ヒジュラ暦

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ヒジュラ暦(ヒジュラれき、英語:Hijri calendar、Islamic calendar、Muslim calendar)、ヒジュラ紀元(ヒジュラきげん)は、主にイスラム教社会で使われている暦法および紀年法である。イスラム暦(イスラムれき)と呼ばれることも多い。ヨーロッパではテンプレート:Lang-laを略してA.H.と表記する。

概要

第2代正統カリフウマル・イブン・ハッターブが、預言者ムハンマドマッカからマディーナ聖遷(ヒジュラ)したユリウス暦622年を「ヒジュラの年」と定めヒジュラ暦元年とする新たな暦を制定した。なお、ヒジュラがあったとされる正確な日付は同622年7月16日ユリウス通日1948439日)である。

ヒジュラ暦は太陰暦で、約29.5日である朔望月に合わせて、1か月が29日の小の月と30日の大の月という大小月をおおむね交互に繰り返す。従って1年はおおむね354暦日となるので、1年ごとに11日ほど太陽暦とずれる。そして、ヒジュラ暦は純粋太陰暦なので、日本の旧暦のような太陰太陽暦と異なり、閏月を置かず季節ないし太陽暦とあわせることをしない。

このように、季節を反映しないので、農事暦財務暦としては不向きで、ルーミー暦(ユリウス暦をベースにした暦)などによって補われることもあった。現代ではイスラーム圏でもグレゴリオ暦が併用されていることが多く、イランアフガニスタンなど、紀元をヒジュラ暦元年に置く太陽暦であるヒジュラ太陽暦(主にイラン暦と呼称される)を併用する地域もある。

グレゴリオ暦 (AD) からヒジュラ暦 (AH) への簡易換算式は AH=(33/32)×(AD−622) で、ヒジュラ暦 (AH) からグレゴリオ暦 (AD) への簡易換算式は AD=622+(32/33×AH) である[1]。グレゴリオ暦の2000年はヒジュラ暦では1421年に相当する。

サウジアラビアなどヒジュラ暦を公式の暦としている国では特許や著作権など法制度上の有効期限がグレゴリオ暦で数えた場合よりも短くなる。たとえば特許が15年間有効とした場合、グレゴリオ暦のそれよりも特許の有効期限が165日ほど短くなる。

月名

1か月の長さと置閏

朔望月の長さには摂動があり、またその平均は29.5日よりもわずかに長い。

そのため、ヒジュラ暦のような純粋太陰暦では、暦上の月の長さを観測により調節するか、平年の長さを354日として、もう1日(閏日)を置いた閏年を30年に11回置き、朔望月との調整を図る。

ヒジュラ暦におけるイスラム教の祭礼

備考

脚注

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外部リンク

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  1. ハワード・R・ターナー「図説科学で読むイスラム文化」