アクチノイド

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ランタノイド
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アクチノイド (Actinoid) とは、原子番号89から103まで、すなわちアクチニウムからローレンシウムまでの15の元素の総称である。

命名

アクチニド(Actinide、アクチナイドとも)と呼ぶこともあり、またランタノイドと同様に、最初と最後に当たるアクチニウムとローレンシウムの一方または両方をアクチノイドの範囲から除いて呼ぶこともある。IUPAC命名法ではアクチニウムとローレンシウムも含めて「アクチノイド」としており、本項もそれに倣う。

マイナーアクチノイド

アクチノイドに属する超ウラン元素のうちプルトニウムを除いたものをマイナーアクチノイド (Minor actinide) もしくはマイナーアクチニドと呼ぶ。使用済核燃料に含まれ、放射性廃棄物処理を考える上で大きな問題となる。

性質

全てが放射性元素で、半減期が短いものが多い。トリウムウランには半減期が数億年以上の長命な同位体が存在するためにまとまった量が天然に存在するが、他の元素は天然には全くまたはごく僅かしか存在せず、ほとんどが人工的に作られたものである。特にウランより重いネプツニウム以降の元素のことを超ウラン元素といい、ほぼ自然界には存在しない。このため物理的、化学的性質の詳細はとりわけ不明な部分が多い。

アクチノイドの電子配置
軌道 1s-5d 5f 6s 6p 6d 7s 7p
Fr [Rn] [Rn] 1
Ra 2
Ac 1 2
Th 2 2
Pa 2 1 2
U 3 1 2
Np 4 1 2
Pu 6 2
Am 7 2
Cm 7 1 2
Bk 9 2
Cf 10 2
Es 11 2
Fm 12 2
Md 13 2
No 14 2
Lr 14 2 1
Rf (不明)

アクチノイドは、5f軌道の電子が詰まり(占有され)始める元素のシリーズで、4f軌道が詰まり始めるランタノイドと化学的性質が類似する。ただし電子の詰まり方はランタノイドとはやや異なり、アメリシウムより軽い方の元素では6d軌道にも電子が入り込む。そのため、ランタノイド及びアメリシウムより重いアクチノイドでは典型的な原子価が3価であるのに対して、アメリシウムより軽い方では3-6価の原子価を取る。またローレンシウムで5f軌道を充填した次の電子は、ルテチウムと異なり6d軌道ではなく7p軌道に入る。この理由はよくわかっていない。

ランタノイド収縮と同様に、アクチノイドも内側の5f軌道が先に詰まっていくため、原子番号が大きくなるほど原子半径イオン半径が短くなる(アクチノイド収縮)。

アクチノイドの化合物の中には、フェルミエネルギー上の電子の有効質量が自由電子のものより2、3桁も大きい、重い電子系(Heavy fermion)と呼ばれる性質を持つものがある。

5f、6d、7sなどの外側の軌道は、相対論効果の影響も受ける(例:スピン軌道相互作用←d軌道やf軌道に対して)。

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