アルバータ州

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テンプレート:基礎情報 カナダの州 アルバータ州テンプレート:Lang-en-short)は、カナダ。カナダ西部に位置する、プレーリー3州のひとつである。西にブリティッシュコロンビア州、東にサスカチュワン州、北はノースウエスト準州、南は北緯49度アメリカの国境モンタナ州と接している。

州都は中央部に位置するエドモントンで、オイルサンドのほか、北部の鉱物資源産業の主要な供給基地になっている。州内の最大都市であるカルガリーは物流と交通の要所であり、カナダを代表する商業都市であり、石油産業の中心地。2都市はともに都市圏人口が100万人を超えている。

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歴史

主要記事:History of Alberta

1670年に「ハドソン湾会社」が創設された当初は、北緯53度まではルパート・ランドの一部だった。17世紀中頃より欧州人が探索し始め、プレーリーの西部にフランス系の移民が入植し始めた。

1870年代にはカナダ・パシフィック鉄道(CPR)が開通し、地方政府が1875年に創設された。その後この地域はいくつかの地域に分割されたが、その一つが、ヴィクトリア女王アルバート公の娘のルイーズ・キャロライン・アルバータ王女の名前にちなんで、「アルバータ」と名付けられた。1867年にカナダ自治領(Dominion of Canada)、つまり連邦政府が創設された時点ではまだアルバータはそれほど発展していなかった。アルバータがカナダ自治領に加入したのは、1905年であった。

地理

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レイク・ルイーズ近郊に位置する氷河湖、モレーン湖

アルバータ州はカナダ西部に位置し、面積は 661,190km2(255,287mi2)。日本の国土のおよそ1.75倍に相当する。南はアメリカとの国境、北緯49度線でモンタナ州と接している。東は西経110度でサスカチュワン州と、北緯60度ノースウエスト準州と接している。西にはブリティッシュコロンビア州があり、州境はロッキー山脈に沿って北西にあがり、北西付近からノースウエスト準州までの西経120度線を州境とする。最高標高はブリティッシュコロンビア州との州境にあるコロンビア山で、高さ3,747mある。

南東部のエリアを除き、州内は川や湖が多く水資源が豊富で、水泳水上スキー魚釣りなどウォータースポーツが盛んである。州内には3つの大きな湖があり、ウッドバッファロー国立公園内のアサバスカ湖(7,898km²、琵琶湖のおよそ12倍の面積)と、アサバスカ湖のすぐ西部のクレア湖 (1,436km2)、エドモントンの北西にあるレッサー・スレーブ湖 (1,168km2) とがある。

南北で1,200km、東西の長さは最も広いところで600kmあり、北緯49度と北緯60度では気候が大きく異なる。標高も高原地帯は州南部の1,000m(カルガリーは1,000〜1,200m、レッドディアでおよそ850m)から北部に向かって650mまである。西部のロッキー山脈が壁になり、東部にはプレーリーが広がっていることから、気象もまた地形の影響を受けやすい。

気候

州北部の多くは針葉樹林が広がっており、ステップ気候の南部と比べ森林が多い。南部は夏が暑く、他の州よりも降水量が少ない。西部の気候は山脈に囲まれていることから比較的穏やかで冬のチヌーク風フェーン現象)の影響を受け、暖かいことも多い。南東部は平坦で乾燥したプレーリーが広がっているため、寒暖差が激しい。気温は冬季は -35℃(-31°F)になることもあれば、夏季は 38℃(100°F)になることもあるなど、季節によって気温が大きく変化する。

針葉樹林とプレーリーの境にあたる北西部にはアスペン(ポプラの一種)が多く分布している。州内の中央付近は、オンタリオ州南部に次いで竜巻の多い地方である。夏には激しい雷雨が発生しやすく、特に州の中央と南部で見られる。カルガリー・エドモントン街道周辺では、ロッキー山脈の影響を受けるため、カナダ国内で最もの発生率が高い。

冬は全般的に寒く、平均気温は比較的温かい州の南部でも -10℃(14°F)、州の北部に至っては -24℃(-12°F)である。ロッキーの麓ではシヌーク(ロッキー山脈を越え東に吹く風でフェーン現象をもたらす)のために寒さが和らぐことがときおりあり、この現象は2月から3月に多く見られる。短時間で気温が上がることもあり、20℃(68テンプレート:°F) を越えることもしばしばある。夏の平均気温はロッキー山脈(谷間)および北部の 21℃(70テンプレート:°F) から南東部の乾燥したプレーリーでは 30℃(86テンプレート:°F) 近くになる。乾燥した気候を受け年間日照量が多く、州東部はカナダ国内でも最も年間日照時間が多い地域で、平均2,500時間を越える。

人口動勢

主要記事:Demographics of Alberta

近年の経済発展を受け、人口は高い成長率を見せており、国内外からの流入も多い。2005年統計で州人口はおよそ330万人で、都市部の人口は81%に上る。カルガリー、エドモントンを中心に各都市で高い成長が見られ、1901年には人口7万3,022人だったのが2006年には337万5,763人にまで増加した。

民族構成は27.66%がカナダ人で、以下イギリス系(25.61%)、ドイツ系(19.60%)、スコットランド系(18.92%)、アイルランド系(15.68%)、フランス系(11.31%)、ウクライナ系(9.71%)と続く。

アルバータ人の多くはキリスト教徒であり、福音派の割合が他州よりも多い傾向にある。反対に無宗教派の割合も多く、国内ではブリティッシュコロンビア州に次いで割合が高い。モルモン教徒は南部に多く、フッター派再洗礼派の流れを汲むメノナイトのほか、第7安息日再臨派の数が多い。ウクライナなど、東ヨーロッパからの移民が多いことから、この地域の宗派も見られる。

ヒンドゥー教徒シク教徒イスラム教徒なども存在し、北米で最も古いモスクがエドモントンにある。また、州内のユダヤ教徒の多くがカルガリーやエドモントンに存在する。

主な都市

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ジャスパー

アルバータ州の地方行政区を参照のこと。

経済

主要記事:Economy of Alberta

主な産業は、石油鉱業農業畜産業、そして観光である。石油による収益が大きいため、カナダの財貨サービス税(GST)が導入される以前は、商店での買い物には税金がかからなかった。

石油産業の発展は、1914年に最初の油田が発見されたことが端緒となった。第二次世界大戦後には新鉱区が発見。一気に油田地帯として注目を浴びるようになった。近年はオイルサンドを採掘して得られる重質油が主力になっている。一部鉱区では、日本の石油資源開発の子会社のジャパン・カナダ・オイル・サンズ(JACOS)がオペレーターになっているほか、開発に携わっている。

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フォートマクマレーのオイルサンド採掘場

交通

行政

主要記事:Politics of Alberta

教育

大学

主要記事:Education in Alberta

文化

主要記事:Culture of Alberta

スポーツチーム

など

観光

主要記事:Tourism in Alberta

世界遺産

博物館

姉妹・友好提携地域

脚注

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外部リンク

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