コムカデ綱

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コムカデ綱 Symphyla は、節足動物門 多足亜門に属する動物である。いわゆる多足類のひとつで、細長い体と多数の足をもっている一般的な土壌動物である。発生や体制において昆虫類に似たところがあり、近縁のものだとする説もある。

特徴

コムカデ綱の種は外見がムカデに似るためムカデの幼虫と誤認される場合もあるが、様々な点が異なっている。多くは1cm以下であり、全身が白っぽく、柔らかい。成虫の体節は15-24、歩脚は10-12対。頭部には長く数珠状の特徴的な触角が1対生えている。大顎mandible)が1対、と小顎(maxilla)2対がある。ヤスデ同様に生殖孔は腹面の前半部に開く。最後端の体節には、ムカデのような足ではなく、紡糸腺をもつ1対の突起が後ろへ突き出している。

習性

足が速く動きは敏捷だが、肉食性ではなく、植物、腐植などを食べる。土壌中にごく普通に見られ、石や朽木をめくると時たま走りだす姿を見られる。海外では農業害虫として被害の報告もある。

分類

世界で約200種が知られる。日本からは、ナミコムカデ科のナミコムカデ(Hanseniella caldiaria)とミゾコムカデ(Scutigerella nodicera)、ヤサコムカデ科のヤサコムカデ(Symphyllela vulgaris)、の2科3属3種が以前から報告されているが、研究が進んでおらず、これらの種以外のコムカデも多く採集される。

下位分類

参考文献

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