サッチモ祭

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サッチモ祭(サッチモまつり)とは、日本ルイ・アームストロング協会が主催して行われているジャズフェスティバルである。1981年から始まり、2006年7月17日で第26回である(2005年10月10日に開催されたカトリーナ被災支援緊急サッチモ祭はチャリティーコンサートでカウントには含まない)。2007年は7月16日に行われる。 サッチモとは、ルイ・アームストロングの愛称である。

当初は東京大丸デパートの屋上で開催されていたが、その後、東急デパートに移り、現在は恵比寿ガーデンプレイス恵比寿麦酒記念館での開催に落ち着いている。

毎回、多数のアマチュアのディキシーランド・ジャズバンドが次々と演奏を行い、最後に「外山喜雄とデキシーセインツ」による演奏が行われ、会場内をパレードしてフィナーレを迎えることが恒例となっている。

日本ルイ・アームストロング協会は、ルイ・アームストロング・ファンの集まりである。同協会によれば、ルイ・アームストロングの生まれ故郷であり、ジャズ発祥の地であるニューオーリンズは、現在治安が悪化していて、子供たちが銃犯罪などの非行に走ることも多いという。そこで1994年から、「銃にかえて楽器を」の合言葉で、ルイ・アームストロングの孫の世代に当るニューオーリンズの子供たちに楽器寄付するという活動を行っており、サッチモ祭はその活動を広めるという意味合いも持っている。会場では休み時間にサッチモ祭に参加する奏者が会場をジャズを演奏しながらパレードし、寄付を募るというイベントも行われている。集まった義援金はカトリーナ被災支援にも使われている。

歴史

以下の表は、日本ルイ・アームストロング協会『ワンダフルワールド通信 No.63』、2010年6月発行によるものである。

サッチモ祭開催の歴史
回数 年月日 場所 備考
第1回 1981年7月4日
1981年7月5日
1981年7月6日
3日間
銀座ガスホール
大丸東京店屋上ビアガーデン
銀座ヤマハホール
ルイ・アームストロング没後10年(誕生日から命日まで3日間開催)

1981年7月4日: 銀座ガスホール
1981年7月5日: 大丸東京店屋上

「アマチュアバンド大集合」としてサッチモ祭のもととなった。来日中のピート・カンドリ(tp.)らが飛び入り参加。

1981年7月4日: 銀座ヤマハホール

第2回 1982年8月8日 大丸東京店屋上ビアガーデン 7月25日の予定が雨と台風のため2週間順延。
第3回 1983年8月21日 大丸展示会場でジャズ展ジャズランドも同時開催。

ニューオーリンズ・ジャズ博物館からルイ・アームストロングが少年院で使ったコルネットと軍隊ラッパを携えてドン・マルキ館長が来日。

  • ゲスト: ドリー・ベイカー(vo.)。
第4回 1984年7月29日
  • ゲスト: ドリー・ベイカー(vo.)。
第5回 1985年7月28日

アメリカ大使館後援。

  • ゲスト: ドリー・ベイカー(vo.)。
第6回 1986年7月27日
  • ゲスト: ドリー・ベイカー(vo.)。
第7回 1987年7月26日
  • ゲスト: 水森亜土(vo.)、ニーオリンズ・ラスカルズ。
第8回 1988年7月24日
  • ゲスト: バリー・マーチン(ds.)、フレディー・ロンゾ(tb.)、ドリー・ベイカー(vo.)。
第9回 1989年7月23日
  • ゲスト: バリー・マーチン(ds.)、フレディー・ロンゾ(tb.)、ドリー・ベイカー(vo.)。
第10回 1990年7月27日 銀座ヤマハホール 屋内のため入場料が 4,000 円(サッチモ祭は通常無料である)。
  • ゲスト: ラルフ・サットン(p.)、ドリー・ベイカー(vo.)、水森亜土(vo.)。
第11回 1991年7月28日 東急百貨店日本橋店屋上ビアガーデン
  • ゲスト: ドリー・ベイカー(vo.)。
第12回 1992年7月19日
  • ゲスト: ドリー・ベイカー(vo.)。
第13回 1993年8月1日 7月25日の予定が雨で順延。
  • ゲスト: ドリー・ベイカー(vo.)。
第14回 1994年7月24日 日本ルイ・アームストロング協会の前身、ルイ・アームストロング・ファウンデーション(LAF)日本支部発足。
  • ゲスト: ドリー・ベイカー(vo.)。
第15回 1995年7月23日 ニューオーリンズ・ジャズ誕生100年記念。
  • ゲスト: ドリー・ベイカー(vo.)、ウィー・ラブ・サッチモ・ビッグバンド。
第16回 1996年7月20日 ルイ・アームストロング没後25年記念。
  • ゲスト: サー・チャールス・トンプソン(p.)、ドリー・ベイカー(vo.)。
第17回 1997年7月27日 大丸東京店屋上ビアガーデン サッチモ祭発足の場所「大丸東京店屋上ビアガーデン」に戻った。
第18回 1998年7月26日 日本ルイ・アームストロング協会新体制発足。

(名称がLAFからWJFへ)

  • ゲスト: ドリー・ベイカー(vo.)、藤家虹二(cl.)
第19回 1999年8月1日
  • ゲスト: ドリー・ベイカー(vo.)、ジミー・スミス(ds.)
第20回 2000年7月20日 サッポロビール 恵比寿麦酒記念館 銅釜広場 開催場所が恵比寿ガーデンプレイスに移った。
  • ゲスト: ドリー・ベイカー(vo.)。
第21回 2001年7月20日 ルイ・アームストロング生誕100年
  • ゲスト: 水森亜土(vo.)、原朋直(tp.)。
第22回 2002年7月20日
第23回 2003年7月21日
第24回 2004年7月19日
第25回 2005年7月18日
番外 2005年10月10日 ハリケーン・カトリーナがニューオーリンズに襲来。
ニューオーリンズ支援緊急チャリティコンサート。
第26回 2006年7月17日 ニューオーリンズ支援チャリティコンサートと“感謝の集い”。
  • ゲスト: ジミー・スミス(ds.)。
第27回 2007年7月16日
第28回 2008年7月21日 アメリカ大使館の後援が付くようになった。
  • ゲスト: ジミー・スミス(ds.)。
第29回 2009年7月20日
第30回 2010年7月19日 サッポロビール本社
ヱビスビール記念館
銅釜広場
サッチモ祭第30回記念開催

会場として使用される施設が大改装され、名称が「ヱビスビール記念館」となった。

  • ゲスト: 水森亜土(vo.)
第31回 2011年7月18日 "がんばろう!日本 ジャズの故郷ニューオリンズとともに東日本大震災復興支援"

出演バンド

出演するアマチュア・バンドは毎年おおむね一定している。参考として、第28回サッチモ祭(2008年7月21日開催)に出演したアマチュア・バンドを以下に示す(演奏順)。[1]

  • 早稲田大学ニューオルリンズ・ジャズ・クラブ
  • デキシー・ドランカーズ
  • ザ・サーフサイド・ストンプ
  • ナッチェス・ジャズバンド
  • ドクター・デキシー・セインツ
  • バンジョーストンパーズ
  • セカンドライナーズ
  • デキシー・ダンディーズ
  • ハイタイム・ローラーズ
  • ラグピッカーズ
  • キャナル・ストリート・ジャズ・バンド
  • デキシー・ショーケース
  • ニューオリンズ・ノウティーズ
  • 大丸リユニオン・ジャズメン

主催・支援団体

サッチモ祭は以下の団体により主催、支援されている。[1]

関連項目

外部リンク

参照

  1. 1.0 1.1 第28回サッチモ祭のプログラムより。