エドガー・ケイシー

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エドガー・ケイシーEdgar Cayce, 1877年3月18日 - 1945年1月3日)は、予言者、心霊診断家。支持者からは「20世紀最大の奇跡の人」と称される人物であるテンプレート:要出典

概要

彼はリーディングと呼ばれる催眠状態における情報の引き出しによる業績が有名であり、相談内容の多くが速記により記載された希有な例である。彼は他者による催眠状態において第三者からの質問により、主としてアカシックレコード(アカシャ記録)から情報を引き出す。個人の疾患に関する質問に対して、体を神経の状態や各臓器の状態また体の状態なども透かしたように話し病気の治療法などを口述する。彼のリーディングの記録は14000件にもおよび、米国のAssociation for Research and Enlightenment(ARE) で利用可能な状態で保管されている。同社団からは「眠れる予言者(Sleeping prophet)」と言われている。米国で流行するニューエイジはケイシーリーディングに影響を強く受けていると言われ、代替医療、アトランティス神話、UFO宗教、ヨガ、瞑想、輪廻転生等の東洋的な思想の普及に一役買っている。ちなみに、ニューエイジ思想は、「キリスト」と自らのヨガ等の瞑想によって接触ができるとするなど、キリスト教と似て非なるものなっていることから、エドガーケイシーも含めてローマ教皇庁から注意喚起が発せられている(例:ニューエイジについてのキリスト教的考察)ように、思想面ではキリスト教異端に属する。

彼の方法でALS(確認の取れているのは2名)、リウマチMSエイズパーキンソン病がんなど難病を治癒したと宣言する人が出てきているテンプレート:要出典(無論効果がないという方も多数いる)。ケイシーが言ったハーブ、ミネラルを利用しがんなどの手当てをしている健康法に、ホクシー療法がある。このリーディングを参照して体系化された処方をケイシー健康法と呼び、それを応用して治療に当たるクリニックも米国にある(AREクリニック)。なお、これらの宣伝には、日本の医師法、薬事法に抵触するものも含まれており、全てに再現性はなく、リーディング結果に基づいて効くこともある程度に理解しておく必要がある(例えば「がんの治癒」や「育毛効果」は治験等の再現性が確保されていないため、明らかに医師法違反となる。当該処方では疾患の治療を目的とした事業はできないため「ケイシー療法」という表現は国内法違反であり、「ケイシー健康法」のような予防を連想させる用語が本来は正しい)。

ケイシーは自宅のソファに横たわり睡眠に近い状態で様々な過去を視ることが出来た、とされている。ケイシーはクムランにあったエッセネ派の集落の場所を正確に示し、その歴史上の役割についても詳細に述べた。11年後に死海文書が発見された事で、ケイシーの話は立証された。[1]

経歴

アメリカ合衆国ケンタッキー州ホプキンスビル出身。幼少期より霊能力を発揮していると言われる。保険のセールスをしていたが、咽頭をこわし、会話がままならなくなり写真家に転向。この治療のために行われた催眠療法中に自らの治療方法を述べることに始まり、疾患の治療方法や哲学的な質問や神学的な質問が投げかけられ、いずれも効果を発揮して有力者の親族の治療を行った際に新聞に掲載されて有名になる。

ノストラダムスジーン・ディクソンとともに世界三大予言者と言われることもあるが、彼の予言は一部分であるうえ、多くは事実が確認できないなど、当否が明確でない予言を含まれるという表現が正しく、半数以上が病気治療のフィジカル・リーディングと呼ばれるもので、医師、整骨医にかかったり、その他自己治療を述べている。リーディングへの対価は募金制だったため、生活は苦しかった。バージニア州に病院を創立するも、短期間で廃業。リーディングによって競馬で大儲けした者、医療で目覚ましい業績を残した者、懇意にしていた事業家といった神話的エピソードを共有する者もいたが、いずれも仲違いをしたり、急死するなどして、これらの出来事は記録が残っていない時期に集中しており、記録として残されているリーディングから神話的な評価をすることは困難である。

彼が身体的な悩みに解決、治療方法を示した「フィジカル・リーディング」に対し、「ライフ・リーディング」と呼ばれる、人生について悩める人々に与えた助言の数々がある。「ライフ・リーディング」は、人の魂は死後も永遠に存在し続け、転生を繰り返すという、自身が信教していたキリスト教の教義や現在の常識ではにわかには受け入れがたい概念を示した。質問者の多くはアトランティスに生を受けたと指摘され、人生で説明のつかない災難の多くは前世に起因しているという。リーディング情報に着目した"Norfolk Study Group"によってまとめられた聖書の研究や、グループ内の教育用に作成され承認を求めた"A Search for God"といった派生文献も見られる。こういった活動に対して情報源は一定の距離を置いていたようで、時々、時間があまりに足りない、相対的なものでしかない等の指摘が見られ、あくまでニューエイジ活動における教書という位置付けで理解する必要がある。

 妻はガートルード・エヴァンズ。子供はヒュー・リン、ミルトン・ポーター、エドガー・エバンス。孫はチャールズ・トマス・ケイシー。

自分の前世はイギリス人ジョン・ベインブリッジで、ペルシアの医者、エジプトの高級神官(ラ・ター(Ra:所謂太陽神ラー))、トロイの門番、ルキオ(使徒行伝13:1、ロマ書16:21)として転生したことがあると主張。ケイシーはキリスト教から見ると2神に使え、「エジプトの神」と出エジプトを起こした「ヤハーウエィ(父なる神)」に使え、リーディングは極めて聖書的であるが、聖書の書かれている癒やしを起こす方法、また悪鬼(精神錯乱)を追い出す方法に関して述べていない点などもある。そのため療法に関して注意して、よく知る医療者に聞き、リーディングを読み実践していかねばならない。またAREはケイシーの療法、ケイシーの祈り、夢、なども含め調べ、正しいかどうかを実践していく会として設立された。この療法をするときに、ケイシーの息子エバンスが、ケイシー自身のリーディングを読み間違い実践した。一番異なるのはマッサージオイルの製造で、ラノリン(溶かした)とあるのに、ラノリンオイルを使ってマッサージオイルを製造したことが大きなミスで、マッサージの効果も落ちている。

また、原子ヨウ素もケイシーの販売会社が水溶性の物を推薦している。原子ヨウ素はリーディングにウエットセルを利用した製法を書いていて、これはアルコールに溶かしたものを書ている。 一番多く利用されているヒマシ油に関しては、多量に使う方法が書かれているが、排泄を良くするために少量を使う方法も書かれているので腹部においては少量を使う方で十分に効果が現れることも書かれている。 またウエットセルに関しては棒の長さ(ニッケル)、銅棒のミスのため、効きめも落ちていることが報告されている。 来世、1998年に生まれ、その次の来世は2158年ネブラスカ州に生まれると予言していたが、1973年生まれのディビッド・ウィルコックがエドガー・ケイシーの生まれ変わりを自称している。

得手・不得手の評価

彼の情報源であるアカシックレコードは、魂の記録と呼ばれるとおり、情報の性質によって得手・不得手があり、例えば、前世の行為に基づく災難や病疫、聖書の記者に聞かなければ理解できないこと、質問者の個性や長所、治療や健康に関する医学的な質問、といった属人的な情報は比較的有用であったようで、一方、石油はどこに埋蔵されているか、日本軍の侵攻の予定、あるいは普遍的な真理や瞑想の人生への応用等の質問への回答は有用とは言い難く、具体性に欠き抽象的な表現が多い。時々寄せられる、予言が正確でなかった場合の苦情への回答や、予言ができないという説明として、個人の行動に依存するものや選択によるもの、あるいはビジョンの不足により予言できないものもあるとも述べている(257-27 22 Ans,311-11 24Ans 他)。

また、未来の予言に関するものに限れば、当たっているものを探す方が難しく、アトランティスの再浮上、ピラミッドに隠された文献の発見、日本軍のオーストラリア侵攻(映画の中には日本軍がオーストラリアへ侵攻したものもあるが、現実は近海にとどまる)、日本の海への没入(1958年から1998年の間に日本の大部分が沈没するといった予言が有名でありハラリエルという「警告」の天使が語った特殊な例とされる)といった予言の類は外れているものも多いが、少なくとも、鵜呑みにするのは避けた方が賢明である(彼自身、思いが未来を作るといっているのでテンプレート:要出典、思いが変わったと考えるほうがスムーズであるという意見もある)。

確かに、初期の頃のケッチャム医師やアーサー・ラマースらによって残された、神話的な治療、形而上学的なリーディングや、十中八九を当てた予知能力といった、一部の神話化されたエピソードが前面に出ることで、強い予知能力を持っている印象を与えている。しかし、実際に記録として残されているリーディング結果には、前述のような外れている予言や、瞑想だけで人格が高まるような表現や、黒人や日本人を差別していると取られかねないものも含まれており、記録によって検証される範囲では、少なくとも超常的なリーディングの内容を見いだすのは困難であり、一部のエドガーケイシーの研究家や占い師によって、神話が伝承されている状況にある。

出典・脚注

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関連項目

  • マイケル・タルボット『投影された宇宙』春秋社