アーガマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

アーガマ (Argama) は、アニメ作品群「ガンダムシリーズ」のうち、宇宙世紀を舞台にした作品に登場する架空の艦艇。艦名はサンスクリット語で「伝承」を意味し、上座部仏教の経典『阿含経』を指す。

概略

アーガマ級強襲巡洋艦の1番艦。反地球連邦組織エゥーゴの象徴としてグリプス戦役第一次ネオ・ジオン抗争で活躍した。ホワイトベースを参考にして建造され、モビルスーツ(MS)の搭載・運用能力を重視している。当初は「ホワイトベースII」の名称だったが、アナハイム・エレクトロニクス会長メラニー・ヒュー・カーバインにより「アーガマ」と命名された。

MS運用能力
MSは8機搭載可能。二層式のMSデッキをもち、開放型のカタパルトデッキを両舷に1基ずつ有している。艦内デッキにおいて整備なども可能で、巡洋艦としては異例ともいえる、高いMS運用能力を持つ。[1]
武装
主砲 : 前部上面中央に1門、前部下面左右に1門ずつ、後部上面中央に1門の計4門。砲塔の大きさに比較して砲身がかなり長いのが特徴。
副砲 : 4門。主砲下部に砲身らしきものがあり、これが副砲ともいわれるが詳細は不明。
メガ粒子砲 : 左右1門ずつ、計2門。普段はシャッターで格納されている。ホワイトベース同様、砲身は装甲がなくむき出し状態だが、砲口は1つのみ。後の改修でハイパー・メガ粒子砲に改修された。
ミサイルランチャー : ブリッジ後部に1基。
居住ブロック
居住ブロックは船体の外部に設置され、非戦闘時には専用アームで延ばして船体を中心に回転させることで、遠心力による擬似重力を発生させるという特徴を持ち、居住性を高めている。また戦闘時には艦中心部に対する盾の役割も果たす。また、被弾率の軽減のため、戦闘時にはブリッジ全体を船体に引き込み、格納する。

改修

武装は様々なものを搭載しているが、前述のようにあくまでMS母艦としての運用を前提とした設計志向だったため、艦単独での火力が不足しているのが弱点だった。ティターンズとの決戦後はエゥーゴの保有する機動兵器数が減少し、アーガマ自体、一時はΖガンダムメタスの2機だけという状況だったために火力の強化が必要になり、ラビアンローズにおいてハイパー・メガ粒子砲(ハイメガ粒子砲)を装備する改修が行われている。その威力はスペースコロニーを一撃で破壊するほどで、ジュドー・アーシタに「まるでコロニーレーザーじゃないか」と言わしめた程である。
第一次ネオ・ジオン抗争時においてネオ・ジオン艦隊追撃のため、大気圏突入前に重力下での運用目的でグラナダにて再改修が施され、前述のハイメガ粒子砲に加え、カタパルトデッキのタラップ増設、ミノフスキー・クラフト・システム、対空(対MS)レーザ砲、等各種装備が追加された。便宜上、「アーガマ改」とも呼ばれている。この改装前も、バリュートシステムを備えていたが、これは木星での運用を想定した重力ブレーキが目的の装備であり地球への大気圏突入目的の装備では無く、また地球上・大気圏内での運用は不可能だったテンプレート:要出典。この改装によってバリュートによる大気圏突入やミノフスキー・クラフト・システムにより大気圏内での運用も可能となったが、ホワイトベースと違い、オプション装備なしでの大気圏離脱は不可能である[2]

劇中の活躍

機動戦士Ζガンダム』では、艦長は当初ヘンケン・ベッケナー中佐だったが、後にブライト・ノア中佐に任される。クワトロ・バジーナカミーユ・ビダンなどエースパイロットとZガンダムなどの最新鋭機を有し、エゥーゴの象徴的存在だった。かつての第13独立部隊のように単艦での行動が多かったが、数々の激戦や重要な交渉にも参加し、無事生き抜いている。

機動戦士ガンダムΖΖ』では、ネオ・ジオンダカールへの侵攻を阻止すべく地球へ降下。そのままカラバに委託され、乗組員は宇宙へあがりネェル・アーガマを運用した。その後、本艦については語られない。アーガマは宇宙と地球上の往還能力を持たないらしく、地球に降下した時点で艦長ブライトは「これで、アーガマは二度と宇宙へは戻れないか…」と呟いている。

備考

艦級について
放映時のアニメ誌やムック、プラモデル等での設定はペガサス級だったが、後にアルビオンのような改ペガサス級が出現したことや、元々『MSV』などの設定で準ホワイトベース級サラブレッドが存在していたために、アーガマ級へ変更されたと考えられる。
カラバに委託された後について
角川書店「キャラクターモデル」誌で詳細が示されたMSZ-006C1[Bst]の設定画には、カラバ所属のロゴと共にアーガマ艦載機である事を示す「AG」のコードが機体に描かれているため、この機体の母艦として運用されていたのではないかという解釈が存在する。ただし、『GUNDAM FIX FIGURATION』商品フィギュアでは「AD」の文字に差し替えられている。これをアウドムラ艦載機を指すコードと紹介している資料もあるが、雑誌企画『ガンダム・センチネル』当時のアウドムラのコードは「AE」と定められていたため、謎を含む表記となっている。
プラモデルについて
バンダイからプラモデルとして発売されたガンダムの母艦は2013年現在本艦が最後である。なお、放映当時に1/2200スケールとして、2004年に1/1700スケールとして、2回キット化されている。2006年には、1/1700スケールのキットにメッキ部品を用いた特別仕様が発売されている。

同型艦

発展系として戦闘能力などを強化したアイリッシュ級がある。

ペガサスIII

雑誌企画『ガンダム・センチネル』で登場した2番艦。地球連邦軍所属で艦籍番号CVW-07。α任務部隊の旗艦としてペズンの反乱の鎮圧に活躍した。外観や能力は初期状態のアーガマとほぼ同じだが、ブリッジや居住ブロックは戦闘位置で固定になっている。

乗組員

艦長

ブリッジ要員

パイロット

グリプス戦役時期
第一次ネオ・ジオン抗争時期

メカニック

その他

艦載機

グリプス戦役


第一次ネオ・ジオン抗争

注釈

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:宇宙世紀en:Argama class cruiser (Gundam)
  1. (比較対象として、サラミス改級巡洋艦はカタパルト1基、MS3~4基搭載可能)
  2. 同型艦のペガサスIIIはブースターを使用して大気圏離脱している。