ゴジラvsキングギドラ

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テンプレート:参照方法 テンプレート:Infobox Filmゴジラvsキングギドラ』(ゴジラたいキングギドラ、または、ゴジラ ブイエス キングギドラ)は1991年(平成3年)12月14日公開の日本特撮映画ゴジラシリーズの第18作、東宝創立60周年記念作品でもある。

上映時間103分、カラービスタビジョンパナビジョン)。観客動員数は約270万人。配給収入の14億5千万円は1992年の邦画で第8位だった。

登場怪獣はゴジラゴジラザウルスキングギドラメカキングギドラドラット

  • キャッチコピー
世紀末、最大の戦いが始まった。
お前だけには絶対負けない!
12・14決戦!

概要

前作『ゴジラvsビオランテ』の成功を受けて、当初はモスラが主演怪獣である『モスラVSバガン』が企画されたが、東宝上層部がゴジラのほうが成績が良いと判断し、昭和ゴジラシリーズの人気怪獣で子供達のリクエストが多かったキングギドラが登場することとなった[1][2]。ゴジラとキングギドラの対決は、1972年公開のシリーズ第12作『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』以来19年ぶりで、1対1の対決はシリーズで本作のみである[3]。改題再上映版ではないオリジナル作品のタイトルとして初めて「キングギドラ」が冠されている。ゴジラは本作で、前作の身長80メートルから100メートルに巨大化した。

特撮撮影ではミニチェア・フル・セットではなく各シーン、各セットでの切り替えに合わせたミニチェア・セットとなった。第9スタジオで新宿副都心、福岡市街、札幌、綱走原野のセット、第7ステージでは海底、本編のMOTHER内部の撮影[4]と厚みを増す撮影となった。特に新宿での最終決戦は、撮影用カメラを3台使用し、当時完成したばかりの東京都庁を舞台にバトルを展開し破壊、造られた都庁ミニチェアは完成に1カ月かかり、その高さは5メートルを超え東宝特撮史上最高の石膏ビルとして大きな話題となった[5]

前々作、前作ではシリーズ刷新の意味合いも込めて当時の人気作曲家が映画音楽を担当したが、「やはり最も有名なテーマを超えるものを造るのは難しいので、やってもらおう」という意向から[6]、本作では『メカゴジラの逆襲』以来16年ぶりに音楽を伊福部昭が担当、ゴジラのテーマ曲が前面に押し出された他、キングギドラのテーマ曲や『宇宙大戦争』『キングコング対ゴジラ』『怪獣総進撃』で用いられたBGMが伊福部自らによる編曲を経て再び用いられている。例外的に、戦闘機がキングギドラを追撃するシーンで、前作の『ゴジラvsビオランテ』同様にアルバム『OSTINATO』から「ラドン追撃せよ」が流用された[7]が、これは監督の意図が自衛隊主体のシーンだったのに対して伊福部がギドラの主題を用意していたため、新たに作曲し直す時間がなかったことによる。また、この映画のために当時既に廃れていた大型ステージを貸しきって、オーケストラの録音を再度実行するという非常に手間のかかるレコーディング作業が行われた。

東宝特撮映画の顔である土屋嘉男が『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』以来21年ぶり(ゴジラシリーズでは『怪獣総進撃』以来23年ぶり)に、佐原健二が『メカゴジラの逆襲』以来16年ぶりに出演している。さらに、『ウルトラマン』のムラマツ・キャップ役、『仮面ライダーシリーズ』の立花藤兵衛役で著名な小林昭二がゴジラシリーズに初出演した。その他には特別ゲストとして『ノストラダムスの大予言』以来17年ぶりに山村聰が首相役で出演している。

DVDの大森一樹のコメントによれば、23世紀の日本の増長や一企業の原子力潜水艦の所有などは、当時バブル経済真っ只中の日本がどこまで肥大化するかわからないことに対する不安と警鐘の意味合いがあったという。ただし、ちょうど公開の時期を境にして日本はバブル崩壊により長期の不況に突入したので、現実とのずれが生じている。また、一部台詞で23世紀でもソ連があることになっているが、劇場公開された後にソ連崩壊が起きている[注 1]

物語は、タイムトラベルをして過去に行きゴジラ誕生の歴史を変えようとするなど、ゴジラシリーズの中でも意外性に満ちている。また、ゴジラが放射能を浴びて怪獣になる前の「ゴジラザウルス」という恐竜も登場、ゴジラ誕生の秘密が明らかになっている。

特にこの作品は東宝特撮で初めてタイムトラベルがストーリーの鍵となっていることが最大の特色であるが、タイムパラドックスに矛盾が多く、その点において批判もある[2]。後にタイムトラベルストーリーは、大ヒット映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ』からアイディアを流用したと関係者は語っている。本作はこのほかにも、「人間そっくりのアンドロイド」(『ターミネーター[8])や「クライマックスにロボットで戦うヒロイン」(『エイリアン2』)[2]テンプレート:Refnest、「「スピルバーグ少佐」なる人物の登場」などアメリカのSF映画からヒントを得た場面も多岐にわたり見受けられる。

1992年に本作の続編と思われる『キングギドラの逆襲』というタイトルがプロットとして存在する。

ストーリー

1992年7月、突如東京上空に巨大なUFOが飛来した。後日、富士山麓に着陸したUFOからメッセージが届き、中からウィルソン、グレンチコ、エミーと名乗る3人の人物が姿を現す。彼らの言い分によると、自分達は23世紀の地球連邦機関の使者であり、21世紀に復活したゴジラによって日本が壊滅的打撃を被る前に、ゴジラを抹殺する目的でやって来たのだという。

彼らはノンフィクションライターである寺沢健一郎が著書『ゴジラ誕生』の中で記した、「ラゴス島に生息していた恐竜が、1954年にビキニ環礁で行われた核実験によりゴジラへと変異した」という仮説に基づき、そこから恐竜を別の場所に移動させてゴジラを誕生させないようにするという計画を立てた。

未来人のエミー、アンドロイドのM11と共に寺沢、三枝未希、大学教授の真崎らも1944年のマーシャル諸島・ラゴス島へと赴き、戦時中の日本軍ラゴス島守備隊をアメリカ軍から救った1頭の恐竜(ゴジラザウルス)を目撃する。恐竜は未来人達の手によって、ベーリング海へと転送される。これにより、ゴジラは歴史から完全に抹殺されたものと思われた。

しかし、寺沢達が1992年に戻ってくると、ゴジラの消滅と同時に太平洋上にキングギドラが出現していた。その裏には、後に地球一の超大国へと肥大化し、世界経済を一手に支配することとなる日本の国力を消耗させんとする、未来人の策略があった。

未来人にコントロールされたギドラは福岡を壊滅させた。この危機に対し、かつてラゴス島でゴジラザウルスに救われた帝洋グループ総帥・新堂靖明は、ゴジラを復活させるべく核魚雷を搭載した原子力潜水艦「むさし2号」を、秘密裏にゴジラザウルスが転送されたベーリング海へと派遣した。しかし、すでにゴジラザウルスは原潜沈没事故で未回収となっていた核廃棄物の影響を受け、さらに撃沈したむさし2号の膨大な核エネルギーを吸収。以前よりもはるかに強力な“ゴジラ”へと変貌していたのだった。

主な登場人物

エミー・カノー
本編の主人公。23世紀・地球均等環境会議の穏健派メンバー。25歳。日本人女性で、1992年に MOTHER でウィルソンやグレンチコらと共にタイムワープしてやって来た。当初は現代人への警告名目でウィルソン達に同行し、ゴジラを抹殺する作戦に協力した。しかし、新たに出現させたキングギドラで、現代の日本を攻撃して国力を消耗させようとするウィルソン達に反発し、寺沢達に協力する。
自分を力ずくで連れ戻そうとしたM11に野次をぶつけまくりながら追い払おうとしたり、メカキングギドラに乗り込んでゴジラに戦いを挑むなど、気丈でアクティブな女性である。
実は、後述する寺沢の子孫である。
寺沢 健一郎
本編のもう1人の主人公。超常現象専門のノンフィクションライター。33歳。「太平洋戦争時代に恐竜を見た」というネタを追っていくうちに、ゴジラ誕生の仮説を立て『ゴジラ誕生』という本で出版しようとしたことから、今回の一件に深く関わっていく。
都会の外れに自らが書いた超能力の本での収入で建てた一軒家に住んでいるクールな青年ライターだが、ウィルソンを殴り合いで倒すほど、血気盛んで喧嘩の腕っ節も強い。
三枝 未希
超能力者で国立超科学研究センターのゴジラチームのメンバー。20歳。ビオランテとの戦いで日本海に追われたゴジラを2年以上監視し続けていた。
今回はゴジラ監視だけでなく、1944年のラゴス島へエミーや寺沢達と共にタイムワープしゴジラザウルスに遭遇するという体験をする。超能力を使用する場面は少なかったが、今作でもベーリング海でうごめくゴジラを感知している。
森村 千晶
雑誌『ムー』の編集記者で、寺沢の恋人。29歳。寺沢と共に、真崎や新堂の元を尋ねて取材を行った。ゴジラやキングギドラの一連の事件には直接関わっていないが、ラストシーンで23世紀へ帰るエミーが乗る KIDS を寺沢と2人で見送った。
土橋 竜三
内閣安全保障室室長。50歳。保障室内にGルームを再編成した中心人物で、想像を超える2大怪獣の対策に就く。キングギドラに対抗するため、ゴジラを再び誕生させてはと提案してしまう一幕もあったが、自身で決行することはなかった。
次作『ゴジラvsモスラ』では国家環境計画局に出向する。
真崎 洋典
古生物学者で東都大学古生物学教授。48歳。穏やかな人柄で、恐竜を専門とし、一部の恐竜は6550万年前の大量絶滅を生き延びたとする恐竜生存説を提唱している。寺沢の取材を受けたことから、寺沢や未希と共にゴジラ抹殺作戦に参加することとなる。その後も、国立超科学研究センターに出向して協力する。
ウィルソン
23世紀人で地球均等環境会議の過激派メンバー。40歳。20世紀の日本の国力を消耗させる作戦を遂行するため、地球連邦機関の MOTHER を奪い、1992年にグレンチコ達と共にやってきた。日本の将来を救うためと偽りゴジラを歴史から抹殺した後、自分達が操るキングギドラで日本を攻撃する。
最期はエミー達に殴り飛ばされた後、MOTHERごと網走のゴジラの目前に転送され、熱線で吹き飛ばされて死亡した。
林田
内閣総理大臣。自らが中心となってウィルソン達と会談するが、彼らの本当の目的がキングギドラの力で現代の日本を支配することだと知ると、怒りをあらわにした。
池畑 益吉
博多で焼き鳥屋台「らごす」を営む老人。太平洋戦争中は新堂の部下の日本兵で、ラゴス島にてゴジラザウルスに遭遇した。その時の経験を博覧会「恐竜ワールド」で勝手に抗議・演説したことを機に、寺沢の取材を受ける。
なお、「らごす」の屋台には東宝映画『連合艦隊』のポスターが飾ってある。
グレンチコ
23世紀人で地球均等環境会議の過激派メンバー。30歳。ウィルソンの相棒的存在で、共にキングギドラを操る。ゴジラ復活を知り、20世紀の人類を「救いようのない原始人ども」と評した。
最期はウィルソンと共にエミー達に殴り飛ばされた後、MOTHERごと網走のゴジラの目前に転送され、熱線で吹き飛ばされて死亡した。
M11
アンドロイド。見た目は表情まで変えられる外国人だが、機械の操作、戦闘等で人間を大きく超えた能力を発揮する。英語と少々片言の日本語で会話する。表面は焼かれるが、炎の中でも活動可能。
物語前半ではウィルソンの手先として暗躍するが、途中でエミーによりプログラムディスクを交換され、彼女の力強い仲間となる。終盤では、そのAIのみがメカキングギドラのコクピットである KIDS の操縦席に搭載された。
作中、車の爆発に巻き込まれて機械が露出するシーンは特殊メイクで撮影されたが、エミーがディスクを交換するシーンでは演者そっくりの人形が用いられた。
藤尾 猛彦
物理学者、国立超科学研究センター所長。45歳。突如出現した MOTHER に対する会議に参加したことで、内閣安全保障室に協力する。常識人で、新堂がベーリング海へ原潜を向かわせたと知った際には彼を強く非難している。
ゴジラが復活してキングギドラを一度倒した後はGルームを退席するが、一連の事件を寺沢達と最後まで見送った。
新堂 靖明
帝洋グループ会長。75歳。太平洋戦争中は日本陸軍少佐、ラゴス島守備隊隊長だった。その際はアメリカ軍の猛攻の前に玉砕寸前だったが、戦闘中に現れたゴジラザウルスがアメリカ軍を蹴散らしたために事実上救われ、ラゴス島撤退直前には傷ついたゴジラザウルスに涙を流しながら謝罪と感謝の言葉と敬礼を送る。日本に帰国後は帝洋グループを創設して日本を経済大国として復興させたが、自らの企業に原子力潜水艦を所有させてしまうなど、企業としての行動は暴走してしまっていた。
キングギドラへの対抗手段としてゴジラを復活させるため、前述の原潜をいち早くベーリング海へ向かわせる。「恐竜博士」を自称する自分を救ったゴジラザウルスを「救世主」と半ば神聖視していたが、ゴジラがもはやかつてのラゴス島の恐竜ではなくなったことを悟り、新宿の本社ビルに1人残ってゴジラと再会。見つめ合い、幾度かの頷きの後に放射熱線を受け、爆死した(ゴジラもすぐには放射熱線を吐かず、見つめ合い咆哮を上げた末に熱線を吐いた)。

登場兵器

現代の兵器

F-15J
キングギドラの襟裳岬の戦いで登場。前作ではヨウ化銀を撒いて人工雨を降らせるのみだったため、シリーズ初の対怪獣戦を行うこととなる。
中盤の迎撃シーンの実写部分には映画『BEST GUY』のフィルムが一部流用されている。
92式メーサー戦車
テンプレート:Main
むさし2号
帝洋グループが、日本が何らかの理由で核汚染した際に核シェルター代わりに極秘建造した原子力潜水艦核ミサイルを搭載している。常時は東南アジアの軍事施設に保管され、乗組員は軍事訓練を受けた帝洋社員が搭乗している。未来人の策謀により、ベーリング海に転送された「ラゴス島の恐竜(=ゴジラザウルス)」をゴジラとして復活させようとしたが、同海域で起きた原子力潜水艦の沈没事故による核燃料漏れにより怪獣として復活していたゴジラに遭遇し撃沈され、ゴジラは更に核エネルギーを吸収、強大化した。
劇中では「むさし」の名は使われず、「オペレーションG」と呼ばれていた。小説版での艦名は帝洋コンツェルン総帥・新堂靖明の名をもじった「神童」であった。
当初ミニチュアが新造される予定だったが、予算の都合により1984年公開の『ゴジラ』で使用されたソ連原子力潜水艦を若干修正し再利用された[9]

未来の兵器

MOTHER(マザー)
地球連邦機関が開発した巨大円盤型タイムマシン
外観はきのこ雲に似た円盤型で当初はUFOとして認識された。元々は地球連邦機関 (EUO) の所有と思われ、ウィルソン等「地球均等環境会議」が強奪した模様。船内には西洋人風の武装アンドロイドが多数警備にあたり、KIDSやスカイモビル、フライングスクーターテンプレート:Refnest等が収容できるパーキングドームをはじめ、三次元映像投影装置、エントランス中央の天井にはメインルームに通じる上階の通路へ乗員を上昇させる光を照射する装置など、現代の科学力を遥かに超えた設備を持つ。KIDSを搭載し、防御用のバリアも備えている。また、緊急時には20分後に元の時代に戻ることができる緊急避難装置がある。
ウィルソンらに反旗を翻し、現代人側についたエミー達の手で日本政府の政治を代行させるコンピュータを破壊された上、ゴジラの目の前に転送される。緊急避難装置は作動したが、タイムワープの直前に転送が完了し、ゴジラの熱線によって破壊された。
  • 全長:100メートル
KIDS(キッズ)
地球連邦機関が開発した3次元プロジェクターを持った小型タイムマシン。乗員数5名。普段はMOTHERのパーキングドームに収容されている。
潜望鏡のようなテレビカメラにより艇外を偵察。機体前部には他の物体を別の時代・場所にワープさせるテレポートビームが発射されるパラボラヘッドが内蔵されている。ワープは生物も可能だが、動かない状態であることが必要とされる。
後にメカキングギドラのコクピットに改造された。
深海調査艇
地球連邦機関所属の潜水艇で、3人乗り。エミーとM11、モールズが搭乗して、ゴジラに敗れ負傷し、オホーツク海に沈んだキングギドラの調査に向かった。
ミニチュアは『日本沈没』に登場したわだつみの流用[10]。MOTHER、KIDSに合せたデザインも描かれていたが未使用に終わった[11]
BABY
バックパック型飛行ユニット。使用者はこれを背負い同時に安全面も考慮してヘルメットを被り、手にした専用リモコンを操作することで、空中浮遊し低速移動出来る。劇中ではエミー、M11、寺沢が使用した。
脚本では一人乗り飛行マシーンのフライングスクーターが登場予定であった[12]
レーザーガン
MOTHER内を警備する武装アンドロイドたちが装備する光線銃。赤いレーザーを発射するハンドガンタイプと、青いレーザーを発射するライフルタイプの2種類があり、前者はM11とエミー、後者は寺沢が使用している。

設定

国立超科学研究センター
藤尾が所長を務める民間組織。ゴジラを監視・研究する「ゴジラチーム」を編成し、防衛庁と連携して対G兵器の研究開発も行っている。
後に人員の多くが国連G対策センターに統合され、対ゴジラ専門機関として発展する。
内閣安全保証室Gルーム
土橋が中心となって再建された日本政府のゴジラ対策のための総本部。前作『ゴジラvsビオランテ』の同名の部署より規模が拡大したため専用の司令室を持つようになり、有事の際には防衛庁長官や幕僚長らもここの席に着き、指揮を執る。
帝洋グループ
太平洋戦争後、新堂が創設した巨大コンツェルンで、新宿に本社屋を構える。戦後、日本経済を立て直し、大きく発展させたと言われており、むさし2号を東南アジアの軍事施設に保管するほどの規模を誇る。
歴史が改変されなければ、23世紀にはさらに巨大な力を振りかざし、右に出る者がいないほど肥大化しているとエミーが寺沢に語っている。しかし復活したゴジラにより、新宿の本社屋は新堂を巻き込んで破壊されてしまった。
恐竜ワールド
福岡県のシーサイド公園で開かれた帝洋グループ主催の恐竜博覧会で、ここで池畑が許可なく抗議・演説を行った。
外観は、当時シーサイドももちにあった西部ガスミュージアム(現存しない)で撮影されている。
ラゴス島
太平洋マーシャル諸島ルオット島クェゼリン島に挟まれた小さな架空の島。第二次世界大戦中にゴジラの前身であるゴジラザウルスが住んでおり、攻め込んで来たアメリカ軍や、本島の日本軍守備隊だった新堂と池畑たちに目撃されている。
池畑が博多で営んでいる「らごす」の名は、この島から採ったものと思われる。
23世紀の地球
エミーの話によると、ゴジラは23世紀まで出現しておらず、21世紀、日本は経済大国となり、南アメリカアフリカといった赤字国の国土まで買収して領土を拡張。22世紀末にはアメリカ・ロシア[注 2]・中国以上の国土を持つ地球一の大国となる。また、核兵器は21世紀末に地球上から全て破棄され、各国は武力で日本の暴走を抑えられなくなったという。
しかし、現代においてキングギドラの出現やゴジラの復活といったウィルソンらの干渉で歴史が改変してしまい、ウィルソンらを倒した後にエミーらが一度23世紀に帰還した時には、日本は繁栄に溺れた末に怪獣によって滅ぼされ最貧国になったとモールズが明かしている。
地球連邦機関
英語表記はEUO(Earth Union Organization)。23世紀の地球統合機関。しかし、この組織ですら日本の肥大化は止められなかった。20世紀の日本の国力を消耗させる作戦を計画したウィルソンらによってMOTHERを奪取されている。また、改変されてしまった23世紀ではキングギドラをサイボーグ化させた。
地球均等環境会議
23世紀の国家間の力の極端な差を無くすことを目的とする運動グループ。世界中から穏健派・過激派までさまざまなメンバーが参加している。

キャスト

スタッフ

映像ソフト化

  • DVDは2002年2月21日発売。
    • 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に収録されている。
    • 2008年4月25日発売のトールケース版「ゴジラ DVDコレクションIV」に収録されており、単品版も同時発売。
  • Blu-rayディスクハイビジョンマスター)は2009年11月20日発売。

受賞

第15回日本アカデミー賞
  • 特殊技術賞(特別賞):川北紘一
第11回藤本賞
  • 藤本賞:田中友幸「ゴジラ」他製作
第10回ゴールデングロス賞
  • 日本映画部門:優秀銀賞

備考

テンプレート:雑多な内容の箇条書き

  • 避難する住民のシーンに、一部過去の作品の映像が流用され組み込まれている。
    • キングギドラが福岡を攻撃し、避難するシーン - 1989年公開の『ゴジラvsビオランテ』でゴジラが大阪を襲う可能性が高まり避難するシーンの一部。
    • ゴジラが札幌を襲う可能性が高まり避難するシーン - 1984年公開の『ゴジラ』でソ連の衛星から誤って核ミサイルが新宿へ向けて発射されたため地下へ避難するシーンの一部。
    • キングギドラが中京の石油コンビナートを破壊するシーン - 『東京湾炎上』の流用[15]。該当シーンはもともと絵コンテに存在しなかったが、絵コンテにはゴジラが東京湾に上陸して、コンビナートを破壊するシーンが存在する(こちらは撮影されていない)。
  • ゴジラとメカキングギドラが海へ落下するシーンでは、撮影スタッフの影が海面に映り込んでいる。
  • 予算の都合でキングギドラの引力光線でビルが爆散するシーンの一部は石膏板に引き伸ばしたビルの写真を貼ったものを爆破しているが、件のカットは映画のヒット後に新たに作られたテレビの宣伝でもオンエアされた。
  • 新宿のビル群での決戦シーンでは新宿住友ビル新宿センタービル新宿野村ビルヒルトン東京KDDIビル新宿グリーンタワー東京医科大学病院がない(実写のシーンではもちろん存在している)。これは各シーン、各カット後にセットを切り替える美術設定にしたためである。
  • この映画に関しては、予想以上のヒットであったらしく、公開後にも新たな宣伝が行われ、前述のテレビのキングギドラの都市破壊シーンをメインにしたCMの他に新聞に掲載された、寺沢とエミーが銃を構える、怪獣映画には珍しい人間がメインのSF映画風の広告(モノクロ)も作られた。
  • 写真ポスターのゴジラとキングギドラの瞳は色が暗かったので描き加えられている。もともとはゴジラの生物感を出すために前作から引き続いて、白目が分かりにくくなっていたが、それがきっかけとなり次作以降のゴジラは虹彩が明るく、瞳が分かりやすいように造形されるようになった。
  • 大森の当初の構想では「日本が実は核兵器を保有しており、日本の核で恐竜がゴジラになる」という案であった。しかし、これを知った田中友幸は「(被爆国の)日本が核兵器を持つとは何事だ」と反対意見を述べたため、日本国外に一企業が核を保有するという設定に変更になった。これに田中も「日本国内には無いんだな」と確認した上で同意したという。
  • 本作のラゴス島での米軍描写について米国の退役軍人団体等からクレームがついた[16]ほか、ゴジラ誕生の理由をアメリカの水爆実験と明言している点、さらに当時貿易摩擦で悪化していた対日感情からアメリカの配給会社も難色を示し、劇場公開されないどころか英語版すら製作されなかった[17]。本作が米国で公開・ソフト化されたのは1998年になってからである。

コミカライズ

ストーリーは映画とほぼ同じだが、三枝美希や新堂を始めとしたラゴス島守備隊関係者は登場せず、前作の主要登場人物である黒木特佐が登場する。

ノベライズ

コミカライズ版と同様にストーリーは映画に準じるが、冒頭には未来人が金星で「宇宙怪獣のキングギドラ」の死骸から体組織を回収するシーンが追加されていたり、帝洋グループ所有の原子力潜水艦の名前が異なるなど、細かな差異がある。

関連グッズ

ゴジラ怪獣軍団
ゴジラシリーズの歴代怪獣をディフォルメしたミニフィギュア。全20種類に各7色のカラーバリエーションが存在する[18]
入場者プレゼントとして配布されたほか、劇場内のカプセル自動販売機でも販売された[18]
入場者プレゼントに封入された当たり券が出ると「秘密のビッグプレゼント」としてクリスタルバージョン(5体セット)がプレゼントされた[18]

脚注

注釈

テンプレート:Reflist

出典

テンプレート:Reflist

参考文献

外部リンク

テンプレート:ゴジラ

テンプレート:大森一樹監督作品
  1. テンプレート:Harvnb
  2. 2.0 2.1 2.2 テンプレート:Harvnb
  3. テンプレート:Harvnb
  4. テンプレート:Harvnb
  5. 『ゴジラvsキングギドラ』劇場パンフレットより。
  6. 東宝SF特撮シリーズSPECIAL EDITION「ゴジラ FINAL WARS」CD-ROM付き特別プログラム より
  7. ゴジラ・サウンドトラック・パーフェクトコレクション BOX4,BOX5
  8. テンプレート:Harvnb 「ゴジラVSキングギドラアートワークス」。
  9. テンプレート:Harvnb
  10. テンプレート:Harvnb
  11. テンプレート:Harvnb
  12. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「.E6.80.AA.E7.8D.A3.E5.A4.A7.E5.85.A8.E9.9B.86」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  13. 13.0 13.1 役名は『東宝SF特撮映画シリーズVOL.6ゴジラvsキングギドラ』掲載のシナリオに準拠。
  14. 東部方面総監部の他に中盤での撮影地が北海道(網走方面)であった関係で美幌駐屯地もクレジットされている
  15. テンプレート:Harvnb 「平成ゴジラバーニング・コラム」No.010。
  16. テンプレート:Cite book
  17. デビット・キャリシャー「社会的に観たゴジラ映画 -日米を通して-(上)」 『福岡市総合図書館研究紀要』第4号 2004年
  18. 18.0 18.1 18.2 テンプレート:Harvnb p.34 「Memories of ゴジラVSキングギドラ」。


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