オーシャントランス

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テンプレート:Infobox オーシャントランス株式会社は、日本の海運会社である。

本社を東京都中央区に、本店を福岡県北九州市門司区におき、貨客フェリーを運航する「フェリー事業部」、在来船・RO-RO船を運航する「内航事業部」のほか、新規事業として「外航事業部」を設けている。

2008年にオーシャン東九フェリー株式会社(オーシャンとうきゅうフェリー)と王子海運株式会社(おうじかいうん)が対等合併して発足した。なお、フェリー事業部では「オーシャン東九フェリー」の呼称をサービス名(ブランド)として継続使用している。

沿革

テンプレート:出典の明記 ※【フ】:現在のフェリー事業部、【内】:現在の内航事業部に関する内容。

  • 1970年9月 - 【フ】豊益海漕がオーシャンフェリーを設立。
  • 1971年12月 - 【フ】関光汽船東九フェリーSHKライングループ)を設立。
  • 1972年7月 - 【フ】オーシャンフェリーが千葉~徳島航路を開設、「あるばとろす」「かしおぺあ」の2隻で運航。
  • 1973年12月 - 【フ】東九フェリーが東京~小倉(日明)航路を開設、「フェリーてんりゅう」「フェリーとね」の2隻で運航。
  • 1974年 - 【フ】東九フェリー、「フェリーてんりゅう」「フェリーとね」を新日本海フェリーに売却。同社より「らいらっく」を購入し「フェリー伊豆」に船名変更。
  • 1976年2月 - 【フ】オーシャンフェリーと東九フェリーが合併し、オーシャン東九フェリーとなる。東京~徳島~小倉(日明)航路を運航。
この際に「あるばとろす」は「第三伊豆」に、「かしおぺあ」は「第十一伊豆」に船名変更。
  • 1977年1月 - 【内】神崎製紙(現在の王子製紙)の製品輸送を目的として、神崎運輸を設立。
  • 1977年頃 - 【フ】東京~小倉(日明)の直行便を廃止、「フェリー伊豆」を新日本海フェリーへ売却。
  • 1980年12月 - 【内】「かんざき丸」が関東航路に就航。
  • 1981年3月 - 【内】タンカー「第八あさの丸」を購入し就航。
  • 1984年3月 - 【内】「第二かんざき丸」が関西航路に就航。
  • 1990年10月 - 【内】「第八あさの丸」に代え、新造船「あさの丸」就航。
  • 1990年頃 - 【フ】近海郵船より用船した「まりも」を使用した東京~新門司の貨物専用直行便を試験的に運航。
  • 1991年6月 - 【フ】「おーしゃんいーすと」が就航、「第三伊豆(旧あるばとろす)」が引退。
  • 1991年9月 - 【フ】「おーしゃんうえすと」が就航、「第十一伊豆(旧かしおぺあ)」が引退。
  • 1995年2月 - 【フ】寄航港を、小倉(日明)から新門司フェリーターミナルへと移転。
  • 1996年10月 - 【フ】業界で初めて、供食設備を自動販売機のみとしたカジュアルフェリー「おーしゃんさうす」が就航。
  • 1996年10月 - 【内】「かんざき丸」に代え、新造船「王翔丸」就航。
  • 1996年11月 - 【フ】カジュアルフェリー第2船「おーしゃんのーす」が就航し、毎日運航となる。
  • 1999年7月 - 【内】社名を、王子海運に改称。
  • 2002年2月 - 【内】「第二かんざき丸」に代え、新造船「王隆丸」就航。
  • 2005年11月 - 【内】「あさの丸」に代え、新造船タンカー「みどり丸」就航。
  • 2008年2月 - 【フ】カジュアルフェリーの自動販売機が、am/pmによる供給に変更される[1]
  • 2008年4月 - 【フ】スタンダードフェリーのレストランが、am/pmの自動販売機による営業に変更される[2][3]
  • 2008年9月25日 - 【フ】「おーしゃんいーすと」が静岡県浜松市沖の遠州灘で沿岸資格船にもかかわらず沿岸区域外を航行しているのを第三管区海上保安本部の巡視船「やしま」が発見し船長を検挙。九州運輸局の特別監査を受けて所属4隻が恒常的に区域外航行を行っていたことが明らかになった。横浜海保は長年にわたって区域外航行を行っていた疑いで同年11月12日にオーシャントランス社の海務部長を逮捕した。同容疑での逮捕は異例。
  • 2008年10月1日 - 【フ・内】両社が対等合併(存続会社はオーシャン東九フェリー)し、オーシャントランス株式会社として発足[4]
  • テンプレート:要出典範囲
  • 2014年7月18日 - 【フ】徳島から東京に向かっていた「おーしゃんいーすと」が出港直後に浅瀬に船底を接触させる。自力で徳島港に引き返し、負傷者無し[5]

各事業部の詳細

フェリー事業部

ファイル:Ocean-East JAPAN.jpg
おーしゃん いーすと - 新門司港
ファイル:Ocean-North JAPAN.jpg
おーしゃん のーす - 東京港

前述のとおり、フェリー事業部のサービス名として「オーシャン東九フェリー」を商標登録[6]しており、名称を引き続き使用している。

フェリー事業部の航路

  • 東京港(東京港フェリーターミナル) - 徳島港 - 新門司港(新門司フェリーターミナル)
    • スタンダードフェリーは東京港、新門司港を偶数日出航。
    • カジュアルフェリーは東京港、新門司港を奇数日出航。
※高知沖の太平洋が荒天時には、瀬戸内海経由の航路となる。

フェリー事業部の船舶

合併前のオーシャン東九フェリーは、登記上の本店が福岡県北九州市門司区新門司北1-12にあったことから、船籍港は全て北九州港となっている。また、航行区域は全て「沿海」である。

「カジュアルフェリー」は、全客室が2等寝台、レストラン・有人売店を廃止し飲食は自販機のみとした合理化船である。なお、「スタンダードフェリー」についても2008年4月以降、レストランの営業を取りやめている[3]

就航中の船舶のうち2隻は、経年を理由とした船舶代替を計画しているとしている[7]

  • おーしゃん いーすと - スタンダードフェリー
1990年10月竣工。11,523総トン、全長166.0m、幅25.0m、出力28,800ps、航海速力21.5ノット(最大25.6ノット)。
旅客定員401名。車両積載数:トラック167台・乗用車118台。佐伯重工業建造。
  • おーしゃん うえすと - スタンダードフェリー
1991年1月竣工。11,522総トン、全長166.0m、幅25.0m、出力28,800ps、航海速力21.5ノット(最大25.7ノット)。
旅客定員401名。車両積載数:トラック167台・乗用車118台。佐伯重工業建造。
  • おーしゃん さうす - カジュアルフェリー
1996年3月竣工。11,114総トン、全長166.0m、幅25.0m、出力28,800ps、航海速力21.5ノット(最大25.6ノット)。
旅客定員148名。車両積載数:トラック130台・乗用車71台。尾道造船(尾道)建造。
  • おーしゃん のーす - カジュアルフェリー
1996年3月竣工。11,114総トン、全長166.0m、幅25.0m、出力28,800ps、航海速力21.5ノット(最大25.6ノット)。
旅客定員148名。車両積載数:トラック130台・乗用車71台。尾道造船(尾道)建造。オーシャントランス・近海郵船および鉄道建設・運輸施設整備支援機構が所有し、オーシャントランスが運航している。

内航事業部

合併後に内航事業部となった王子海運は、1977年1月に神崎製紙富岡工場の海上物流を担う神崎運輸として設立し、神崎製紙と王子製紙が合併後の1999年に王子海運になった。自社船2隻と用船などを合わせ12隻で紙輸送や原材料(チップなど)の輸送を行なっている。

内航事業部の主な航路

  • 苫小牧航路(週6便)
    • 東京港 - 苫小牧港
  • 日南航路(週2便)
    • 東京港 - 細島港 - 油津港

内航事業部の主な船舶

  • 王翔丸
1996年9月竣工。499総トン、全長75.5m、全幅12.0m、主機関出力1,000ps。
  • 王隆丸
2002年2月竣工。237総トン、全長60.0m、全幅10.0m、主機関出力1,000ps。

外航事業部

[8][9]

2009年に資本参加した東海商船の木材チップ専用船を2011年4月より定期用船し、外航事業を開始した。

オーシャントランスでは、主たる事業である内航事業の需要が減少することを見込み、今後は外航事業を拡大するとしている。

外航事業部の船舶

東海商船の船舶を用船している。

  • PRINCE OF TOKYO
1997年建造。載貨重量トン数 43,980トン、サノヤス・ヒシノ明昌建造。

脚注

  1. カジュアルフェリーの食事方法が変わりました(Internet Archiveによるアーカイブ)
  2. 2008年9月12日時点の公式サイトトップページ(Internet Archiveによるアーカイブ)
  3. 3.0 3.1 よくあるご質問(航海中に関すること) - オーシャン東九フェリー(オーシャントランス、2012年12月27日閲覧)
  4. テンプレート:PDFlink(ニュースリリース) - 王子製紙(2008年5月30日付)
  5. 「おーしゃんいーすと」の船底接触事故について
  6. 出願番号:商願2008-60760
  7. 営業所案内 - オーシャントランス(2013年4月20日閲覧) ※フェリー事業部の項を参照。
  8. 社長挨拶 - オーシャントランス(2013年4月20日閲覧)
  9. 会社沿革 - 東海商船(2013年4月20日閲覧)

参考文献

  • 日本船舶明細書I 2008年版 - 社団法人 日本海運集会所(2007年12月30日発行)

関連項目

外部リンク