ウルトラマンティガ外伝 古代に蘇る巨人

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テンプレート:Pathnavウルトラマンティガ外伝 古代に蘇る巨人』(ウルトラマンティガがいでん こだいによみがえるきょじん)は、2001年1月25日に発売された円谷プロダクション製作のオリジナルビデオで、テレビ番組『ウルトラマンティガ』の外伝作品である。

ストーリー

ウルトラマンダイナがグランスフィアを倒し、その姿を消してから20年の月日が流れた。

かつてウルトラマンティガとなって戦ったGUTS隊員マドカ・ダイゴの息子マドカ・ツバサは、ネオスーパーGUTS訓練生としての卒業テスト中に遭遇したジョーモノイドと共に時空の裂け目に呑み込まれてしまった。

たどり着いた場所は、なんと5000年前の縄文時代だった。ジョーモノイドの攻撃を受けたツバサは、マホロバが持ってきた青銅スパークレンスを使い、見事ティガに変身。ジョーモノイドに立ち向かうが苦戦を強いられる。何とか追い返したものの縄文時代を征服しようとする悪者達の影が潜んでいた。イザレの巫女によると、ツバサは光が弱く不完全な状態のティガにしかなれないと言う。

その夜、村にジョーモノイドとドグーフが出現。ツバサは再びティガに変身し、苦戦しつつもジョーモノイドを倒す。しかし、ドグーフの不意打ちを受けて倒されてしまう。

完全なティガになれるものはいるのか、そして村の平和は守れるのか…。

作品構造

ウルトラマンが縄文時代で戦うという外伝作品ならではの異色作。縄文時代という設定は監督の村石宏實がウルトラシリーズとは別に検討していた作品案を取り入れたことによる[1]

企画案自体は『ウルトラマンティガ』の終了頃から温められていたが、『ウルトラマンダイナ』や『ウルトラマンガイア』、『ブースカ! ブースカ!!』などテレビシリーズの制作が続いたため実現せず、『ブースカ』の終了が決定した2000年初めに『ウルトラマンダイナ 帰ってきたハネジロー』、『ウルトラマンガイア ガイアよ再び』を併せた三部作として立ち上げられた[1]

完全版監督の原田昌樹がメイキングDVDの構成・演出を担当した縁で、ツバサ役の山口翔吾は後に『魔弾戦記リュウケンドー』の鳴神剣二(リュウケンドー)役に抜擢された。

ウルトラマンサーガ』が製作されるまでは『ウルトラマンダイナ』のその後の世界が描かれる唯一の作品であった。また、『ウルトラマンティガ』、『ウルトラマンダイナ』、さらには『ウルトラマンガイア』の出演者が縄文人役で出演しているのも特徴。

撮影ロケ地は神奈川県横浜市都筑区横浜市営地下鉄センター北駅近くの大塚・歳勝土遺跡公園で撮影された[2]

登場人物

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マドカ・ツバサ
本作の主人公でネオスーパーGUTSの訓練生。かつてティガに変身したマドカ・ダイゴの息子。17歳。
ガッツイーグルαスペリオルの操縦訓練中にジョーモノイドと共に縄文時代に飛ばされる。そこで青銅スパークレンスを使って父親と同じ因子を持っていたためかティガに変身するが、光の意志が弱く完全なティガにはなれず、マルチタイプのみの変身でスカイタイプやパワータイプにもなれなかった。また、ツバサが変身したティガはTVシリーズのダイゴ、後にアムイが変身したティガより一回り小さく、活動時間も短い上に戦闘中に透明になっている。
戦いの後、自力でαスペリオルを修復して誰にも別れを告げずに元の時代に帰ったが、帰還シーンは描かれていない。
ツバサという名前はダイゴを演じた長野博が命名したもの[3]
アムイ
ツバサが縄文時代で出会った11歳の少年でオサの孫。
ドクーフの攻撃に負けて倒されてしまったツバサに代わりティガに変身する。額に「ティグの紋章」と呼ばれる紋章があり、光の意志が強いため完全なティガに変身した。ツバサではなれなかったスカイタイプ&パワータイプにもチェンジしてドグーフを倒し、村の英雄になった。
登場人物の中ではテレビシリーズで同一の役者が演じていない。
マホロバ
謎の女戦士で「旅の狩人」を自称する。一人称は「俺」。
旅の中でクラヤミノオロチを倒してヤミナギノツルギを手に入れ、それで戦う。またツルギを手に入れた際の光に導かれて青銅スパークレンスを拾い、ツバサに渡す役割を果たす。戦いの後は再び旅に出た。
ツバサの姉であるヒカリに似ており、先祖かもしれないことが示唆されている。
オサ
TPCのサワイ総監(後の顧問)に酷似している村の長。倒れていたツバサを介抱する。
イザレの巫女
光の巨人についての予言を受け継ぎ、アムイが真の光の意思を継ぐ者であると見抜く。
GUTSのイルマ隊長(後のTPC参謀)に酷似。なお、時代は異なるがイルマ隊長を演じた高樹澪は、『ティガ』本編でもユザレという古代人を演じている。
オロロン
村を守るサキモリのリーダー。
GUTSのムナカタ副隊長に酷似。
ナニワ
オロロンの補佐。関西弁で喋る。
GUTSのホリイ隊員に酷似している。
ティグルー
人間の能力を超える者達。ツバクロ・トビタカ・カザハヤの3人が登場する。
それぞれスーパーGUTSのコウダ副隊長、カリヤ隊員、ナカジマ隊員に酷似。
モリヒト
サキモリの一人。
XIGの志摩隊員に酷似。
デク
サキモリの一人。
XIGの大河原隊員に酷似。
トウヤ
アムイの姉御肌な少女。
シンジョウ・マユミやXIGの多田野慧隊員に酷似。
闇の超能力者 ドグラマグマ
光の巨人の復活を阻止するため村を襲わせる。最期はドグーフの死と共に消滅した。
TPC海洋開発局のエジリ主任に酷似。
  • 『円谷プロ全怪獣図鑑』では、部下も含め別名を「暗黒超能力者」と記載しているテンプレート:Sfn
ダイダラ
ドグラマグマの部下。飛行能力・念動力・火遁の術・ジョーモノイドを操る能力を持つ。最期はマホロバと戦い、ヤミナギノツルギで一刀両断された。
イーヴィルティガに変身したマサキ・ケイゴに酷似。
オロッチ
ドグラマグマの部下。普段はダイダラの子分として活動する。怪力の持ち主。棍棒を振り回して戦う。最期はダイダラと共にティグルーと一戦交えるが念動波攻撃を受け倒された。
XIGの桑原隊員に酷似。

登場怪獣

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遥か昔に光の巨人と対決した魔神で、姿はドグーフに酷似している。巨人にダメージを与えられないまま、跳び蹴りを喰らい爆散した。
  • 『円谷プロ全怪獣図鑑』(小学館、2013年)では、名称を「遮光器土偶魔神 デグーフ(闇の魔神)」としているテンプレート:Sfn
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  • 身長:54メートル
  • 体重:8万トン
ドグラマグマが復活させた魔神。目からは光線や強力な光を発し、飛行能力も有する。巨人の石像を破壊することを目的としている。
夜の村に出現し、ツバサティガを体格差で2回吹き飛ばし、さらにジョーモノイドを倒したティガを蹴り1発でノックアウトする。その後、アムイの変身したティガと対決する。スカイタイプの飛び蹴りやパワータイプのウルトラヘッドクラッシャーを喰らいグロッキー状態になり、苦し紛れに放った怪光もマホロバのヤミナギノツルギの能力で返され、怯んだところをデラシウム光流を受け敗北する。
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  • 身長:30メートル
  • 体重:3万2千トン
ツバサが訓練中に遭遇した怪獣。大型肉食恐竜に酷似した外観を持ち、口から火炎を放つ。
ツバサと共に時空の亀裂に巻込まれ古代に飛ばされる。ダイダラに操られ、村を襲撃した。ツバサが変身したティガと戦い、戦いになれていないティガを追い詰めるも追い返される。夜に巨人のピラミッドを発見し、外壁を崩していった。その後ティガを追いつめるも最後はゼペリオン光線で倒された。
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  • 全長:18メートル
  • 体重:1万5千トン
マホロバが北の超古代遺跡で倒した怪獣。体内からヤミナギノツルギが見つかる(これは『古事記』でスサノオノミコトがヤマタノオロチを退治した際にその尻尾からクサナギノツルギを発見したというエピソードをモチーフにしている)。戦力は不明。

登場アイテム・その他用語

光の巨人の石像
ジョーモノイドが発見した金色のピラミッドの中に隠されていた巨人の石像。『ウルトラマンティガ』に登場した石像と同じ。ドグーフはこの石像を破壊する事が目的。
光のピラミッド
岩山に隠されていた金色に光るピラミッドで、上記の石像はここに隠されている。ジョーモノイドに発見され、外壁を崩された。『ウルトラマンティガ』に登場した物と異なり、全てが金色である。
青銅のスパークレンス(青銅の神器)
マホロバがナミナギノツルギを手に入れた際に偶然発見された、青銅で創られたスパークレンス
シルエットは通常のスパークレンスとほぼ同じだが、ディティールは大きく異なる。ツバサやアムイが使用する。

キャスト

  • 特技アクション
    • ウルトラマンティガ ・マルチタイプ、スカイタイプ:権藤俊輔
    • ウルトラマンティガ・パワータイプ:中村浩二
    • 森英二
    • 永田朋裕
  • ナレーター、ウルトラマンティガ(声)、通信の声:真地勇志

※クレジット順

スタッフ

映像ソフト化

  • VHS(セル、レンタル共通)は2001年1月25日発売。この日は偶然にもウルトラシリーズと関わりの深い円谷英二の命日である。
  • DVDは2001年5月25発売。
  • 未公開シーンを追加した完全版のDVDは2004年11月26日発売。
  • 2007年11月26日発売の「ティガ ダイナ ガイア メモリアルボックス ザファイナル」及び2014年9月24日発売の「ウルトラマンティガ Complete Blu-ray BOX」に上記の完全版が収録。

脚注

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参考文献

関連項目

テンプレート:ウルトラシリーズ
  1. 1.0 1.1 『テレビマガジン特別編集 平成ウルトラビデオ全集』(講談社)P. 84。
  2. 『週刊 ウルトラマンオフィシャルデータファイル』トピックスより。
  3. 『テレビマガジン特別編集 平成ウルトラビデオ全集』(講談社)P. 85。
  4. 『テレビマガジン特別編集 平成ウルトラビデオ全集』(講談社)P. 29.