グランジ

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テンプレート:Infobox Music genre グランジ (テンプレート:En) とは、ロック音楽のジャンルのひとつ。「汚れた」、「薄汚い」という意味の形容詞 "grungy" が名詞化した "grunge" が語源。1990年代アメリカシアトルを中心に興った潮流であり、オルタナティヴ・ロックの一つに位置づけられる。ニルヴァーナパール・ジャムサウンドガーデンといったバンドがメジャーシーンで成功を収めたことで、ヘヴィメタルが席巻していた当時のアメリカのロックチャートを塗り替え、世界的なブームとなった。

歴史

グランジ(オルタナティヴ・ロック)はそもそも、その母体・源流を、1970年代以前のパンク・ロック、1980年代のポストパンクハードコア・パンクなどといったインディーロック系のシーンに持つ(オルタナティヴ・ロックの項も参照)テンプレート:要出典

1991年にニルヴァーナの『ネヴァーマインド』、パール・ジャムの『テン』、そしてサウンドガーデンの『バッドモーターフィンガー』が発表されたことで、グランジはロックンロールの潮流を変えた[1]。ニルヴァーナの先輩格にあたるソニック・ユースは同年を「Year Punk Broke」と呼び、後に同名の音楽ビデオを発表しているテンプレート:要出典

グランジ・ムーヴメントのピークは1994年にニルヴァーナのカート・コバーンが自殺したことによって過ぎるが、その後もパール・ジャムやスマッシング・パンプキンズなどといった人気バンドが活動を続ける一方、彼らのフォロワーバンドがポスト・グランジとして出現。2013年現在まで音楽シーンに影響を与え続けているテンプレート:要出典

グランジへの影響・共鳴

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グランジに影響を与えたバンドにザ・ソニックス[2]ザ・ストゥージズ[3]MC5[3]セックス・ピストルズ[4]ジーザス&メリーチェイン[5]などがいる。1990年代を迎えた頃、ニール・ヤングはグランジの隆盛と共にシーンの最先端で活躍した[6]

グランジの勃興を受けて、グランジ・バンドのみならず、それを包括したオルタナティヴ・ロックと呼ばれるジャンル全体が改めて評価されるに至った。

ソニック・ユースはその最たる例であり、ニルヴァーナは彼らからの後押しを強く受けていた[7]。また、ベーシストのキム・ゴードンは「グランジのゴッドマザー」とも称されている[8]。2009年にはマイケル・ラヴィンの写真集『グランジ』が出版され、フロントマンのサーストン・ムーアがシアトルのシーンなどについての文章を寄せている[9]

ジェーンズ・アディクションはオルタナティヴ・ロックムーヴメントの隆盛に一役買い[10]、「先グランジ期の草分け」とされた[11]

スマッシング・パンプキンズはグランジ/オルタナティヴ・ロックの流れにいるバンドとされており[12]、1991年のファースト・アルバム『ギッシュ』は当時のグランジ・ブームとも相まって注目された[13]。スマッシング・パンプキンズはアルバム『ギッシュ』『サイアミーズ・ドリーム』によってグランジを再発明したとされ[14]、グランジに括り切らない幅広い音楽性を見せ、ムーヴメントの中でも根強い人気を誇った。

そのほかの代表的なグランジのアイコンにはダイナソーJr.マッドハニー、そしてピクシーズらがいる[15]

また、グランジの影響は海を渡ってイギリスのロックシーンにも伝わっており、ティーンエイジ・ファンクラブも活動初期はポップなグランジを演奏していた[16]。ちなみに、彼らはカート・コバーンがリスペクトしていたバンドとしても知られている[17]

音楽系統・思想的な特徴

グランジの音楽的な最大の特徴は、パンク・ロック的と呼べる簡素で性急なビートと、ハード・ロック的と呼べるリフ主体の楽曲構造とが融合されていることである。また、いわゆる「静と動」のディストーションギターのサウンドも往々にして語られるが、こちらはグランジ全体というよりもニルヴァーナなどの一部のバンドの楽曲に頻繁に聞けるもので、その起源はピクシーズなどの1980年代末期のギターロックバンドにあると言われるテンプレート:要出典。一方、『ビジネスウィーク』はグランジを「パンクのDIY哲学とブラック・サバスの暗いギター・リフとの結婚」と評している[18]

系統的に見ればグランジのサウンドは1980年代のポストパンクなどからの濃い影響が覗えるが、レッド・ツェッペリンなどの1970年代のハードロックバンドの影響を口にするバンドも多い。対して、1980年代のアメリカンハードロックやLAメタルなどを忌み嫌うバンドがほとんどであり、有名なニルヴァーナとガンズ・アンド・ローゼスの対立を引用するまでもなく、他の多くのグランジバンドもアメリカンハードロック・メタルを敵視し、実際にグランジの台頭によって多くのポップメタルバンドはビルボードチャートから消えていったテンプレート:要出典

多くのバンドは楽曲やアートワークに退廃的な雰囲気を内包しており、これらも1980年代のUSインディーロックからの直接の影響が覗える。また、オルタナティヴ・ロック全体に共通する傾向ではあるが、前時代にヒットチャートを埋め尽くしていたポップメタルやディスコポップなどに比べると、歌詞や楽曲は格段にシリアスな趣となっているテンプレート:要出典

ニルヴァーナのドラマーであったデイヴ・グロールはグランジを「ラウドなギターとラウドなドラムと絶叫ヴォーカル」と定義したうえで、その種の音楽は2013年現在まで一度も廃れたことがないと発言している[19]。ベーシストのクリス・ノヴォセリックは、グランジを「伝統的なヘヴィー・ロックとパンクの融合」であるとしたうえで、ブラック・フラッグの『My War』がグランジに影響を与えたと指摘している[20]

グランジ・バンドの一覧

※太字以外のものは英語版ページ。

シアトル近郊

その他地域

関連バンド

グランジ・ムーヴメントの発生前後である1980年代中期から1990年代中期にかけて活躍し、媒体によってはグランジと扱われるオルタナティヴ・ロックバンド。

ポスト・グランジ・バンド

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参考文献

関連項目

脚注

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外部リンク

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  1. テンプレート:Cite web
  2. 元祖ガレージ・パンク・レジェンド=ザ・ソニックス、40年振り新作TOWER RECORDS ONLINE 2011年2月28日
  3. 3.0 3.1 ストゥージズ vs MC5〜デトロイトの伝説が紙ジャケ化MUSICSHELF 2009年12月16日
  4. あのピストルズも再結成ライヴAll About 2007年9月27日
  5. ジーザス・アンド・メリー・チェイン 『サイコ・キャンディ』花の絵 2011年10月3日
  6. ニール・ヤング『ル・ノイズ』(Reprise / Warner)COOKIE SCENE
  7. テンプレート:Cite web
  8. テンプレート:Cite web
  9. テンプレート:Cite web
  10. EMI Records Japan
  11. テンプレート:Cite web
  12. GrindHouse Feautured Artist - GYM CLASS HEROESGrindHouse
  13. Look Back 90s:90年代グランジ/オルタナティヴの雄、スマッシング・パンプキンズOOPS! ウープス 2011年12月21日
  14. テンプレート:Cite web
  15. テンプレート:Cite web
  16. テンプレート:Cite web
  17. テンプレート:Citeweb
  18. テンプレート:Cite web
  19. デイヴ・グロール、ファンとの質疑応答でグランジは死んだことなどないと語る ro69.jp 2013年2月13日
  20. テンプレート:Cite web
  21. テンプレート:Cite web