クリーブランド級軽巡洋艦
クリーブランド級軽巡洋艦 | ||
---|---|---|
クリーブランド(USS Cleveland, CL-55) | ||
艦級概観 | ||
艦種 | 軽巡洋艦 | |
艦名 | 都市名 一番艦はオハイオ州クリーブランドに因む。 | |
前級 | アトランタ級軽巡洋艦 | |
次級 | ファーゴ級軽巡洋艦 | |
就役期間 | 1942年 - 1956年 | |
性能諸元 | ||
排水量 | 基準:11,800トン 満載:14,131トン | |
全長 | 186m | |
全幅 | 20.2m | |
吃水 | 7.5m | |
機関 | 蒸気タービン方式(100,000 shp)、4軸推進 | |
B&W式ボイラー+GE式タービン | 4組 | |
速力 | 最大: 32.5ノット | |
航続距離 | ||
乗員 | 1,335人 | |
兵装 | Mk.16 6インチ砲 (3連装砲塔として搭載) |
12門 |
Mk.12 5インチ砲 (連装砲塔として搭載) |
12門 | |
ボフォース 40mm機関砲 | 12門 | |
エリコンSS 20mm機関砲 | 20門 | |
艦載機 | SO3C水上機 | 4機 |
カタパルト | 2基 |
クリーブランド級軽巡洋艦(クリーブランドきゅう けいじゅんようかん、Cleveland class Light Cruisers) はアメリカ海軍の軽巡洋艦の艦級。クリーブランド級に改良型のファーゴ(CL-106)以降を含む資料も存在する。
概要
1937年にロンドン海軍軍縮条約が失効したため巡洋艦の保有制限がなくなった。アメリカ海軍は当クリーブランド級52隻の建造を計画し、39隻が発注されたが、軽巡洋艦として完成したのは27隻であり、3隻は建造中止。9隻は建造中の船体を流用して軽空母として完成し、インディペンデンス級航空母艦となった。
基本的にブルックリン級軽巡洋艦の船体設計を受け継いでいるが、若干幅を広げ、後楼も大型化した。武装はブルックリン級の47口径6インチ3連装5基15門から4基12門に減少し、逆に38口径5インチ砲は単装8基8門から連装6基12門に増加したので、前級に比べれば対艦と対空兵装のバランスが取れた仕上がりになった。
本級のクリーブランド、コロンビア、モントピリア、デンバーは水上戦闘部隊の手駒が切れかかっていた時期の1943年11月2日、ブーゲンビル島攻略支援に第39任務部隊の主力として投入された。日本海軍は天候不良とアメリカ軍に察知されたため逆上陸作戦を中止していたが、第39任務部隊の撃滅を目指し、エンプレス・オーガスタ湾に突入してきた。クリーブランド級4隻は悪天候の中、レーダー射撃を有効に利用して日本連合襲撃部隊に打撃と混乱を与え、川内と初風を撃沈した。体勢を整えた日本海軍はデンバーと駆逐艦2隻を損傷させたが、煙幕を張って回頭したアメリカ艦隊を撃破、撃沈したものだと誤認して退却した。重巡洋艦2隻、軽巡洋艦2隻、駆逐艦11隻の有力な艦隊に対してクリーブランド級4隻、駆逐艦8隻という劣勢状況下で1隻の沈没なく日本海軍を撃退したことから当級の優秀さが伺える。ソロモン近海の制海権はアメリカ海軍が堅持し、この海戦の約一週間後にはギルバート・マーシャル攻略が開始された。
順次、竣工したクリーブランド級は空母機動部隊の護衛や上陸戦の火力支援(艦砲射撃)などに従事し、アメリカ海軍の反攻を影から支えた。
戦後、1959年から1974年にかけて大半の艦はスクラップとして解体されたが、一部の艦は艦対空ミサイル・システムを搭載してミサイル巡洋艦に改装された。スプリングフィールド、トピカ、プロビデンスはテリア・システムを搭載してプロビデンス級ミサイル巡洋艦、オクラホマシティ、リトルロック、ガルベストンはタロス・システムを搭載してガルベストン級ミサイル巡洋艦に改装されて、1970年代まで現役に留まることとなった。また、ヴィンセンス、ウィルクスバリ、アトランタの3隻は実験艦、標的艦として使用、処分された。
画像集
- USS Columbia hit by kamikaze.jpg
特攻機の攻撃を受けるコロンビア(USS Columbia, CL-56)
- USS Montpelier (CL-57).jpg
ハバナ港のモントピリア(USS Montpelier, CL-57)とSOC シーガル水上偵察機
- USS Denver (CL-58).jpg
1943年、南太平洋で停泊するデンバー(USS Denver, CL-58))
- USS Providence CLG-6.jpg
1957年、ミサイル巡洋艦に改装したプロビデンス(USS Providence, CL-82/CLG-6)
同型艦
艦番号 | 艦名 | 起工 | 就役 | 退役 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
CL-55 | クリーブランド (USS Cleveland) |
1940年7月 | 1942年6月 | 1947年2月 | ||
CL-56 | コロンビア (USS Columbia) |
1940年8月 | 1942年7月 | 1946年11月 | ||
CL-57 | モントピリア (USS Montpelier) |
1940年12月 | 1942年9月 | 1947年1月 | ||
CL-58 | デンバー (USS Denver) |
1940年12月 | 1942年10月 | 1947年2月 | ||
CL-59 | アムステルダム (USS Amsterdam) |
1941年5月 | 1943年1月、CVL-22「インディペンデンス」として就役。 | |||
CL-60 | サンタフェ (USS Santa Fe) |
1941年6月 | 1942年11月 | 1946年10月 | ||
CL-61 | タラハシー (USS Tallahassee) |
1941年6月 | 1943年2月、CVL-23「プリンストン」として就役。 | |||
CL-62 | バーミングハム (USS Birmingham) |
1941年2月 | 1943年1月 | 1947年1月 | ||
CL-63 | モービル (USS Mobile) |
1941年4月 | 1943年3月 | 1947年5月 | ||
CL-64 | ヴィンセンス (USS Vincennes) |
1942年3月 | 1944年1月 | 1946年9月 | ||
CL-65 | パサデナ (USS Pasadena) |
1943年2月 | 1944年6月 | 1950年1月 | ||
CL-66 | スプリングフィールド (USS Springfield) |
1943年2月 | 1944年9月 | 1974年5月 | 1960年7月、プロビデンス級ミサイル巡洋艦2番艦(CLG-7)として再就役。 | |
CL-67 | トピカ (USS Topeka) |
1943年4月 | 1944年12月 | 1969年6月 | 1960年3月、プロビデンス級ミサイル巡洋艦3番艦(CLG-8)として再就役。 | |
CL-76 | ニュー・ヘヴン (USS New Haven) |
1941年8月 | 1943年3月、CVL-24「ベロー・ウッド」として就役。 | |||
CL-77 | ハンチントン (USS Huntington) |
1941年11月 | 1943年5月、CVL-25「カウペンス」として就役。 | |||
CL-78 | デイトン (USS Dayton) |
1941年12月 | 1943年6月、CVL-26「モンテレー」として就役。 | |||
CL-79 | ウィルミントン (USS Wilmington) |
1942年3月 | 1943年7月、CVL-28「カボット」として就役。 | |||
CL-80 | ビロクシ (USS Biloxi) |
1941年7月 | 1943年8月 | 1946年8月 | ||
CL-81 | ヒューストン (USS Houston) |
1943年6月 (進水) |
1943年12月 | 1947年12月 | ||
CL-82 | プロビデンス (USS Providence) |
1943年7月 | 1945年5月 | 1973年8月 | 1959年9月、プロビデンス級ミサイル巡洋艦1番艦(CLG-6)として再就役。 | |
CL-83 | マンチェスター (USS Manchester) |
1944年9月 | 1946年10月 | 1956年6月 | ||
CL-84 | バッファロー (USS Buffalo) |
1940年12月、未起工のまま建造計画中止。 | ||||
CL-85 | ファーゴ (USS Fargo) |
1943年8月、CVL-27「ラングレー」として就役。 | ||||
CL-86 | ヴィックスバーグ (USS Vicksburg) |
1942年10月 | 1944年6月 | 1947年6月 | ||
CL-87 | ダルース (USS Duluth) |
1942年11月 | 1944年9月 | 1949年6月 | ||
CL-88 | ニューアーク (USS Newark; 予定) |
1940年12月、未着手のまま建造計画中止。 | ||||
CL-89 | マイアミ (USS Miami) |
1941年8月 | 1943年12月 | 1947年6月 | ||
CL-90 | アストリア (USS Astoria) |
1941年9月 | 1944年5月 | 1949年7月 | ||
CL-91 | オクラホマシティ (USS Oklahoma City) |
1942年12月 | 1944年12月 | 1979年12月 | 1960年9月、ガルベストン級ミサイル巡洋艦3番艦(CLG-5)として再就役。 | |
CL-92 | リトルロック (USS Little Rock) |
1943年3月 | 1945年6月 | 1976年5月 | 1960年6月、ガルベストン級ミサイル巡洋艦2番艦(CLG-4)として再就役。 | |
CL-93 | ガルベストン (USS Galveston) |
1945年4月 (進水) |
1958年5月 | 1970年5月 | 1958年5月、ガルベストン級ミサイル巡洋艦1番艦(CLG-3)として再就役。 | |
CL-94 | ヤングズタウン (USS Youngstown) |
1944年9月 | 1945年8月に建造中止、スクラップ。 | |||
CL-99 | バッファロー (USS Buffalo) |
1942年8月 | 1943年11月、CVL-29「バターン」として就役。 | |||
CL-100 | ニューアーク (USS Newark) |
1942年10月 | 1943年11月、CVL-30「サン・ジャシント」として就役。 | |||
CL-101 | アムステルダム (USS Amsterdam) |
1943年3月 | 1945年1月 | 1947年6月 | ||
CL-102 | ポーツマス (USS Portsmouth) |
1943年6月 | 1945年6月 | 1949年6月 | ||
CL-103 | ウィルクスバリ (USS Wilkes-Barre) |
1942年12月 | 1944年7月 | 1947年10月 | ||
CL-104 | アトランタ (USS Atlanta) |
1943年1月 | 1944年12月 | 1970年4月 | ||
CL-105 | デイトン (USS Dayton, ) |
1943年3月 | 1945年1月 | 1949年3月 |