イーネット

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イーネットのATM

株式会社イーネット英称E-net Co., Ltd.)は、コンビニATMイーネットE-net)」を運営する企業。

概要

コンビニエンスストアにおけるATMの保守管理、ATMに関する事務受託業務等を主たる業務として設立。コンビニだけでなく、従来の店舗外共同ATMについてもアウトソースを請け負う。全国の都市銀行信託銀行地方銀行第二地方銀行やコンビニエンスストア、リース会社などの共同出資により設立された。

銀行をはじめとする金融機関ATM管理を主たる業務とするが、あくまでも金融機関のアウトソースを請け負うのみであり、セブン銀行イオン銀行のようにイーネット自身が預金融資などの金融業務を行うわけではないため、業種としては金融業ではなくサービス業に位置づけられる(これは、同業他社のローソン・エイティエム・ネットワークスゼロネットワークスと同様)。

主な出資企業一覧

イーネットに出資した主な企業の一覧(2013年6月現在)[1]。※印は、イーネットに出資しているものの、2013年6月現在未提携(提携予定を含む)の金融機関。

※これまでみちのく銀行も同社に出資していたが、すでに出資分を引き揚げている。

沿革

イーネットのATM

2014年3月31日現在、鹿児島県を除く46都道府県に13,000台のATMを設置している[2]。ただし、先述のイーネットの出資企業には鹿児島県を本拠とする鹿児島銀行が含まれているものの、同行はイーネットとの提携の動きが見られない。なお鹿児島県においては、通常イーネットが設置されるコンビニエンスストアであるファミリーマート(エリアフランチャイズである南九州ファミリーマートが展開)の235店舗(同県内全店舗。店舗数は2014年3月31日現在)、エブリワン(エリアフランチャイズであるココストアウエストが展開)の離島の4店舗(店舗数は同上)に鹿児島銀行のATMが設置されている。

また、鹿児島県以外の都道府県においても、イーネットATMではなく自前の金融機関のATMを店内に独自に設置している場合、あるいはイーネットATMと自前のATMを併設している店舗もある(一部のファミリーマートミニストップセイコーマートポプラセーブオンなど)。

入出金に利用できるカード、利用時間、手数料などの詳細については、ATMご利用案内(イーネット公式サイト)を参照のこと。

地元金融機関以外による管理

イーネットATMが設置されている地域のうち、地元に本拠を置く地方銀行が現時点では未提携であり、その地方銀行に代わって、都市銀行各行や他の都道府県の地方銀行などによって設置されている地域がある。当然ながら、これらの地域では地元に本拠を置く地方銀行第二地方銀行のキャッシュカードによる出金については、イーネット提携外金融機関(MICS)扱いとなる(一部例外あり)。

2014年4月23日現在、このような事例に該当する地域は以下の通り(台数は2014年3月31日現在)。

以下の各都道府県の一部の店舗で、各地元の地方銀行・第二地方銀行がイーネットと提携する以前に、隣県の提携済みの都市銀行・地方銀行・第二地方銀行によって設置されている。

また、かつて同様の取り扱いをしていた事例として以下の地域がある。

  • 宮城県(250台)…かつては機種によりみずほ銀行・三菱東京UFJ銀行のいずれかが管理していた(2009年1月21日7:30をもって全機種(当時は136台)を七十七銀行管理に転換)。
  • 長野県(116台)…かつては機種によりみずほ銀行・三井住友銀行・りそな銀行のいずれかが管理していた(2014年4月23日7:00をもって全機種(当時は116台)を八十二銀行管理に転換)。
  • 山梨県(86台)…かつては機種によりみずほ銀行・三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行のいずれかが管理していた(2008年11月17日8:00をもって全機種(当時は10台)を山梨中央銀行管理に転換)。
  • 山口県(85台)……かつては全機種が広島銀行管理だった(2010年8月23日8:00をもって全機種を山口銀行管理に転換)。
  • 香川県(101台)…かつては全機種が中国銀行管理だった(2008年1月7日7:00をもって全機種(当時は66台)を百十四銀行管理に転換)。
  • 福岡県(520台)…かつては機種によりみずほ銀行・東京三菱銀行(当時)のいずれかが管理していた(2005年7月15日8:00をもって全機種(当時は24台)を福岡銀行管理に転換)。

なお、これらのいずれにもあたらない事例として、富山県(97台)内において、一部を北國銀行が管理をしている。

その他特記すべき事項として、みちのく銀行との提携解消が挙げられる。イーネットはかつてみちのく銀行と提携していたが、同行の都合により2005年7月31日をもって提携解消し[7]、翌8月1日以降は同行のキャッシュカードはMICS扱いでの利用に変更されている。イーネットとしては初めての提携解消で、現在のところ唯一の提携解消である。なお、みちのく銀行は提携解消後もしばらくはイーネットに出資していたが、現在は既にイーネット社の株式を売却している。青森県内の金融機関では青森銀行がイーネットと提携を行っている。

ATM納入会社

イーネットATMの設置箇所

テンプレート:独自研究

コンビニエンスストア

ファミリーマート
鹿児島県内の南九州ファミリーマート運営店舗を除く全国の店舗に設置。
am/pmから転換された店舗の多くではアットバンクATM(三井住友銀行または西日本シティ銀行管理)が継続して設置されている。なお、三井住友銀行管理分のアットバンクATMについては、契約満了に伴い、2014年12月末までにゆうちょ銀行ATMに転換される予定である。
サークルKサンクス
サークルKサンクスの子会社であるゼロネットワークスの展開するゼロバンクATM(大垣共立銀行管理)およびBankTimeATM(りそな銀行など管理)の設置されていない店舗に設置されている。特にサークルKサンクス出店地域のうち、静岡県三重県(かつては三重銀行管理ゼロバンクATMが設置されていたが、2013年11月30日までにすべて撤去された)ではゼロバンク・BankTimeとも展開していないことから、ほぼ全店にイーネットATMが設置されている。また、ゼロネットワークスによるATM展開以前にイーネットATMが設置された一部の店舗は継続設置されている。
ミニストップ
イオン傘下のコンビニであるが、同じイオングループのイオン銀行のキャッシュカードは当初利用できなかった。当初、ミニストップにイオン銀行ATMが設置されたのは、プラザ24神田錦町1丁目店(東京都千代田区神田錦町1丁目。登記上の本店でもある)及びイオンタワー店(千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目、同行ATMイオンタワー1F出張所とは別途設置)のみに留まっていたが、2008年3月24日以降、静岡県内の店舗で同行ATMの本格的な設置が始まったのを皮切りに、各地でイーネットATM未設置及び新規開店店舗へのイオン銀行ATM設置が増えている。ただし、高速道路のサービスエリア・パーキングエリア内の店舗については最近でもイーネットATMが新規に設置されている(特に東名高速道路と常磐自動車道ではイーネットATMが多く設置されている。)。
イオン銀行のイーネットとの接続提携については2011年4月18日08:00(JST)から開始したが、入金・出金共に手数料がかかる[8](提携当初は出金のみ利用可)。同行は統合ATMスイッチングサービスMICSとは異なるネットワーク回線が使われているため、イーネット利用提携開始までの間はイオン銀行提携済み、且つイーネット接続金融機関の管理機でもイオン銀行のカードは利用できなかった。
なお、2013年4月から順次、ミニストップ設置のイーネットATMを順次撤去することが明らかになっている[9]
スリーエフ
2006年12月より、関東地方の一部のイーネットATM未設置店舗にスルガ銀行単独によるタウンネットワークサービスATMを設置してきた(無料時間帯で利用できるのはスルガ銀行とイオン銀行のみ)が、現在は撤去されイーネットに転換されている。
ポプラ
ココストアグループ
ココストア、エブリワンの一部店舗に設置されている。
コミュニティ・ストア
セーブオン
当初は群馬県栃木県茨城県のごく一部の店舗に限られていたが、2012年以降新潟県佐渡島の店舗を中心に設置拠点を拡大。
デイリーヤマザキ
東北を除く一部店舗。首都圏、京阪神などの一部の店舗ではイーネットATMでなく、新生銀行の新生デイリーバンクATMや、東京スター銀行ATM、ゆうちょ銀行ATMが設置されている場合もある。
セイコーマート
北海道内の一部店舗のみ、それも大量に設置されている地域は札幌市と札幌市郊外の一部に限られる。札幌以外の都市には設置されていない場合が多い。
NEWDAYS
一部の店舗ではイーネットATMでなく、みずほMMKが設置されている。
シダックスアイ
上記の他、かつては新鮮組本部とローソンのメガFC契約に伴う新鮮組およびジャストスポットからローソンへの店舗ブランド切り替え店舗の一部に設置されていたが、現在はすべてローソンATMに転換されている。

コンビニエンスストア以外

上記のコンビニの他、複数の金融機関の共同ATMに換える形で設置される事例がある。設置される場所としては主に下記の通り。なお、これらの場所では共同ATMや各金融機関のATMコーナーが置かれることが基本であり、すべての店舗にイーネットATMが設置されるわけではない。

ATM管理受託業務

同社は2001年9月より、東京三菱銀行(当時)から簡易型ATMによる店舗外コーナー運営を受託し、現在概ね大学・病院などの施設内である53箇所(2006年11月時点)において三菱東京UFJ銀行ATMとして営業している(旧東京三菱店ATM)。

脚注

  1. イーネット社 出資企業一覧より
  2. テンプレート:Cite web
  3. このうち、常陽銀行管理分では郡山市内・いわき市内の一部店舗のみ。
  4. ファミリーマート新宿靖国通り店(新宿区)・ファミリーマート池袋グリーン大通り店(豊島区)のみ(いずれも常陽銀行の支店が入居するビルにあるため)。
  5. ファミリーマート田辺草内店(京田辺市)、ライフ寺田城陽市
  6. 熊本県内ではこれまで旧熊本ファミリー銀行(現・熊本銀行)が福岡銀行経由扱いでイーネットとの直接提携を行なっていたが、2009年1月4日07:00より福岡銀行経由の接続から当行完全直接接続に変更された。このため、同行ではイーネットの管理機を設置していなかったが、それ以降は熊本県に所在していた福岡銀行管理のイーネットを熊本ファミリー銀行管理に切り替えた。
  7. みちのく銀行はイーネットとの提携を終了 - みちのく銀行ニュースリリース2005年6月10日(インターネットアーカイブ)
  8. テンプレート:Cite press release
  9. テンプレート:Cite press release
  10. LANsの展開がイーネットより後だった地域(群馬県茨城県静岡県)に設置。
  11. テンプレート:PDFlink
  12. ハウステンボスのイーネットATMは親和銀行の店舗外ATMから転換したもの。
  13. 中山競馬場の設置分は4台すべてが管理行が異なる(三菱東京UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行・千葉銀行)。東京競馬場の4台と、京都競馬場3台は三菱東京UFJ銀行管理に統一されている。なお、阪神競馬場ではりそな銀行の出張所として銀行ATMが設置されている。

関連項目

外部リンク

テンプレート:日本のコンビニATM テンプレート:日本アイ・ビー・エム