カサンドラ・クロス

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テンプレート:Infobox Filmカサンドラ・クロス』(The Cassandra Crossing)は、1976年に公開されたイタリアイギリス西ドイツ合作のサスペンス映画。日本での配給は日本ヘラルド映画。地方での併映は「ラストコンサート」。

内容

ジュネーヴの国際保健機構に急患を装った3人のゲリラが潜入し、銃撃戦が始まった。一人はガードマンに射殺され、残りの2人は様々な細菌類が保存されている危険な部屋へ逃げ込んだ。そこで、一人が撃たれて倒れた拍子に薬の瓶を割ってしまい、感染性の強い病原菌に感染してしまった。 残る一人(スウェーデン人)は逃走し、パリ・アムステルダム経由ストックホルム行きの大陸横断鉄道へ乗り込んだ。

スキャンダルの発覚・感染の拡大を恐れたマッケンジー・アメリカ陸軍大佐は、犯人の逃げ込んだ列車をニュルンベルクで丸ごと密封し、1948年で廃線となったポーランドのカサンドラ・クロス橋梁へ列車を誘導して崩壊転落させ、事件を抹殺しようと企んでいた。たまたま列車に乗り合わせていた神経外科医のチェンバレンはそれを察知し、阻止すべく行動を起こす。

なお、この映画でスイス連邦鉄道(SBB/CFF/FFS、スイス国鉄)が陰謀に加担し、乗客の安全を軽視したという設定から、SBBは激怒し、その後の映画でSBBの協力は得られなくなった。また、アバランチ・エクスプレスでは列車等のシーンは模型となってしまい迫力を欠いた。

登場人物

女流作家で、チェンバレン博士の元妻。
神経外科医で、ジェニファーの元夫。列車爆破計画を察知し恐怖におののく乗客を救出すべくリードする。
国際兵器製造業者ドレスラー夫人の若き愛人で、国際警察で指名手配中の麻薬の売人。
麻薬捜査官。旅行中のサンティニ(ナバロ)を逮捕すべく神父に変装して列車に乗り込む。
国際保健機構の主任医師。マッケンジーと共に事件に関わり、医学的視点で助力するが、後に事件隠滅を図る彼と対立する。
国際保健機構のアメリカセクション情報部員。事件の発覚を恐れ、列車と共に1000人の乗客と事態を闇に葬る計画を立てる。
トムと共に新婚旅行に来ていた若妻。
スーザンと共に新婚旅行に来ていた若夫。
アメリカ陸軍少佐、マッケンジーと共に事件解決に乗り出す。
初老のセールスマン。列車がポーランドへ行くと聞き、過去の捕虜生活を思い出し恐怖に怯える。
国際兵器製造業者の奥方。サンティニ(ナバロ)と共に列車に乗り込む。
車中で事件に巻き込まれ、行方不明になる幼女カテリーナの母。
初老のベテラン車掌。チェンバレンらと共に乗客救出に尽力する。

スタッフ

日本語吹替

役名 俳優 日本テレビ レーザーディスク
ジェニファー ソフィア・ローレン 此島愛子 此島愛子
チェンバレン リチャード・ハリス 日下武史 家弓家正
エレナ イングリッド・チューリン 奈良岡朋子 谷育子
マッケンジー バート・ランカスター 青木義朗 久松保夫
ドレスラー夫人 エヴァ・ガードナー 福田公子 翠準子
スタック ジョン・フィリップ・ロー 富山敬 井上真樹夫
ナバロ・サンティニ マーティン・シーン 青野武 安原義人
キャプラン リー・ストラスバーグ 宮内幸平 槐柳二
車掌 ライオネル・スタンダー 雨森雅司 寄山弘
ハーレイ O・J・シンプソン 木原抄二郎 徳丸完
トム レイモンド・ラブロック 田中秀幸 鈴置洋孝
スーザン アン・ターケル 高橋ひろ子 上山則子
日本語版スタッフ 台本:大野隆一
演出:福永莞爾
選曲:赤塚不二夫
効果:PAGプロデュース
調整:兼子芳博
制作:ザック・プロモーション
日本テレビ
翻訳:井場洋子
制作:東北新社

関連項目

  • 皇帝のいない八月』 - 日本版カサンドラ・クロスとされた作品。原作者の小林久三が「カサンドラ・クロス」を参考に書き上げたとコメントしている。

外部リンク

テンプレート:ジョージ・P・コスマトス監督作品