ発表。KUWATA BANDの『MERRY X'MAS IN SUMMER』のカバー収録。
  • Down On The Street (1993) ※日本未発表。ベスト盤。1984年リリースの同名オリジナルアルバム(及びそのリイシュー盤)とは別内容。
  • Under The Sun (1993.10)
  • The Christmas Album (1993) ※日本未発表。「Merry Christmas in Summer」の表題曲を除く全曲に「Christmas Dreams」の一部曲を加えたコンピレーションアルバム。
  • Full Circle (1994.10) ※リイシュー盤あり
  • Jazz Connections (1996) ※日本未発表。ベスト盤(Vol.1~Vol.6)。
  • Let The Piano Play (1997.8)
  • Live At Ronnie Scott's Club (1998.4) ※ライブ盤。日本での発売は翌1999年1月。
  • Shinin On (1998) ※日本未発表。ベスト盤。
  • View From The City (1998.9)
  • The Collection Volume 1 (1998) ※日本未発表。ベスト盤。
  • Magic (1999) ※日本未発表。ベスト盤。
  • Jazz In The Night (2000.4) ※「Shakatak & Friends」名義。
  • The Magic Of Shakatak (2000) ※日本未発表。2枚組ベスト盤。
  • Under Your Spell (2001.6)
  • Best Of Jazz Connections (2001) ※日本未発表。ベスト盤(Vol.1・Vol.2)。
  • Dinner Jazz (2002) ※日本未発表。ベスト盤。
  • Smooth Solos (2002) ※日本未発表。メンバーのソロ作品コンピレーション。
  • Blue Savannah (2003.7)
  • The Ultimate Collection (2004.6) ※日本未発表。3枚組ベスト盤。
  • The Collection Volume 2 (2004) ※日本未発表、ベスト盤。
  • Sunset Jazz (2005) ※日本未発表。ベスト盤(1/3)。
  • After Dark (2005) ※日本未発表。ベスト盤(2/3)。
  • Drive Time (2005) ※日本未発表。ベスト盤(3/3)。
  • Beautiful Day (2005.2)
  • Easier Said Than Done (2005) ※日本未発表。2枚組ライブ盤。
  • Emotionally Blue (2007.3)
  • The Ultimate Collection (2008.6) ※日本のみ発表。2枚組ベスト盤。
  • Afterglow (2009.2)
  • Essence (2009.4) ※日本のみ発表。ベスト盤。
  • Across The World (2011.4)
  • ONCE UPON A TIME -THE ACOUSTIC SESSIONS- (2013.2) アコースティック・アレンジによるセルフ・カバー

※ リリース年月は、一部を除き日本盤のものとした(日本未発表のものは年のみ)。

※ オリジナルアルバムは太字とした。

脚注

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外部リンク

  • http://www.martynboothguitars.co.uk/endorsees/keith_Winter.asp 「Martyn Booth Guitars - Friends - Keith Winter」 2011年5月19日閲覧
  • 「The UK Sluts」とクレジットされている。
  • 1985年に、キャニオン・レコード(現ポニーキャニオン)のコーダ・レーベルより、CD1枚にリビルドされた上で、「スリップストリーム~おしゃれサウンド革命」として発売された。
  • 曲順も大幅に変更されており、オリジナルCD自体が事実上のリビルド盤であった。
  • リイシュー盤収録のボーナス曲中、「The Seventh Ring」は、LPより遅れて発売となったカセットテープ及びCDの5曲目に、同じく「Round And Round」はCDの11曲目に、それぞれ各メディアのボーナス曲として追加収録されていた楽曲である。