カリスト (衛星)

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テンプレート:天体 基本 テンプレート:天体 発見 テンプレート:天体 軌道 テンプレート:天体 物理 テンプレート:天体 終了 テンプレート:Sister カリスト(Jupiter IV Callisto)は、木星の第4衛星。2007年までに発見された衛星の中で内側から8番目の軌道を回っている。名はギリシア神話に登場するニュンペーカリストーにちなむ。なお、カリストーに由来する小惑星 (204) カリストも存在するが、綴りは異なる (Kallisto)。

カリストは太陽系に存在する衛星の中ではガニメデタイタンに次いで3番目に大きく、太陽系の全天体の中でも水星に次いで12番目に大きい。

この衛星はガリレオ・ガリレイによって発見されており、そのためイオ、ガニメデ、エウロパとあわせてガリレオ衛星と呼ばれている。

比較的明るい衛星で、双眼鏡でも観察できる。

概要

カリストはエウロパやガニメデと同じく、表面全体をに覆われた衛星である。ボイジャーによる調査で直径3,000 km以上の巨大クレーター・ヴァルハラ盆地が発見されたものの、他のガリレオ衛星と比べて特に目につく地形が少なかったため、それ以降はあまり重要視されていなかった。しかし、宇宙探査機ガリレオによる調査の結果、カリストにもエウロパと同様、内部に液体水の層が存在する可能性も出てきたため[1]、以前よりも重要性が増しつつある。

内部構造

ファイル:PIA01478 Interior of Callisto.jpg
カリストの内部構造の想像図。氷の層(白)、水の層(青)、未分化な混合物の層(斑点)という構造が推定されている。

カリストの最上部は厚さ200 km前後の氷の層になっており、その下は未分化で一様な氷と岩石の混合物で占められていることが予想されている。これは、カリストとほぼ同サイズの衛星ガニメデが、岩石のコアと氷のマントルが分離した内部構造を持つことと対照的である。

太陽系形成期のある時代には、後期重爆撃と呼ばれる小天体の衝突が頻発する現象が起きたと考えられている。その際のカリストへの小天体の衝突は、ガニメデと比べて穏やかなものに留まり、解放されるエネルギーも比較的少なかった。このため、カリストの内部では溶融や中心核の分離が進まず、未分化の内部構造を保ち続けたものと推定されている[2]

木星探査機ガリレオはカリストの磁場に変動があることを発見した。これは、衛星表層の氷の層の底に深さ10 km以上の閉ざされた海洋が存在し、その中でイオンが流れていると考えると上手く説明することができる[1]

地形

カリスト表面の主要な地形は、ギリシア神話北欧神話、および北極圏に住む諸民族の神話から名付けられた。現在では、ヴァルハラ盆地のような多重リング構造を持つ大クレーターや、「カテナ」と呼ばれる一列に並んだクレーター群などもいくつか発見されている。

「カテナ」は、シューメーカー・レヴィ第9彗星同様に木星の重力に捕らえられて潮汐力により粉砕された彗星が衝突することによって形成されたと考えられている。

作品

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参考文献

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関連事項

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  1. 1.0 1.1 テンプレート:Cite web
  2. テンプレート:Cite news