アーネスト・シャクルトン

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アーネスト・シャクルトンの像

アーネスト・ヘンリー・シャクルトンSir Ernest Henry Shackleton、1874年2月15日 - 1922年1月5日)はアイルランド生まれの探検家である。1914年南極を目指す航海の途上で氷塊に阻まれ座礁、約1年8ヶ月に渉る漂流の末、生還したことで知られる。

経歴

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彼の経歴において、探検そのもの以外で非常によく知られているものに、以下に示す南極探検の同志を募るために出した募集広告がある。 テンプレート:Quotation 彼のこの呼びかけに対して名誉と賞賛のみを求めて集まったものが5000名以上にのぼった、ともされている。しかし、ケリー・テイラー=ルイス(『シャクルトンに消された男たち: 南極横断隊の悲劇』の著者)が現物を捜索したところ、1913~1914年のロンドンの新聞には掲載が確認できなかったという。この広告に関しては現在も議論が続いている[1]

1902年ロバート・スコット第一回南極探検隊に参加した。この探検行で、スコットらと共に南極点到達を目指すが、残り733kmの地点で断念を余儀なくされた。病気によって犬ゾリの引き犬を全て失う、シャクルトン自身も壊血病に倒れるなど、惨憺たる結果に終わった。

1909年、自ら南極探検隊を組織した(ニムロド遠征)。ポニーが引くソリで南極点到達を目指すが、食料の欠乏のため、南極点まであと180kmまで迫った地点(南緯88度23分)で引き返している。最後は飢餓で全滅寸前の危機に陥りながらも無事に帰還。この探検行で前人未踏の地点まで到達したことが評価され、帰国後ナイトを叙勲している。なおこの探検では分遣されたメンバーが南磁極への到達とエレバス山の初登頂に成功している。

ロアール・アムンセン1911年に南極点到達を果したことから、シャクルトンは目標を南極大陸横断に切り替え、1914年テンプレート:仮リンクにて南極に向け出航した(帝国南極横断探検隊)。南極大陸まで320kmの点で氷塊に阻まれ、身動きが取れなくなる。10ヶ月ほど氷塊に囲まれたまま漂流を続けたが、氷の圧迫でエンデュアランス号が崩壊を始めたため、船を放棄し、徒歩にて(そして、氷山が溶けてからはボートにて)氷洋上を踏破し、約500km先のエレファント島に上陸した。そこから分遣隊を率いて救命ボートで航海を行い、約1300km先のサウスジョージア島に到達。登山道具も満足に無い状態でさらに山脈を越えて漁業基地に到達し救助を求めた。その後貸与された救助船の損傷や接岸失敗などの困難に見舞われたものの、ついに全隊員の救出に成功した。約1年8ヶ月にわたる漂流にも関わらず、27名の隊員と共に、1人も欠けることなく生還を果している。 当初の探検目的は果たせなかったものの絶望的な状況下において隊員の希望を失わせず、かつ、冷静な判断と決断力で奇跡ともいえる全員帰還を成功させたことで、優れたリーダーとして今でも称えられている(ただし、南極大陸の反対側に派遣したロス海支隊は3名の死者を出している)。

1922年1月5日、新たな南極探検に向かう途上、サウスジョージア島心臓発作にて急逝した。墓はサウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島サウスジョージア島最大の停泊地・グリトビケンにある。

2010年2月5日、ニュージーランドの南極歴史遺産トラストのチームによって彼が1908年に建てた小屋の床下から、氷の層に覆われたウイスキーと書かれた木箱3つと、ブランデーと書かれた木箱2つが取り出された[2]

記念

シャクルトンに因んだ名称として、イギリス空軍の哨戒機アブロ シャクルトンや、調査船アーネスト・シャクルトンがある。また1994年には月の南極近くのクレーターシャクルトンが命名された。

フィクション

脚注

  1. http://www.antarctic-circle.org/advert.htm
  2. テンプレート:Cite news

参考文献

  • アルフレッド・ランシング、『エンデュアランス号漂流』、新潮社、1998年。 ISBN 4-10-537301-3
  • A・チェリー・ガラード、『世界最悪の旅 悲運のスコット南極探検隊』、朝日新聞社、1993年。 ISBN 4-02-260744-0 C0126 P1300E
  • ジェニファー・アームストロング『そして、奇跡は起こった!―シャクルトン隊、全員生還 』、評論社、2000年。ISBN 978-4566052673
  • アーネスト・シャクルトン『南へ―エンデュアランス号漂流』、ソニー・マガジンズ、1999年。ISBN 978-4789713481
  • ケリー・テラー=ルイス 『シャクルトンに消された男たち~南極横断隊の悲劇~』、2007年。文藝春秋。ISBN 978-4-16-369390-3

関連項目

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